役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第6章 異世界転移

40話 ドラコニア族の王

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 マークは、マルクの底知れぬ実力に言葉を失っていた。ドラグーン王国に到着して直ぐに国王陛下と面会をした時の堂々とした態度だったからだ。
 
「私が国王のカイザー=ライン=ドラグーンである。よくぞ、ドラグーン王国に参った。感謝する」

「僕は王都エンリダムを拠点に活動している冒険者マルクといいます」

「マークよ。お主もよくぞマルクを連れて帰った礼を言う」

「勿体ないお言葉ありがとうございます」

 マークはカイザーの言葉を聞いて直ぐに膝をつきこうべを下げた。マークはカイザーを目の前にして、その国王としての風格に緊張していた。
 カイザーはよわい567歳となるが今だ、ドラグーン王国でも最強の剣士である。
 その剣士の強さと国王の風格が相まって、とんでもない威圧感があるのだ。
 しかし、マルクはカイザーを目の前にして、何もないように会話を始めたから、マークはマルクの胆力はどうなっているのか驚愕してたのである。

「国王様、古代竜の討伐は僕一人に任せていただきます」

「なんだと?古代竜を相手に一人で討伐するつもりなのか?」

「そのつもりです」

「騎士団の戦力は要らぬと申すのか?」

「国王様程強いなら戦力にもなりましょうが、主力部隊でも足手まといになりますからね」

「がはははははは!我が国の騎士団を足手まといと申すとはいい度胸だ!」

「「「「「ひっ!」」」」」
「マ、マルクさん陛下に謝罪して下さい」

 カイザーが、マルクの胆力に感心して大笑いした。しかし、その直後カイザーの視線はマルクを突き刺すものと変わった。

「ドラグーン王国をなめるとは、いくら主でも許さぬぞ!」

「国王様、勘違いされては困ります。僕はドラグーン王国の事はなめて等いません」

「いま、ドラグーン王国騎士団の事をみくびったではないか!」

「みくびったのではなく事実ですよ」

「それが馬鹿にしておると言うのだ」

「じゃあ反対にお聞きしますが、団長率いる主力部隊が半壊なされて、半分の兵士が入院もう半分は殉死されたと聞いています」

「ぐっ!」

「今、準備をしている兵士達は主力部隊より強いというのですか?」

「それがどうした?我が国の騎士団は臆病ではない!」

「臆病ではないという当然です。大陸一と言われる騎士団なのですから!しかし、古代竜相手に明らかにレベルが低い兵士を投入するのは間違っています」

「・・・・・・」

「僕は国王様程の強さの兵士なら足手まといになるとは言いません。しかし、今残っている兵士を古代竜に立ち向かわせるのは、犠牲者を無駄に増やすと言っているのです」

 マルクはカイザーの視線を外さず、自分の意見を言った。カイザーの周りにいる貴族達は冷や汗が滝のように流れていた。

「くっ、くはははははは!」

 カイザーはマルクの目を見ていきなり笑いだした。

「私を相手に大したものよ!」

「「「「「陛下・・・・・・」」」」」

 周りにいる貴族達は、カイザーが笑いだし安堵していた。

「しかしだ。ぬし一人で古代竜の討伐を認めるわけにはいかん」

「「「「「陛下!まさかお止めください!」」」」」

 貴族達があわててカイザーを止めた。

「まさか国王様がついてくるのですか?」

「私は行けん!ドラグーン王国の事があるからの。ぬしには私と試合ってもらう!私に勝てたならぬし一人で古代竜を相手に討伐を許可しよう。もし、私に負けたら騎士団を連れて行ってもらう」

「犠牲者が出てもですか?」

「私に勝てないヒューマンが一人で行っても意味があるまい!単独討伐がしたいなら私に実力を示すがよい」

「わかりました」

「ではついてくるがよい!」

 カイザーは、玉座から立ち立派なマントを翻しながらマルクを兵士の訓練所へと案内した。
 訓練所にカイザーが現れると兵士達が一斉に膝をついた。

「陛下、なぜこのような場所に?ご用があれば呼びつけていただければ・・・・・・」

「苦しゅうない!ちょっと場所を借りるぞ。マルクと試合ってみたくてな」

「へ、陛下と試合ですって?」

 兵士達は、カイザーから試合の言葉に驚愕する。そして、後に続く上位貴族達の姿を見て本当だと思い固唾を飲んだ。
 陛下の試合は見るだけでも価値があるのだ。兵士達はこんな機会はないと、自主連の手を止めてカイザーとマルクの姿を見ていた。

「マルクよ!覚悟はよいの?一応、剣の刃はないが当たると怪我だけでは済まぬからの?」

「心配無用です。国王様には失礼ですが勝負は一瞬で済みますよ」

「この世に及んでまだそのようなことを!お主の武器はどれだ?好きなものを選ぶかよい」

「僕はこれで十分ですよ」

「マルクよ。本当にそれでよいのだな?」

 マルクはカイザーに拳を向け、カイザーはマルクの動向に眉間に血管が浮き出たのだった。

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