役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第7章 覚醒

53話 邪悪龍ふたたび!

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 マルクは、シオン達を徹底的にサポートする。聖母龍の攻撃はそれほど痛烈だったからだ。

「属性付与はやはり絶大な威力だな」

 マルクが愚痴るのも無理はない。邪属性の付与があれば、シオンへの聖母龍の攻撃が50%軽減されるからだ。
 又、カノン達に邪属性の付与魔法を唱えれば、与えるダメージは二倍になるのだ。

「旋風陣!」
「破砕拳!」
「トルネイドショット!」

 カノン達は、シオンの負担を減らす為に全力で攻撃をしかける。また、クレアも攻撃に加わる。

「モータルブロウ!」

 モータルブロウは、短剣のアクティブスキルでダメージが二倍になる強力なスキルだ。

『人間にしては大したものよ。しかし、私に喧嘩を売ったのは間違いのようだな』

 聖母龍にカノン達がダメージを与えているより、回復能力の方が高いようだ。

『そのような腕ではまだまだだな!』

 聖母龍は、またホーリーブレスを吐いた。ドラゴンのブレスダメージはHPに依存する。例えば、ドラゴンのHPが1000だった場合、ブレスを受けると1000ダメージという事になる。

 シオンは、ホーリーブレスを本日二発受けた。しかし、マルクのバフのおかげでなんとか耐える。ダメージを受けても、すかさずパーフェクトヒールが飛んできて全回復してしまうからだ。

「このままだと持久戦となりこちらが不利だな」

「マルク!何か突破口はないの?」

 クレアが、マルクに助けを求める。聖母龍のHPを削ってシオンの負担を減らそうとしても、回復能力が高く、ホーリーブレスのダメージが減らせないのだ。カノン達のダメージ量が聖母龍の回復能力を上回われば、ホーリーブレスのダメージが減らせるのだ。

「マルクすまない・・・・・・私はまだ弱かった」
「くそぉ!あたしもダメージが入らない!」

 カノンとオウカは、必死で聖母龍に攻撃をしかける。

「あたしは全然ダメージが入らないわ!」

 システィナの武器は神聖の弓だ。聖属性の聖母龍に対して、システィナの弓は相性が悪すぎたのである。

『今さら後悔しても遅い!』

 ドラゴンのブレスは、連続発射できないのが唯一の救いだ。10ラウンドほど力を貯めることで、ブレスを吐くことができるのだ。

 シオンはタンカーとして、自分に注意をひきつける。カノン達はシオンの頑張りに応えダメージを与え続ける。

「くそぉ!」
「オウカ、諦めるな!」
「カノン!お前も気合いを入れろ!」
「言われなくともわかっている!」

「マルク!何かないの?」

 マルクは聖母龍にカースを唱える。カースは呪いの魔法だ。マルクの魔法はやっと聖母龍のステータスを減らす。さすが聖母龍と言われるだけあって、マルクの魔法をもマジックレジストをしていた。

『ぐはっ!なんだと?私にデバフを!』

 聖母龍のHPは半分に減り、またSTRやVIT等軒並み半分に減った。

『それがどうしたと言うのだ!私をなめるでないわ』

 聖母龍は、自分にブレスを唱える。ブレスはホーリーブレスではなく、聖属性魔法のステータスを引き上げる魔法である。
 聖母龍は、カースで引き下げられたステータスをブレスを自分にかける事で元に戻したのだった。

「嘘でしょ・・・・・・」

 クレアは、マルクのカースで希望を感じたのだがすぐに絶望してしまった。

『私に対してよくやったと誉めてつかわす!そのまま絶望し後悔して死ぬがよい!』

「それは、僕をなめすぎだな!」

『なんだと?強がりはよすのだな!』

 聖母龍は、マルクの言葉に驚いた。ようやくかかったカースを封じられたのに、まだなにか出来ることがあるとは思わなかったからだ。

「人間の底力を見せてやるよ!」

 マルクは時空間魔法を唱える。

「サモン・カオスドラゴン!」

『な、なんだと!』

「出でよウロボロス!」

 マルクの前に、邪悪龍のウロボロスが出現したのだ。

「みんな離れろ!」

 マルクの号令で、シオン達は驚愕しながらも後ろに下がる。その瞬間、邪悪龍ウロボロスは聖母龍にブレスを吐いた。

『ぎゃおおおおおおおおお!』

『そんな事がぁ!』

 邪悪属性のウロボロスは聖母龍に大ダメージを与える。そこに、カノン達が追撃を与える。聖母龍はウロボロスに攻撃をしかけようとしたかったが、シオンの挑発を受け、シオンに攻撃をしかける。
 聖母龍はまさか、人間がウロボロスを召還するとはおもいもしなかったのだ。
 邪悪龍ウロボロスは、聖母龍の後方から攻撃をしかける。そこに、カノン達のダメージも加わり聖母龍の回復能力を上回ったのだ。

「これならいける!」
「さすがマルクだぜ!」
「だね!」

『貴様ぁ!なぜウロボロスを召還できる!』

「だから、僕をなめるなと言ったんだ」

『召還には触媒がいるはず!』

「僕は運も良いんだよ。これが何かわかるかい?」

『そんな馬鹿な!』

 聖母龍はマルクの手に持つ、ウロボロスの逆鱗を見て目を見開いたのだった。
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