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第7章 新たな進化

1話 ミレーヌからとんでもない発言

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 ミトンの町から、視察団が引き上げ更に教会は有名な名所となり、いろんな場所から人が集まってきていた。

「これが、聖教国の教会より、立派な大聖堂か」
「確かに一度は拝まないと勿体ない名所の一つだ」
「本当に、女神様が神々しいですわ」
「ほら、みんなでお祈りを上げよう」
「「「「はい」」」」

 司教達、聖教国の視察団が来たことで遠くの聖都にある大聖堂に行くより、ミトンの町の教会が立派だと噂が一人歩きをしているようだ。
 実際のところ、ミトンの町の教会の方が格段に立派な大聖堂だった。その為、王国領に住む権力者達は、ミトンの町にお祈りにきていた。

 そして、視察団は航路を使いできるだけ聖都に帰還した。司教達は、教皇と聖女にミトンの町の教会や周辺地域の事を報告したのだった。

 司教達は、教皇と面通しをしていた。教皇は威厳があり、直接顔は見れないようにカーテンでしきられ会話だけできた。

「それでミトンの町の教会はどうであった?」

「それは素晴らしいものでした。あのような神々しい女神神像は見たことがありません」

「そうか。視察ご苦労であった。下がってよい」

「教皇様。少しお待ちください」

「なんだ?まだなにかあるのか?遠慮なく申せ」

「はい。確かにミトンの町の大聖堂は、聖都の大聖堂より格段に立派なものでした。しかし、ヒロトシ様に受注はやめておいた方がよろしいかと」

「何を言っておる?聖女様が聖教国の改装を、女神様からの啓示で聞いたのだぞ」

「それは確かにそうなのですが、ヒロトシ様を聖教国に関わらすと大変な事になるかと・・・・・・」

 司教達は、視察で見てきた事を詳細に教皇に伝えたのだ。

「フム」

「確かに、聖教国にはヒロトシ様の研磨の技術が入る事で大聖堂はまた大陸でその栄光を取り戻せるでしょう!本当におそれ多いのですが、ヒロトシ様は教皇様を立てることはまずしないでしょう」

「なに?私は、人類の先導者なるぞ!」

「申し訳ありません!信じられぬ事に、ヒロトシ様となる人物はロドン王国国王ローベルグ様に対しても、対等な立場を貫き、その地位を確立しております」

「ローベルグと一緒にするでないわ!あやつは王国のトップだが、私は人類全てのトップだ!」

「それは当然でございます。しかし、ヒロトシ様の常識は私達にとっての非常識でございます」

「非常識ならば正せばいいだけではないか」

「それが、いろいろ聞いた事をまとめると信じられない事に、ヒロトシ様の非常識が全部通っているのです」

「そのような馬鹿な事がありえるのか?」

「はい・・・・・・なので、依頼を出したら聖教国の常識が覆される恐れがあります」

「ヒロトシの常識とは、どういうものだ?」

「わかった事は、平民あっての貴族・・・・・・聖教国では、聖職者だという事です」

「なんだと?」

「つまり、我々は平民達の税金のおかげで生活ができている。税金は平民達の為に使わねばならないと考えです」

「なっ・・・・・・」

「そして、ヒロトシ様に改装工事の依頼を出しても教皇様とヒロトシ様の立場は対等であり、交渉をさせてもらうと・・・・・・」

「私と対等の立場だと・・・・・・・無礼者が!」

「申し訳ありません!」

 教皇は、司教の説明に顔を真っ赤にして激昂したのだった。



 時は遡り、聖教国の視察団がミトンの町を離れた頃、ヒロトシは教会にお祈りをしていた。ヒロトシは、また天界にやってきていた。

「ヒロトシ様、どういう事ですか?」

「ミレーヌさん、それはこっちのセリフだよ」

「うっ」

「俺を聖教国に巻き込ませようとしたでしょ?どういうつもりですか?」

 女神ミレーヌは、ヒロトシの言葉に頬を膨らませていた。

「そんな顔してもごまかせないですよ」

「ヒロトシ様!どうかお力を貸してください!」

「最初からそう言えばいいんですよ。巻き込ませようとして、聖教国をなんとかしようとしたんですよね?」

「はい・・・・・・」

「何でそんなことを?」

「だって、ヒロトシ様はロドン王国を変えてしまったではありませんか?」

「そりゃ、俺が住む王国領だからだよ。貴族や悪徳商人が横行されたら住みにくいからだよ」

「その力を聖教国でも奮って欲しかったのです」

「面倒臭いから嫌なんだよ。俺はミトンの町でのんびり生活ができているんだからさ」

「それはそうなんですが、教皇の力が強すぎて平民達が奴隷のように・・・・・・」

「どうせ、回復能力であこぎな商売している、名ばかりの聖職者ばかりなんだろ?」

「はい」

「それで、錬金術師もポーションでボロ儲け?」

「うううう」

「はぁあ・・・・・・やだやだ。せっかく、王国がなんとかなるかと思えば、今度は聖教国で医療の関係の金の亡者達かよ」

「聖女は違います!」

「違っていたとしても、俺から言わせれば力なき正義は無力だね」

「それはそうなんですが・・・・・・」

「地球にいた頃の俺みたいだよ。親会社の言いなりで安く雇われ休みなく働かされ、何のために働いているか全然分からなかったよ」

「だから、ヒロトシ様に聖教国をなんとかして欲しかったのです」

「だったら、あんな回りくどい事しなくてもいいでしょ」

「でも・・・・・・」

「まさか、女神様が報酬をけちったとかいわないでしょうね?」

「それはそうなんですが、ヒロトシ様にお金は必要ないでしょ?」

「だったら、前みたいにスキルとか用意してもいいでしょ?」

「そ、それは・・・・・・」

「駄目なんですか?」

「駄目ではないのですが・・・・・・」

「なんですか?はっきり言って下さいよ」

「ヒロトシ様は強すぎてですね。進化してしまうかも?」

「はっ?進化ってどういう事?」

 女神ミレーヌからとんでもない発言がとびだしたのだった。
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