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第2章 研磨という技術
4話 +3装備
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ヒロトシは、屋敷に帰ってきてすぐに、アヤに話しかけたのだった。
「アヤ。今ちょっといいか?」
「ご主人様!厨房に入ってきてどうしたのですか?」
ヒロトシが、個人的に声をかけてきて、アヤは満面の笑顔となっていた。
「うん……何かいいことがあったのか?」
「ご主人様が、わたしに声をかけてきたので嬉しくてつい……」
「いつもご飯時に喋っているじゃないか?」
「いえいえ。こうして何もないときに、個人的に話しかけられるのは至福の時ですよ。私達、家の管理をしている者にとって、ご主人様と一緒の休みをとる事もないんですし、わたし達からしたら護衛をしているミランダ達が羨ましく思いますよ」
「そ、そうなのか?そいつはすまなかったな……」
「いえいえ、わたし達はご主人様が、早く成人するのを楽しみに思っているのですにょ……」
(えっ⁉噛んだ?……)「それって何か関係があるのか?」
そういうと、アヤは不敵な笑みを浮かべようとしていたが、顔は真っ赤になり何かごまかそうとしていた。
「そんな事は後のお楽しみですにょ!それより何か用事があったんじゃにゃかったのですか?」
「あっ、そうそう。さっき、門番の兵士から聞いたんだが、この町に塩が入荷してないらしいんだ」
アヤは、普通の話になりやっと冷静を取り戻したようだ。
「えぇ……そうなんですよ。最近塩の値が上がったばかりですよ。ですが、町の人達も事情は知っていて、文句を言おうにも言えないのが実状です」
「そうか……うちの在庫は大丈夫なのか?」
「それが……もうないので、今日の夕食の時に、相談をしようと思っていた所なんです」
「そうだったのか。まあ金はあるだろ?少々高くても塩は必要だから、購入してくれていいよ」
それを聞いて、アヤはホッとした表情になっていた。
「今のところは塩だけか?」
「そうですね。海からの商品で魚の干物とかは高すぎて買えなくなっていますが、野菜等山の幸は平常通りなので何も問題はありません」
「そうか、ならよかったよ」
「ただ、冒険者達が塩の輸送に翻弄しているようで、魔物の肉が少しづつ値が上がってきています」
「なるほど……冒険者も、領主様の依頼を率先して受けているみたいだな」
「えぇ……こんな事は初めてです。この先が不安になりますね……」
「大丈夫だって。もし、肉も高くなってくるようだったら、俺がオークでも狩ってくるよ」
「そんな危険な事、ご主人様がしなくとも……」
「何を言ってんだよ!俺が本気出せば、ドラゴンの肉でも入手できるよ」
「それはそうですが、やっぱり魔物を相手にするのは心配ですよ」
「そっか、ありがとな」
ヒロトシは、ルビーやサイファーような子供にするように、アヤの頭を優しく撫でたのだった。すると、アヤはまさかヒロトシが自分の頭を撫でるとは、予想もしていなかったので顔を真っ赤にして、口をパクパクしながらその場に崩れ落ちたのだった。
「わぁーーー!アヤどうしたんだ?」
ヒロトシは慌てて、アヤを抱きかかえた。すると、アヤはヒロトシに抱かれた事に緊張して、腕の中で気絶してしまったのだった。先ほどは強がっていただけだったが、アヤはとんでもない純情人間だったみたいだ。
「ご主人様。どうかしたのですか?」
「あっ、ティアいいところに」
「あ~……ご主人様、アヤに何したんですか?」
「誤解だよ。アヤが俺の事を心配してくれたから、感謝のつもりで頭を撫でただけだよ」
「アヤは、今時には珍しい純朴な娘ですからね。その割にいつも強がっちゃう娘だから……」
「そんな子だったのか?」
「まあ、今日は特別だったかもしれませんね」
「特別?」
「そりゃそうですよ。ご主人様に、頭を撫でられたら緊張もします」
「……」
そう言われて、アヤの顔を見ると真っ赤にして気絶していたが、何とも幸せそうな顔をしていたのだった。ヒロトシは、地球でこんなに好意を持ってもらったことが無かったので、なんか気恥ずかしくなっていた。
そして、アヤをそのままお姫様抱っこして、大部屋のベットに運んだのだった。
そんな日があった後、ヒロトシはダンジョンから持って帰ってきたミスリル鉱石を、ミスリルインゴットに精製に成功したのだった。
ヒロトシが作った魔晄炉は、今までの大型炉より火力があり、鉱石に残っている含有量を10%以下だけを残し、含有量の殆どを取り出す事に成功したのだ。
「こいつは凄い!ミスリルがこんなにとれるとは……」
「主殿!オリハルコンの方はどうだ?」
「オリハルコンは、まだ改良の余地がありそうだな……」
「そんな事ないじゃないか!」
「そうですよ!あの屑石からこんなにも……」
「ハンナ……そうは言うが、今までの抽出が少なすぎただけだよ。オリハルコンは、もっと火力を上げないといけないみたいだ……」
「ご主人様は凄いですね……」
「まったくだ……」
「ワシ等も見習わないとな」
「ええ。本当にそう思います」
それから、一ヶ月の月日をかけて魔晄炉は完成したのだった。
ヒロトシは、魔晄炉のドームの内側に、風属性の魔石を設置した。そして、その噴出口をドームの壁に沿わせて渦が出来る様に噴出させたのだ。これにより、ドーム内は火災旋風のように炎の渦が出来る事になり火力が大幅に上昇させることに成功した。
「完成だ!」
「主!おめでとうございます」
「「「おめでとうございます!」」」
「これは凄い!オリハルコンがこんなに抽出できるとは!」
「やっぱり、これぐらいは抽出できないと意味が無いだろ?」
「これぐらいはって、十分すぎる抽出量ですよ!」
オリハルコン鉱石の含有量はだいたい30%ほどである。今までその5%を抽出出来たらいい方だった。なので、捨てられていた鉱石にはまだまだオリハルコンが残っていた。
ヒロトシから言わせれば、表面の部分を少し抽出していたにすぎなかった。鉱石をもっと細かく砕けばいいと思うだろうが、オリハルコンは恐ろしく硬すぎるのである。
その為、泣く泣く捨てていたというのが現状だったらしいのだ。ミスリルより産出する量が少ないのに、抽出も満足にできない為、オリハルコンはとんでもなく高価な産物だったのだ。
しかし、この魔晄炉を使う事で鉱石に残るオリハルコンは、殆ど抽出する事が出来た。
「これが本当の屑石だな」
「「「「確かに!」」」」
この魔晄炉のおかげで、㋪の快進撃は続く事になる。
「では、ご主人様?これを売り出すのですか?」
「いや……売るのは、このオリハルコンを使った装備を売るんだよ。まあ、まずは、オリハルコンは使わずミスリルで作るんだけどな!オリハルコンが抽出できたし、アダマンタイトの抽出はわけないしな」
「それは、どういう事ですか?」
「お前達には大変な事をさせると思うが、ちゃんとついてきてくれ」
「「「「それは当然だ(です)!」」」」
ヒロトシは、これからの目標を4人に話した。ガイン達4人には、このまま研磨作業を続けてもらい、いずれ兄弟弟子が出来た場合、ヒロトシの代わりに研磨技術を教えれるぐらいに研磨を覚えてもらう事。
そして、生産ギルドに出荷している鏡を作っている以外の時間は、ミスリルを使った冒険者用の装備を作ってもらう事をヒロトシは4人に説明した。
「「「「分かりました!」」」」
「でも、なんでミスリルからなのですか?」
「いいかい?鉄製のノーマルロングソードの相場は分かるかい?」
「大体420ゴールドだな」
「その通りだ。じゃあミスリルで作ったロングソードは?」
「うーん……よくわからないですね……そもそも、流通がそんなに無いので相場というより、その個人店の言値じゃないですか?」
「そうだな。そんな値段の所に魔晄炉を出したら、とんでもない事になるだろ?」
「「「「た、確かに……」」」」」
「だから、この魔晄炉は㋪の専売特許だよ」
「専売……特……許って何だ?」
「つまり、ガインならロングソードを専門で作る事が出来るだろ?」
「ああ!儂の作ったロングソードは、切れ味がすげぇんだぞ」
「そして、この間逮捕されたブルクのシャープネスオイルだって3倍の効力だ。そういった個人の強みみたいなものを専売特許と思ってくれたらいいよ」
「なるほど……この魔晄炉は、主の専売特許ということか」
「そういう事!そして、俺はこの店で、その装備を少しづつ売っていこうと思う」
「個人店がミスリル装備を?い、いや……いずれ、オリハルコンも売る事になるんだよな?」
「そういう事だ!」
その計画を聞き、4人は目を丸くして驚いていた。しかし、ヒロトシの計画はさらにその先があった。
「でも、主……それじゃあ、あまり売り上げにならないんじゃないか?」
「なんでだ?」
「こういっては何だが……個人店じゃ、そんなに生産性が上がるとは思わないんだ」
「別にいいんだよ。この町のAランク以上の冒険者に、ミスリル装備を買って貰えればそれで十分なんだよ」
「どういう事だ?」
「今まで600#研磨で+2までで、+3にはしてなかっただろ?しかし、それには条件があってだな。ミルデンス達の装備は知っているな?」
「ええ。知ってますよ。なんで、護衛の連中は+3にしているのに、冒険者の装備は+3にしないのか不思議だったんです」
「+3にするには、ミスリル装備に800#研磨をしないと無理なんだよ。だから、俺はミルデンス達の装備は高かったけど、ミスリル製の装備を用意してそれを磨いていたんだ」
「つまり、ご主人様はミスリル装備を、この町で流通させるのが目的なのですか?」
「そういう事だ!そしたら、冒険者達はミスリルの装備を持って磨きに出してくれるという訳だ」
「「「「す、すごい……」」」」
ヒロトシは、とんでもない事を考えていた。1年前ダンジョンに採掘しに行く計画は、いくら鉱石をインベントリで持ち帰っても大型炉では抽出しきれないので、採掘する時間が勿体ないと思ったのだ。
しかし、魔道スキルが2レベルになった事で、魔道具製作が出来る様になり、ヒロトシは諦めていた事を再始動させたのである。
「アヤ。今ちょっといいか?」
「ご主人様!厨房に入ってきてどうしたのですか?」
ヒロトシが、個人的に声をかけてきて、アヤは満面の笑顔となっていた。
「うん……何かいいことがあったのか?」
「ご主人様が、わたしに声をかけてきたので嬉しくてつい……」
「いつもご飯時に喋っているじゃないか?」
「いえいえ。こうして何もないときに、個人的に話しかけられるのは至福の時ですよ。私達、家の管理をしている者にとって、ご主人様と一緒の休みをとる事もないんですし、わたし達からしたら護衛をしているミランダ達が羨ましく思いますよ」
「そ、そうなのか?そいつはすまなかったな……」
「いえいえ、わたし達はご主人様が、早く成人するのを楽しみに思っているのですにょ……」
(えっ⁉噛んだ?……)「それって何か関係があるのか?」
そういうと、アヤは不敵な笑みを浮かべようとしていたが、顔は真っ赤になり何かごまかそうとしていた。
「そんな事は後のお楽しみですにょ!それより何か用事があったんじゃにゃかったのですか?」
「あっ、そうそう。さっき、門番の兵士から聞いたんだが、この町に塩が入荷してないらしいんだ」
アヤは、普通の話になりやっと冷静を取り戻したようだ。
「えぇ……そうなんですよ。最近塩の値が上がったばかりですよ。ですが、町の人達も事情は知っていて、文句を言おうにも言えないのが実状です」
「そうか……うちの在庫は大丈夫なのか?」
「それが……もうないので、今日の夕食の時に、相談をしようと思っていた所なんです」
「そうだったのか。まあ金はあるだろ?少々高くても塩は必要だから、購入してくれていいよ」
それを聞いて、アヤはホッとした表情になっていた。
「今のところは塩だけか?」
「そうですね。海からの商品で魚の干物とかは高すぎて買えなくなっていますが、野菜等山の幸は平常通りなので何も問題はありません」
「そうか、ならよかったよ」
「ただ、冒険者達が塩の輸送に翻弄しているようで、魔物の肉が少しづつ値が上がってきています」
「なるほど……冒険者も、領主様の依頼を率先して受けているみたいだな」
「えぇ……こんな事は初めてです。この先が不安になりますね……」
「大丈夫だって。もし、肉も高くなってくるようだったら、俺がオークでも狩ってくるよ」
「そんな危険な事、ご主人様がしなくとも……」
「何を言ってんだよ!俺が本気出せば、ドラゴンの肉でも入手できるよ」
「それはそうですが、やっぱり魔物を相手にするのは心配ですよ」
「そっか、ありがとな」
ヒロトシは、ルビーやサイファーような子供にするように、アヤの頭を優しく撫でたのだった。すると、アヤはまさかヒロトシが自分の頭を撫でるとは、予想もしていなかったので顔を真っ赤にして、口をパクパクしながらその場に崩れ落ちたのだった。
「わぁーーー!アヤどうしたんだ?」
ヒロトシは慌てて、アヤを抱きかかえた。すると、アヤはヒロトシに抱かれた事に緊張して、腕の中で気絶してしまったのだった。先ほどは強がっていただけだったが、アヤはとんでもない純情人間だったみたいだ。
「ご主人様。どうかしたのですか?」
「あっ、ティアいいところに」
「あ~……ご主人様、アヤに何したんですか?」
「誤解だよ。アヤが俺の事を心配してくれたから、感謝のつもりで頭を撫でただけだよ」
「アヤは、今時には珍しい純朴な娘ですからね。その割にいつも強がっちゃう娘だから……」
「そんな子だったのか?」
「まあ、今日は特別だったかもしれませんね」
「特別?」
「そりゃそうですよ。ご主人様に、頭を撫でられたら緊張もします」
「……」
そう言われて、アヤの顔を見ると真っ赤にして気絶していたが、何とも幸せそうな顔をしていたのだった。ヒロトシは、地球でこんなに好意を持ってもらったことが無かったので、なんか気恥ずかしくなっていた。
そして、アヤをそのままお姫様抱っこして、大部屋のベットに運んだのだった。
そんな日があった後、ヒロトシはダンジョンから持って帰ってきたミスリル鉱石を、ミスリルインゴットに精製に成功したのだった。
ヒロトシが作った魔晄炉は、今までの大型炉より火力があり、鉱石に残っている含有量を10%以下だけを残し、含有量の殆どを取り出す事に成功したのだ。
「こいつは凄い!ミスリルがこんなにとれるとは……」
「主殿!オリハルコンの方はどうだ?」
「オリハルコンは、まだ改良の余地がありそうだな……」
「そんな事ないじゃないか!」
「そうですよ!あの屑石からこんなにも……」
「ハンナ……そうは言うが、今までの抽出が少なすぎただけだよ。オリハルコンは、もっと火力を上げないといけないみたいだ……」
「ご主人様は凄いですね……」
「まったくだ……」
「ワシ等も見習わないとな」
「ええ。本当にそう思います」
それから、一ヶ月の月日をかけて魔晄炉は完成したのだった。
ヒロトシは、魔晄炉のドームの内側に、風属性の魔石を設置した。そして、その噴出口をドームの壁に沿わせて渦が出来る様に噴出させたのだ。これにより、ドーム内は火災旋風のように炎の渦が出来る事になり火力が大幅に上昇させることに成功した。
「完成だ!」
「主!おめでとうございます」
「「「おめでとうございます!」」」
「これは凄い!オリハルコンがこんなに抽出できるとは!」
「やっぱり、これぐらいは抽出できないと意味が無いだろ?」
「これぐらいはって、十分すぎる抽出量ですよ!」
オリハルコン鉱石の含有量はだいたい30%ほどである。今までその5%を抽出出来たらいい方だった。なので、捨てられていた鉱石にはまだまだオリハルコンが残っていた。
ヒロトシから言わせれば、表面の部分を少し抽出していたにすぎなかった。鉱石をもっと細かく砕けばいいと思うだろうが、オリハルコンは恐ろしく硬すぎるのである。
その為、泣く泣く捨てていたというのが現状だったらしいのだ。ミスリルより産出する量が少ないのに、抽出も満足にできない為、オリハルコンはとんでもなく高価な産物だったのだ。
しかし、この魔晄炉を使う事で鉱石に残るオリハルコンは、殆ど抽出する事が出来た。
「これが本当の屑石だな」
「「「「確かに!」」」」
この魔晄炉のおかげで、㋪の快進撃は続く事になる。
「では、ご主人様?これを売り出すのですか?」
「いや……売るのは、このオリハルコンを使った装備を売るんだよ。まあ、まずは、オリハルコンは使わずミスリルで作るんだけどな!オリハルコンが抽出できたし、アダマンタイトの抽出はわけないしな」
「それは、どういう事ですか?」
「お前達には大変な事をさせると思うが、ちゃんとついてきてくれ」
「「「「それは当然だ(です)!」」」」
ヒロトシは、これからの目標を4人に話した。ガイン達4人には、このまま研磨作業を続けてもらい、いずれ兄弟弟子が出来た場合、ヒロトシの代わりに研磨技術を教えれるぐらいに研磨を覚えてもらう事。
そして、生産ギルドに出荷している鏡を作っている以外の時間は、ミスリルを使った冒険者用の装備を作ってもらう事をヒロトシは4人に説明した。
「「「「分かりました!」」」」
「でも、なんでミスリルからなのですか?」
「いいかい?鉄製のノーマルロングソードの相場は分かるかい?」
「大体420ゴールドだな」
「その通りだ。じゃあミスリルで作ったロングソードは?」
「うーん……よくわからないですね……そもそも、流通がそんなに無いので相場というより、その個人店の言値じゃないですか?」
「そうだな。そんな値段の所に魔晄炉を出したら、とんでもない事になるだろ?」
「「「「た、確かに……」」」」」
「だから、この魔晄炉は㋪の専売特許だよ」
「専売……特……許って何だ?」
「つまり、ガインならロングソードを専門で作る事が出来るだろ?」
「ああ!儂の作ったロングソードは、切れ味がすげぇんだぞ」
「そして、この間逮捕されたブルクのシャープネスオイルだって3倍の効力だ。そういった個人の強みみたいなものを専売特許と思ってくれたらいいよ」
「なるほど……この魔晄炉は、主の専売特許ということか」
「そういう事!そして、俺はこの店で、その装備を少しづつ売っていこうと思う」
「個人店がミスリル装備を?い、いや……いずれ、オリハルコンも売る事になるんだよな?」
「そういう事だ!」
その計画を聞き、4人は目を丸くして驚いていた。しかし、ヒロトシの計画はさらにその先があった。
「でも、主……それじゃあ、あまり売り上げにならないんじゃないか?」
「なんでだ?」
「こういっては何だが……個人店じゃ、そんなに生産性が上がるとは思わないんだ」
「別にいいんだよ。この町のAランク以上の冒険者に、ミスリル装備を買って貰えればそれで十分なんだよ」
「どういう事だ?」
「今まで600#研磨で+2までで、+3にはしてなかっただろ?しかし、それには条件があってだな。ミルデンス達の装備は知っているな?」
「ええ。知ってますよ。なんで、護衛の連中は+3にしているのに、冒険者の装備は+3にしないのか不思議だったんです」
「+3にするには、ミスリル装備に800#研磨をしないと無理なんだよ。だから、俺はミルデンス達の装備は高かったけど、ミスリル製の装備を用意してそれを磨いていたんだ」
「つまり、ご主人様はミスリル装備を、この町で流通させるのが目的なのですか?」
「そういう事だ!そしたら、冒険者達はミスリルの装備を持って磨きに出してくれるという訳だ」
「「「「す、すごい……」」」」
ヒロトシは、とんでもない事を考えていた。1年前ダンジョンに採掘しに行く計画は、いくら鉱石をインベントリで持ち帰っても大型炉では抽出しきれないので、採掘する時間が勿体ないと思ったのだ。
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