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第3章 新しい研磨
15話 村
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カエデ達が、㋪美研で住み始めてから1週間が経った。今日は、カエデ達がどういう選択をするか決める日だ。朝食がすんで、ヒロトシはカエデ達を会議室に呼んで話し合いをした。
「それでどのようにするか決まりましたか?」
「そのことですが、やはり貴方の奴隷にならないとここには置いていただけないのですか?」
「ああ。申し訳ないね……こればかりは、口で言っても分からないだろうしね。仮に、そのままここにおいてセバス達にそういう扱いをした場合、俺は君達を許すわけにはいかない」
「……」
「で、どうしますか?奴隷という立場が嫌なら、そういう選択をしてもらってもかまいません」
「カエデ様……やはりここはヒロトシ様の条件を飲んだ方が……」
「悔しいですが、闇ギルドからの追手にわたし達だけでは対応できません」
カエデの意見とは別に、サスケ達はもう覚悟を決めていた。しかし、カエデはせっかく脱出できたサスケ達を奴隷にはしたくなかった。闇ギルドから自由になれたはずなのに、それから逃れる条件が奴隷という立場で縛られてしまうからだ。
「わ、分かりました……あたし達はあなたの奴隷にならさせていただきます。これからどうぞよろしくお願いします」
「その答えで本当にいいかい?」
「この子達には自由を手に入れてほしかったのですが、ヒロトシ様の元から離れれば殺されてしまうでしょう……この一週間ここでの生活を見させて頂きました。この生活ならば、奴隷として縛られていると言っても不都合は無いでしょう」
「貴方は子供達の事を想ってその決断でいいですね?」
「はい!よろしくお願いします」
「君達もそれでいいね?」
「「「「はい。よろしくお願いします」」」」
「わかりました。君達の覚悟を見させてもらいました」
「覚悟?」
「ええ。俺の家族達と普通に接する為に、自ら奴隷へと落ちようとする覚悟ですよ。騙して申し訳ない。貴方達は奴隷に落ちる必要はありません」
「「「「「えっ⁉」」」」」
「それはどういうことですか?」
「貴方達をどうしても信じる事が出来なかったので、覚悟というものを観させてもらったのです。カエデさんはこの子達の為に奴隷に落ちる覚悟をしました」
「では!」
「ええ。貴方は闇ギルドの間者ではないと確信できました。貴方達を保護対象として匿わせていただきます」
「本当によろしいのですか?」
カエデの後ろでは、サスケ達が手を取り喜んでいた。
「貴方達には、俺の奴隷になってもらいたいんですがね」
「でも、何でそこまで奴隷に拘るのですか?」
「そりゃそうでしょ?セバス達を平民のように扱ってほしいからですよ。それともう一つ、貴方達は工場には一切入れなかったことにあります」
「そういえば、研磨工場には入れませんでした……」
「研磨は俺の飯の種だからね。毎日見てたらどういう物かわかってしまうから、奴隷になってしまえば外に漏れる事はないからね」
「ですが、ギルドからの紹介は受けて、弟子を受け入れていたではないですか」
「あれは、全員が1日も持たず逃げ出す事が分かっていたからね。そんな短時間でわかるほど、研磨技術は浅い技術じゃないよ」
「た、確かに……」
「それと君達は、俺の奴隷にはならないと選択したので、この町を出て行って貰う事にする」
ヒロトシの言葉にカエデを始め、サスケ達も慌てふためいた。
「ちょ、ちょっと待ってください!どういう事ですか?」
「まあ、慌てるな!なにも君達を見捨てるわけじゃないよ」
「で、ですが!」
「君達は、闇ギルドの人間だったはずだ!」
「それはそうですが、あたし達は闇ギルドが嫌で抜けた人間です」
「俺はそれを信じるが、ミトンの町の人間はどうだと思う?」
「「「「「あっ……」」」」」
「いいか?よく聞いてくれ。俺が闇ギルドの人間だったら君達を始末する為、情報を町に流すところから始める。カエデ達は闇ギルドの脱走者だとね」
「うっ……」
「だから、俺は君達を奴隷にしたかったという理由もある。君達が奴隷になれば、立場上俺の財産だからいくらでも庇う事が出来るからね。だが、奴隷じゃなければ君達は闇ギルドの脱走者であり犯罪者だ」
「だけど、ここから出されればあたし達は闇ギルドに始末されてしまいます」
「ああ!分かっているよ」
「だったら!」
「だから、俺の話を聞けって。このままでは、俺も君達を庇っている事で、闇ギルドと繋がっていると言われかねない。そうなればセバス達の立場もやばくなるんだ」
「では……やっぱりあたし達は……」
「だが、嫌なんだろ?」
「……」
「だから、君達は俺の村に行ってもらう事にする」
「俺の村ってどういう事ですか?」
ヒロトシは、王国からもらった土地がある事を説明した。そして、カエデ達を村人第一号として迎え入れようとしたのだった。
「わたし達5人だけですか?」
「とりあえずな」
「とりあえずとは、一体どういうことですか?」
「君達はこれから村で生活して、闇ギルドから縁を切る事になる。一から村を作れば、噂を流される心配もないからね」
「しかし、村を作るだなんて何年かかるか!」
「大丈夫だよ」
ヒロトシはまず、城壁を魔法で作り結界で覆う事を説明した。そうすれば敵意のあるものは絶対に侵入できなくなり、魔物からも安全な村の敷地が出来ると説明した。
「でも、家はどうするのですか?」
「当面はこのハウスで暮らしてもらう。そして、うちには大工もたくさんいるからな。みんなに協力してもらう事にする」
その説明に、ヒロトシの実力の底が見えず呆気にとられた。
「でも……あたし達はそれからどうすればいいのですか?」
「農家で生活をたてたらいいんじゃないか?その村で自由に生活すればいいよ。まずは、俺がその場所に連れて行くから一緒について来てくれるか?」
「わ、わかりました」
ヒロトシは、カエデ達とミルデンス達護衛メンバーと新たな大工のスキルがある生産者を、全員連れてトラックに乗り込んだ。
「ヒロトシ様、どこに行かれるのですか?」
城門前で、衛兵達がヒロトシに声をかけてきた。トラックで移動となればどこまで行くのか分からないから、衛兵達は慌てて聞いてきたのだった。
「大丈夫だよ。俺はこの町から離れる事はないし、セバス達はちゃんと家に留守番しているよ」
「そ、そうですか……それを聞き安心しました。それでどこに?」
「ああ。ローベルグ様に貰った土地があっただろ?どんなとこか確認と言うか、一度見ておきたいと思ってな」
「えっ?この2年一度も確認してなかったのですか?」
「まあな……あの土地に住もうと思う人間はいないだろうし、やっと俺の方も確認できる余裕が出来た感じかな」
「ヒロトシ様なら、あの周辺でも大丈夫だと思いますが、くれぐれも油断しない様にお願いします」
「ああ、分かっているよ。心配してくれてありがとうな」
「では、気を付けていってらっしゃいませ」
ヒロトシは、トラックを北東に向けて走らせた。この大陸は本当に大きいが、人間が住む生活範囲は本当に狭い。
ロドン王国領はその中でも大陸の南に位置していて、気候は暖かく北東に向かう土地でも本当に住みやすい気候である。
しかし、大陸の中心にある広大な森は魔の森と言われていて、森の近くには普通にAランクの魔物が徘徊しているほど危険な土地なのだ。森の奥に行けば更に危険な魔物がいて、EXランクの魔物がいるとかいないとか噂で聞くだけだが、それほどまでに未開な土地である。
そして、そんな場所にある土地に好き好んで生活する人間は皆無であり、王国でも新たな土地を増やす為に、開発村を建設する事は出来なかった。
まず、敷地を確保するために城壁の建設で断念していた。大量に物資を運び人材を派遣しても、魔物が強すぎる為、建設途中で魔物に襲われ城壁を壊されてしまうのだ。
「でも、ヒロトシ様……城壁を我々だけでだなんて大丈夫なのですか?」
「城壁と結界は俺だけだよ。お前達は敷地内に家の建設だ」
「えっ……」
生産者達は新しく㋪にやって来た人間ばかりだった。それ故に、城壁を自分一人でやると聞き唖然としていた。
「だから、お前達の出番は城壁が出来てからだな」
「ですが……」
大工として役に立とうと思っていた奴隷達だが、てっきり城壁も自分達が手伝うと思っていた。それも城壁とは呼べないような柵のようなものである。
そう思うのも当然だった。自分達はカエデたち5人が住む為の開発村を作ると聞いていたからだ。主の命令だから否定もせず着いてきていたが、本来ならこんな無謀な事は考えられなかった。
「でも主……本当にこの人数で出来るのですか?本来なら国家事業なんですぜ?」
「何言ってんだよ。今から行く土地は俺の持ち物なんだぞ?そこに村を作ると言うのなら、これだって十分国家行事じゃないか」
「そういう事じゃなくて……」
「まあ、いいからいいから!俺に任せておけって」
「はぁ……主がそう言うのなら」
ヒロトシ達は半日もかからず、貰った土地に着いた。
「へええ!結構いい土地じゃないか」
「ここが主君の土地ですか?」
「ああ。そのようだね。ここなら平地だしそんな苦労もしないだろう。まず、ここには川もあるし、ここを下ればミトンの町に着くな」
ヒロトシは、この場所に村を作ることを決めた。そして、土属性の【ウォールオブストーン】を唱えて円型に土壁を作った。その土壁は2mほどの高さだが、十分にバリケートとして役に立つものだった。
「これほどの土地があれば十分だな」
そして、ヒロトシは結界石を作動させこの土地一体に結界を張ったのだ。ここにきて30分ほどで、村の敷地を完成させてしまった。
この敷地の中心にはハウスで立てた大きな屋敷を作り、カエデや生産者達が住める家を建ててしまったのだ。このあり得ない速さで村を作ってしまった事に、カエデたちは呆然と立ち尽くしていた。
「それでどのようにするか決まりましたか?」
「そのことですが、やはり貴方の奴隷にならないとここには置いていただけないのですか?」
「ああ。申し訳ないね……こればかりは、口で言っても分からないだろうしね。仮に、そのままここにおいてセバス達にそういう扱いをした場合、俺は君達を許すわけにはいかない」
「……」
「で、どうしますか?奴隷という立場が嫌なら、そういう選択をしてもらってもかまいません」
「カエデ様……やはりここはヒロトシ様の条件を飲んだ方が……」
「悔しいですが、闇ギルドからの追手にわたし達だけでは対応できません」
カエデの意見とは別に、サスケ達はもう覚悟を決めていた。しかし、カエデはせっかく脱出できたサスケ達を奴隷にはしたくなかった。闇ギルドから自由になれたはずなのに、それから逃れる条件が奴隷という立場で縛られてしまうからだ。
「わ、分かりました……あたし達はあなたの奴隷にならさせていただきます。これからどうぞよろしくお願いします」
「その答えで本当にいいかい?」
「この子達には自由を手に入れてほしかったのですが、ヒロトシ様の元から離れれば殺されてしまうでしょう……この一週間ここでの生活を見させて頂きました。この生活ならば、奴隷として縛られていると言っても不都合は無いでしょう」
「貴方は子供達の事を想ってその決断でいいですね?」
「はい!よろしくお願いします」
「君達もそれでいいね?」
「「「「はい。よろしくお願いします」」」」
「わかりました。君達の覚悟を見させてもらいました」
「覚悟?」
「ええ。俺の家族達と普通に接する為に、自ら奴隷へと落ちようとする覚悟ですよ。騙して申し訳ない。貴方達は奴隷に落ちる必要はありません」
「「「「「えっ⁉」」」」」
「それはどういうことですか?」
「貴方達をどうしても信じる事が出来なかったので、覚悟というものを観させてもらったのです。カエデさんはこの子達の為に奴隷に落ちる覚悟をしました」
「では!」
「ええ。貴方は闇ギルドの間者ではないと確信できました。貴方達を保護対象として匿わせていただきます」
「本当によろしいのですか?」
カエデの後ろでは、サスケ達が手を取り喜んでいた。
「貴方達には、俺の奴隷になってもらいたいんですがね」
「でも、何でそこまで奴隷に拘るのですか?」
「そりゃそうでしょ?セバス達を平民のように扱ってほしいからですよ。それともう一つ、貴方達は工場には一切入れなかったことにあります」
「そういえば、研磨工場には入れませんでした……」
「研磨は俺の飯の種だからね。毎日見てたらどういう物かわかってしまうから、奴隷になってしまえば外に漏れる事はないからね」
「ですが、ギルドからの紹介は受けて、弟子を受け入れていたではないですか」
「あれは、全員が1日も持たず逃げ出す事が分かっていたからね。そんな短時間でわかるほど、研磨技術は浅い技術じゃないよ」
「た、確かに……」
「それと君達は、俺の奴隷にはならないと選択したので、この町を出て行って貰う事にする」
ヒロトシの言葉にカエデを始め、サスケ達も慌てふためいた。
「ちょ、ちょっと待ってください!どういう事ですか?」
「まあ、慌てるな!なにも君達を見捨てるわけじゃないよ」
「で、ですが!」
「君達は、闇ギルドの人間だったはずだ!」
「それはそうですが、あたし達は闇ギルドが嫌で抜けた人間です」
「俺はそれを信じるが、ミトンの町の人間はどうだと思う?」
「「「「「あっ……」」」」」
「いいか?よく聞いてくれ。俺が闇ギルドの人間だったら君達を始末する為、情報を町に流すところから始める。カエデ達は闇ギルドの脱走者だとね」
「うっ……」
「だから、俺は君達を奴隷にしたかったという理由もある。君達が奴隷になれば、立場上俺の財産だからいくらでも庇う事が出来るからね。だが、奴隷じゃなければ君達は闇ギルドの脱走者であり犯罪者だ」
「だけど、ここから出されればあたし達は闇ギルドに始末されてしまいます」
「ああ!分かっているよ」
「だったら!」
「だから、俺の話を聞けって。このままでは、俺も君達を庇っている事で、闇ギルドと繋がっていると言われかねない。そうなればセバス達の立場もやばくなるんだ」
「では……やっぱりあたし達は……」
「だが、嫌なんだろ?」
「……」
「だから、君達は俺の村に行ってもらう事にする」
「俺の村ってどういう事ですか?」
ヒロトシは、王国からもらった土地がある事を説明した。そして、カエデ達を村人第一号として迎え入れようとしたのだった。
「わたし達5人だけですか?」
「とりあえずな」
「とりあえずとは、一体どういうことですか?」
「君達はこれから村で生活して、闇ギルドから縁を切る事になる。一から村を作れば、噂を流される心配もないからね」
「しかし、村を作るだなんて何年かかるか!」
「大丈夫だよ」
ヒロトシはまず、城壁を魔法で作り結界で覆う事を説明した。そうすれば敵意のあるものは絶対に侵入できなくなり、魔物からも安全な村の敷地が出来ると説明した。
「でも、家はどうするのですか?」
「当面はこのハウスで暮らしてもらう。そして、うちには大工もたくさんいるからな。みんなに協力してもらう事にする」
その説明に、ヒロトシの実力の底が見えず呆気にとられた。
「でも……あたし達はそれからどうすればいいのですか?」
「農家で生活をたてたらいいんじゃないか?その村で自由に生活すればいいよ。まずは、俺がその場所に連れて行くから一緒について来てくれるか?」
「わ、わかりました」
ヒロトシは、カエデ達とミルデンス達護衛メンバーと新たな大工のスキルがある生産者を、全員連れてトラックに乗り込んだ。
「ヒロトシ様、どこに行かれるのですか?」
城門前で、衛兵達がヒロトシに声をかけてきた。トラックで移動となればどこまで行くのか分からないから、衛兵達は慌てて聞いてきたのだった。
「大丈夫だよ。俺はこの町から離れる事はないし、セバス達はちゃんと家に留守番しているよ」
「そ、そうですか……それを聞き安心しました。それでどこに?」
「ああ。ローベルグ様に貰った土地があっただろ?どんなとこか確認と言うか、一度見ておきたいと思ってな」
「えっ?この2年一度も確認してなかったのですか?」
「まあな……あの土地に住もうと思う人間はいないだろうし、やっと俺の方も確認できる余裕が出来た感じかな」
「ヒロトシ様なら、あの周辺でも大丈夫だと思いますが、くれぐれも油断しない様にお願いします」
「ああ、分かっているよ。心配してくれてありがとうな」
「では、気を付けていってらっしゃいませ」
ヒロトシは、トラックを北東に向けて走らせた。この大陸は本当に大きいが、人間が住む生活範囲は本当に狭い。
ロドン王国領はその中でも大陸の南に位置していて、気候は暖かく北東に向かう土地でも本当に住みやすい気候である。
しかし、大陸の中心にある広大な森は魔の森と言われていて、森の近くには普通にAランクの魔物が徘徊しているほど危険な土地なのだ。森の奥に行けば更に危険な魔物がいて、EXランクの魔物がいるとかいないとか噂で聞くだけだが、それほどまでに未開な土地である。
そして、そんな場所にある土地に好き好んで生活する人間は皆無であり、王国でも新たな土地を増やす為に、開発村を建設する事は出来なかった。
まず、敷地を確保するために城壁の建設で断念していた。大量に物資を運び人材を派遣しても、魔物が強すぎる為、建設途中で魔物に襲われ城壁を壊されてしまうのだ。
「でも、ヒロトシ様……城壁を我々だけでだなんて大丈夫なのですか?」
「城壁と結界は俺だけだよ。お前達は敷地内に家の建設だ」
「えっ……」
生産者達は新しく㋪にやって来た人間ばかりだった。それ故に、城壁を自分一人でやると聞き唖然としていた。
「だから、お前達の出番は城壁が出来てからだな」
「ですが……」
大工として役に立とうと思っていた奴隷達だが、てっきり城壁も自分達が手伝うと思っていた。それも城壁とは呼べないような柵のようなものである。
そう思うのも当然だった。自分達はカエデたち5人が住む為の開発村を作ると聞いていたからだ。主の命令だから否定もせず着いてきていたが、本来ならこんな無謀な事は考えられなかった。
「でも主……本当にこの人数で出来るのですか?本来なら国家事業なんですぜ?」
「何言ってんだよ。今から行く土地は俺の持ち物なんだぞ?そこに村を作ると言うのなら、これだって十分国家行事じゃないか」
「そういう事じゃなくて……」
「まあ、いいからいいから!俺に任せておけって」
「はぁ……主がそう言うのなら」
ヒロトシ達は半日もかからず、貰った土地に着いた。
「へええ!結構いい土地じゃないか」
「ここが主君の土地ですか?」
「ああ。そのようだね。ここなら平地だしそんな苦労もしないだろう。まず、ここには川もあるし、ここを下ればミトンの町に着くな」
ヒロトシは、この場所に村を作ることを決めた。そして、土属性の【ウォールオブストーン】を唱えて円型に土壁を作った。その土壁は2mほどの高さだが、十分にバリケートとして役に立つものだった。
「これほどの土地があれば十分だな」
そして、ヒロトシは結界石を作動させこの土地一体に結界を張ったのだ。ここにきて30分ほどで、村の敷地を完成させてしまった。
この敷地の中心にはハウスで立てた大きな屋敷を作り、カエデや生産者達が住める家を建ててしまったのだ。このあり得ない速さで村を作ってしまった事に、カエデたちは呆然と立ち尽くしていた。
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