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第6章 研磨という職
45話 教会の行く末
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ヒロトシは、教会の神官に早く上役を派遣してもらうようにアドバイスをした。今、町の人達の信頼を取り戻そうとしている聖職者達は、子供達の事を心配していた人達だったからだ。
ミトンの町の聖教国所属の教会では、ヒロトシの助言で早く司祭や聖騎士を派遣してほしいと本国に書簡を送った。
しかし、本国の答えはいつも同じでもう少し待ってほしいと言われていた。
「どうして上司を派遣してくれないんだ」
「やはり、ヒロトシ様の助言通り誰も志願者がいないんでは・・・・・・」
聖教国では、ミトンの町に出向してほしいと、聖職者を募っていたが、やはり誰も承諾してくれなくて、時間だけがすぎていたのだ。
教皇も、今回の事は耳にはいっていた。その為、ミトンの町には3年の出向を募って帰ってきたら、昇進を約束をした。
つまり、今の役職が司教なら大司教となり、異様な昇進となる。
「聞いたか?」
「ああ聞いたが、誰も承諾しないだろ?」
「ああ。私もお願いされたが断ったよ」
「だよな。たった3年で帰ってこれる訳ないよ。あの町での教会のイメージは最悪だ。それを払拭するのが役目だが、3年じゃとてもじゃないが無理だ」
「たしかに、3年で帰ってこれると言っているが、後に志願してくれなかったらそのまま、ミトンの町でやらされることになりかねないからな」
「どう考えても左遷だよ」
「だよな。役職が大司教や大司祭になれても、ミトンの町で一生過ごすことになりかねない」
「甘い話には飛びつかない。これが一番だ」
聖教国で、中間管理職に就いている人間達は誰も出向の話には乗らなかった。
誰も、他国で最悪の状況にある支社長より、本社で勤めていた方がいいからだ。
そして、ミトンの町の聖教国所属教会では、聖職者達が返信の手紙を見て暗く沈んでいた。
「ライネス神父、どうするのですか?このままでは教会が廃れてしまいます」
「マリア、そう言われても私達ではどうしようもない。聖教国から上司が派遣されないのでは」
「たしかにそうですが、このままでは教会の壁には落書きが増える一方です」
「わかっている。私達の仕事は落書きを消す事ではないからな」
神父達が、朝目覚めると昨日消した場所に新たな落書きがしてあり、いたちごっこになっていた。
神父達が、被害届を出してもあの事件で自業自得だと思われていた。
兵士達も、女神をまつる場所なので、無下にはしないがなんともやる気がないのである。
このままではどうしようもないので、ライネス神父はヒロトシに相談した。
「ヒロトシ様。どうか私達を助けてください」
「こんなことをお願いできる立場でないことは重々承知していますが、どうかお願いいたします」
ひ美研に聖職者達が相談しにきたのだった。
「ライネスさんもマリアさんもちょっと待ってくれよ。何で俺が?」
「ヒロトシ様の助言通り聖教国から新たな上司が来ないのです」
「そりゃそうだろ?教会の信頼を取り戻そうとすれば10年単位の仕事になるのはわかりきっているからな。そんな厄介な役目は誰だって嫌だよ」
「しかし、このままでは教会が廃れてしまいます」
「まぁ、聖教国の教会はなくなっても、個人でやっている教会があるから大丈夫だよ」
「それだと困るのです」
ヒロトシが他人事のように言うと、ライネス神父が身を乗り出した。
「困るもなにも、俺に言われても困るよ」
「それはそうですが、このままでは教会が落書きだらけになって、私達の仕事は落書きを消す事だけで1日が終わってしまうのです」
「まぁ、それもしょうがないだろ?あの事件を町の人達が忘れないとどうしようもないよ」
「それでは何年かかることか・・・・・・」
「まぁ、その何年先になるのはわからないけど、それを乗り越えてからが町の人達の信頼をどう取り戻すかだろうな」
「それでは私達は!」
「耐えるしかないだろうな。」
「「「「「「「そんな!」」」」」」」
「貴方達の立場を考えたら気の毒だとは思うよ。しかし、上司のやった事を止めれなかったのは貴方達も同罪だ」
「そんな!私達は!」
「いや、言いたい事はわかる。貴方達は子供達を庇って食事や上司達から庇っていたことを、子供達が証言をしたんだからな」
「だったら、ヒロトシ様のカリスマで今の教会は変わったと証言してほしいのです」
「それは聖教国の仕事だよ。早く司祭や司教を派遣してもらい、教会が信頼を取り戻そうとしないと説得力がないよ」
「だけど、聖教国から新たな上司が派遣されないのではどうしていいか・・・・・・」
「だから、それを俺に言われても困るよ。どう考えても俺には関係の無いことだよ」
「「「「「「ううううう」」」」」」
「もし、俺が今の貴方達に言えるとしたら、早く司祭や司教を派遣してもらうように、聖教国に訴える事か貴方達はミトンの町での布教活動を諦め聖教国に帰ることだな」
「「「「「「そんな!」」」」」」
ヒロトシは、聖教国の聖職者達を突き放すようにアドバイスをした。そして、ライネス達はどうしようもないと、教会へと帰るしかなかった。
ミトンの町の聖教国所属の教会では、ヒロトシの助言で早く司祭や聖騎士を派遣してほしいと本国に書簡を送った。
しかし、本国の答えはいつも同じでもう少し待ってほしいと言われていた。
「どうして上司を派遣してくれないんだ」
「やはり、ヒロトシ様の助言通り誰も志願者がいないんでは・・・・・・」
聖教国では、ミトンの町に出向してほしいと、聖職者を募っていたが、やはり誰も承諾してくれなくて、時間だけがすぎていたのだ。
教皇も、今回の事は耳にはいっていた。その為、ミトンの町には3年の出向を募って帰ってきたら、昇進を約束をした。
つまり、今の役職が司教なら大司教となり、異様な昇進となる。
「聞いたか?」
「ああ聞いたが、誰も承諾しないだろ?」
「ああ。私もお願いされたが断ったよ」
「だよな。たった3年で帰ってこれる訳ないよ。あの町での教会のイメージは最悪だ。それを払拭するのが役目だが、3年じゃとてもじゃないが無理だ」
「たしかに、3年で帰ってこれると言っているが、後に志願してくれなかったらそのまま、ミトンの町でやらされることになりかねないからな」
「どう考えても左遷だよ」
「だよな。役職が大司教や大司祭になれても、ミトンの町で一生過ごすことになりかねない」
「甘い話には飛びつかない。これが一番だ」
聖教国で、中間管理職に就いている人間達は誰も出向の話には乗らなかった。
誰も、他国で最悪の状況にある支社長より、本社で勤めていた方がいいからだ。
そして、ミトンの町の聖教国所属教会では、聖職者達が返信の手紙を見て暗く沈んでいた。
「ライネス神父、どうするのですか?このままでは教会が廃れてしまいます」
「マリア、そう言われても私達ではどうしようもない。聖教国から上司が派遣されないのでは」
「たしかにそうですが、このままでは教会の壁には落書きが増える一方です」
「わかっている。私達の仕事は落書きを消す事ではないからな」
神父達が、朝目覚めると昨日消した場所に新たな落書きがしてあり、いたちごっこになっていた。
神父達が、被害届を出してもあの事件で自業自得だと思われていた。
兵士達も、女神をまつる場所なので、無下にはしないがなんともやる気がないのである。
このままではどうしようもないので、ライネス神父はヒロトシに相談した。
「ヒロトシ様。どうか私達を助けてください」
「こんなことをお願いできる立場でないことは重々承知していますが、どうかお願いいたします」
ひ美研に聖職者達が相談しにきたのだった。
「ライネスさんもマリアさんもちょっと待ってくれよ。何で俺が?」
「ヒロトシ様の助言通り聖教国から新たな上司が来ないのです」
「そりゃそうだろ?教会の信頼を取り戻そうとすれば10年単位の仕事になるのはわかりきっているからな。そんな厄介な役目は誰だって嫌だよ」
「しかし、このままでは教会が廃れてしまいます」
「まぁ、聖教国の教会はなくなっても、個人でやっている教会があるから大丈夫だよ」
「それだと困るのです」
ヒロトシが他人事のように言うと、ライネス神父が身を乗り出した。
「困るもなにも、俺に言われても困るよ」
「それはそうですが、このままでは教会が落書きだらけになって、私達の仕事は落書きを消す事だけで1日が終わってしまうのです」
「まぁ、それもしょうがないだろ?あの事件を町の人達が忘れないとどうしようもないよ」
「それでは何年かかることか・・・・・・」
「まぁ、その何年先になるのはわからないけど、それを乗り越えてからが町の人達の信頼をどう取り戻すかだろうな」
「それでは私達は!」
「耐えるしかないだろうな。」
「「「「「「「そんな!」」」」」」」
「貴方達の立場を考えたら気の毒だとは思うよ。しかし、上司のやった事を止めれなかったのは貴方達も同罪だ」
「そんな!私達は!」
「いや、言いたい事はわかる。貴方達は子供達を庇って食事や上司達から庇っていたことを、子供達が証言をしたんだからな」
「だったら、ヒロトシ様のカリスマで今の教会は変わったと証言してほしいのです」
「それは聖教国の仕事だよ。早く司祭や司教を派遣してもらい、教会が信頼を取り戻そうとしないと説得力がないよ」
「だけど、聖教国から新たな上司が派遣されないのではどうしていいか・・・・・・」
「だから、それを俺に言われても困るよ。どう考えても俺には関係の無いことだよ」
「「「「「「ううううう」」」」」」
「もし、俺が今の貴方達に言えるとしたら、早く司祭や司教を派遣してもらうように、聖教国に訴える事か貴方達はミトンの町での布教活動を諦め聖教国に帰ることだな」
「「「「「「そんな!」」」」」」
ヒロトシは、聖教国の聖職者達を突き放すようにアドバイスをした。そして、ライネス達はどうしようもないと、教会へと帰るしかなかった。
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