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第6章 研磨という職
53話 上下関係
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ローベルグ達は、やはりヒロトシ一家をあやつることが出来ないと思った。
聖教国との事で、王都を元に戻し王国の威厳を取り戻せるはずだった。
今はヒロトシの機嫌をそこなわないように、気を使っていた。しかし、今やヒロトシの機嫌をそこねたら、聖教国と交渉した事なんてなかったとして、王都から撤退してしまってもおかしくなかった。
「ちょっと待ってくれ!貴族がまた賄賂をしだすと思っているのか?」
「俺は王国貴族がそこまで馬鹿だとは思ってないですよ」
「我々が馬鹿だと?」
「宰相様、ちゃんと聞いてましたか?思ってないと言ったでしょ?」
「あっ、ああそうか!」
「貴方達は、賄賂をした貴族達を逮捕した人達ですが、贈賄をする貴族は上にあがり野心家です。つまり、下の位に就いている野心家には油断したらいけないと言っているのです」
「しかし、これほど取り締まりを強化しているのに、賄賂をする貴族が出るとは思えんのだが?」
「まぁ、そう思うのならいいかと。俺は多少の事は目をつむる事はできますが、ビアンカはすでに神の領域に達しているので、人間など屁とも思っていない生き物だと心してくださいね」
「「「「「神の領域だと・・・・・・」」」」」
「ローベルグ様?俺は大袈裟に説明をしている訳じゃないですよ」
「ヒロトシよ。お主は王国にたてつく人間で、それがまかり通る唯一の人間だ」
「「「「「国王!」」」」」
「いったい何を言っているのですか?」
宰相達は、ローベルグが何を言っているのかわからなくて大声を出した。それも当然で、国王が自らヒロトシの方が偉い立場だと言ったのも当然だったからだ。
「わかっている」
「だったら、なぜ王国よりヒロトシの方が偉い立場たなんて事を!」
宰相達は、ローベルグに抗議した。
「わかっていないのはお前達の方だ」
「「「「「そんな事!」」」」」
「王国は、今やヒロトシのおかげで存続している」
「そんな事は」
「では、宰相。一つ聞くがヒロトシがロドン王国から撤退した場合どうなるか想像してみろ」
「うっ」
「まず、サンライトが閉店すれば民衆は王族に不信感を募るだろう。当然だが、今はもうサンライトで働いているビアンカの噂は広まりつつある。ビアンカの役目についてだ」
「しかし、それで国王が自らヒロトシの方が偉い立場と言う必要は!」
「まだわからんのか・・・・・・」
「えっ?」
「ヒロトシの方が偉い立場と言っておけば、貴族が調子に乗る事はない。ヒロトシがそういう事を忠告すると、そういった心配があると言う事だ。もしも、我らの知らぬところで平民達が貴族のせいで不当な扱いを受けた場合どうなるか?」
「国王様は、ヒロトシの方が偉い立場だと言う事で不安要素を取り除こうと?」
「悔しいがその方が効果はある」
「しかし、それでは国王様の順位が最低ではありませんか!私達は、それが我慢ならないのです!」
「余が最低の順位だと・・・・・・」
「だってそうではありませんか!我らの王が、なぜ格下でなくてはならないのですか!それにヒロトシの言い方では、平民達より下ではないですか」
宰相達はローベルグに抗議をした。部下達にとって、ローベルグは国王と同時に英雄だった。その人物が、なぜヒロトシだけでなく平民達にまで気を使わなくてはならないのか納得ができなかった。
その会話を聞いていたヒロトシが、会話に割って入った。
「宰相達、貴方達は何か勘違いしているのですか?」
「「「「「勘違いだと!」」」」」
「何が勘違いだ。ヒロトシ殿に気を使う、これは百歩譲って納得しよう!貴方も国王様の親戚で義理の息子の立場だ」
宰相は顔を真っ赤にして説明を続けた。
「しかし、何で平民達が裕福な生活の為に、なぜ国王様が気を使わなければならないんだ!」
「何を言っている?貴族達は、平民達の税金を貰っているじゃないか?その税金は平民達の為に使うのは当たり前じゃないか」
「その税金で平民達は王国の土地に住まわせて貰っているのだ。税金を払うのは当たり前だ」
「見解の相違としか言いようがないな」
「なんだと!」
「税金は頂いていると考えるものだ。その税金はあんた達の金ではない。平民達がなるべく不自由なく生活が出来るようにする為であって、あんた達が裕福に生活する為じゃない」
「ぐっ・・・・・・」
「しかし、それでローベルグ様が平民達に気を使う必要はありません!」
平民達に、気を使う必要がないと聞き、宰相達は目が点になった。
「ヒロトシ、どういう事だ?」
「いいですか?俺はローベルグ様に平民達に媚びろと言ってはいません。賄賂は貴族達が税金を横領するから駄目だと言っているんです。税金は平民達の汗の結晶です。その税金を一部の貴族と商人が私腹を肥やすのが駄目なのです」
「それは・・・・・・」
「ローベルグ様が平民達の立場の下になるのじゃなく、平民達の事を思って政をしたらどうなると思いますか?」
「「「「「あっ!」」」」」
「今、ローベルグ様は平民達の事を思って、賄賂をする貴族や悪徳商人を取り締まる事で、王都は活気が戻って支持率が上がっているはず。宰相様違いますか?」
「それは・・・・・・」
「税金は平民達に気を使って使う物ではないです。平民達の事を思って政をするものだと、俺は思います」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「だから、俺は王都の平民達が活気に溢れてきたのを感じたので、ビアンカに王都に来るようにお願いしたのですよ」
「しかし、ビアンカはヒロトシの従魔ではないか?お願いなどしなくとも」
「宰相様、俺はビアンカの事を部下なんて思っていません。それに、もし上下関係をつけるなら、ビアンカの方が上ですよ」
「馬鹿な!王族より魔物の方が上だと!」
「だから、貴族の考え方は駄目なのですよ。自分達が絶対上だと思っている。いいですか?ビアンカはすでに神の領域にあると言ったでしょ?」
「それで何で人間の方が上の立場にあると思うのですか?」
「それは・・・・・・」
「ビアンカは俺のお願いを聞いてくれて、王都で働いてくれたのに、豊穣の地に戻った途端、馬鹿な貴族が調子に乗ってまた賄賂をしだしたら責任を持てないのは当たり前でしょ」
「では、ヒロトシは王国の事を思って?」
「結果はそうですね」
「結果?」
「俺は王族と思っていません。平民であり商人ですので、平民達が活気が出るように行動し、その結果王国が発展することを考えているだけですよ」
それを聞いて、ローベルグは大笑いした。
聖教国との事で、王都を元に戻し王国の威厳を取り戻せるはずだった。
今はヒロトシの機嫌をそこなわないように、気を使っていた。しかし、今やヒロトシの機嫌をそこねたら、聖教国と交渉した事なんてなかったとして、王都から撤退してしまってもおかしくなかった。
「ちょっと待ってくれ!貴族がまた賄賂をしだすと思っているのか?」
「俺は王国貴族がそこまで馬鹿だとは思ってないですよ」
「我々が馬鹿だと?」
「宰相様、ちゃんと聞いてましたか?思ってないと言ったでしょ?」
「あっ、ああそうか!」
「貴方達は、賄賂をした貴族達を逮捕した人達ですが、贈賄をする貴族は上にあがり野心家です。つまり、下の位に就いている野心家には油断したらいけないと言っているのです」
「しかし、これほど取り締まりを強化しているのに、賄賂をする貴族が出るとは思えんのだが?」
「まぁ、そう思うのならいいかと。俺は多少の事は目をつむる事はできますが、ビアンカはすでに神の領域に達しているので、人間など屁とも思っていない生き物だと心してくださいね」
「「「「「神の領域だと・・・・・・」」」」」
「ローベルグ様?俺は大袈裟に説明をしている訳じゃないですよ」
「ヒロトシよ。お主は王国にたてつく人間で、それがまかり通る唯一の人間だ」
「「「「「国王!」」」」」
「いったい何を言っているのですか?」
宰相達は、ローベルグが何を言っているのかわからなくて大声を出した。それも当然で、国王が自らヒロトシの方が偉い立場だと言ったのも当然だったからだ。
「わかっている」
「だったら、なぜ王国よりヒロトシの方が偉い立場たなんて事を!」
宰相達は、ローベルグに抗議した。
「わかっていないのはお前達の方だ」
「「「「「そんな事!」」」」」
「王国は、今やヒロトシのおかげで存続している」
「そんな事は」
「では、宰相。一つ聞くがヒロトシがロドン王国から撤退した場合どうなるか想像してみろ」
「うっ」
「まず、サンライトが閉店すれば民衆は王族に不信感を募るだろう。当然だが、今はもうサンライトで働いているビアンカの噂は広まりつつある。ビアンカの役目についてだ」
「しかし、それで国王が自らヒロトシの方が偉い立場と言う必要は!」
「まだわからんのか・・・・・・」
「えっ?」
「ヒロトシの方が偉い立場と言っておけば、貴族が調子に乗る事はない。ヒロトシがそういう事を忠告すると、そういった心配があると言う事だ。もしも、我らの知らぬところで平民達が貴族のせいで不当な扱いを受けた場合どうなるか?」
「国王様は、ヒロトシの方が偉い立場だと言う事で不安要素を取り除こうと?」
「悔しいがその方が効果はある」
「しかし、それでは国王様の順位が最低ではありませんか!私達は、それが我慢ならないのです!」
「余が最低の順位だと・・・・・・」
「だってそうではありませんか!我らの王が、なぜ格下でなくてはならないのですか!それにヒロトシの言い方では、平民達より下ではないですか」
宰相達はローベルグに抗議をした。部下達にとって、ローベルグは国王と同時に英雄だった。その人物が、なぜヒロトシだけでなく平民達にまで気を使わなくてはならないのか納得ができなかった。
その会話を聞いていたヒロトシが、会話に割って入った。
「宰相達、貴方達は何か勘違いしているのですか?」
「「「「「勘違いだと!」」」」」
「何が勘違いだ。ヒロトシ殿に気を使う、これは百歩譲って納得しよう!貴方も国王様の親戚で義理の息子の立場だ」
宰相は顔を真っ赤にして説明を続けた。
「しかし、何で平民達が裕福な生活の為に、なぜ国王様が気を使わなければならないんだ!」
「何を言っている?貴族達は、平民達の税金を貰っているじゃないか?その税金は平民達の為に使うのは当たり前じゃないか」
「その税金で平民達は王国の土地に住まわせて貰っているのだ。税金を払うのは当たり前だ」
「見解の相違としか言いようがないな」
「なんだと!」
「税金は頂いていると考えるものだ。その税金はあんた達の金ではない。平民達がなるべく不自由なく生活が出来るようにする為であって、あんた達が裕福に生活する為じゃない」
「ぐっ・・・・・・」
「しかし、それでローベルグ様が平民達に気を使う必要はありません!」
平民達に、気を使う必要がないと聞き、宰相達は目が点になった。
「ヒロトシ、どういう事だ?」
「いいですか?俺はローベルグ様に平民達に媚びろと言ってはいません。賄賂は貴族達が税金を横領するから駄目だと言っているんです。税金は平民達の汗の結晶です。その税金を一部の貴族と商人が私腹を肥やすのが駄目なのです」
「それは・・・・・・」
「ローベルグ様が平民達の立場の下になるのじゃなく、平民達の事を思って政をしたらどうなると思いますか?」
「「「「「あっ!」」」」」
「今、ローベルグ様は平民達の事を思って、賄賂をする貴族や悪徳商人を取り締まる事で、王都は活気が戻って支持率が上がっているはず。宰相様違いますか?」
「それは・・・・・・」
「税金は平民達に気を使って使う物ではないです。平民達の事を思って政をするものだと、俺は思います」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「だから、俺は王都の平民達が活気に溢れてきたのを感じたので、ビアンカに王都に来るようにお願いしたのですよ」
「しかし、ビアンカはヒロトシの従魔ではないか?お願いなどしなくとも」
「宰相様、俺はビアンカの事を部下なんて思っていません。それに、もし上下関係をつけるなら、ビアンカの方が上ですよ」
「馬鹿な!王族より魔物の方が上だと!」
「だから、貴族の考え方は駄目なのですよ。自分達が絶対上だと思っている。いいですか?ビアンカはすでに神の領域にあると言ったでしょ?」
「それで何で人間の方が上の立場にあると思うのですか?」
「それは・・・・・・」
「ビアンカは俺のお願いを聞いてくれて、王都で働いてくれたのに、豊穣の地に戻った途端、馬鹿な貴族が調子に乗ってまた賄賂をしだしたら責任を持てないのは当たり前でしょ」
「では、ヒロトシは王国の事を思って?」
「結果はそうですね」
「結果?」
「俺は王族と思っていません。平民であり商人ですので、平民達が活気が出るように行動し、その結果王国が発展することを考えているだけですよ」
それを聞いて、ローベルグは大笑いした。
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