役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

7話 大魔王スルト宣戦布告

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 マルクの町では、各ギルド本部の建設が急ピッチで行われていた。

「ラッシュ、後の事はもう任せてもいいかな?」

「はい。ギルドの移設も決まって後の事はもう大丈夫です」

 ラッシュは、マルクがこの町に拠点を移した時、町の政を任せる為に購入した特別奴隷だ。そして、町の政を任せる元貴族達はラッシュだけでなく、30人で運営する事になる。



 そして、その頃には王都近くのダンジョンではあり得ない事が起こり始めていた。

「国王陛下!大変な事が起こりました!」

「今度はなんだ!」

「ダンジョンの周辺に毒の沼が発生!ダンジョンに侵入出来なくなりました・・・・・・」

「ダンジョンに侵入出来なくなっただと?」

「はい・・・・・・現在調査中ですが、毒の沼が調査を妨げ時間がかかる模様」

「いったい何でこんなことに!ダンジョンに侵入出来なくなったのなら間引きはどうなる?」

「ダンジョンの周り半径約500mだと思って間違いないのですが、毒の沼のせいでダンジョンに到着出来ません」

 毒の沼が障害になり250mも進めない状況だった。この毒の沼はブラックドラゴンのせいではないかと憶測を呼んだが、実際の原因は掴めないでいた。

「もうよい!余が出陣する」

「陛下!それはいけません。勇者を見つからないのに、陛下に何かあればこの国はどうなるのです?」

「わかっておるのか?ダンジョンに潜入出来なければ魔物は増え続けるのだぞ?そうなれば、又王国でスタンピードが起こる!」

 その時、王城に忍び込んでいた大魔王の使い魔が姿を現す。

『ふはははははは!剣の勇者の末裔よ。我の話を聞いて絶望せよ!』

「な、何で悪魔が!それにその声は!」

 使い魔の姿はガーゴイルに似ており、蝙蝠の翼を持ち赤い目を光らせ硬い嘴と爪を持った悪魔だった。しかし、そのガーゴイルから聞こえてくる声は大魔王スルトの声そのものである。使い魔のガーゴイルは大魔王スルトの通信機のようだ。

『我の居城の準備は整った!我を倒したければ魔の森の最深部に来るがよい!誰でも構わぬ。相手をしてやろう!』

「なんだと!魔の森の最深部だと?ダンジョンではないのか?」

『ふはははははは!ダンジョンなど我の遊び道具のひとつにすぎん!』

「あ、遊び道具だと・・・・・・」

『そうそう!遊び道具ついでに言いたい事があったわ!まずは王都の近くのダンジョンに毒の沼を配置させてもらった!』

「くっ・・・・・・」

『その顔もう知っているようだな。ならば、話は早い。ダンジョンを処理しないと大変な事になると忠告しておく。あのダンジョンには新たにダンジョンマスターを配置させた』

「ダンジョンマスターだと!」

『ゲームの始まりだ。これから半年の後ダンジョンは溢れるであろう!ダンジョンマスターを討伐すればお主達の勝ちだ。そうすれば、あのダンジョンには10年間はダンジョンマスターを配置は見送ろうではないか。ぐはははははははは!』

「10年間だと?」

『そうだ!10年は生き延びれる。我に感謝しろ』

「ば、馬鹿にするな!」

『しかし、ダンジョンばかりに気を向けていたらお前の国はすぐに滅亡すると言っておこう!我の魔力で地上の魔物は活性化し進化しはじめていると言っておこう。我は優しいからな』

「な、なんだと・・・・・・」

『さあ困ったなぁ!王国領内の町も守らねばならぬからな。ぐはははははははは!』

 大魔王スルトは、人類をいたぶりながら大陸を手中に治めるつもりだった。
 現にまだ王都に報告が入ってはいないが、王都から離れた村のいくつかは、魔物によって壊滅したところもあったのだ。

「な、なんてことを!」

人間下等生物はいくらでも沸くからな!これからは生かさず殺さすで我の食事となるがよい!』

「人間が食事だと!」

『教えてやろう!魔の者に殺された命は我の魔力となる。つまりは我の食事と言うわけだ!ぐはははははははは!』

「そのような事は許さん。いずれ勇者が出現しお前を討伐するであろう!」

『ぐはははははははは!その言葉覚えたぞ。楽しみにしていよう。待っておるぞ!』

 大魔王スルトが言いたい事を言うと使い魔だったガーゴイルは石化してしまい、大広間のオブジェとなってしまった。
 それを見たアーサー王は、貴族達に勇者の捜索を急がせるのだった。

 そんなことがあったとは知らないマルクは、マルクの町の空を見て冷や汗を流す。

「ちょっと不味いかもね」

「ご主人様どうしたのですか?」

「セバスは、あの方向に何も感じないのかい?」

 マルクは北の方向を指差して、セバスチャンに訴えるように言う。セバスチャンが北の方向を見ると暗雲が立ち込めていた。

「な、なんですかあれは!」

 北の方向は魔の森の中心部で、今まであんな漆黒の雲など見たことがなく、セバスチャンは目を見開き驚いていた。

「マ、マルク!大変だよ!」

「どうかしたのか?」

 息を切らせて、マルクとセバスチャンに駆け寄って来たのはステファニーだった。

 
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