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第2章 研磨という技術

22話 ダンジョン前の屑石

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 それから、数日が過ぎ本当にセバス達は一切働く事が出来なくなり、1週間の休日を過ごす事になった。そんな時家に訪問者が現れた。採掘者の人間である。

「すいません。お忙しいところ我々の面会に応じてくれて感謝します」

 さすがと言った所だろう。ヒロトシは、すでにこの町の権力者の一人であり、成人前のヒロトシに対して敬語で話しかけられていた。

「いえいえ、そちらこそ忙しい中、家に来ていただきありがとうございます。それで要件とは?」

「単刀直入にいいます。㋪で売られているミスリル製品についてです」

「ようやく気付きましたか?」

「そうです!我々が、必死で採掘した鉱石の分ですよね?」

「そうですね。今、㋪で売り出しているのは、ダンジョン前に捨ててあった鉱石の分です」

「だったら話が早い。その鉱石を買っていただきたいのです」

「えっ、何で?」

「なんでってそりゃ、私達が採掘した鉱石だからですよ」

「でも、屑石だといって捨てたものですよね?」

「しかし、あの屑石を使って、ミスリルを抽出したのなら話は別です」

「いやいや……貴方達は、あの鉱石はもう使い道がないと思って、その権利を捨てたんですよ。その捨てたものを、俺が有効活用しただけだよ」

「それは……」

「それに貴方達は採掘しただけで、その屑石を町の税金を使って、ダンジョンに捨てているんだよ?」

「うぐっ……」

「自分達の物だと主張するのなら、今までかかった町の税金を、領主様に返金する覚悟はあって、俺にそんな事を言っているんですか?」

「そ、それは……しかし、ヒロトシさんは元手ただで、ミスリル製品を売っておかしいじゃないか!」

「捨ててあったものを使ったんだ。そりゃタダなのは当たり前だろ?それにダンジョン前にあった鉱石の山は、俺が殆ど捨てたのは分かっているはずだよ」

「しかし!今まで㋪で売り出されたミスリル製品や、あの魔道砲から考えてもとんでもないミスリルの量だ」

「だから、そのミスリルの量を貴方達は捨てたんだよ?俺が責められるいわれがあるとは思わんのだが?」

「「「「「……」」」」」

「話が終わったのなら、お引き取りをしていただいてよろしいですか?」

「ちょっと待ってくれ!」

「何でしょうか?」

「ヒロトシさんは、これからもダンジョン前に捨ててある鉱石を利用するつもりですか?」

「それは当たり前だろ?あの量のミスリルが捨ててあるのは勿体ないからな」

「それでは、それをこれからは買っていただきたい!今までの分は目をつぶるので、これからはそれらを購入して頂きたいのです」

「いやいやいや……そんなの話にもならないよ。捨てる物を購入って、俺を馬鹿にしているのか?」

「馬鹿になどしてはいません。こちらとしては命を懸けて採掘しているのです。それを捨てているからと言って、勝手に利用されてはこちらとしても商売あがったりだ」

「ほうう!そんな事を言うんだ。俺も、この町に税金を納めている者として言わせていただこう。だったら、貴方達が採掘した鉱石は最後まで、貴方達が責任を持って廃棄してもらおう!そんな廃棄のために税金を使ってほしくない!」

「それは昔から決まっている事だ!我々はあの場所に廃棄してよいと決まって、冒険者達が捨てに行ってくれることで、冒険者は生活する金を稼げると言っている」

「そうかそうか。じゃあ、俺はあの捨ててある鉱石にはもう二度と使わない。それならいいのか?」

「えっ?」

「え、じゃないよ。それなら貴方達は納得できるんだな?」

「使わないというのなら納得しよう……」

 ヒロトシは、テーブルの上にダンジョン前に捨ててあった握り拳ほどの鉱石を1つ出した。

「本当にいいのか?後悔することになるよ?これはあのダンジョン前に捨ててあった鉱石だが、貴方達は俺にこういったんだよ」

「何が言いたいというのだ?」

「もし仮に、これは俺が採掘をしてきたものなんだが、もう抽出が出来ないがミスリルの含有量はまだ25%ほど残っているんだが購入してくれ。と言われたら貴方達はどうこたえる?」

「そんなの購入してもどうしようもないだろ。屑石じゃないか!」

「だったらなぜそれを俺に売ろうとする。そして、貴方達はこれからはその屑石を買ってくれだと?」

「それは貴方は、この屑石の利用が出来るのだろ?だったら!」

「それで貴方達は2重に利益を上げるつもりか?使った鉱石を運ぶ手間も俺に丸投げにして」

「それは……」

「俺は、もうダンジョン前にある鉱石は使わん!それでいいだろう?」

「本当ですな?」

「ああ!もう絶対に使わないよ。だが、それで本当にいいんだね?後悔はしないんだね?」

「ああ!私達採掘師にとって、屑石を使われるほうが利益が落ちるからな。後悔などするはずがないだろう!」

「わかった。これ以降俺は何があろうと、ダンジョン前にある屑石と係わりあいにはならない。ミスリルを使うとすれば依頼を出すか、自分で採掘しに行くとするよ。それではお引き取りを」

 採掘師達は、ヒロトシが自分達が捨てた鉱石を使わないと約束してくれて、ミスリルの売り上げが確保させたことに笑顔となり帰っていった。




 それから数か月の月日が経ち、衛兵がヒロトシの所にやってきた。

「ヒロトシ殿は御在宅か?」

「はい。どうかしましたか?」

 ヒロトシは、冒険者の対応で㋪の店頭で説明をしていた。ミスリル製品はいつ売り出してくれるのかと、冒険者が店頭に押し寄せていたからだ。

「ヒロトシ。どういう事なんだ?俺はミスリルソードが欲しくて金を貯めたんだぜ」

「申し訳ないな……ミスリルが無くなってしまったんだよ。材料がなければ作れないんだ」

「「「「「ええええ!」」」」」

「ヒロトシ殿ちょっといいか?」

「マリクさんもいったいなんだ?この通り店は大騒ぎで……」

「すまないな……ダンジョン前にある鉱石を、前のように取りに来てほしいんだ。もう山のように積み上がってしまって、どうしようもなくてな……」

「あれ?数か月前、採掘士の皆さんが㋪にきて、あの廃棄となる屑石は使わないでくれと俺は言われたんだよ」

「はぁあ?どういう事だそれは?」

「皆さんも分かっていると思いますが、あの屑石を利用して、ここのミスリル製品はお安く提供してたんですよ」

「それはなんとなく想像は出来る」

「ですが、数か月前採掘師の皆さんがここにきて、勝手に使うなと苦情を入れてきて、もし使うのなら、あの屑石を購入しろと言ってきたんですよ」

「な、なんだと!それは本当か?」

「えぇ……だから、俺は屑石にお金なんか払えないと断ると、なら使うなときつく言われてそれを了承したんです。だから、屑石の廃棄は俺には関係のない事なので、そちらで何とかしてもらえませんか?」

 それを聞いたマリクや冒険者は、憤慨したのだった。捨てるものに金を払えと詰め寄ったなど、あり得ない話だった。
 そのせいで、ダンジョン前は屑石でどうにもならない状態になっていた。冒険者達も又、そのせいでミスリル装備が買えなくなったことを理解して、怒りで震えていたのだった。

 そして、この事はすぐさま町中の噂となった。そして、領主はせっかく廃棄処分するお金を使わなくなっていたのに、ヒロトシがその役目を降りてしまった原因の採掘師達に怒りをあらわにしたのだった。
 ㋪では、ミスリル装備も品切れとなってしまい、冒険者達が不満をあらわにして、鉱石の護衛依頼をボイコットしはじめたのだ。

 その事で、冒険者ギルドには採掘師が押し寄せていた。

「どういう事なんだ?」

「どういう事だと言われましても、冒険者は採掘師のダンジョンへの護衛依頼は絶対に受けれないと言われてしまって……」

「そんなバカな‼冒険者達に護衛してもらわないと、我々だけでは……」

「そんな事を言われましても、冒険者がどの依頼を受けるのはその人の自由ですし、私達ギルドとしてもいい迷惑ですよ」

「何とか受けてもらえないのか?」

「私達も冒険者達にお願いはしていますが、期待はしないでくださいね。貴方達採掘師は、喧嘩を売った相手が誰だか知らない訳ではありませんよね?」

「だが、あの鉱石は儂達が持って帰って来たものだ。タダで使われた挙句、あんなに安くミスリル製品を売られたらこっちがかなわんだろ!」

「それは、わたし達のしった事ではありません。売れないのなら売れる様に営業努力して頂かないと……」

「馬鹿な事を!あんな値段で売られたら営業努力もなにもないわ!」

「だから、それを冒険者ギルドに言われても……それにBランク冒険者達は、㋪のミスリルの武器を買う為頑張っていたのですよ。Cランク以下の人は㋪で磨いてもらう事を目標に頑張っていたのです」

「「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」
「お前達がいらん事を言ったおかげで、㋪には何時ミスリルが入荷するか、目処も立たないんだぞ!」
「あんたらがいらんことをしたから、ミスリルの武器が買えなくなったじゃないか!」
「俺達は㋪に迷惑をかけたやつの依頼は受けねえ!」
「そうだ!お前等はダンジョンじゃなく地上で採掘しておけ!」

「「「「ぐっ!」」」」」

「お分かりですか?冒険者達がどちらの味方付くかと言えば、㋪の方です」

「わかった!後悔するなよ?」

「ああ。言っておきますが、生産ギルドや商人ギルドに頼っても無理だと思いますよ」

「何だと!」

「いいですか?生産ギルドは㋪から鏡を納入しています。今回の事で生産ギルドは、㋪に謝罪をしておりますが面会を断られました。なんとか鏡の納入は許してもらったとのことです」

「生産ギルドが㋪に謝罪?」

「そして、商人ギルドは㋪に逆らう事は絶対にありません。この町だけでも、納税額はトップの店です。どちらにつくかは明らかです」

「馬鹿な……」

「貴方達は、自分の利益の事しか考えなかった……もう少しやり方を考える事でしたね……私から、序言出来るとすれば採掘師達全員で謝罪する事です」

「儂達が間違っていたの言うのか!ヒロトシさんは、タダで儂達の鉱石を使っていたんだぞ?」

「利用できない物をヒロトシ様は、みんなの為に使える様にしたのです。どういう技術か知りませんが、これはヒロトシ様の強みです。他の者がそれを非難する事は出来ないはずですよ」

「で、では領主様に!」

「それはもっとやめておいた方がよろしいかと……」

「なぜだ?」

「それは、領主様が㋪の後ろ盾になっているからですよ。領主様はヒロトシ様に感謝状を贈っています。どちらの味方になるかと言えば、㋪に決まっておいでです。まずは謝罪をして、あの屑石はヒロトシ様の自由に使用して頂いた方がいいでしょう」

「何で……」

「本当に馬鹿な事をしたものです……そんな交渉、㋪に通ると思ったのですか?そのせいで生産ギルドはとんでもない損害が出るというのに……」

「どういう事だ?」

「貴方達は早く謝罪しないと、採掘師の全体にとんでもないことが起きますよ」




 この時、生産ギルドでは領主の使いが訪問していて、ギルドマスターと副ギルドマスターが応対していた。

「今回から、鉱石の廃棄処分はそちらで行なってほしいとのことです」

「ば、馬鹿な!なぜ我々ギルドが……」

「貴方達ギルド構成員が勝手な事をしたおかげで、予算が組めなくなったからです。少なくとも向こう5年間はギルドで責任を取ってほしいのです」

「それは無理だ!予算を組み直してほしい。生産ギルドで廃棄にお金を出す事は出来ん……」

「そうではないのです。今回㋪には塩を町の予算で買い取った事で余裕が、まったくないのだ。ヒロトシ殿には、あの屑石を利用してもいい代わりに、タダで廃棄業務をしてもらっていたのだ」

「ヒロトシ殿は廃棄業務の金をとっていなかったと申すのか?」

「はい……しかし、採掘師の人間が今回あのような事をした事で、責任をとってもらいたいのだ。鉄鉱石は今だ採掘はしておるだろ?」

 ミスリルのようなレア鉱石はダンジョンで採掘しているが、鉄鉱石は地上でも掘る事が出来る。その為、冒険者の護衛はいらないのだ。護衛をつける人間もいるが、注意すれば大人数で作業すれば何とかなるのである。

 町にとっても、鉄鉱石や金銀銅鉱石は必要なもので、採掘を中止することはできず、今もダンジョン前には屑石が溜まっていくのだ。

「しかし、廃棄のお金をギルドで賄う事など……」

「もし、それが無理ならヒロトシ殿に謝罪し、あの屑石をなんとかしてもらう様に、原因を作った者達にしてもらってくれないか?取り敢えず、町からの廃棄依頼は出せない状態で屑石が崩れそうなのだ」

「分かり申した……」

 生産ギルドは、採掘師を集めて先ほどの事を話し、すぐさま㋪に謝罪し、ヒロトシに廃棄をお願いしてもらいに行かせようとしたのだった。 


            
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