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第7章 覚醒
19話 戦争が近づきマルクの対応
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今度は帝国からヒューマン族も逃げてきた。帝国の人間は人至上主義の人間ばかりで、これから戦場となるであろうアインシュタル王国に逃げ出すしかなかった。
「一体帝国で何が起こっているんだ?」
「帝国はもう人間が安心して住める場所ではない」
「どういう事だ?」
アインシュタル王国国境の門では、少しでも帝国の情報をつかもうと兵士達が、逃げてきた者に聞き取り調査をしていた。
「なんだか知らないが新しいスキルが見つかったらしく、帝都では魔物を飼育しはじめているんだ」
「ば、馬鹿な!魔物を飼育だと?」
「信じられないかも知れないが、帝都には魔物厩舎が建てられ中にはゴブリンやコボルトがいるんだ」
「それは本当なのか?」
「いずれ、オーガも飼育するみたいで厩舎の大きさも馬鹿でかいんだ。あんな町に安心して住める訳がねぇから、俺達は王国に逃げてきたんだ」
「魔物の規模は?」
「そこまで俺達には分からねぇよ。しかし、帝国は城の兵士とは違う戦力を手に入れたと騒いでいるぜ」
この情報はすぐにナーバレン辺境伯に報らされ、アインシュタル王国は大混乱となる。そうなると当然難民達の事は後回しとなる。
「国王様、難民の事はどうなさるおつもりですか?」
「マルク、ちょっと待ってくれ!今は状況が変わってしまったのだ」
「いやいや・・・・・・あれから何ヵ月経っていると思っているのですか?その間、僕は難民達の様子を確認しているのですよ?」
「それはそうだが、王国でも独自に偵察部隊を送って情報を掴んだんだ!このままでは、帝国は意図的にスタンピードを起こす事が出来る可能性が出てきておるのだ」
「そんなに戦争が気になるんですか?」
「当たり前であろう!帝国の動向でアインシュタル王国は滅亡するかもしれないんだぞ!」
「あーハイハイ!王国のやり方は分かりましたよ。厄介事は全部押し付けて、僕がしびれを切らすまでなにもしないつもりだって事がね!」
「なんだその言い方は!」
「だってそうでしょ?あの土地にどんどん難民達が増えていくが何の対処もしてくれない。難民達の栄養が足りてないと言っていたにも関わらず、食料事情は変わらず具の少ないスープだけだ!」
「それはだな、こちらとしても戦争が近いから予算が難民には回す余裕がないのだ」
アインシュタル王国は偵察部隊から、帝国の情報を得ている。そうなると国境付近に兵士を遠征、冒険者から傭兵の募集、又食料の調達ポーション資材の輸送に金がとてもかかるのだ。
そうなるととてもではないが、王国の民ではない人間に予算はこれ以上かける事はできなかった。
「分かりましたよ!王国がそのように判断するのなら、僕にも考えがあります。失礼しました!」
マルクは怒りを露にして、席を立ち王城を後にしたのだった。屋敷に帰ってきたマルクはセバスチャンに不満を吐き出した。
「セバス聞いてくれ!」
「どうなさったのですか?」
「王国は、僕に難民の事を押し付けて戦争準備をするようだ」
「どういう事ですか?」
マルクは頭に血が上り、セバスチャンはよくわからなかったようだ。セバスチャンはマルクを落ち着かせて話を聞いた。セバスチャンはマルクは日頃あれだけ冷静なのに、やはり成人はしたがまだまだ子供なのだと思った。
「ご主人様、ご主人様の気持ちはわかりますが王国の行動は普通ですよ。帝国が攻めて来るとわかれば、難民の事は後回しになります」
「セバスまでそんなことを!」
「ご主人様に逆らうつもりはありませんが、一般論を申し上げたまでです。私はご主人様の気持ちもわかります。まずは落ち着きましょう」
セバスチャンの言葉に、マルクは落ち着きを取り戻した。
「それで、ご主人様はこれからいかがなされるおつもりですか?」
「えっ?僕は難民を・・・・・・」
「自分の土地からおいだしますか?」
「馬鹿な事を!」
「そうですか?あの土地はご主人様の私有地でございます。本来なら税金を払えない人間にいる資格はごさいませんよ?あくまでも今はご主人様の好意でございます」
「しかしだな。僕が難民を追い出せば、難民達の行く場所が・・・・・・・」
「私から言わせていただければ、ご主人様が心配する必要はありませんよ?当然、難民達の栄養や衛生面の心配もです。ご主人様はナーバレン辺境伯様から土地を貸して欲しいと言われただけで、難民の一時保護の責任は王国にありますからね」
「だけど、王国は戦争に乗じて難民の事は二の次なんだぞ?」
「ご主人様は優しすぎるのですよ。ご主人様に取って難民は赤の他人です。心配するのは人間として普通ではありますが、ご主人様は出来ることが多いから悩むのでございますよ」
「・・・・・・・」
「仮にご主人様が、魔道(EX)がなければどうでしたか?今のように難民がいても同じ事ができたでしょうか?」
「出来る訳がないよ!」
「そうです。普通の冒険者では出来る訳がないんですよ。あの土地はご主人様が王国を救ってきた褒美として頂いた土地なんです。ご主人様の私有地なんですよ?どのように使ってもいいのです。その土地に税金を払えない人間がいるのは、本来ありえない事なんです」
「・・・・・・」
「よろしいですか?王国はご主人様に甘えているだけです。王国が期限を決めていただけないのであれば、ご主人様の責任は今まで協力したたけで十分だと私は思いますよ」
セバスチャンは、マルクが難民の事で迷惑に思うのであれば、そこまで責任をおう必要はないと言い切った。それともうひとつの方法も付け加えて、セバスチャンはどちらを取ろうとも、自分はマルクを支えると言った。
「一体帝国で何が起こっているんだ?」
「帝国はもう人間が安心して住める場所ではない」
「どういう事だ?」
アインシュタル王国国境の門では、少しでも帝国の情報をつかもうと兵士達が、逃げてきた者に聞き取り調査をしていた。
「なんだか知らないが新しいスキルが見つかったらしく、帝都では魔物を飼育しはじめているんだ」
「ば、馬鹿な!魔物を飼育だと?」
「信じられないかも知れないが、帝都には魔物厩舎が建てられ中にはゴブリンやコボルトがいるんだ」
「それは本当なのか?」
「いずれ、オーガも飼育するみたいで厩舎の大きさも馬鹿でかいんだ。あんな町に安心して住める訳がねぇから、俺達は王国に逃げてきたんだ」
「魔物の規模は?」
「そこまで俺達には分からねぇよ。しかし、帝国は城の兵士とは違う戦力を手に入れたと騒いでいるぜ」
この情報はすぐにナーバレン辺境伯に報らされ、アインシュタル王国は大混乱となる。そうなると当然難民達の事は後回しとなる。
「国王様、難民の事はどうなさるおつもりですか?」
「マルク、ちょっと待ってくれ!今は状況が変わってしまったのだ」
「いやいや・・・・・・あれから何ヵ月経っていると思っているのですか?その間、僕は難民達の様子を確認しているのですよ?」
「それはそうだが、王国でも独自に偵察部隊を送って情報を掴んだんだ!このままでは、帝国は意図的にスタンピードを起こす事が出来る可能性が出てきておるのだ」
「そんなに戦争が気になるんですか?」
「当たり前であろう!帝国の動向でアインシュタル王国は滅亡するかもしれないんだぞ!」
「あーハイハイ!王国のやり方は分かりましたよ。厄介事は全部押し付けて、僕がしびれを切らすまでなにもしないつもりだって事がね!」
「なんだその言い方は!」
「だってそうでしょ?あの土地にどんどん難民達が増えていくが何の対処もしてくれない。難民達の栄養が足りてないと言っていたにも関わらず、食料事情は変わらず具の少ないスープだけだ!」
「それはだな、こちらとしても戦争が近いから予算が難民には回す余裕がないのだ」
アインシュタル王国は偵察部隊から、帝国の情報を得ている。そうなると国境付近に兵士を遠征、冒険者から傭兵の募集、又食料の調達ポーション資材の輸送に金がとてもかかるのだ。
そうなるととてもではないが、王国の民ではない人間に予算はこれ以上かける事はできなかった。
「分かりましたよ!王国がそのように判断するのなら、僕にも考えがあります。失礼しました!」
マルクは怒りを露にして、席を立ち王城を後にしたのだった。屋敷に帰ってきたマルクはセバスチャンに不満を吐き出した。
「セバス聞いてくれ!」
「どうなさったのですか?」
「王国は、僕に難民の事を押し付けて戦争準備をするようだ」
「どういう事ですか?」
マルクは頭に血が上り、セバスチャンはよくわからなかったようだ。セバスチャンはマルクを落ち着かせて話を聞いた。セバスチャンはマルクは日頃あれだけ冷静なのに、やはり成人はしたがまだまだ子供なのだと思った。
「ご主人様、ご主人様の気持ちはわかりますが王国の行動は普通ですよ。帝国が攻めて来るとわかれば、難民の事は後回しになります」
「セバスまでそんなことを!」
「ご主人様に逆らうつもりはありませんが、一般論を申し上げたまでです。私はご主人様の気持ちもわかります。まずは落ち着きましょう」
セバスチャンの言葉に、マルクは落ち着きを取り戻した。
「それで、ご主人様はこれからいかがなされるおつもりですか?」
「えっ?僕は難民を・・・・・・」
「自分の土地からおいだしますか?」
「馬鹿な事を!」
「そうですか?あの土地はご主人様の私有地でございます。本来なら税金を払えない人間にいる資格はごさいませんよ?あくまでも今はご主人様の好意でございます」
「しかしだな。僕が難民を追い出せば、難民達の行く場所が・・・・・・・」
「私から言わせていただければ、ご主人様が心配する必要はありませんよ?当然、難民達の栄養や衛生面の心配もです。ご主人様はナーバレン辺境伯様から土地を貸して欲しいと言われただけで、難民の一時保護の責任は王国にありますからね」
「だけど、王国は戦争に乗じて難民の事は二の次なんだぞ?」
「ご主人様は優しすぎるのですよ。ご主人様に取って難民は赤の他人です。心配するのは人間として普通ではありますが、ご主人様は出来ることが多いから悩むのでございますよ」
「・・・・・・・」
「仮にご主人様が、魔道(EX)がなければどうでしたか?今のように難民がいても同じ事ができたでしょうか?」
「出来る訳がないよ!」
「そうです。普通の冒険者では出来る訳がないんですよ。あの土地はご主人様が王国を救ってきた褒美として頂いた土地なんです。ご主人様の私有地なんですよ?どのように使ってもいいのです。その土地に税金を払えない人間がいるのは、本来ありえない事なんです」
「・・・・・・」
「よろしいですか?王国はご主人様に甘えているだけです。王国が期限を決めていただけないのであれば、ご主人様の責任は今まで協力したたけで十分だと私は思いますよ」
セバスチャンは、マルクが難民の事で迷惑に思うのであれば、そこまで責任をおう必要はないと言い切った。それともうひとつの方法も付け加えて、セバスチャンはどちらを取ろうとも、自分はマルクを支えると言った。
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