役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

34話 シオン達の反撃

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 ディアブロのサーベルは、マルクも回避する事が出来ない程踏み込みが速かった。
 ディアブロのサーベルは、マルクの心臓に突き刺さっていた。

「マ、マルク!あんた何、油断をしているのよ!」

「「「「・・・・・・」」」」

 シオンは、マルクに怒鳴る。カノン達も涙を流していた。その時、マルクの声がした。

「僕が油断?それじゃ示しがつかないでしょ」

『なっ!』

 ディアブロもその声に驚く。確かにあのマルクとか言う青年の心臓にサーベルを突き立てたのだ。しかし、声がした瞬間サーベルに突き刺していた死体がスーッとその姿が消え、頬に衝撃を受けてぶっ飛んだのだ。

『ぐはっ!ミラーイメージか・・・・・・』

 ズガガガガカという轟音と共にディアブロは、マルクの拳を受けてその身は吹き飛び、魔の森の木々に打ち付けられながらも、マルクの秘密に気づいた。

「「「「「マ、マルク!」」」」」

 シオン達は、マルクがてっきりディアブロのサーベルに突き刺され死んだと思っていたのに、ディアブロを殴り飛ばした事に歓喜して駆け寄る。

「マルクよかった!」
「本当に死んだかと思ったぜ!」
「びっくりさせないでよ」
「本当、マルクは意地が悪い・・・・・・」

「マルクが殺される訳がないだろう!シオン、早く構えろ。アイツがそう簡単にくたばるわけがない!」

 さすが、真面目なカノンだった。シオン達がマルクに駆け寄るが、カノンだけが吹き飛んだディアブロの方を向き槍を構えた。 

「カノンの言うとおりだ。みんな早く構えて!」

 その時、へし折れた魔の森の木々が吹き飛んだ。

『がぁああああああ!貴様ぁ!我の顔を殴り飛ばしたなぁ!』

「先ほどまでの丁寧な言葉はどうした?執事の仮面が外れているよ」

『やかましい!我を馬鹿にするな』

 ディアブロは完全に頭に血が上っているようだ。その為、執事としての言葉はない。マルクはディアブロの演出だと思い苦笑する。

「慣れないことはするもんじゃないよ。それとも僕の執事のセバスチャンに教育してもらいか?」

『き、貴様ぁ!我の事をまだ侮るつもりかぁ!』

 ディアブロは、マルクの話術に完全に乗せられていた。そして、ディアブロはマルクに突進する。

『死ねぇ!』

 ディアブロは自分を傷つけたマルクを許せなかった。自分を傷つけられる者は大魔王スルトだけだと思っていたからだ。大魔王スルトが現れるまで魔王は自分だと思っていたのである。

「あんたなんか三流魔王よ!」

 マルクしか見えていないディアブロの前に飛び出たのはシオンだった。ガキンっという轟音と共に、ディアブロのサーベルはシオンの盾に受け流された。

『我が三流だと!』

「そうだな!お前はシオンの言うとおり三流魔王だよ!」

『うっ!』

 シオンに受け流されたディアブロに、一撃を加えたのはカノンだ。そして、カノンの攻撃はディアブロの手首に決められたのだ。そのカノンの攻撃は、ディアブロのサーベルを持つ手首を狙って決められたもので【ディザーム】だった。

 カノンは、マルクの言ったとおりに敵を戦闘不能にさせることを忠実に実行した。しかし、ディアブロも魔王の名を持つ最上位の悪魔だ。

「私のディザームが効かないのか?」

 ディザームとは、相手の武器を持つ手首を狙い武器を落とさせるスキルだ。一見地味なスキルだが、対人戦では効果の高い戦法だ。

「カノン!それで良い!三流魔王を追い詰めてるぞ」

 マルクは、カノンの戦法は間違いないと称える。スキルは失敗したが、十分効果的でしばらくの間ディアブロは手首が痺れてまともに力が入らないからだ。

「フム!」

『手首が・・・・・・・』

 そこに今度は、システィナの弓がディアブロの目を襲う。

『ぐっ!』

 ディアブロは、身を反らしバランスを崩しながらもシスティナの矢を回避する。バランスを崩したところに、今度はオウカがディアブロに足払いを仕掛けた。

「あたしもいるのを忘れるなよ」

 ディアブロは、オウカの足払いに見事にかかり無様にすっ転んだ。ディアブロは恥をかかされ頭に血が上っていた。転んだがすぐに態勢を整え起き上がる。

『き、貴様等ぁ!皆殺しだぁ!』

「私の一撃を食らえ・・・・・・」

『はっ?』

 ディアブロは血の気が引いた。ディアブロの後ろを取った人間がいたのだ。シャドーウォークを使いディアブロのバックを取り、一撃を加えたのはクレアだった。

「クリティカルカースブラッド!」

『ぎゃあああああああああああ!』

 クレアは、ディアブロの背中から心臓の位置を狙い【クリティカルカースブラッド】を放つ。
 クリティカルブラッドは、心臓に攻撃を放ちまた出血効果のあるスキルだ。クレアはディアブロがこれぐらいで死ぬとは思っておらず、出血効果で継続ダメージを狙って放ったのだ。

「そのダメージはそう簡単に治らないよ」

『ぐっ!くそぉ!』

 ディアブロは、サーベルを振り回し後方にいるクレアを攻撃するが、クレアはシャドーウォークで影の中に身を隠し回避した。そして、すぐさま影の中を移動してマルクの横に姿を現したのだった。
 ディアブロは、背中から血を流し苦悶の表情をしていた。




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