役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

41話 ガウディの正体

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 ガウディは睨み付け、マルクの懐に突っ込んできた。

『なにボーッとしてやがる!』

 ガウディのスピードにマルクは対応したが、しかしガウディの爪の攻撃に反応したのはシオンだ。

『て、てめえ!』

「あんたにマルクは殺させやしない」

「シオン。ナイス!」

 シオンはガウディを挑発(ヘイト)し、攻撃を自分に向ける。

『忌々しいスキルだなぁ!お前から始末してやる』

 ガウディは、シオンのスキルに顔を歪め、その爪と牙はシオンに向かう。

「あんたはあたしが食い止める」

 その時、シオンの持つイージスの盾が輝く。

『な、なんだこの光は!』

「な、なに?」

 シオンもいきなりの事にびっくりする。アダマンタイマイの甲羅から作られたイージスの盾は光が治まるとその姿を変えていた。

『形を変えただけのこけおどしか!死ね!』

 ガウディは爪で、シオンに攻撃を加えた。するとガウディの状態異常の攻撃は無効とされたのだ。
 そして、ガウディの攻撃はイージスの盾に完璧に防がれ、ダメージの10%が跳ね返った。

『な、なんだと!』

 この変化にシオンは当然だかマルク達も目を丸くして驚いた。

「これならもう大丈夫!いける。犬コロこっちに向かって来なさい」

『にやけやがって調子に乗るなぁ!』

 シオンのスキルヘイト(挑発)は、表情も効果にプラス判定に加算される為、シオンは戦闘中はどことなく口角が上がっている。
 ガウディのように言葉や意志疎通ができる敵にはより効果的なのだ。

 ガウディは、シオンに高速攻撃を連打するが、シオンは先程までの状態異常には陥る事はなく更に反射攻撃までした。

『な、なんなんだ貴様!』

「あたしはあんたなんかに負けない!シールドバッシュ!」

『がぁああああ!』

 ガウディは、シオンに自分の与えたダメージの10%が跳ね返り、又シオンからのシールドダメージも受ける事になる。

「僕の事も忘れるなよ!」

『ぐはっ!』

 マルクは、シオンのおかげで安全な後方から拳で、ガウディの背中にダメージを与える。マルクの拳はクリティカルを連発し、ガウディはマルクの拳にボロボロとなる。

『き、貴様等ぁああああああああ!調子に乗るなぁああああああああ!』

 ガウディはマルクとシオンの二人になすすべもなくダメージを与え続けられ、顔を真っ赤にして激怒する。

「お前はもう終わりよ!」

『調子に乗るなと言っただろうが!こうなれば俺様の本気を見せてやろう!』

「「「「今まで本気じゃなかったの?」」」」

 カノン達は、ガウディの本気じゃなかったと聞いて顔を青くする。それは当然であり、攻撃が通じない相手が更に強くなるからだ。

 ガウディはマルクとシオンの攻撃に頭にきていた。本当なら物理攻撃は当たらないはずだった。しかし、マルクは神眼で本体を見失いからだ。自分の毛並みが輝き目を一瞬眩まし、敵の攻撃をずらす事ができる。マルクにはこれが通じないのだ。

『グガガガガガガガ!』

 ガウディは、いきなり唸りだし四つんばとなる。
そして、ガウディの体内の魔力が更に増大しだしたのだ。

「「「「なっ!」」」」
「マルク、あいつの魔力が!」

「わかっている」

 マルクはガウディの懐に突っ込んで拳を打つ。しかし、ガウディは魔力を毛皮に纏って防御力を上げていた。

『そんなに慌てるなよ。もう少し待ってろ』

 ガウディはマルクを横目で見下しニヤニヤした。
するとガウディの体か大きくなり、獣人だった姿は巨大な犬の姿に変わる。

「な、なんなの?この化け物のような姿は!」

 カノン達は、ガウディの本性に言葉を失う。

『グガガガガガガガ!』

 ガウディの本性は狼だと思っていたが犬だった。しかし、その毛並みは真っ黒な炎のように揺らめき近づくものは全て焼き尽くす感じだ。
 また、ガウディは唸り魔力が膨れ上がる。するとガウディの犬の首が3つに増えたのだ。

「ま、まさか!地獄の門番ケルベロスなのか?」

『ほう!俺様の事を知っていたのか?』

 ガウディの変身が終わり。その正体があらわとなる。ガウディは地獄の番犬ケルベロスだった。

『第2ラウンドといこうか!』

 その言葉と共に、ガウディはシオンに地獄の業火のブレスを吐いた。

「「「「「シオン!」」」」」


 

 

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