役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第7章 覚醒

30話 拷問魔法

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 帝国騎士団魔物部隊は、声の主に気持ちを荒ぶらせ、魔物を一気に進行させた。

「スタンピードの恐怖を思いしれ!」

 マルクは城壁の上に立ち魔物を見下ろしていた。全然撤退する様子がなく、システィナのアローシャワーが降り注いで魔物の死体の山が出来ていた。

「撤退はしないか・・・・・・」

「馬鹿め!我が軍に撤退の道はない!」

「お前は黙れ!自分の立場がわからないのか?」

「ぐはっ・・・・・・」

 余計な事を言った帝国騎士団長は、マルクに蹴られて吹き飛んでいた。

「馬鹿なやつね・・・・・・捕虜だって事がわからないのかしら?」

 システィナは矢を放ちながら、騎士団長を見て呆れていた。

「しょうがないね・・・・・・アインシュタル王国にとってはラッキーだった事になるけど、僕達の町を侵略しようとしたんだ。帝国にはそれなりの事をしてもらおうか?」

「そんな事言って。マルクは最初からこれをねらっていたんじゃないの?」

「う、うるさいよ」

 システィナは、マルクの目的を最初から知っていたようにクスクス笑っていた。そして、マルクは魔物部隊に魔法を使う。

「アースクエイク!」

 マルクは城壁の外側、帝国魔物部隊がいる場所に土属性魔法のアースクエイクを唱えた。すると、広範囲に渡り地面が揺れて、町の外側局地的震災が起こる。地面が揺れるだけではなく、地割れが起き底が見えないほどの割れ目に、帝国魔物部隊は次々に落下していくのだった。

「ば、馬鹿な!帝国魔物部隊がこんな簡単に全滅するなんて・・・・・・」

 2万の軍勢は、マルクの魔法一発が地の底に沈んでしまったのだ。当然だが、魔物部隊を指揮する帝国兵士も地割れに呑み込まれてしまい、アースクエイクの魔法が終わると地割れは元に戻り、帝国兵士と共に魔物部隊は地面に押し潰され圧死してしまった。

「さて、騎士団長だったかな?帝国まで案内してもらおうか?」

「き、貴様は何者なんだぁ!」

 帝国騎士団長は、二万のスタンピードと帝国騎士団をたった二人で壊滅させてしまった人間に恐怖を覚えた。

「帝国軍を二人で壊滅等ありえん・・・・・・」

「ありえんかどうかなんてどうでもいいよ。それより、帝国はどうして魔物を指揮する事が出来るようになった?」

「私は知らん!」

「へぇ・・・・・・まだそんな態度がとるんだ?いい度胸をしているよ」

「私に拷問しても無駄だ!」

「システィナここは任せたから後はよろしくね」

「うん。わかったわ。それにしてもあなた、マルクが優しくしている内におとなしく口を割った方が良かったのに・・・・・・同情するわ」

「私は絶対口を割らん!」

 システィナは帝国騎士団長に哀れみの目を向けたのだった。騎士団長は強がっていたが、ものの数秒で強がった事を後悔する事になる。

「ぎゃあああああああああああああああああ!や、止めろぉおおおおおおおおおお!」

「早くしゃべった方が身のためだぞ」

 マルクは屋敷の地下牢に団長を始め、湖から這い上がった兵士達を鎖で施錠して身動きが出来ないようにした。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおお!」
「俺は知らない!止めてくれ!」
「俺も知らないんだぁ!」

 帝国騎士団は、苦痛にその顔は歪みマルクにやめるように懇願していた。

「身体中が痛いだろ?この魔法はクレイジーペインと言ってな。拷問には便利なんだよ」

 マルクは、闇属性魔法のクレイジーペインを唱えていた。この魔法は極悪非道と言ってもいいほど、かけられた人間は苦痛を味わう。魔法をかけられると、身体中の痛覚がむき出しになり、風が体に吹いただけで激痛が走るのだ。
 
「僕がこうしてうちわで扇ぐだけで!」

「ぎゃあああああああああ!止めてくれ!」
「痛い痛い痛い痛い!」
「うわぁああああああああ!」

「どうして魔物が飼育できるようになった?」

「し、知らない!」
「俺もしらないんだあ!」
「もう止めてくれぇ・・・・・・」

 数人の部下は、これで気絶してしまった。

「止めてほしいのなら知っている事を話せ!」

「わ、わかった!わかったから止めろぉ!」

「止めろ?お前まだ自分の立場がわかってないのかよ?」

 マルクは、帝国騎士団長にクレイジーペインを唱えた。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおお!や、止めてく・・・・・・」

 そこで、帝国騎士団長の意識は途絶えてしまった。その騎士団長の姿を見た、部下達は恐怖で震え上がっていた。

「「「「「だ、団長・・・・・・」」」」」

「さて、あんた達も同じ目に遇いたいから、口を割らないんだよね?この団長と同じようになりたい?」

 騎士団長は生気なく気絶しておりなにより変わってしまったのは、あれほど綺麗な金髪だったのが、見事なまでに白髪に変わってしまっていた。

「ま、待って下さい!本当に我々は魔物の事はわからないのです!」
「「「「「「そうです!」」」」」」
「だ、だからその魔法は!」

「あんた達帝国の人間は、ヒューマン族以外の人間がそうやって許しを願った時許したのか?」

「そ、それは・・・・・・」

「お前達は、この町に戦争を仕掛けて負けた捕虜なんだよ。知っている事は全て話せ!クレイジーペイン!」

「「「「「ぎゃああああああああああ!」」」」」
「や、止めて下さい!帝国が飼育できるようになったのは!」
「や、止めろ!皇帝陛下を裏切るつもり、ぎゃあああああああ!」

「いいから話せ!」

 マルクは、口を割りそうな兵士だけ、クレイジーペインの効果をとめた。兵士が言うには、ある時から、帝国では亜人種を捕らえ冤罪でも何でもいいから、奴隷にしてダンジョンにおくりダンジョンの資材を集めさせる事になったそうだ。
 亜人種がダンジョンで死んでも構わないとまで、皇帝陛下は指示を出したと言う。そして、しばらくして新しいスキルが見つかったとされ、魔物がダンジョンから連れてこられたと兵士は口を割った。

「しかし、そのスキルは皇帝が使っているのか?」

「私共、一介の兵士にはわかりません。これは本当です!」
「お前!帝国を裏切りおっぐおおおおおおおおおおおおおおお!」

「お前は黙れ!」

 マルクはクレイジーペインを更にかけて、他の兵士を気絶させてしまった。兵士達は団長と同じくあまりの激痛に白髪になってしまった。



 
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