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第5章 意外なスキル
34話 王族の認識
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ローベルグは、ミトンの町からの報告を受けて、何が何やらどうなっているのか全然わからなかった。4日前確かにヒロトシは王都に、結婚の報告に来訪していたのに、ミトンの町にいたと言うのだ。王城に帰ってきて頭を抱えているとレオナが話しかけてきた。
「あなた、こんなとこで何をしているのですか?」
「ああ、お前か……」
「お前かじゃありません。業務に戻ってください!」
「なあ、ヒロトシとはいったい何者なのだ?」
「いきなり何ですか?」
「4日前、俺達は確かにヒロトシと会ったよな?」
「何を言っているのですか?宰相様と3人でお会いになったではありませんか?」
「だよな……しかし、ミトンの町の騎士達は、ヒロトシがミトンの町にずっといたと言っているんだ」
「う、嘘……」
「それで、昨日ヒロトシは王都に向かい、それだけじゃなくヒロトシの関係者全員が、ミトンの町にはいないと言っているんだ……俺にはもう何が何やら」
「では、シャーロットの保護は失敗したというのですか?」
「ああ……それも、ヒロトシの店にも一切入れないそうだ……」
レオナはローベルグの説明を聞き絶句した。そこに、話しかけてきた人物がいた。
「父上母上!ヒロトシに何かしたのですか?」
ローベルグは声がした方を見ると、そこには息子のハボリムとその妻のティアナが立っていた。
「い、いや……何もしておらんというより出来なかった……」
「父上は、ヒロトシと友人じゃなかったのですか?何をコソコソとやっているのですか?」
「そうですよ。お義父様は何をしているのですか?」
「黙りなさい!シャーロットは王女なのです。あの時の会話からして、ヒロトシ様は何やら考えていたのは確かなのです」
「うっ……」
ティアナは、レオナの迫力に言葉が詰まってしまった。
「しかし、母上。そんな卑怯な事をせずとも、ヒロトシなら正直に対応すれば、それに答えてくれるではありませんか?」
「それはお互いに理があるときです。ヒロトシ様はそのように考えてはいなかった……だから私達は、ヒロトシ様がミトンの町に帰るまでに行動を起こしたかったのです」
「お互いにとはどういう事ですか?」
「ヒロトシ様はあの時こういった。シャーロットの自由にさせてやってくれと。この意味はどう考えても貴族のしきたりを外しての意味であり、シャーロットが王族になればそんな事は叶わぬものです」
「しかし、今までシャーロットは平民として生活をしてきたのですよね?いきなり貴族のしきたりなど、無理という物ではありませんか」
「貴族になると言う事はそういう事です。シャーロットは王女として王国の役に立たねばなりません」
「そうだ、シャーロットはいずれ同盟国の帝国に嫁いでもらい、同盟を強固なものにしてもらう役割があるのだ。結婚の報告に来たヒロトシがそれを許すわけなかろう」
「何でシャーロットを、帝国に嫁がせるのですか?ヒロトシと結婚をする事が決まっているでしょう?シャーロットはヒロトシと結婚でいいではありませんか?」
「それではだめなんだ……もし、王族とヒロトシが親戚になるならば、もっと位の高い令嬢をヒロトシの元に嫁がせて、もっと強固な関係にする必要があるのだ」
「父上……それは貴族としての常識ですよ。母上ももっと頭を柔らかくした方がよろしいかと思います」
「「な、なにを!」」
「父上は、ヒロトシの何を見て友人だと言われたのですか?そんな事をいうのならただヒロトシに利用価値があり、王国に引き止めたいだけではありませんか?」
「何を言っている!俺はお前の事も思ってだな……」
「私の事をおもってとはどういう事ですか?」
「ハボリム。お前が余の後を継ぎ国王になった時、ヒロトシが近くて位の高い親戚の方が安心するであろう!その為にも……」
「その通りです!ヒロトシ様には、同じ王族の嫁にするならば宰相の御令嬢であるマーガレットがお似合いというものです」
「分かりました……父上達は、ヒロトシを本当に都合の良いように扱おうとしているのがよくわかりましたよ」
「そうですわ!ヒロトシ様はそんな事をしなくとも、友人として動いてくれますわ!」
ハボリムとティアナは、ローベルグとレオナの意見を否定したのだった。ハボリムとティアナは、友人の証としてもらったアクセサリーをその手に握って、ヒロトシにそんな事をすれば反対に王国から離れてしまうと思っていた。
「そんな事はあるまい!宰相の娘と結婚できるのだぞ?」
「確かに、普通の男爵の地位にある貴族ならば喜んでなびきましょう。しかし、ヒロトシが男爵の地位だからと言って、そのような条件になびくとは思いません」
ハボリムとティアナは、それよりもシャーロットとの結婚を認めて、今まで通りに商人としての生活をさせた方が絶対に王国の為になると説いたのだった。
「「……」」
ローベルグも年を取り、頭が固くなってきたようだった。若いころは臨機応変に対応していたはずだったが、貴族としてのこだわりが出ていたようで、息子のハボリムに言われてハッとしたのだ。
「ここは、ヒロトシの出方を見た方がよろしいかと思います」
「そうですわ。友人というのなら、パーティーの人間と同じ接し方をした方が好印象となるはずです」
「しかし……友人というのはあくまでも、王国領にいてもらいたい口実だ。王族と対等の立場などあり得ん!」
「その通りです」
「父上母上……現実をもっと見てください」
ハボリムがそう言うと、その横でティアナもウンウンと頷いていた。
「現実だと?」
「いいですか?ヒロトシが、その気になれば父上や母上なんか相手になんかなりません。つまり、ヒロトシの方にあわせないと痛いしっぺ返しをくらいますよ」
「馬鹿な!俺がヒロトシに負けているだと?」
「父上は冒険者の時から最強と言われてきて認めたくないのはわかります。そして、その立場は国王です。誰もその意見に逆らう事は出来ません」
「当たり前だ!」
「しかし、唯一逆らえるのが、ヒロトシなのがまだわからないのですか?」
ハボリムにそう言われて心当たりは確かにあった。初めて会った時模擬戦をしたが、人生の中で唯一手を抜かれたのがヒロトシだった。そして、今回もまた手の内を全て読まれて、ヒロトシの実力の底が見当もつかなかった事にあった。
「しかし……それでは王家の面子が……」
「では父上に聞きますが、先のスタンピードをあの短時間で、父上1人で同じ事が出来ますか?それも、帰って来た時に、あのビアンカという叡智龍の存在です……」
「うぐぐぐ……」
「父上なら、あの地竜は何とか出来ても、あのビアンカはどうしようもないでしょう?」
この説明に、ローベルグはもちろんレオナも何も言い返す事ができなかった。
「これらの事を考慮に入れても、王国はヒロトシと対等などとおこがましい考えは捨てる方がいいと思います」
「……つまり、我らの方が下手に出よと、お主はそう申すのか?」
「でないと、王国が滅亡するとは言いませんが、ヒロトシは国を興す可能性大かと。そうなれば、王国の平民は安全を求めて移住してしまうことになります」
王国のメリットとしては、ヒロトシの我儘を聞き恩を売って置くのがベストな選択であると、ハボリムは説明したのだった。
ハボリムの意見の方が現実的だった。貴族の常識を押し付ける事で、ヒロトシが王国を離れることになるのが、予想することが出来たのだ。それならば、ヒロトシの言う事を聞いてミトンの町にいてもらった方が、王国の為となるのだ。
「父上母上。二人のお気持ちはありがたいと思います。私が王位についたときの事を考えてくれていたのは分かりますが、事ヒロトシに関しては慎重に行動した方がよろしいかと思います」
「「……」」
ローベルグとレオナは黙りこくってしまい、二人して見つめ合っていた。そして、我が子ながらいつの間にこんな考え方が出来るようになったのかと感心し、一息つきローベルグは静かに分かったと言った。
1週間後、ヒロトシはシャーロットを連れて王都にやってきたのだった。
「あなた、こんなとこで何をしているのですか?」
「ああ、お前か……」
「お前かじゃありません。業務に戻ってください!」
「なあ、ヒロトシとはいったい何者なのだ?」
「いきなり何ですか?」
「4日前、俺達は確かにヒロトシと会ったよな?」
「何を言っているのですか?宰相様と3人でお会いになったではありませんか?」
「だよな……しかし、ミトンの町の騎士達は、ヒロトシがミトンの町にずっといたと言っているんだ」
「う、嘘……」
「それで、昨日ヒロトシは王都に向かい、それだけじゃなくヒロトシの関係者全員が、ミトンの町にはいないと言っているんだ……俺にはもう何が何やら」
「では、シャーロットの保護は失敗したというのですか?」
「ああ……それも、ヒロトシの店にも一切入れないそうだ……」
レオナはローベルグの説明を聞き絶句した。そこに、話しかけてきた人物がいた。
「父上母上!ヒロトシに何かしたのですか?」
ローベルグは声がした方を見ると、そこには息子のハボリムとその妻のティアナが立っていた。
「い、いや……何もしておらんというより出来なかった……」
「父上は、ヒロトシと友人じゃなかったのですか?何をコソコソとやっているのですか?」
「そうですよ。お義父様は何をしているのですか?」
「黙りなさい!シャーロットは王女なのです。あの時の会話からして、ヒロトシ様は何やら考えていたのは確かなのです」
「うっ……」
ティアナは、レオナの迫力に言葉が詰まってしまった。
「しかし、母上。そんな卑怯な事をせずとも、ヒロトシなら正直に対応すれば、それに答えてくれるではありませんか?」
「それはお互いに理があるときです。ヒロトシ様はそのように考えてはいなかった……だから私達は、ヒロトシ様がミトンの町に帰るまでに行動を起こしたかったのです」
「お互いにとはどういう事ですか?」
「ヒロトシ様はあの時こういった。シャーロットの自由にさせてやってくれと。この意味はどう考えても貴族のしきたりを外しての意味であり、シャーロットが王族になればそんな事は叶わぬものです」
「しかし、今までシャーロットは平民として生活をしてきたのですよね?いきなり貴族のしきたりなど、無理という物ではありませんか」
「貴族になると言う事はそういう事です。シャーロットは王女として王国の役に立たねばなりません」
「そうだ、シャーロットはいずれ同盟国の帝国に嫁いでもらい、同盟を強固なものにしてもらう役割があるのだ。結婚の報告に来たヒロトシがそれを許すわけなかろう」
「何でシャーロットを、帝国に嫁がせるのですか?ヒロトシと結婚をする事が決まっているでしょう?シャーロットはヒロトシと結婚でいいではありませんか?」
「それではだめなんだ……もし、王族とヒロトシが親戚になるならば、もっと位の高い令嬢をヒロトシの元に嫁がせて、もっと強固な関係にする必要があるのだ」
「父上……それは貴族としての常識ですよ。母上ももっと頭を柔らかくした方がよろしいかと思います」
「「な、なにを!」」
「父上は、ヒロトシの何を見て友人だと言われたのですか?そんな事をいうのならただヒロトシに利用価値があり、王国に引き止めたいだけではありませんか?」
「何を言っている!俺はお前の事も思ってだな……」
「私の事をおもってとはどういう事ですか?」
「ハボリム。お前が余の後を継ぎ国王になった時、ヒロトシが近くて位の高い親戚の方が安心するであろう!その為にも……」
「その通りです!ヒロトシ様には、同じ王族の嫁にするならば宰相の御令嬢であるマーガレットがお似合いというものです」
「分かりました……父上達は、ヒロトシを本当に都合の良いように扱おうとしているのがよくわかりましたよ」
「そうですわ!ヒロトシ様はそんな事をしなくとも、友人として動いてくれますわ!」
ハボリムとティアナは、ローベルグとレオナの意見を否定したのだった。ハボリムとティアナは、友人の証としてもらったアクセサリーをその手に握って、ヒロトシにそんな事をすれば反対に王国から離れてしまうと思っていた。
「そんな事はあるまい!宰相の娘と結婚できるのだぞ?」
「確かに、普通の男爵の地位にある貴族ならば喜んでなびきましょう。しかし、ヒロトシが男爵の地位だからと言って、そのような条件になびくとは思いません」
ハボリムとティアナは、それよりもシャーロットとの結婚を認めて、今まで通りに商人としての生活をさせた方が絶対に王国の為になると説いたのだった。
「「……」」
ローベルグも年を取り、頭が固くなってきたようだった。若いころは臨機応変に対応していたはずだったが、貴族としてのこだわりが出ていたようで、息子のハボリムに言われてハッとしたのだ。
「ここは、ヒロトシの出方を見た方がよろしいかと思います」
「そうですわ。友人というのなら、パーティーの人間と同じ接し方をした方が好印象となるはずです」
「しかし……友人というのはあくまでも、王国領にいてもらいたい口実だ。王族と対等の立場などあり得ん!」
「その通りです」
「父上母上……現実をもっと見てください」
ハボリムがそう言うと、その横でティアナもウンウンと頷いていた。
「現実だと?」
「いいですか?ヒロトシが、その気になれば父上や母上なんか相手になんかなりません。つまり、ヒロトシの方にあわせないと痛いしっぺ返しをくらいますよ」
「馬鹿な!俺がヒロトシに負けているだと?」
「父上は冒険者の時から最強と言われてきて認めたくないのはわかります。そして、その立場は国王です。誰もその意見に逆らう事は出来ません」
「当たり前だ!」
「しかし、唯一逆らえるのが、ヒロトシなのがまだわからないのですか?」
ハボリムにそう言われて心当たりは確かにあった。初めて会った時模擬戦をしたが、人生の中で唯一手を抜かれたのがヒロトシだった。そして、今回もまた手の内を全て読まれて、ヒロトシの実力の底が見当もつかなかった事にあった。
「しかし……それでは王家の面子が……」
「では父上に聞きますが、先のスタンピードをあの短時間で、父上1人で同じ事が出来ますか?それも、帰って来た時に、あのビアンカという叡智龍の存在です……」
「うぐぐぐ……」
「父上なら、あの地竜は何とか出来ても、あのビアンカはどうしようもないでしょう?」
この説明に、ローベルグはもちろんレオナも何も言い返す事ができなかった。
「これらの事を考慮に入れても、王国はヒロトシと対等などとおこがましい考えは捨てる方がいいと思います」
「……つまり、我らの方が下手に出よと、お主はそう申すのか?」
「でないと、王国が滅亡するとは言いませんが、ヒロトシは国を興す可能性大かと。そうなれば、王国の平民は安全を求めて移住してしまうことになります」
王国のメリットとしては、ヒロトシの我儘を聞き恩を売って置くのがベストな選択であると、ハボリムは説明したのだった。
ハボリムの意見の方が現実的だった。貴族の常識を押し付ける事で、ヒロトシが王国を離れることになるのが、予想することが出来たのだ。それならば、ヒロトシの言う事を聞いてミトンの町にいてもらった方が、王国の為となるのだ。
「父上母上。二人のお気持ちはありがたいと思います。私が王位についたときの事を考えてくれていたのは分かりますが、事ヒロトシに関しては慎重に行動した方がよろしいかと思います」
「「……」」
ローベルグとレオナは黙りこくってしまい、二人して見つめ合っていた。そして、我が子ながらいつの間にこんな考え方が出来るようになったのかと感心し、一息つきローベルグは静かに分かったと言った。
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