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第6章 研磨という職

40話 子供達の救出

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 ヒロトシは、教会孤児院の行動には、首を突っ込んではしていなかった。

「ご主人様、教会のやり方を放って置くのですか?」

「なんか駄目なのか?」

「子供達が、理不尽な目にあっているのですよ?」

「まあ、そうかもしれないが・・・・・・実際のところ悪さをしていたのも事実だ。教会のやり方があっているかは別として、町の人達は助かっているんだろ?」

「そうかもしれませんが、ご主人様はそれでもよいのですか?」

「今は子供達に悪さをしたらそうなるとわからせないといけない時間だよ」

「そ、それは・・・・・・」

「いいかい?教会のやり方は強引かもしれない。けど、子供達を更生させる事は俺からしたら大賛成だよ」
 
「ですが、教会のやり方は間違っています」

「だが、あのまま子供達の好き勝手させても、ろくな大人にならないだろ?それこそ、今の状態は盗賊予備軍と言っても構わないだろ」

「しかし、子供達も好きで今の状況になった訳ではなく、生きていくのに必死で・・・・・・」

「シアンとセレンの言いたい事はわかるよ。しかしだ、だからと言って人様の物を盗んでいいわけじゃあるまい?」

「「そ、それは」」

「まぁ、教会の好きにさせればいいさ。その行動があっているかは後に自分達が思い知らされる事になるだけだよ」

「「どういう事ですか?」」

「教会は、自分達の正義を押し付けているだけって事だよ。孤児院に子供がいなくなって補助金を貰えなくなって、スラムにいる子供達を利用しているにすぎないからだよ」

「だったら!」

「しかし、俺がそれを止める理由はないしできないよ」

「「なんでですか?」」

「教会は、子供達を更生させると言っているんじゃないか?やり方はどうあれ町の人達から感謝されている。それだけ保護された子供達は、町の人達に迷惑をかけてきたという事だよ」

「「うっ・・・・・・」」

「ルールを守るというのは子供も一緒だよ。たしかに教会に保護された子供達の境遇は不憫だとは思うけどね」

「「・・・・・・」」

「まぁ、お前達二人は自分と重ね合わせているから気になるんだろ?」

「「はい・・・・・・」」

「だが、あのまま子供に好き勝手させても、ろくな大人にならないだろ?それなら保護して更生させる方があの子達の為になるはずだよ」

「しかし、教会のやり方で更生できるとは」

「だから、教会は後後でおもい知らされると言っているんだよ」

「どういう事ですか?」

「いいかい?教会は子供達を更生させると言っているが、補助金を貰うために子供達を利用しているだけだ」

「「だったら!」」

「今、俺達ができる事はないよ。やり方はどうあれ子供達を更生させると教会は言っているんだろ?」

「あんなやり方では・・・・・・」

「たしかに、更生させるのは難しいかもな。だから教会は後になっておもい知らされるんだよ。多分教会孤児院は、後3カ月程でシルフォード様から指導が入るはずだよ。その時にシアンとセレンの情報が役に立つんだよ」

「「えっ?」」

「あのやり方では、子供達を更生できるはずがないからね。子供達を監禁しているだけだ。そうなれば教会のやり方の指導が入るはずだよ」

「「じゃあそうなれば?」」

「ああ。子供達は教会から解放できるはずだよ」

 それから、ヒロトシの言ったように教会のやり方では、子供達の性格からイービル反応が消えることがなく、更生は失敗に終わった。
 シルフォードは、子供達に教会のやり方を事情聴取して、教会のやり方を非難した。

 教会関係者は、集団行動させる事で社会のルールを教えていたと言い訳をしていたが、言うことを聞かなかった罰を班の全体責任で食事を抜き、そしてその日、1日働かせると言うのは奴隷のような扱いは、間違っていると言って子供達を保護したのだった。

 シルフォードは、教会側に補助金の不正受給と子供達の監禁容疑で訴えた。補助金を貰っていたのに子供達を飢えさせた責任は重罪としたのだ。

 そして、シルフォードがこれほど早く行動を起こせたのは、シアンとセレンの情報を手に入れたからだ。
 ヒロトシが、動かなかったは相手が個人経営の教会孤児院じゃなかったからだ。
 相手が聖教国所属の教会孤児院なので、ヒロトシが勝手に動けば、国交問題になりかねないからだ。
 そして、教会に保護されていた子供達には、シアンとセレンがもう少し我慢をしてほしいと、コンタクトをとっていた。
 子供達は、シアンとセレンが密偵という事を理解していた。教会が保護した子供達が10才以上の子供達ばかりだったのが幸いした。

「お姉さん達はいったい?」

「今はいえないわ。しかし、あなた達の味方なのは信じて!必ず今の状況から救ってあげる」

 シアンとセレンの姿を、見せなかったのが幸いした。声だけだったので大人と聞こえなかったのだろう。子供達は、シアンの事を信じてくれたようだった。それほど孤児院の待遇が酷かったのだ。
 こうして、シアンとセレンの情報を元に、シルフォードは、教会孤児院に突撃することができたのだ。

 そして、教会孤児院から保護された子供達は行き場をなくしたのだが、シルフォードはヒロトシにこの子供達を保護してほしいと頼んできたのだった。
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