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第4章 魔道スキルと研磨スキル
42話 魔王死す!
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大広間から続く階段は豪華な作りで、どこまで続くかわからない程長く大きな階段だった。そして、枝分かれする事も無く、只一本道でその先に大きな扉があるのが見えた。
「あそこに、魔王がいるみたいだな」
階段を登り切ると、黄金に輝く扉が目の前に現れたのだ。ヒロトシは魔王とか関係なく、早く始末して家に帰りたかった。その為、緊張感は全くなく躊躇なくその扉を開けた。
「よくぞ、ここまで来たな!」
「魔王スルトだったか?よく復活が出来たな?」
「わははははは!我を殺せると思うなよ」
「今度は細胞一つ残さず消滅させてやるよ。お前に地上を征服されてものんびりできないんでね」
「わははははははは!我は地上の征服など考えておらん!ただ、混沌と破壊をもたらすだけだ!人間など征服しても意味はない!」
「そうかそうか。それでお前を始末するのにためらいは無くなったよ。単なる破壊神なら地上には無用だからな」
「わははははは!我を始末だと?笑わせてくれる。人間が魔王に勝てると本気で思っておるのか?」
「真祖に酒呑童子、最後にケルベロスを倒した人間がタダの人間だと思っているのなら、お前は3流魔王だよ」
「我が3流だと!」
魔王スルトは、ヒロトシの言葉に激昂した。そして、片手を頭上にあげると巨大な火の玉を作り出した。ヒロトシはそれを見て、口を開けて呆然としたのだった。
「何を呆けておる。死ねええええぇ!」
魔王スルトは、その炎の球をヒロトシに向けて撃ったのだ。その炎の球はとんでもない速さで、ヒロトシに命中し大爆発を起こした。
「わははははははは!油断しおって。地獄の業火に消滅するがよい!その炎は命尽きるまで消えぬ」
「だから、お前は3流と言われるんだよ。俺とケルベロスの戦いを見てなかったのか?」
炎の中から、ヒロトシの声が聞こえてきたのだ。
「ば、ばかな!」
「馬鹿はお前だ。俺に炎は効かないのは知っているだろうが」
ヒロトシは、拳を振り上げ拳圧で炎を吹き飛ばした。
「なっ⁉我の炎を」
「何が地獄の業火だ。こんなのため息で消えるとろ火じゃねえか!」
ヒロトシは、ナックルにウォーターウェポンをかけて拳を打ったのだ。対立する属性の攻撃は炎を簡単に打ち消す事が出来た。
「貴様!我の炎がとろ火だと!愚弄するでないわ!」
魔王スルトは、炎の魔剣を手に取って、ヒロトシに突っ込んできた。今度は両手剣で刀身が炎の様に波打ったフランベルジュという炎の剣を振りかぶった。
「ったく……懲りない奴だな」
ヒロトシは魔王スルトなめきっていた。スルトは時間をかけて魔力を増大しパワーアップしていたのだ。その剣圧はヒロトシを吹き飛ばした。
「ぐっ!」
「どうした先ほどまでの威勢は!」
魔王スルトは、続けて突っ込みヒロトシを滅多打ちにしたが、ヒロトシもそれに対応して、剣を拳で受け切っていた。
「いつまで、その拳で受け続けるつもりだ?」
「くっ……まさかここまでパワーアップしているとは……」
「そーら!ドンドン剣が速くなっていくぞ!」
「くっ」
魔王スルトはドンドン剣のスピードを上げていく。不利になっていくヒロトシを見て、魔王スルトは気分がいいのか厭らしい笑みを浮かべる。
「さぁ~~~て!そろそろ死ぬか?マックスパワー!」
魔王スルトは、フランベルジュを振りかぶり、ヒロトシに渾身の一撃を与えた。炎ダメージは与える事は出来ないが、フランベルジュの物理ダメージは、ヒロトシに与える事は出来たみたいだった。
「ぐはっ!」
「ほう!この一撃に耐えるとは人間にしてはたいしたものだ。褒めてつかわす。しかし、我の動きについてこれないのではもう死ぬしかあるまいな?あの世でこの世がどう変わるか、後悔しながら見学をしているんだな。わはははははははははははははは!」
「くっくっく」
「何がおかしい?とうとう気でもふれてしまったか?」
「さすがは三流魔王。少し有利に立つとご満悦になるのは滑稽だなと思ってな」
「貴様!我を又三流と抜かしおったな?もう許せぬ!その身を切り刻んでくれるわ!」
魔王スルトは、怒りのあまりその顔は赤黒く変化していた。そして、フランベルジュを振りかぶり突進してきたのだ。しかし、ヒロトシは余裕で左手をポケットにしまっていた。
「貴様!我をとことん舐め腐って、油断した事を後悔しろ!」
「ああ!確かに油断したのは悪かったな。本気で相手をしてやるよ」
魔王スルトが渾身の一撃を放ったが、それを余裕でフランベルジュをの太刀筋を見切り、拳で横から殴り叩き落とした。
「なっ⁉」
魔王は慌てて、ヒロトシを睨みつけると、今までヒロトシは右手にだけナックルを装備していたのに、同じものを左手にも装備して構えを取っていたのだ。
「さあ!第2ラウンドと行こうか!」
「なっ、なんだと?今まで手を抜いていたと言うのか?」
「三流魔王相手に本気で戦うかよ!まあ、俺も少し侮っていたから少しだけ本気になってやるよ」
ナックル装備は片手だけなら、魔法石のオプション効果が通常通り発揮するが、このヒロトシ専用武器は2つ揃うと真の威力を発揮することになる。
例えば攻撃速度は今の地点で、+5武器の為に4倍に跳ね上がっている。しかし、ナックルが2つ揃う事で8倍だと思うが、相乗効果で10倍の効果を発揮している。
ルビー 物理攻撃力上昇
アメジスト 物理クリティカル率上昇
真珠 物理クリティカル威力上昇
ぺリドット 物理攻撃速度上昇
キャッツアイ 魔法力上昇
ヒスイ 魔法クリティカル率上昇
トルマリン 魔法クリティカル威力上昇
つまり、今ヒロトシはこれだけの効果が10倍に跳ね上がっていることになる。
「なっ……」
「形勢逆転!この世から消え失せろ!」
ヒロトシは、魔王スルトの懐に飛び込み、両手で今までとは次元の違う速さで乱打した。
「どらどらどらどらどらどらどらどら!」
「ぐげげげげげげげげげげげげげげ!」
今までの戦いは何なんだったのかと言う様な感じのヒロトシの戦闘力だった。魔王スルトも何が起こっているのか理解が出来なかった。一瞬で懐に入られたと思ったら、全身にあり得ない痛みが永遠に続くのだ。息をしようにも、胸に味わった事のない衝撃が連打され、呼吸が満足にできなかった。
そして、耳や手は吹き飛びダメージが再生しない。いや、しているのだが回復がヒロトシの攻撃力のダメージに追いつかないのだ。
「や、やめ……めめて……くれ……」
「おっと、やりすぎたか?」
ヒロトシは、スルトの姿を見てハッとして飛びのいた。そして、スルトは糸が切れたマリオネットの様に、その場に崩れ落ちたのだった。
「ぐはっ……」
「やっぱ少し本気を出したらついてこれなかったか……」
「き、きさ……ま……本当に人間なのか……」
「当たり前だ!正真正銘の人間だ。そんな事はどうでもいい。お前には悪いがこの地上からは消えてもらう」
「勝手にするがよい。地上にお前がいたのなら我の野望も潰えた」
スルトはそう言って、不気味な笑みを浮かべた。
「ふん!何が野望だ。この三流破壊神が」
ヒロトシは、床に倒れているスルトの首にフランベルジュを叩き落とし、その首を刎ね討伐に成功した。ヒロトシは、スルトの遺体をインベントリにしまい、町に帰ろうと一息ついた。
すると、スルトの魔王城が地響きをたてた始めた。ヒロトシにとってまさかの出来事だった。魔王城が崩れ始めたのである。
この魔王城は、スルトの魔力で無理やりこじ開けたものだ。今、スルトが死んでこの空間が維持できなくなったのだ。
「くっ……あの笑みは、こうなる事が分かっていたからか?」
ヒロトシは、地上に向けて脱出を開始したが、間にあいそうになかった。
「しょうがない……諦めるか……セバス達には悪い事をしたな。生きて帰ると約束したのに……」
その時、ヒロトシの身体が輝きだし、ミレーヌの声が聞こえたのだ。
『ヒロトシさん、魔王を始末してくれてありがとうございます』
「ミレーヌさん?」
『諦めないでください!時間がありません。約束の唯一無二魔法のスキル報酬です』
「なんで、教会でもないのに声が?」
『そんな事はいいから!早くスキルを使って!」
ヒロトシは頭の中に浮かんだ魔法を使った。女神ミレーヌが、ヒロトシに作ったのは時空属性魔法だった。時空属性とは時間と空間のカテゴリーとなる魔法だ。ダンジョンから出るマジックバックはこの属性となる。
そして、ヒロトシはダンジョンの入り口をイメージした。そして、魔法を呟く様に唱えた。
「エスケープ」
その瞬間その場所にヒロトシの姿はなく、一瞬でダンジョンの入り口に瞬間移動をした。ヒロトシが使ったのは、時空魔法1レベルの【エスケープ】という魔法だった。
「これはすごい!ミレーヌさん助かったよ」
しかし、その返事はなかった。その頃、天界ではミレーヌは安心してため息をついていた。そして、ミレーヌの隣にはもう一人の姿があった。
「ミレーヌ様、なんとか間にあったみたいですね?」
「ええ!ジェシカ助かりました。本当にありがとうございます」
ジェシカが天界にいたのだった。ジェシカは信仰心が5レベルになった事で毎日のようにお祈りをして、ミレーヌに会いに来ていた。そして、ジェシカにもミレーヌは加護を与えたのである。
ジェシカとヒロトシの加護を共鳴させる事で、本当に短時間だが先ほどの様に会話やコンタクトを可能にした。
補足だが、ヒロトシの加護はレアスキルのインベントリと神眼であるが、ジェシカの加護は、アストラルボディーである。効果としては、毎日天界にいけてミレーヌに会う事が出来るものだ。本来の使用方法は、次元を越えて脱出が可能な強力なスキルである。
とにかく、ジェシカのおかげと言っても過言ではなく、ヒロトシは無事にダンジョンから脱出ができた。そして、ヒロトシがダンジョンの入り口を見ると、その入り口は完全に塞がっていて、ヒロトシは大きくため息をつき安堵したのは言うまでもなかった。
「あそこに、魔王がいるみたいだな」
階段を登り切ると、黄金に輝く扉が目の前に現れたのだ。ヒロトシは魔王とか関係なく、早く始末して家に帰りたかった。その為、緊張感は全くなく躊躇なくその扉を開けた。
「よくぞ、ここまで来たな!」
「魔王スルトだったか?よく復活が出来たな?」
「わははははは!我を殺せると思うなよ」
「今度は細胞一つ残さず消滅させてやるよ。お前に地上を征服されてものんびりできないんでね」
「わははははははは!我は地上の征服など考えておらん!ただ、混沌と破壊をもたらすだけだ!人間など征服しても意味はない!」
「そうかそうか。それでお前を始末するのにためらいは無くなったよ。単なる破壊神なら地上には無用だからな」
「わははははは!我を始末だと?笑わせてくれる。人間が魔王に勝てると本気で思っておるのか?」
「真祖に酒呑童子、最後にケルベロスを倒した人間がタダの人間だと思っているのなら、お前は3流魔王だよ」
「我が3流だと!」
魔王スルトは、ヒロトシの言葉に激昂した。そして、片手を頭上にあげると巨大な火の玉を作り出した。ヒロトシはそれを見て、口を開けて呆然としたのだった。
「何を呆けておる。死ねええええぇ!」
魔王スルトは、その炎の球をヒロトシに向けて撃ったのだ。その炎の球はとんでもない速さで、ヒロトシに命中し大爆発を起こした。
「わははははははは!油断しおって。地獄の業火に消滅するがよい!その炎は命尽きるまで消えぬ」
「だから、お前は3流と言われるんだよ。俺とケルベロスの戦いを見てなかったのか?」
炎の中から、ヒロトシの声が聞こえてきたのだ。
「ば、ばかな!」
「馬鹿はお前だ。俺に炎は効かないのは知っているだろうが」
ヒロトシは、拳を振り上げ拳圧で炎を吹き飛ばした。
「なっ⁉我の炎を」
「何が地獄の業火だ。こんなのため息で消えるとろ火じゃねえか!」
ヒロトシは、ナックルにウォーターウェポンをかけて拳を打ったのだ。対立する属性の攻撃は炎を簡単に打ち消す事が出来た。
「貴様!我の炎がとろ火だと!愚弄するでないわ!」
魔王スルトは、炎の魔剣を手に取って、ヒロトシに突っ込んできた。今度は両手剣で刀身が炎の様に波打ったフランベルジュという炎の剣を振りかぶった。
「ったく……懲りない奴だな」
ヒロトシは魔王スルトなめきっていた。スルトは時間をかけて魔力を増大しパワーアップしていたのだ。その剣圧はヒロトシを吹き飛ばした。
「ぐっ!」
「どうした先ほどまでの威勢は!」
魔王スルトは、続けて突っ込みヒロトシを滅多打ちにしたが、ヒロトシもそれに対応して、剣を拳で受け切っていた。
「いつまで、その拳で受け続けるつもりだ?」
「くっ……まさかここまでパワーアップしているとは……」
「そーら!ドンドン剣が速くなっていくぞ!」
「くっ」
魔王スルトはドンドン剣のスピードを上げていく。不利になっていくヒロトシを見て、魔王スルトは気分がいいのか厭らしい笑みを浮かべる。
「さぁ~~~て!そろそろ死ぬか?マックスパワー!」
魔王スルトは、フランベルジュを振りかぶり、ヒロトシに渾身の一撃を与えた。炎ダメージは与える事は出来ないが、フランベルジュの物理ダメージは、ヒロトシに与える事は出来たみたいだった。
「ぐはっ!」
「ほう!この一撃に耐えるとは人間にしてはたいしたものだ。褒めてつかわす。しかし、我の動きについてこれないのではもう死ぬしかあるまいな?あの世でこの世がどう変わるか、後悔しながら見学をしているんだな。わはははははははははははははは!」
「くっくっく」
「何がおかしい?とうとう気でもふれてしまったか?」
「さすがは三流魔王。少し有利に立つとご満悦になるのは滑稽だなと思ってな」
「貴様!我を又三流と抜かしおったな?もう許せぬ!その身を切り刻んでくれるわ!」
魔王スルトは、怒りのあまりその顔は赤黒く変化していた。そして、フランベルジュを振りかぶり突進してきたのだ。しかし、ヒロトシは余裕で左手をポケットにしまっていた。
「貴様!我をとことん舐め腐って、油断した事を後悔しろ!」
「ああ!確かに油断したのは悪かったな。本気で相手をしてやるよ」
魔王スルトが渾身の一撃を放ったが、それを余裕でフランベルジュをの太刀筋を見切り、拳で横から殴り叩き落とした。
「なっ⁉」
魔王は慌てて、ヒロトシを睨みつけると、今までヒロトシは右手にだけナックルを装備していたのに、同じものを左手にも装備して構えを取っていたのだ。
「さあ!第2ラウンドと行こうか!」
「なっ、なんだと?今まで手を抜いていたと言うのか?」
「三流魔王相手に本気で戦うかよ!まあ、俺も少し侮っていたから少しだけ本気になってやるよ」
ナックル装備は片手だけなら、魔法石のオプション効果が通常通り発揮するが、このヒロトシ専用武器は2つ揃うと真の威力を発揮することになる。
例えば攻撃速度は今の地点で、+5武器の為に4倍に跳ね上がっている。しかし、ナックルが2つ揃う事で8倍だと思うが、相乗効果で10倍の効果を発揮している。
ルビー 物理攻撃力上昇
アメジスト 物理クリティカル率上昇
真珠 物理クリティカル威力上昇
ぺリドット 物理攻撃速度上昇
キャッツアイ 魔法力上昇
ヒスイ 魔法クリティカル率上昇
トルマリン 魔法クリティカル威力上昇
つまり、今ヒロトシはこれだけの効果が10倍に跳ね上がっていることになる。
「なっ……」
「形勢逆転!この世から消え失せろ!」
ヒロトシは、魔王スルトの懐に飛び込み、両手で今までとは次元の違う速さで乱打した。
「どらどらどらどらどらどらどらどら!」
「ぐげげげげげげげげげげげげげげ!」
今までの戦いは何なんだったのかと言う様な感じのヒロトシの戦闘力だった。魔王スルトも何が起こっているのか理解が出来なかった。一瞬で懐に入られたと思ったら、全身にあり得ない痛みが永遠に続くのだ。息をしようにも、胸に味わった事のない衝撃が連打され、呼吸が満足にできなかった。
そして、耳や手は吹き飛びダメージが再生しない。いや、しているのだが回復がヒロトシの攻撃力のダメージに追いつかないのだ。
「や、やめ……めめて……くれ……」
「おっと、やりすぎたか?」
ヒロトシは、スルトの姿を見てハッとして飛びのいた。そして、スルトは糸が切れたマリオネットの様に、その場に崩れ落ちたのだった。
「ぐはっ……」
「やっぱ少し本気を出したらついてこれなかったか……」
「き、きさ……ま……本当に人間なのか……」
「当たり前だ!正真正銘の人間だ。そんな事はどうでもいい。お前には悪いがこの地上からは消えてもらう」
「勝手にするがよい。地上にお前がいたのなら我の野望も潰えた」
スルトはそう言って、不気味な笑みを浮かべた。
「ふん!何が野望だ。この三流破壊神が」
ヒロトシは、床に倒れているスルトの首にフランベルジュを叩き落とし、その首を刎ね討伐に成功した。ヒロトシは、スルトの遺体をインベントリにしまい、町に帰ろうと一息ついた。
すると、スルトの魔王城が地響きをたてた始めた。ヒロトシにとってまさかの出来事だった。魔王城が崩れ始めたのである。
この魔王城は、スルトの魔力で無理やりこじ開けたものだ。今、スルトが死んでこの空間が維持できなくなったのだ。
「くっ……あの笑みは、こうなる事が分かっていたからか?」
ヒロトシは、地上に向けて脱出を開始したが、間にあいそうになかった。
「しょうがない……諦めるか……セバス達には悪い事をしたな。生きて帰ると約束したのに……」
その時、ヒロトシの身体が輝きだし、ミレーヌの声が聞こえたのだ。
『ヒロトシさん、魔王を始末してくれてありがとうございます』
「ミレーヌさん?」
『諦めないでください!時間がありません。約束の唯一無二魔法のスキル報酬です』
「なんで、教会でもないのに声が?」
『そんな事はいいから!早くスキルを使って!」
ヒロトシは頭の中に浮かんだ魔法を使った。女神ミレーヌが、ヒロトシに作ったのは時空属性魔法だった。時空属性とは時間と空間のカテゴリーとなる魔法だ。ダンジョンから出るマジックバックはこの属性となる。
そして、ヒロトシはダンジョンの入り口をイメージした。そして、魔法を呟く様に唱えた。
「エスケープ」
その瞬間その場所にヒロトシの姿はなく、一瞬でダンジョンの入り口に瞬間移動をした。ヒロトシが使ったのは、時空魔法1レベルの【エスケープ】という魔法だった。
「これはすごい!ミレーヌさん助かったよ」
しかし、その返事はなかった。その頃、天界ではミレーヌは安心してため息をついていた。そして、ミレーヌの隣にはもう一人の姿があった。
「ミレーヌ様、なんとか間にあったみたいですね?」
「ええ!ジェシカ助かりました。本当にありがとうございます」
ジェシカが天界にいたのだった。ジェシカは信仰心が5レベルになった事で毎日のようにお祈りをして、ミレーヌに会いに来ていた。そして、ジェシカにもミレーヌは加護を与えたのである。
ジェシカとヒロトシの加護を共鳴させる事で、本当に短時間だが先ほどの様に会話やコンタクトを可能にした。
補足だが、ヒロトシの加護はレアスキルのインベントリと神眼であるが、ジェシカの加護は、アストラルボディーである。効果としては、毎日天界にいけてミレーヌに会う事が出来るものだ。本来の使用方法は、次元を越えて脱出が可能な強力なスキルである。
とにかく、ジェシカのおかげと言っても過言ではなく、ヒロトシは無事にダンジョンから脱出ができた。そして、ヒロトシがダンジョンの入り口を見ると、その入り口は完全に塞がっていて、ヒロトシは大きくため息をつき安堵したのは言うまでもなかった。
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