役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第6章 異世界転移

61話 マルク、元の世界シンアースに帰還する

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 イーヴァンは、マルクに王妃を蘇生できないと言われ落ち込んでしまった。しかし、術者にそう言われてしまえばどうしようもなかった。

「国王様、希望に添える事ができず申し訳ありません」

「いや、マルク殿が気をやくことではない。私こそ無理を言って悪かった」

 マルクは、やはりイーヴァンには悪いと思ったが蘇生をやらない事に決めた。そして、マルクはすべての他種族の王国とブリーナッシュ王国との、交流を再開させたのだ。
 マルクは、リベリア王国から帰還すると、ブリーナッシュ王国国王のローランドから感謝された。
 ローランドはマルクの功績に、貴族位を授与したかったがマルクは頑なに断り、ブリーナッシュ王国の西にマルクの土地を与えたのだった。

「では、マルクには西の土地を与えさせて欲しい。貴族になって町を作って欲しいとかではなく、ただ単に余の感謝の気持ちとして受け取ってほしい」

「そこまで言うのであれば、ありがたくいただきます」

「そうか。受け取ってくれるか!」

 マルクが、ローランドの謝礼を受け取った事に貴族達は笑顔となった。この西側の土地は貴族ではないマルクの土地となり、ブリーナッシュ王国ではなく簡単に言えばマルクの国となるのだ。
 マルクは、その土地の権利書を授与されてその土地を、あっという間に城壁で囲ってしまった。

「国王様も太っ腹だな。どう考えても土地が広すぎるだろ・・・・・・・」

 マルクのもらった土地は、王都エンリダムぐらいあった。国としては小さすぎるがマルクしかいないのに、どうしろというのか頭をひねらせるものでしかなかった。
 この土地の南に行けば、ロスヤード王国につながる街道があるので、町を作れば行商人も立ち寄る事になるいい土地だというのがわかる。
 しかし、そのような事にマルクの興味はなく、この一帯はしばらくの間城壁だけが佇む無人の土地になるのだ。

 そして、マルクはようやく周りが落ち着き、元の世界に帰る準備を急いだ。

「よし!完成だ!」

 マルクは、猛獣王ダイガロスの素材の角を使い、カノンの武器を完成させた。また、世界樹の枝で製作したシスティナの弓も完成させた。
 シオンには、アダマンタイマイの甲羅で作った盾とオウカには古代竜の牙で作ったナックル、クレアにはレッドカイザーフェニックスの炎の羽根で作ったクロークで準備万端となった。

 そして、マルクは魔道(EX)を使い、異世界転移のスキルを創造したのだった。

異世界転移
 シンアースの世界とミラージュの世界を行き来する事ができる。

「こ、これでシオン達と又一緒に暮らせる事ができる!」

 マルクがディクトにこの世界ミラージュに飛ばされ、一年の月日が過ぎ去っていた。
 この一年でマルクのレベルは信じられない程に上がり、魔道(EX)は信じられない力を身につけていた。
 マルクはこの能力があれば、ディクト達には絶対に負けないと確信が持てたのだ。
 


 そして、この日ブリーナッシュ王国の英雄は人知れずミラージュの世界を旅立ったのだ。
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