役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

3話 町の発展と勇者の捜索

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 マルクは、シオン達にスキル創造をして暁月の明星全員が主要スキルがSランクとなったのだ。

「す、凄いわ!これであたしもSランクタンカーなのね!」

「そうだね。今まで盾術はノーマルスキルだったけど、Sランクスキルになった事で防御は10倍に跳ね上がっているはずだよ」

「さて、カノン達もパワーアップするか」

「私達もいいのか?」

「カノンはSランクになりたくないの?」

「「「「なりたい!」」」」
「私達は、マルクの足手纏いになりたくない!今までどうしてもマルクにおんぶにだっこだったのが歯がゆかったんだ」

 カノン達は涙を流し、自分の気持ちをうちあけたのだ。そして、カノンは槍術と戦術をSランクとなる。オウカに格闘術と体術、システィナは弓術と戦術、クレアは短剣術と罠発見解除をそれぞれSランクへとパワーアップしたのだった。

「「「「「す、凄い!」」」」」
「力が溢れてくるわ」

「シオン達には、これから魔の森の魔物の間引きを頼みたいがいいか?」

「任せておいてよ」
「これなら、魔の森の奥地でも一人で行ける」
「そうね!」
「任せてくれ!」
「私も今まで戦闘は役に立てなかったけどこれなら大丈夫・・・・・・」

「一応言っておくけど、くれぐれも油断しないようにね。Sランクとはいえ魔の森の奥地にはどんな魔物がいるかわからないからね」

「「「「「わかってる」」」」」

 そして、シオン達は町の北側に広がる魔の森の魔物の間引きを開始、マルクは町の東西に街道を通す事に人力を尽くした。本来ならば魔の森を切り開く作業は、国が公共事業として数十年単位で税金を使ってやるものだが、マルクは一人でやってしまうのだった。

「街道を通すのは簡単だけど、北から這い出る魔物は強いからな・・・・・・」

「ご主人様、いかがなされるおつもりですか?」

「多分、シオン達が街道沿いの魔物を間引いていれば魔物もそうそう出てかなくはなるんだけどね」

「それだと、数十年単位の作業になりそうですね」

「セバスもそう思うか?」

「当然ですね。街道に人が行き来すれば、魔物も獲物がやってきたと思うでしょう」

「そうだよな。じゃあ、しょうがないな」

 そう言ってマルクは、町から東西に切り開いた街道沿いの北側に城壁を築いたのだ。

「本当にご主人様はとんでもないお人ですね」

 セバスチャンは、街道沿いの北側に築かれた城壁に呆れたようすだった。城壁の上にはアイアンゴーレムを設置し、長く続く城壁には1km単位で城門も作り、北に広がる魔の森にも行けるようにした。

 そして、街道をマルクはたった1ヶ月で開通してしまったのだ。帝国と王国を通す街道は、ユーダン湖の遥か南の海に近い場所を迂回しないと行けなかったが、ユーダン湖の北側にマルクの切り開いた街道が出来たのだ。今まで危険地帯で行商人達は、遠くても迂回するしかなかったのでたいへん喜ばれた。

「マルクさん、ちょっとよろしいですか?」

「ステファニーがめずらしいね」

「ですが、マルクさんはそろそろと思っていたんじゃありませんか?」

「まあね。それで冒険者ギルドからなんて?」

「冒険者ギルドからではありません。商人ギルドからです」

「なるほどね。さすが商人と言ったところか。金の匂いを嗅ぎとったみたいだね」

「はい。マルクさんの町は帝国と王国をつなぐ街道にありますからね。両国の特産が集まる町になるのと、旅が比較的安全に出来ますからね」

「それで、商人ギルドはいつくるんだい?」

「昨日、王都を出発したそうなので到着にはまだ当分かかるかと思います」

「そっか」

「多分ですが、冒険者ギルドも支店の申し込みがあると思います」

「その時は、ステファニーがギルドマスターになるか?」

「あたしがですか?」

「僕の町だからね。それくらいの条件は出せるよ」

「あたしは受付嬢でいいです」

「この町は、ほとんどヒューマン以外の種族ばかりだよ」

「それでもあたしは上に立つような人間ではないので遠慮します」

「まあ、無理強いするつもりはないから頑張って」

「はい。多分ですが、冒険者ギルドもこの町が発展するのがわかっていますので、近日中に王都を出発すると思います」

「わかったよ。報告ありがとう」

 ステファニーは、マルクに笑顔を向けて部屋から出た。



 その頃、王都ではアーサー王と貴族達が騒然となっていた。マルクの町までの街道が繋がり、行商人達がユーダン湖の北側を行商し始めたからだ。そして、帝国でも平民達の流出が加速したのだ。安全に王国まで行けるようになったからだ。

「国王陛下!たいへんです。マルク殿の計画がわかりました」

「なんだ騒がしい。今は大魔王の討伐で忙しいのだ!」

 魔王の討伐に王国は、聖教国の依頼に勇者になりうる子供の捜索に人力を尽くしていたのだ。そして、帝国領内の捜索をどうするのか相談していた。
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