研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第6章 研磨という職

12話 闇ギルドの交渉

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 ローハン子爵は、ヒロトシの暗殺を闇ギルドに依頼したのだった。最初、断られたが依頼料2倍を払うと言い、強引に受けさしたのだった。

「闇ギルドも暴利よのう!」

「あの者は要注意人物でして、ローハン子爵様もどこから狙われるかもしれません。用心をしていてください」

「あ奴さえ始末すれば構わん!心配も何もないだろう」

「それもそうですね」

「ああ!とにかく近いうちに早く殺せ!」

 ローハン子爵はえらそうに命令をして闇ギルドを後にした。ローハン子爵が帰った後、闇ギルドの受付嬢は悪態をついた。

「ちっ!あのクソ親父いい気になって。闇ギルドはあんたの家来じゃないんだよ!」

「くっくっくっく。アマンダ、そうカリカリするな金はもう貰ってあるだろ?」

「ええ!あたりまえじゃない!闇ギルドをなめた報いを受けて貰おうじゃないのさ!」

「ローハンは愚かな奴だな。くっくっくっく!」

「当たり前よ!あいつには見せしめで生贄になってもらうわ!」

「まあ、そうだな!総帥からきつく言われて掟だと言ったのに馬鹿な奴だ」

 アマンダは、すぐにこの事を闇ギルドの幹部に報告した。そして、それは総帥のノアの耳に入ったのだった。

「ほう!ローハン子爵がな……上客だったが仕方あるまい!あいつには死んでもらおう」

「それでは私がヒロトシにコンタクトを取らせていただきます」

「まて!それは余が行こう」

「総帥自らそのような事をしなくとも!」

「いや、ヒロトシの扱いは慎重に行なわないと、どのような事になるやもしれぬ……」

「承知いたしました。十分気をつけてください!」

「うむ」

 その日の内に、ノアは動いた。ヒロトシが王都にいる時間は、闇ギルドでも把握していた。店の敷地にある休憩として使う屋敷に、ヒロトシは1時間ほどゆっくりしてミトンの町に帰還している。

「ついに来たか……」

 ヒロトシは、闇ギルドの存在に注意していたこともあり、王都に毎日顔を出していたところもあった。その気配に気づきヒロトシは、侵入してきた不審者に構えを取った。

「ま、待て!余はお主と争いに来たわけではない!」

「それを信じろと?」

「信じてもらう為に情報を提供しようじゃないか?」

 その時、ヒロトシの部屋に慌てて入ってきた人物がいた。そして、ヒロトシと侵入者の間に割って入ったのだ。

「「お久しぶりですね……総帥」」

「シアンとセレンか……久しいの。闇ギルド最凶最悪のアサシンが、今はヒロトシの奴隷となってどうだ?」

「「……何をしに来たのですか?」」
「ご主人様を殺しに来たと言うのなら容赦はしません!」
「同じく……」

「まあ、待て!余はヒロトシと構えるつもりはない」

「それを信じろと?」

「ああ!信じてもらわねば困る。闇ギルドはヒロトシと関わり合いにはならないと決めた」

「「闇ギルドが一個人から手を引くと言うのですか?」」

「ああ!ヒロトシは一個人じゃないからな。そんな奴相手にしたら、命がいくらあっても足りぬよ」

「ほう!さすが闇ギルドを束ねる総帥だ。賢明な判断だな」

「これでも組織の長だからな。お主みたいな相手は出来ないよ」

「だが、言葉だけでは信じられないな!」

「そういうのは当然だ。これは手土産だよ。受け取れ!」

 そこには、ローハン子爵がヒロトシの暗殺依頼や今までの不正の数々の書類があった。

「闇ギルドが依頼主を売ると言うのか?」

「ああ!あ奴は闇ギルドを家来か何かと勘違いしておるからな。見せしめだよ」

「この書類は本物か?」

「そこにいるシアンとセレンにみせてみろ」

 するとシアンとセレンは顔色が変わった。本当に本物の書類だったからだ。闇ギルドが、自ら依頼主を売るなんて考えられない事だった。

「「本物です……」」

「ヒロトシ、お主はとにかくやり方が強引なのだ。貴族とはもっとうまく付き合え」

「それはできない相談だな。あのような奴はこれから淘汰されていく」

「ちっ!」

「不満か?」

「当たり前だ!上客が少なくなるのだからな」

「だからこその見せしめという事か」

「ああ!ヒロトシの暗殺は闇ギルドはやらないと言う事だ!それでも、お主は貴族の考え方を改革するつもりであろう?ならば、その考えに不満をもつ貴族はたくさん出てくるはずだ。そうなればヒロトシに暗殺依頼をする貴族は少なからずいるだろうからな」

「見せしめを出す事で、闇ギルドに火の粉をかからない様にするのか。いい考えだ!」

「とにかくだ!闇ギルドは今後お主には手を出さぬ。当然、そこにいるシアンとセレンにもだ」

「分かった。その言葉信じよう!」

 セレンとシアンは、総帥の言葉が信じれなかった。長い歴史の中で闇ギルドから不可侵条約を申し出たのは初めての事だったからだ。

「その代わり、闇ギルドのやる事に口出しはせぬと約束してもらうぞ」

「俺の知り合いに手を出した時は容赦はしないから、情報だけはしっかりしろよ!後で知らなかったという言い訳は通用しないからな」

「……ああ!わかっている」

 闇ギルド総帥ノアはそう言い残して、その姿を消したのだった。

「「ご主人様!これは本当にすごい事ですよ!」」

「ああ……まさか闇ギルドが降参していたとは俺も思わなかったよ。どうりであれから何もしてこないと思った」

「しかし!ご主人様にたてつくとは愚かな貴族ですね」
「せっかく拾った命を……無駄にするとは愚かです……」

「じゃあ、衛兵に訴えに行こうか」

「「えっ?ご主人様が直接手を下さないのですか?」」

「俺もそんな暇じゃないよ。ああいう奴は国に訴えた方がいいさ!」

「「そうですか?」」

 ヒロトシは、シアンとセレンを連れて衛兵の宿舎に出向いた。


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