95 / 347
第3章 新しい研磨
20話 懇願
しおりを挟む
㋪美研で売り出されたクッキーは大人気商品となった。サトウキビを絞りエキスを煮詰める作業も、魔晄炉を使い効率化をした事で作業も早くなった。
そして、このクッキーは砂糖を少量にしても、十分甘さを感じ取れたのは運が良かったと言うしかなかった。
「ちょっといいかね?ヒロトシ君に取り次いでもらいたい!」
これにとびついたのは、貴族であるシルフォードだった。王都でも滅多に入荷しない砂糖を使ったお菓子の事で㋪美研にやってきたのだ。
「こ、これは、領主様。こんなところにやって来るなんて、連絡を受ければご主人様に報告したものを」
マイン達は、領主が店にやってきたことに驚いたのだった。
「そんな事よりこれはいったいどこから!」
シルフォードは慌ててクッキーを指さしたのだ。
「それは、いくら領主様でも教える事は出来ません。申し訳ありません」
「とにかく君達では話にならん!ヒロトシ君と会わせてくれ!」
「わかりました。それではこちらにどうぞ」
マインはシルフォードを客室に案内して、ヒロトシを呼びにいった。
「まさかシルフォード様が、位の一番にやって来るとは思わなかったな」
「ご主人様は誰が来ると思ったのですか?」
「そりゃ生産ギルドか商人ギルドだろ」
「た、確かに……」
「じゃあ、準備してから行くからシルフォード様をよろしく頼む」
「それは、もうセバスが対応してくれてますよ。あのお菓子を出して」
マインはそう言って、ヒロトシにウィンクをして業務に戻っていった。それを聞き、ヒロトシは苦笑いをした。
「お待たせしました」
ヒロトシが客室に入ると、シルフォードは立ち上がりヒロトシに詰め寄った。
「ヒロトシ君!これはいったいどういう事なんだ?」
「まあ、落ち着いて下さい」
「これが落ち着けるわけがなかろう!エルフ国の特産である砂糖をどうやって手に入れたのだ?」
「それは、いくらなんでも教えられませんよ。商人の仕入れ先などその商人の強みですよ?」
「では、言い方を変える。まさかとは思うが、砂糖豆が魔の森で見つかったと言うのかい?」
シルフォードは、ヒロトシがこの半年の間自分の土地に出向いていることで、そのように推測をしたのだった。
「いいえ。違いますよ。魔の森では砂糖豆は見つけていません」
ヒロトシが見つけたのは、砂糖豆ではなくサトウキビなので嘘は言っていない。
「では、どこからこんな貴重産物を!」
「それはシルフォード様にも教えられません」
「うぐっ……」
「では砂糖の収穫量はどれほどなんだ?町に卸すほどあるのかい?もしあるのなら……」
「エルフ国から、毎年ごく少量しか他国に輸出されないんですよね?そんな事聞く方が、おかしな話だと思いませんか?」
「うっ……」
「君は、エルフ国とも繋がりがあると言うのかね?」
「何を言っているんですか?俺はずっとこの町にいるではありませんか?そりゃ3日に一回は日帰りで自分の土地には出向いていますが、その工程でエルフ国になんか行けないのは分かるでしょ?」
「しかし、砂糖なんてどこから!」
「どこからと言っても、仕入れ先を教えるわけにはいきませんよ」
「むぐぐぐ……本当に砂糖を卸してもらう事は出来ないのかね?」
「そんな事をすれば、この店で売るクッキーはなくなり、民衆の不満が爆発しますよ」
「それは……」
「それにこの砂糖は、この町で使うつもりで仕入れたものです。この糖分は冒険者達が少しでも疲れた時に、体力を回復させるものと思っています。まあ、町の人達にも日頃の疲れを癒してもらう為でもありますが」
「だが、その砂糖があれば君の店はもっと儲かるのだぞ?」
「確かにこれを領主様やギルドに売れば、㋪にはとんでもない金が入ると思いますよ」
「そうだろ?だったら!」
「でも、もう金や名誉なんかもいらないんですよね?」
「なっ!」
「名誉はローベルグ様から、土地を貰い王都で認知されています。この町に派遣されている衛兵から、毎回我が国の英雄だって挨拶されるんですよ」
「それは!しかし金はいくらあっても……」
「今までどれだけ報奨金を貰ったと思っているのですか?人生何周もできますよ。それに生活は、研磨業務で十分ですよ」
「だが……」
「これ以上金を使おうと思ったら、俺自身の町を作るしかないですよ?本当にそれでいいのですか?」
「ちょ、ちょっと待ちたまえ!」
ヒロトシは、シルフォードにミトンの町を出て、自分の町を作ると脅したのだった。
「そうなって困るのは、シルフォード様だと思うのですが……それなら、ここは目をつむって町の売り上げが上がる事で納得した方がよろしいのではありませんか?」
「君という人間は……」
「こういっては何なんですが、ミトンの町の財政はもう大丈夫でしょ?」
「それはそうかもしれんが、砂糖があればさらにこの町は!」
「シルフォード様そんなに欲張らない方がいいですよ。これは俺が仕入れたものであり、ミトンの町にとって幸運だっただけの物です。欲張ると痛い目に遭うと忠告しますよ」
「だが……」
シルフォードは、どうしても諦める事が出来ないようで引いてくれる気配が無かった。
「どうしても、諦められませんか?」
「そんなの聞くまでもなかろう。これがミトンの町の産物になればどれほどの功績に!」
「それは違いますよ。ミトンの町の功績でも産物じゃありません」
「なぜだ!」
「俺の功績であって、ミトンの町とは関係ないじゃありませんか。この砂糖は、シルフォード様主体でミトンの町で生産して行なったものですか?」
「それはそうだが……しかし、この町から売り出す物であろう?」
「シルフォード様、もうちょっと冷静になりましょう。シルフォード様の気持ちは分からないわけではないですが、鏡はこの町の産業ですか?違いますよね?」
「そ、それは……」
「この町の産業は、シルフォード様がやっているシャープネスオイルであるポーションだけです。もし、この町から他の町に輸出している物がそうだと言うのなら鏡は税金対象にはならないはずです」
「ぬううう……」
「シルフォード様、今回は諦めてください。エルフ国でも外の国に砂糖を小量しか輸出しないのに、俺みたいな個人店がそんなに多くの砂糖を卸す事などできません」
「それはそうだが……」
「本当ならこれは売り出すつもりもなかったほどなんです」
「そ、そんな!」
「まあ、聞いて下さいよ。個人店で仕入れるとなれば本当にごく少量です。しかし、この町の人達は本当にいい人ばかりだと思います。あのクッキーはその感謝のしるしとして売っただけです」
「……」
「当然、シルフォード様にも感謝はしていますよ。だから砂糖を使った菓子が欲しければ、㋪で購入してください」
ヒロトシの説明に、シルフォードは大きくため息をついた。
「もう一つ聞きたい」
「なんでしょうか?」
「これから先、砂糖の仕入れ量は上がる可能性はないのか?」
「それはわかりません!しかし、もし上がって町に卸す事が出来るようならシルフォード様に相談しますよ」
「本当だね?」
「俺が今まで嘘をついた事が?」
「ついた事はないが、黙っていたことはたくさんあるだろ?」
「まあ、そういう事になれば諦めてください。俺にも理由があって黙っているんですから」
「そんな事を言うでない!」
「俺の性格上無理です。自分が有利にするには俺はどんなことでもしますよ。自分が得意とすることは薄切りに出して行けって、昔からよく言うでしょ?」
そう言われてしまえば、シルフォードはもう何も言えなかった。これらの事は貴族の世界でも切り札を取っておくのは当たり前の事だった。
馬鹿正直になんでも言う事は愚かな行為だからだ。砂糖はヒロトシにとって研磨と同じように強みの一つであり、この町には絶対に必要と思わせる商品の一つだと、シルフォードは思い知らされたのだ。
シルフォードが引いた後、当然だが生産ギルドが突ってきたのは言うまでもなかった。ヒロトシは、シルフォードに言ったことをもう一度説明しないといけなくなり、その日はドッと疲れるおもいをした。
そして、このクッキーは砂糖を少量にしても、十分甘さを感じ取れたのは運が良かったと言うしかなかった。
「ちょっといいかね?ヒロトシ君に取り次いでもらいたい!」
これにとびついたのは、貴族であるシルフォードだった。王都でも滅多に入荷しない砂糖を使ったお菓子の事で㋪美研にやってきたのだ。
「こ、これは、領主様。こんなところにやって来るなんて、連絡を受ければご主人様に報告したものを」
マイン達は、領主が店にやってきたことに驚いたのだった。
「そんな事よりこれはいったいどこから!」
シルフォードは慌ててクッキーを指さしたのだ。
「それは、いくら領主様でも教える事は出来ません。申し訳ありません」
「とにかく君達では話にならん!ヒロトシ君と会わせてくれ!」
「わかりました。それではこちらにどうぞ」
マインはシルフォードを客室に案内して、ヒロトシを呼びにいった。
「まさかシルフォード様が、位の一番にやって来るとは思わなかったな」
「ご主人様は誰が来ると思ったのですか?」
「そりゃ生産ギルドか商人ギルドだろ」
「た、確かに……」
「じゃあ、準備してから行くからシルフォード様をよろしく頼む」
「それは、もうセバスが対応してくれてますよ。あのお菓子を出して」
マインはそう言って、ヒロトシにウィンクをして業務に戻っていった。それを聞き、ヒロトシは苦笑いをした。
「お待たせしました」
ヒロトシが客室に入ると、シルフォードは立ち上がりヒロトシに詰め寄った。
「ヒロトシ君!これはいったいどういう事なんだ?」
「まあ、落ち着いて下さい」
「これが落ち着けるわけがなかろう!エルフ国の特産である砂糖をどうやって手に入れたのだ?」
「それは、いくらなんでも教えられませんよ。商人の仕入れ先などその商人の強みですよ?」
「では、言い方を変える。まさかとは思うが、砂糖豆が魔の森で見つかったと言うのかい?」
シルフォードは、ヒロトシがこの半年の間自分の土地に出向いていることで、そのように推測をしたのだった。
「いいえ。違いますよ。魔の森では砂糖豆は見つけていません」
ヒロトシが見つけたのは、砂糖豆ではなくサトウキビなので嘘は言っていない。
「では、どこからこんな貴重産物を!」
「それはシルフォード様にも教えられません」
「うぐっ……」
「では砂糖の収穫量はどれほどなんだ?町に卸すほどあるのかい?もしあるのなら……」
「エルフ国から、毎年ごく少量しか他国に輸出されないんですよね?そんな事聞く方が、おかしな話だと思いませんか?」
「うっ……」
「君は、エルフ国とも繋がりがあると言うのかね?」
「何を言っているんですか?俺はずっとこの町にいるではありませんか?そりゃ3日に一回は日帰りで自分の土地には出向いていますが、その工程でエルフ国になんか行けないのは分かるでしょ?」
「しかし、砂糖なんてどこから!」
「どこからと言っても、仕入れ先を教えるわけにはいきませんよ」
「むぐぐぐ……本当に砂糖を卸してもらう事は出来ないのかね?」
「そんな事をすれば、この店で売るクッキーはなくなり、民衆の不満が爆発しますよ」
「それは……」
「それにこの砂糖は、この町で使うつもりで仕入れたものです。この糖分は冒険者達が少しでも疲れた時に、体力を回復させるものと思っています。まあ、町の人達にも日頃の疲れを癒してもらう為でもありますが」
「だが、その砂糖があれば君の店はもっと儲かるのだぞ?」
「確かにこれを領主様やギルドに売れば、㋪にはとんでもない金が入ると思いますよ」
「そうだろ?だったら!」
「でも、もう金や名誉なんかもいらないんですよね?」
「なっ!」
「名誉はローベルグ様から、土地を貰い王都で認知されています。この町に派遣されている衛兵から、毎回我が国の英雄だって挨拶されるんですよ」
「それは!しかし金はいくらあっても……」
「今までどれだけ報奨金を貰ったと思っているのですか?人生何周もできますよ。それに生活は、研磨業務で十分ですよ」
「だが……」
「これ以上金を使おうと思ったら、俺自身の町を作るしかないですよ?本当にそれでいいのですか?」
「ちょ、ちょっと待ちたまえ!」
ヒロトシは、シルフォードにミトンの町を出て、自分の町を作ると脅したのだった。
「そうなって困るのは、シルフォード様だと思うのですが……それなら、ここは目をつむって町の売り上げが上がる事で納得した方がよろしいのではありませんか?」
「君という人間は……」
「こういっては何なんですが、ミトンの町の財政はもう大丈夫でしょ?」
「それはそうかもしれんが、砂糖があればさらにこの町は!」
「シルフォード様そんなに欲張らない方がいいですよ。これは俺が仕入れたものであり、ミトンの町にとって幸運だっただけの物です。欲張ると痛い目に遭うと忠告しますよ」
「だが……」
シルフォードは、どうしても諦める事が出来ないようで引いてくれる気配が無かった。
「どうしても、諦められませんか?」
「そんなの聞くまでもなかろう。これがミトンの町の産物になればどれほどの功績に!」
「それは違いますよ。ミトンの町の功績でも産物じゃありません」
「なぜだ!」
「俺の功績であって、ミトンの町とは関係ないじゃありませんか。この砂糖は、シルフォード様主体でミトンの町で生産して行なったものですか?」
「それはそうだが……しかし、この町から売り出す物であろう?」
「シルフォード様、もうちょっと冷静になりましょう。シルフォード様の気持ちは分からないわけではないですが、鏡はこの町の産業ですか?違いますよね?」
「そ、それは……」
「この町の産業は、シルフォード様がやっているシャープネスオイルであるポーションだけです。もし、この町から他の町に輸出している物がそうだと言うのなら鏡は税金対象にはならないはずです」
「ぬううう……」
「シルフォード様、今回は諦めてください。エルフ国でも外の国に砂糖を小量しか輸出しないのに、俺みたいな個人店がそんなに多くの砂糖を卸す事などできません」
「それはそうだが……」
「本当ならこれは売り出すつもりもなかったほどなんです」
「そ、そんな!」
「まあ、聞いて下さいよ。個人店で仕入れるとなれば本当にごく少量です。しかし、この町の人達は本当にいい人ばかりだと思います。あのクッキーはその感謝のしるしとして売っただけです」
「……」
「当然、シルフォード様にも感謝はしていますよ。だから砂糖を使った菓子が欲しければ、㋪で購入してください」
ヒロトシの説明に、シルフォードは大きくため息をついた。
「もう一つ聞きたい」
「なんでしょうか?」
「これから先、砂糖の仕入れ量は上がる可能性はないのか?」
「それはわかりません!しかし、もし上がって町に卸す事が出来るようならシルフォード様に相談しますよ」
「本当だね?」
「俺が今まで嘘をついた事が?」
「ついた事はないが、黙っていたことはたくさんあるだろ?」
「まあ、そういう事になれば諦めてください。俺にも理由があって黙っているんですから」
「そんな事を言うでない!」
「俺の性格上無理です。自分が有利にするには俺はどんなことでもしますよ。自分が得意とすることは薄切りに出して行けって、昔からよく言うでしょ?」
そう言われてしまえば、シルフォードはもう何も言えなかった。これらの事は貴族の世界でも切り札を取っておくのは当たり前の事だった。
馬鹿正直になんでも言う事は愚かな行為だからだ。砂糖はヒロトシにとって研磨と同じように強みの一つであり、この町には絶対に必要と思わせる商品の一つだと、シルフォードは思い知らされたのだ。
シルフォードが引いた後、当然だが生産ギルドが突ってきたのは言うまでもなかった。ヒロトシは、シルフォードに言ったことをもう一度説明しないといけなくなり、その日はドッと疲れるおもいをした。
3
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる