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第1 章 自分だけの職業
34話 闇ギルドミトン支部の壊滅
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ヒロトシは、とうとう闇ギルドを追い詰める事が出来た。
「この矢を、お前達に投げたらどうなるかな?」
「や、やめろ……そんな事をしたら、お前もただではすまないんだぞ?それは改良を重ねたものなんだぞ?」
「そんな脅しは意味が無いよ」
「本当だ!だ、だから、それを投げないでくれ!」
闇ギルドのギルドマスターは本当に焦っていた。その矢に設置したエクスプロージョンは改良を重ねて、爆発範囲は小さくした代わりに威力を20倍に改良した物だった。
つまり、敵との距離は近くても撃てる代物だった。それを、ヒロトシは素手で全部の矢を難なくキャッチしてしまっていたのだ。
ギルドマスター達は、まさか矢を素手で捕まえるとは思いもしていなかったので、こういう想定はしていなかったのだ。
「た、頼む!それを当てられたら本当に死んでしまう……」
ヒロトシは、矢を神眼で見てみると、本当に効果範囲は着弾を中心に半径1mだが、ダメージは普通のエクスプロージョンポーションの20倍の800ダメージと表記されていた。
普通の冒険者なら30レベル程である。そう考えても、この爆発に巻き込まれれば生き残ることは難しいだろう。
ヒロトシはため息をついて、その矢を一本アサシンに投げた。
「「「「「あっ!」」」」」
その矢は、ギルドマスターからは離れていたアサシンに命中し、まるで結界が張られた中だけで大爆発が起こり、アサシン3人と幹部の一人が巻き込まれて死んでしまった。
アサシンの中でも、まだ駆け出しで80レベル以下だったと思われる。
ヒロトシの矢を投げるスピードは、人の目で捉えられない程早かった。これもAGIが高い為である。
「何が俺も巻き込まれるだ!嘘ばかり言いやがって……」
「お、俺達が悪かった!お前達には、もう手は出さないと誓うからどうか命だけは!」
「俺達には手は出さない?そんなのは当たり前だっと」
そう言って、ヒロトシはもう一本矢をアサシンにぶつけた。そして、アサシン達は大爆発に巻き込まれて、また死んでしまった。
「お願いします……もうそれ以上は……」
「段々と自分の立場が分かってきたみたいだな。しかし、お前達は命乞いする人間に、今まで何をやって来たんだ?」
ヒロトシは、矢をもう一本アサシンにぶつけた。
「「「「「ぎゃああああああああ!」」」」」」
激しい爆発音とともに、アサシン達の叫び声が聞こえた。
「お願いします。これからは闇ギルドはやめます!だ、だから……」
「お前達が、いまさら闇ギルドをやめるだって?辞めたら、今までの罪が消えるとでも思っているのか?っと」
ヒロトシは更に、矢をアサシンにぶつけた。
「「「「「ぎゃあああああ!」」」」」
「さあ、どうする?矢はまだこんなに残っているが、俺もそろそろ飽きてきたんだが?やっぱ死にたいんだ?」
「申し訳ありませんでした!こ、これを渡すのでどうか!」
闇ギルドマスターは土下座を繰り返して、ミトン支部の重要取引書類を差し出してきたのだった。
「闇ギルドが、取引した人間の証拠書類か?」
「そうです!今回のオークション会場の事も、誰が依頼したかも載っています!だから命だけは!」
「そうか!やっと、俺の意図を汲み取ってくれたか?」
「で、では、命だけは助けてくれるのですね?」
闇ギルドマスターと幹部達はホッとした様な顔をした。ヒロトシはその重要書類を見て、今回の事件や他に闇ギルドと繋がっている役員達の名前の載った書類を確認して、ヒロトシはその書類をインベントリに収納した。
「エアカッター」
ヒロトシはエアカッターを、アサシンや幹部達に飛ばした。そして、ギルドマスター以外の首を刎ねたのだった。
【エアカッター】は風属性の初級魔法で、空気を圧縮させ前方に飛ばす魔法だ。要はかまいたちのような現象を起こし、対象を切り刻む。
しかし、初級魔法だけあって対象は一人だけだが、ヒロトシは無詠唱で魔法を使える。その為、いくつものエアカッターを出現させ、アサシン達の命を奪ったのである。
「さて、残りはあんただけだ」
「ちょっと待て!約束が違うじゃないか?」
「何を言ってんだ?約束などした覚えはないぞ?それに、俺は最初からお前達を許すつもりはないからな」
「くっ……ち、ちくしょう!」
ギルドマスターは、ヒロトシに飛びかかってきた。しかし、ヒロトシに勝てるわけもなく、あっさり躱され腹に一発ボディーブローを受けて気絶してしまったのだった。
「お前には証言をしてもらう最後の仕事があるからな。今はまだ、殺さないから安心しろ」
そういって、遺体になったアサシン達をインベントリに収納して、ギルドマスターを素巻きにしてしまった。
「ふう……これで、とりあえずはこの町も平和になるかもな。後は、お前がこの状況を報せてくれよ」
そう言って、ヒロトシは独り言をつぶやき、闇ギルドミトン支部にある他の重要書類を見つけて、全部収納してしまった。その中には盗まれた物や麻薬等もあった。
「この恨み……絶対に忘れんぞ……」
その状況を見ていた、最後のアサシンが悔しそうにヒロトシを睨んで、闇ギルドを脱出したのだった。
「ったく……こいつらを生かしておいても、百害あって一利なしだな」
そして、地下牢に行けば誘拐された人間達もいたのだった。
カツンカツンと響く足音に、牢屋の中にいた奴隷達はビクッと身体を振るわせた。とうとう自分達は、どこかの奴隷商に売られるのだと思ったのだ。
すると、階段を下りてきたのは10歳ぐらいの少年の姿に驚き、闇ギルドのギルドマスターが素巻きにされていたことに、囚われていた女性達は目を見開いて声が出なかった。
「皆さんを助けに来ました。もう安心してください」
地下牢に囚われていた女性達は、鉄格子を掴んでヒロトシに訊ねてきた。
「どういう事ですか?」
「坊やはいったい?」
「どうして闇ギルドの長を?」
「そんなにいっぺんに答えられないが、ミトン支部の闇ギルドは俺が叩き潰した。その証拠に、ギルドマスターはこの通りに素巻きにして、いまから衛兵に突き出すつもりだ」
「そんなの信じれない……」
「本当に坊や一人で?」
「本当は、上に人がいっぱいいるんじゃないの?」
「まあ、信じれない気持ちは分かるが、これを見たら信じられるか?」
「「「「「きゃっ!」」」」」
アサシンの遺体をインベントリから出した。女性達は目を伏せたが、それがアサシンだという事が分かった。そしてすぐに、ヒロトシは遺体を収納した。
「だから、君達はもう安心したらいいよ」
すると、女性達は牢屋の中で、膝をつき礼をとったのだった。
「いや、そんな丁寧にお辞儀しなくてもいいよ?今ここから出してあげるからね」
ヒロトシは、階段付近の壁にかかっていた鍵を見つけて、牢屋の中から女性達を救いだしたのだった。
「じゃあ、ここは、スラムの一角だから俺についてきて」
「「「「「はい!わかりました」」」」」
女性達は本当に救い出されて、笑顔となっていたのだった。そして、闇ギルド脱出したのだった。この騒動はスラム街で、言い伝えになる事になった。㋪の人間には絶対手出ししてはいけないと暗黙の了解となる。
つまり、これでミトンの町の中では、㋪関係者は絶大な権力を持つことになるのだった。
「すいませーん!犯罪者を捕らえて来ました」
「これはヒロトシ殿じゃありませんか?店の妨害者でも捕らえてきたのですか?はははははは!」
町の衛兵は、気さくに応対をしたのだった。
「いえ……闇ギルドミトン支部ギルドマスターを捕らえて来ました」
「「「「「「はっ⁉」」」」」」」
「ちょっと待ちたまえ……今、何と?」
「今回、オークション会場の事件がありましたよね?」
「あっ……ああ……」
「その時に、交わされた書類もここに!その時の依頼主であるブロー銅鏡工場の主である、ノーザンの名前もしっかり載っています」
「これは!」
「そして、これはその時に使われたエクスプロージョンポーションがついた矢です」
「まてまてまて!状況が呑み込めん。ヒロトシ殿は何をやってきたのだ?」
「今回、俺は家族に手を出され、自分の命を狙った闇ギルドを叩き潰しました。いま、この町には闇ギルドはありません」
「馬鹿な事を!闇ギルドを叩き潰しただと?」
「その証拠に、この素巻きになっている人物が、闇ギルドミトン支部のギルドマスターだよ」
そして、ヒロトシはアサシンや盗賊の遺体を、数名取り出したのだった。その状況は、兵舎にいた兵士達を混乱させたのだった。
「おい!起きろ!」
ヒロトシは、ギルドマスターの腹を蹴った。すると、ギルドマスターウッと息をもらしたように、目を覚ましたのだった。
「いつまで寝ているんだ。早く証言しろ!」
「ひっ!」
ギルドマスターは、いきなり蹴られ目を覚ますと、目の前にヒロトシの顔があり怯えていた。そして、衛兵に助けを求めたのだった。
「お、俺を逮捕してくれ!た、頼む!コイツとは一緒にいたくない」
ギルドマスターは、素巻き状態で身体をよじりながら兵士に近づき、自分を逮捕してくれと懇願した。兵士は自分を逮捕してくれという犯罪者を、初めて見て呆気にとられるのである。
兵士達は、その男を事情聴取すると本当に闇ギルドのギルドマスターだったのだ。そして、ヒロトシから預かったアサシンや盗賊達の遺体は懸賞金がかかっていた者もかなりの人数がいた。
そして、証拠も手に入れた今、ノーザンに遠慮することは無くなり、逮捕に向かう事が出来たのだった。後日、領主からヒロトシは呼び出されて、感謝状を贈られることになる。
そして、ヒロトシは屋敷に帰ろうとした。闇ギルドマスターは衛兵に突き出せば、自分の役目は終わりで処刑されるだけだからだ。
「って、君達はもう自由だよ?もう、ここはスラムじゃないし、それぞれの生活に戻っても……」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「えっ?」
「私達は、もうヒロトシ様の物です。自由と言われても困ります」
「いやいやいや……何を言っているんだよ?もう闇ギルドからの縛りはないんだよ?」
「ですが、わたし達はもう奴隷に落とされ、前の主人はさっき衛兵に突き出したじゃありませんか。今の主人は、ヒロトシ様ですよ」
「ハァア?君達は、もう奴隷に落とされていたのか?」
「はい……だから、ヒロトシ様が地下に降りてきた時、わたし達はどこかの奴隷商に売られるとばかり思っていたんです」
「そっかあ……もう平民じゃないのか?」
「はい!だから、今の主はヒロトシ様なんです。もし、わたし達が必要がなければ……」
女性達は悲しそうな顔をして、自分達を奴隷商に売ってくれと言おうとした。
「わぁ~~~!待て待て、俺は君達が奴隷になっているとは知らなかったんだ。だから、そんな泣きそうになるな。ちゃんと、君達の面倒は見るから安心してくれ」
ヒロトシがそういうと、女性達は安心した様子でニコッと笑ったのだった。
「この矢を、お前達に投げたらどうなるかな?」
「や、やめろ……そんな事をしたら、お前もただではすまないんだぞ?それは改良を重ねたものなんだぞ?」
「そんな脅しは意味が無いよ」
「本当だ!だ、だから、それを投げないでくれ!」
闇ギルドのギルドマスターは本当に焦っていた。その矢に設置したエクスプロージョンは改良を重ねて、爆発範囲は小さくした代わりに威力を20倍に改良した物だった。
つまり、敵との距離は近くても撃てる代物だった。それを、ヒロトシは素手で全部の矢を難なくキャッチしてしまっていたのだ。
ギルドマスター達は、まさか矢を素手で捕まえるとは思いもしていなかったので、こういう想定はしていなかったのだ。
「た、頼む!それを当てられたら本当に死んでしまう……」
ヒロトシは、矢を神眼で見てみると、本当に効果範囲は着弾を中心に半径1mだが、ダメージは普通のエクスプロージョンポーションの20倍の800ダメージと表記されていた。
普通の冒険者なら30レベル程である。そう考えても、この爆発に巻き込まれれば生き残ることは難しいだろう。
ヒロトシはため息をついて、その矢を一本アサシンに投げた。
「「「「「あっ!」」」」」
その矢は、ギルドマスターからは離れていたアサシンに命中し、まるで結界が張られた中だけで大爆発が起こり、アサシン3人と幹部の一人が巻き込まれて死んでしまった。
アサシンの中でも、まだ駆け出しで80レベル以下だったと思われる。
ヒロトシの矢を投げるスピードは、人の目で捉えられない程早かった。これもAGIが高い為である。
「何が俺も巻き込まれるだ!嘘ばかり言いやがって……」
「お、俺達が悪かった!お前達には、もう手は出さないと誓うからどうか命だけは!」
「俺達には手は出さない?そんなのは当たり前だっと」
そう言って、ヒロトシはもう一本矢をアサシンにぶつけた。そして、アサシン達は大爆発に巻き込まれて、また死んでしまった。
「お願いします……もうそれ以上は……」
「段々と自分の立場が分かってきたみたいだな。しかし、お前達は命乞いする人間に、今まで何をやって来たんだ?」
ヒロトシは、矢をもう一本アサシンにぶつけた。
「「「「「ぎゃああああああああ!」」」」」」
激しい爆発音とともに、アサシン達の叫び声が聞こえた。
「お願いします。これからは闇ギルドはやめます!だ、だから……」
「お前達が、いまさら闇ギルドをやめるだって?辞めたら、今までの罪が消えるとでも思っているのか?っと」
ヒロトシは更に、矢をアサシンにぶつけた。
「「「「「ぎゃあああああ!」」」」」
「さあ、どうする?矢はまだこんなに残っているが、俺もそろそろ飽きてきたんだが?やっぱ死にたいんだ?」
「申し訳ありませんでした!こ、これを渡すのでどうか!」
闇ギルドマスターは土下座を繰り返して、ミトン支部の重要取引書類を差し出してきたのだった。
「闇ギルドが、取引した人間の証拠書類か?」
「そうです!今回のオークション会場の事も、誰が依頼したかも載っています!だから命だけは!」
「そうか!やっと、俺の意図を汲み取ってくれたか?」
「で、では、命だけは助けてくれるのですね?」
闇ギルドマスターと幹部達はホッとした様な顔をした。ヒロトシはその重要書類を見て、今回の事件や他に闇ギルドと繋がっている役員達の名前の載った書類を確認して、ヒロトシはその書類をインベントリに収納した。
「エアカッター」
ヒロトシはエアカッターを、アサシンや幹部達に飛ばした。そして、ギルドマスター以外の首を刎ねたのだった。
【エアカッター】は風属性の初級魔法で、空気を圧縮させ前方に飛ばす魔法だ。要はかまいたちのような現象を起こし、対象を切り刻む。
しかし、初級魔法だけあって対象は一人だけだが、ヒロトシは無詠唱で魔法を使える。その為、いくつものエアカッターを出現させ、アサシン達の命を奪ったのである。
「さて、残りはあんただけだ」
「ちょっと待て!約束が違うじゃないか?」
「何を言ってんだ?約束などした覚えはないぞ?それに、俺は最初からお前達を許すつもりはないからな」
「くっ……ち、ちくしょう!」
ギルドマスターは、ヒロトシに飛びかかってきた。しかし、ヒロトシに勝てるわけもなく、あっさり躱され腹に一発ボディーブローを受けて気絶してしまったのだった。
「お前には証言をしてもらう最後の仕事があるからな。今はまだ、殺さないから安心しろ」
そういって、遺体になったアサシン達をインベントリに収納して、ギルドマスターを素巻きにしてしまった。
「ふう……これで、とりあえずはこの町も平和になるかもな。後は、お前がこの状況を報せてくれよ」
そう言って、ヒロトシは独り言をつぶやき、闇ギルドミトン支部にある他の重要書類を見つけて、全部収納してしまった。その中には盗まれた物や麻薬等もあった。
「この恨み……絶対に忘れんぞ……」
その状況を見ていた、最後のアサシンが悔しそうにヒロトシを睨んで、闇ギルドを脱出したのだった。
「ったく……こいつらを生かしておいても、百害あって一利なしだな」
そして、地下牢に行けば誘拐された人間達もいたのだった。
カツンカツンと響く足音に、牢屋の中にいた奴隷達はビクッと身体を振るわせた。とうとう自分達は、どこかの奴隷商に売られるのだと思ったのだ。
すると、階段を下りてきたのは10歳ぐらいの少年の姿に驚き、闇ギルドのギルドマスターが素巻きにされていたことに、囚われていた女性達は目を見開いて声が出なかった。
「皆さんを助けに来ました。もう安心してください」
地下牢に囚われていた女性達は、鉄格子を掴んでヒロトシに訊ねてきた。
「どういう事ですか?」
「坊やはいったい?」
「どうして闇ギルドの長を?」
「そんなにいっぺんに答えられないが、ミトン支部の闇ギルドは俺が叩き潰した。その証拠に、ギルドマスターはこの通りに素巻きにして、いまから衛兵に突き出すつもりだ」
「そんなの信じれない……」
「本当に坊や一人で?」
「本当は、上に人がいっぱいいるんじゃないの?」
「まあ、信じれない気持ちは分かるが、これを見たら信じられるか?」
「「「「「きゃっ!」」」」」
アサシンの遺体をインベントリから出した。女性達は目を伏せたが、それがアサシンだという事が分かった。そしてすぐに、ヒロトシは遺体を収納した。
「だから、君達はもう安心したらいいよ」
すると、女性達は牢屋の中で、膝をつき礼をとったのだった。
「いや、そんな丁寧にお辞儀しなくてもいいよ?今ここから出してあげるからね」
ヒロトシは、階段付近の壁にかかっていた鍵を見つけて、牢屋の中から女性達を救いだしたのだった。
「じゃあ、ここは、スラムの一角だから俺についてきて」
「「「「「はい!わかりました」」」」」
女性達は本当に救い出されて、笑顔となっていたのだった。そして、闇ギルド脱出したのだった。この騒動はスラム街で、言い伝えになる事になった。㋪の人間には絶対手出ししてはいけないと暗黙の了解となる。
つまり、これでミトンの町の中では、㋪関係者は絶大な権力を持つことになるのだった。
「すいませーん!犯罪者を捕らえて来ました」
「これはヒロトシ殿じゃありませんか?店の妨害者でも捕らえてきたのですか?はははははは!」
町の衛兵は、気さくに応対をしたのだった。
「いえ……闇ギルドミトン支部ギルドマスターを捕らえて来ました」
「「「「「「はっ⁉」」」」」」」
「ちょっと待ちたまえ……今、何と?」
「今回、オークション会場の事件がありましたよね?」
「あっ……ああ……」
「その時に、交わされた書類もここに!その時の依頼主であるブロー銅鏡工場の主である、ノーザンの名前もしっかり載っています」
「これは!」
「そして、これはその時に使われたエクスプロージョンポーションがついた矢です」
「まてまてまて!状況が呑み込めん。ヒロトシ殿は何をやってきたのだ?」
「今回、俺は家族に手を出され、自分の命を狙った闇ギルドを叩き潰しました。いま、この町には闇ギルドはありません」
「馬鹿な事を!闇ギルドを叩き潰しただと?」
「その証拠に、この素巻きになっている人物が、闇ギルドミトン支部のギルドマスターだよ」
そして、ヒロトシはアサシンや盗賊の遺体を、数名取り出したのだった。その状況は、兵舎にいた兵士達を混乱させたのだった。
「おい!起きろ!」
ヒロトシは、ギルドマスターの腹を蹴った。すると、ギルドマスターウッと息をもらしたように、目を覚ましたのだった。
「いつまで寝ているんだ。早く証言しろ!」
「ひっ!」
ギルドマスターは、いきなり蹴られ目を覚ますと、目の前にヒロトシの顔があり怯えていた。そして、衛兵に助けを求めたのだった。
「お、俺を逮捕してくれ!た、頼む!コイツとは一緒にいたくない」
ギルドマスターは、素巻き状態で身体をよじりながら兵士に近づき、自分を逮捕してくれと懇願した。兵士は自分を逮捕してくれという犯罪者を、初めて見て呆気にとられるのである。
兵士達は、その男を事情聴取すると本当に闇ギルドのギルドマスターだったのだ。そして、ヒロトシから預かったアサシンや盗賊達の遺体は懸賞金がかかっていた者もかなりの人数がいた。
そして、証拠も手に入れた今、ノーザンに遠慮することは無くなり、逮捕に向かう事が出来たのだった。後日、領主からヒロトシは呼び出されて、感謝状を贈られることになる。
そして、ヒロトシは屋敷に帰ろうとした。闇ギルドマスターは衛兵に突き出せば、自分の役目は終わりで処刑されるだけだからだ。
「って、君達はもう自由だよ?もう、ここはスラムじゃないし、それぞれの生活に戻っても……」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「えっ?」
「私達は、もうヒロトシ様の物です。自由と言われても困ります」
「いやいやいや……何を言っているんだよ?もう闇ギルドからの縛りはないんだよ?」
「ですが、わたし達はもう奴隷に落とされ、前の主人はさっき衛兵に突き出したじゃありませんか。今の主人は、ヒロトシ様ですよ」
「ハァア?君達は、もう奴隷に落とされていたのか?」
「はい……だから、ヒロトシ様が地下に降りてきた時、わたし達はどこかの奴隷商に売られるとばかり思っていたんです」
「そっかあ……もう平民じゃないのか?」
「はい!だから、今の主はヒロトシ様なんです。もし、わたし達が必要がなければ……」
女性達は悲しそうな顔をして、自分達を奴隷商に売ってくれと言おうとした。
「わぁ~~~!待て待て、俺は君達が奴隷になっているとは知らなかったんだ。だから、そんな泣きそうになるな。ちゃんと、君達の面倒は見るから安心してくれ」
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