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第1 章 自分だけの職業
16話 ㋪美研の売り上げ
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㋪美研を開店してから、半年が過ぎた頃、セバスが工場に息を切らして入ってきた。
「旦那様!大変でございます!」
「あー、セバスどうしたんだ?」
「今日で、店を開店してから半年が過ぎたのですが……」
「もう半年が過ぎたのか?早いなあ。それでどうしたんだ?」
「お店の売り上げが……1千万ゴールドを超えました」
「へえ……そうなんだ。俺頑張ったもんなあ」
「何を落ち着いているのですか!」
「落ち着いてはいないよ。だけど、こうなるのは分かっていたしな」
「何を言っているのですか。これは凄い快挙なんですよ?」
「いやいや……そんな驚く事じゃないよ」
「何を言っているのですか?一つの町だけで、売り上げが1千万ってありえないことなんですよ?」
「そうか?」
「そうですよ!」
「まあ、落ち着けって」
「何で、旦那様はそんなに冷静なんですか?」
「いいか?よく聞いてくれ。俺の日当は、4万で計算をしているのは知っているな?」
「はい」
「だったら、ギリギリの売り上げで計算しても、週に一回休みで1ヶ月25日として、月収100万だ。半年働いたら600だぞ。しかし、俺はそんなギリギリの仕事なんかしてないだろ?」
「た、確かに……」
「+1ソードにする場合、30分の売り上げで2500ゴールド取っているだろ?しかし、仕上げる速さは400ゴールドほどで仕上げているんだ。単純計算で6倍の売り上げが出ているはずだ。だけど、そこにはツーハンドソードのような馬鹿でかいものや防具なんかもある。」
「たしかに、マイナスの物もありますね」
「それらを考えたら、余裕で1千万なんか超える計算だよ」
「な、なるほど……しかし、店を開店した年にいきなり商人ギルドでの立ち位置が、Sランクになるのですよ?」
「まあそういう事だな。年間売り上げがどのくらいになるか。分からんが単純で2千万ゴールドだ。売り上げの1割となる納税は200万だから、ギルドでは大騒ぎになるかもな」
ヒロトシは、あっさりした口調で言ってのけたのだった。商人ギルドは基本、お店の見回りなどは絶対にしない。行商で生計を立てている者や、屋台で立てている者、色々いるからである。年度末に税金を納めない商人は、ギルドカードで呼び出すだけである。
しかし、商人ギルドは㋪美研の事はちゃんと情報にいれていたのだった。この辺りはさすが商人というべきであろう。
「ギ、ギルドマスター」
「なんだい!やかましいねえ。商人は慌てず冷静にといつも言っているだろ?それでなんだい?」
「申し訳ありません……」
商人ギルドミトン支部のギルドマスターは、帳簿を見て頭を悩ましていた。大きな町とはいえ、この町の領主は税率を低く設定していたので、経営が厳しかったのだ。
ヒロトシは、売り上げの10%を納める事に高いと驚いていたが、他の町に行けば10%は良心的であり20%30%は当たり前だった。
「わたしゃ、経営で頭が痛いんだよ。冒険者ギルドのようにここは依頼とかないんだから大変なんだよ!」
「それですよ!それ?町の救世主が現れたかもしれません」
「どういう事だい?」
「半年前に新人が登録して、ランファーが家の購入でやり込められた人間の事を覚えていますか?」
「ああ!あの坊やかい?なんでも奴隷に入れ込んでいるという変わり者だったねえ」
「あの店の売り上げが、とんでもない事になっている噂があります。今年のあの店の売り上げの予想は、1千5百万ゴールドはあるという目算がたっているのです」
「な、なんだってそれは本当かい?あの坊やは何の店をやってんだい?」
「それが、研磨という店らしく、今まで見たことのないお店なんです」
「研磨屋?なんだいそれは?」
「なんでも、武器を綺麗に磨く事でその武器は一時的にマジカルアイテムになるそうなんです」
「はぁあ?」
ベネッサは、開いた口がそのままになって、その場に立ち尽くしたのだ。
「その効果は近隣の町の冒険者にも噂がまわり、拠点をミトンの町に移す冒険者が増えているそうです」
「冒険者がこの町に?」
「しかし、その噂は一般平民にもまわり、移住してきているらしいのです」
「何で一般平民まで?」
「それは、その研磨屋はBランク以上の冒険者を対象に商売をしているみたいで、高ランク冒険者がこの町に集結しているのです」
「それはほんとうかい?」
「はい!その為、この町の安全が高まっているのは明白であり、その噂で一般平民が、ミトンに集結しているらしいのです」
「そいつは凄いねぇ……あの坊やが、まさかそこまでの商才を持っていたとは恐れ入るよ……」
「それで、不穏なうわさも出ているのです……」
「まさか他の町からかい?」
「そうです……このままでは、出過ぎる杭は……」
「まあ、そうなるのが世の常だわな……すぐに出るから用意しな!」
「わ、分かりました!面会の承諾はよろしいのですか?」
「今はそんな暇はないだろう?急いだ方がいいよ」
「はい!」
ギルドマスターは部下を数名引き連れて、㋪美研へむかったのだ。
「「いらっしゃいませ」」
「店主の坊やはいるかい?」
「いま、作業場で仕事をしていますが、どのようなご用件でしょうか?」
「お主達は奴隷だね?わたしゃ、商人ギルドのギルドマスターのベネッサじゃ。緊急の用事があるから、坊やと面会をさせておくれ」
「ギ、ギルドマスターさん?これは失礼いたしました。屋敷の方に案内します。主人であるヒロトシからそろそろ、商人ギルドから使者が来るかもしれないと聞いております」
「なんだって?」
「こちらの方にどうぞ。アイは、ご主人様を呼んできて?」
「うん」
ギルドマスターはマインに、屋敷の方に案内され、アイは急いでヒロトシを呼びに行ったのだ。店舗は人はいなくなるが、商品がある訳ではなく、空にしても問題はなかった。
「どういう事だい?わたしゃ、面会の連絡は入れてないよ?」
「ご主人様は、いつも先を読んで動いております。そろそろ商人ギルドが動くと言っておられましたが、まさかギルドの長が来るとは思いもしませんでした。どうぞこちらでお待ちください」
マインは、屋敷の客室に案内した。すると、セバスがお茶を持ってきたのだった。
「どうぞ。熱いのでお気をつけてください」
「どうもありがとよ」
ベネッサと部下達は、この家の様子もそうだが、奴隷達の雰囲気を見て驚きを隠せなかった。案内をしてくれたマインは、セバスが来たらすぐに店舗の方に戻ってしまったが、その後に入ってきたメイド長も、到底奴隷としては美しすぎるのだ。とても健康体で清潔だったのだ。
「あんた達は、本当に奴隷なのかい?」
「「はい」」
セバスとアヤは、そろってそう答えた。ベネッサはヒロトシが奴隷を大事にしているというのは知っていたが、まさかここまでとは思いもしなかった。
「旦那様はお優しい方です。わたし達にも、人権はあると言ってくださり、理不尽な事はありません」
「なるほどねえ。という事は、食事も満足に貰っているのかい?」
「はい!ご主人様は、自分と同じ食事をわたし達にも与えてくれます」
「ほうほう。あんた達は良い主人に購入されたんだねえ」
「「はい!尊敬し一生尽くしたいと思います」」
「ひゃひゃひゃひゃ!そいつはたいしたもんだ。本当に長生きはするもんだ。面白いものが見れたよ」
ベネッサは、奴隷自身がここまで主人を慕っているのを初めて見て、顔をしわくちゃにさせて、大笑いしたのだった。
すると、客室の扉が開いて、ヒロトシが入ってきたのだった。
「旦那様!大変でございます!」
「あー、セバスどうしたんだ?」
「今日で、店を開店してから半年が過ぎたのですが……」
「もう半年が過ぎたのか?早いなあ。それでどうしたんだ?」
「お店の売り上げが……1千万ゴールドを超えました」
「へえ……そうなんだ。俺頑張ったもんなあ」
「何を落ち着いているのですか!」
「落ち着いてはいないよ。だけど、こうなるのは分かっていたしな」
「何を言っているのですか。これは凄い快挙なんですよ?」
「いやいや……そんな驚く事じゃないよ」
「何を言っているのですか?一つの町だけで、売り上げが1千万ってありえないことなんですよ?」
「そうか?」
「そうですよ!」
「まあ、落ち着けって」
「何で、旦那様はそんなに冷静なんですか?」
「いいか?よく聞いてくれ。俺の日当は、4万で計算をしているのは知っているな?」
「はい」
「だったら、ギリギリの売り上げで計算しても、週に一回休みで1ヶ月25日として、月収100万だ。半年働いたら600だぞ。しかし、俺はそんなギリギリの仕事なんかしてないだろ?」
「た、確かに……」
「+1ソードにする場合、30分の売り上げで2500ゴールド取っているだろ?しかし、仕上げる速さは400ゴールドほどで仕上げているんだ。単純計算で6倍の売り上げが出ているはずだ。だけど、そこにはツーハンドソードのような馬鹿でかいものや防具なんかもある。」
「たしかに、マイナスの物もありますね」
「それらを考えたら、余裕で1千万なんか超える計算だよ」
「な、なるほど……しかし、店を開店した年にいきなり商人ギルドでの立ち位置が、Sランクになるのですよ?」
「まあそういう事だな。年間売り上げがどのくらいになるか。分からんが単純で2千万ゴールドだ。売り上げの1割となる納税は200万だから、ギルドでは大騒ぎになるかもな」
ヒロトシは、あっさりした口調で言ってのけたのだった。商人ギルドは基本、お店の見回りなどは絶対にしない。行商で生計を立てている者や、屋台で立てている者、色々いるからである。年度末に税金を納めない商人は、ギルドカードで呼び出すだけである。
しかし、商人ギルドは㋪美研の事はちゃんと情報にいれていたのだった。この辺りはさすが商人というべきであろう。
「ギ、ギルドマスター」
「なんだい!やかましいねえ。商人は慌てず冷静にといつも言っているだろ?それでなんだい?」
「申し訳ありません……」
商人ギルドミトン支部のギルドマスターは、帳簿を見て頭を悩ましていた。大きな町とはいえ、この町の領主は税率を低く設定していたので、経営が厳しかったのだ。
ヒロトシは、売り上げの10%を納める事に高いと驚いていたが、他の町に行けば10%は良心的であり20%30%は当たり前だった。
「わたしゃ、経営で頭が痛いんだよ。冒険者ギルドのようにここは依頼とかないんだから大変なんだよ!」
「それですよ!それ?町の救世主が現れたかもしれません」
「どういう事だい?」
「半年前に新人が登録して、ランファーが家の購入でやり込められた人間の事を覚えていますか?」
「ああ!あの坊やかい?なんでも奴隷に入れ込んでいるという変わり者だったねえ」
「あの店の売り上げが、とんでもない事になっている噂があります。今年のあの店の売り上げの予想は、1千5百万ゴールドはあるという目算がたっているのです」
「な、なんだってそれは本当かい?あの坊やは何の店をやってんだい?」
「それが、研磨という店らしく、今まで見たことのないお店なんです」
「研磨屋?なんだいそれは?」
「なんでも、武器を綺麗に磨く事でその武器は一時的にマジカルアイテムになるそうなんです」
「はぁあ?」
ベネッサは、開いた口がそのままになって、その場に立ち尽くしたのだ。
「その効果は近隣の町の冒険者にも噂がまわり、拠点をミトンの町に移す冒険者が増えているそうです」
「冒険者がこの町に?」
「しかし、その噂は一般平民にもまわり、移住してきているらしいのです」
「何で一般平民まで?」
「それは、その研磨屋はBランク以上の冒険者を対象に商売をしているみたいで、高ランク冒険者がこの町に集結しているのです」
「それはほんとうかい?」
「はい!その為、この町の安全が高まっているのは明白であり、その噂で一般平民が、ミトンに集結しているらしいのです」
「そいつは凄いねぇ……あの坊やが、まさかそこまでの商才を持っていたとは恐れ入るよ……」
「それで、不穏なうわさも出ているのです……」
「まさか他の町からかい?」
「そうです……このままでは、出過ぎる杭は……」
「まあ、そうなるのが世の常だわな……すぐに出るから用意しな!」
「わ、分かりました!面会の承諾はよろしいのですか?」
「今はそんな暇はないだろう?急いだ方がいいよ」
「はい!」
ギルドマスターは部下を数名引き連れて、㋪美研へむかったのだ。
「「いらっしゃいませ」」
「店主の坊やはいるかい?」
「いま、作業場で仕事をしていますが、どのようなご用件でしょうか?」
「お主達は奴隷だね?わたしゃ、商人ギルドのギルドマスターのベネッサじゃ。緊急の用事があるから、坊やと面会をさせておくれ」
「ギ、ギルドマスターさん?これは失礼いたしました。屋敷の方に案内します。主人であるヒロトシからそろそろ、商人ギルドから使者が来るかもしれないと聞いております」
「なんだって?」
「こちらの方にどうぞ。アイは、ご主人様を呼んできて?」
「うん」
ギルドマスターはマインに、屋敷の方に案内され、アイは急いでヒロトシを呼びに行ったのだ。店舗は人はいなくなるが、商品がある訳ではなく、空にしても問題はなかった。
「どういう事だい?わたしゃ、面会の連絡は入れてないよ?」
「ご主人様は、いつも先を読んで動いております。そろそろ商人ギルドが動くと言っておられましたが、まさかギルドの長が来るとは思いもしませんでした。どうぞこちらでお待ちください」
マインは、屋敷の客室に案内した。すると、セバスがお茶を持ってきたのだった。
「どうぞ。熱いのでお気をつけてください」
「どうもありがとよ」
ベネッサと部下達は、この家の様子もそうだが、奴隷達の雰囲気を見て驚きを隠せなかった。案内をしてくれたマインは、セバスが来たらすぐに店舗の方に戻ってしまったが、その後に入ってきたメイド長も、到底奴隷としては美しすぎるのだ。とても健康体で清潔だったのだ。
「あんた達は、本当に奴隷なのかい?」
「「はい」」
セバスとアヤは、そろってそう答えた。ベネッサはヒロトシが奴隷を大事にしているというのは知っていたが、まさかここまでとは思いもしなかった。
「旦那様はお優しい方です。わたし達にも、人権はあると言ってくださり、理不尽な事はありません」
「なるほどねえ。という事は、食事も満足に貰っているのかい?」
「はい!ご主人様は、自分と同じ食事をわたし達にも与えてくれます」
「ほうほう。あんた達は良い主人に購入されたんだねえ」
「「はい!尊敬し一生尽くしたいと思います」」
「ひゃひゃひゃひゃ!そいつはたいしたもんだ。本当に長生きはするもんだ。面白いものが見れたよ」
ベネッサは、奴隷自身がここまで主人を慕っているのを初めて見て、顔をしわくちゃにさせて、大笑いしたのだった。
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