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第6章 異世界転移
37話 二国と和平条約成立
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エルフ王国が、ヒューマン王国に和平条約を出す前の頃、エルフの国王サイフォンはヒューマン族のマルクに助けられた事に納得いかなくて大声を上げていた。
サイフォンは、見た目がまだ若く20歳と言われても信じられるレベルだった。
「精霊様から言われたが納得いかん!」
「しかし、国王!ここはやはり精霊様からの言いつけを守らないと、誕生なされたばかりのミルフォード様にご加護が授からない可能性が出てきます」
「そこが問題だな」
サイフォンは、頭を抱えた。世界樹の精霊からはブリーナッシュ王国と和平条約を結び手を取り合えと言われたのだ。
そうなれば、自分からブリーナッシュ王国に感謝の意を示し頭を下げないといけないのだ。
「その通りです。ミルフォード殿下に加護が授からない事になれば王家は失墜します」
「しかし、ブリーナッシュ王国は最近まで我々いや、我々だけじゃない多種族に何をやってきた?そのヒューマン族に頭を下げるなんて!」
「国王、心中御察し致します。しかし、ブリーナッシュ王国は過去の事を反省しております」
「馬鹿な!あれは反省とは言わん!ヒューマン族の数が減りなすすべもなく言いなりになっていただけだ!」
「それはそうですが、マルクと言うヒューマンはその中、エルフ王国の為に動いてくれたのですぞ?」
「何が言いたい?」
「あのヒューマンは敵にしては駄目と言う事です」
「はぁあ!ヒューマン一人で・・・・・・」
「国王!聖騎士団のレオナールからも報告が上がってきていたのをお忘れか?」
「上がっていたのは知っておる。それがどうしたのだ?」
「あの者は伝説の魔法の使い手です。あの者が本気になれば、エルヴィス王国は数時間で滅ぼされるでしょう」
「宰相!何を世迷い事を言っておる!」
「聞いて下さい!最初、私も教会の言う事等聞いていませんでした。しかし、ブリーナッシュ王国から帰還した司祭の報告は日数が全然合わなかったのです。これを見て下さい」
宰相は会議のテーブルに、司祭がヒューマン王国に旅立った日にちを示す。
「これはどういう事だ?」
ヒューマン王国とは隣国で近いが、当初の帰還する予定日より半分で帰還していたのだ。
当然といえば当然で、司祭キャロル達は帰りはゲートトラベルの魔法で瞬間移動をしたからだ。
そして、レオナールの報告はヒュージクローラーの討伐方法だ。ヒュージクローラーに食べられそうになった時、マルクが自分達の間にいきなり現れヒュージクローラーの口の中に魔法を撃ち込んだとあった。
「つまり、マルクと言うヒューマンは軍隊を瞬間移動させる事が出来る可能性があるのです」
「ば、馬鹿な!」
「確かに今だけの報告では推測の域は出ていません。しかし、マルクと言うヒューマンは瞬間移動をしております。そんな人間を敵に回すことは断固反対にございます!」
宰相の報告に、会議室の中は貴族達が騒然となったのは言うまでもなかった。
「仮にマルクがエルフ王国に攻め込んだ時の対処法を聞かせて頂きたい!」
「そうです!」
「国王!宰相様の報告が本当なら、常に王都ハイネスは戦争体制を維持しないといけなくなります」
「そうです!辺境伯様の地位も意味がなくなるという事ですぞ」
サイフォンは血の気が引く思いだった。辺境伯は国境警備の要である。信頼のおける仲間に国境を守ってもらっているが、マルクの魔法で一夜にして軍隊が目の前に陣取る可能性が出てくるのだ。
「すぐに聖女の協力を要請してくれ」
「なぜ聖女に?」
「伝説上の魔法等我らの常識ではわからん!聖女に神の御言葉に判断して頂く!」
当然だが、神に聞くまでもなく聖女マリンはブリーナッシュ王国との和平条約を結ぶことを薦めた。
サイフォンは、神の御言葉を聞くまで引くつもりはなく、聖女に御言葉をおろして貰うとやはり、ブリーナッシュ王国と和平を結ぶことと言われたのだ。
当然だが、その際伝説の魔法瞬間移動はあるとの事だか、マルクはブリーナッシュ王国と共謀せずとも、一人で大陸を手中に治める事が可能と御告げがあった。
「そんな事が・・・・・・」
神に、そのような事を聞かされたサイフォンは、ブリーナッシュ王国との和平条約を結ぶしかなかった。
後日、マルクがブリーナッシュ王国に帰還してから、エルヴィス王国は今回マルクの活躍で救われたと明記して感謝の意を示した。
ブリーナッシュ王国は、隣国であるエルフ王国ドワーフ王国の二国と和平条約を結ぶ事が叶う。
ブリーナッシュ王国国王ローランドは、マルクに感謝の意を告げ、一代限りだが騎士伯の位を授けた。
しかし、マルクは断固として、ブリーナッシュ王国の貴族の位は受け取らなかった。
「マルク殿!それは無礼であろう!」
「平民が貴族になれるのだぞ?こんな名誉な事はあるまい!」
「そうだ!素直に受けとるがよい!」
授賞式にマルクは断固拒否すると、ローランド王ではなく周りの上位貴族がほえたのだ。
「僕は貴族になるつもりはありません。いずれ僕はこの国から出るつもりなのに、貴族の位等授かれないでしょう」
「何もブリーナッシュ王国から出なくとも良いではないか?」
「宰相様の言葉はありがたく思います。だけどこれだけは譲れません」
「どうしてもか?」
ローランド王が、マルクと宰相の話に割って入った。
「国王様の感謝はありがたいと思っています。しかし、僕を国に縛り付ける事は無駄です」
ローランド王は、平民がここまで逆らう事が信じられなかった。しかし、マルクの眼差しは一切臆しておらず、ブリーナッシュ王国を相手にしても折れないと言っていた。
「わかった・・・・・・騎士伯の位は却下とする・・・・・・」
「「「「「国王!」」」」」
「お主達の言いたい事はわかる。しかし、マルクの目を見てみよ」
「「「「「うっ」」」」」
ローランドの言葉に宰相達は、マルクを見ると言葉に詰まりマルクの心境がわかった。
その目は、ブリーナッシュ王国をいや、王国貴族を排除するという目で、宰相達は悪寒が走ったのだった。
その目で何も言えなくなった貴族は、ローランドの指示に従った。そして、マルクはローランドから金貨を山ほど授かり、謝礼金として受け取ったのである。
サイフォンは、見た目がまだ若く20歳と言われても信じられるレベルだった。
「精霊様から言われたが納得いかん!」
「しかし、国王!ここはやはり精霊様からの言いつけを守らないと、誕生なされたばかりのミルフォード様にご加護が授からない可能性が出てきます」
「そこが問題だな」
サイフォンは、頭を抱えた。世界樹の精霊からはブリーナッシュ王国と和平条約を結び手を取り合えと言われたのだ。
そうなれば、自分からブリーナッシュ王国に感謝の意を示し頭を下げないといけないのだ。
「その通りです。ミルフォード殿下に加護が授からない事になれば王家は失墜します」
「しかし、ブリーナッシュ王国は最近まで我々いや、我々だけじゃない多種族に何をやってきた?そのヒューマン族に頭を下げるなんて!」
「国王、心中御察し致します。しかし、ブリーナッシュ王国は過去の事を反省しております」
「馬鹿な!あれは反省とは言わん!ヒューマン族の数が減りなすすべもなく言いなりになっていただけだ!」
「それはそうですが、マルクと言うヒューマンはその中、エルフ王国の為に動いてくれたのですぞ?」
「何が言いたい?」
「あのヒューマンは敵にしては駄目と言う事です」
「はぁあ!ヒューマン一人で・・・・・・」
「国王!聖騎士団のレオナールからも報告が上がってきていたのをお忘れか?」
「上がっていたのは知っておる。それがどうしたのだ?」
「あの者は伝説の魔法の使い手です。あの者が本気になれば、エルヴィス王国は数時間で滅ぼされるでしょう」
「宰相!何を世迷い事を言っておる!」
「聞いて下さい!最初、私も教会の言う事等聞いていませんでした。しかし、ブリーナッシュ王国から帰還した司祭の報告は日数が全然合わなかったのです。これを見て下さい」
宰相は会議のテーブルに、司祭がヒューマン王国に旅立った日にちを示す。
「これはどういう事だ?」
ヒューマン王国とは隣国で近いが、当初の帰還する予定日より半分で帰還していたのだ。
当然といえば当然で、司祭キャロル達は帰りはゲートトラベルの魔法で瞬間移動をしたからだ。
そして、レオナールの報告はヒュージクローラーの討伐方法だ。ヒュージクローラーに食べられそうになった時、マルクが自分達の間にいきなり現れヒュージクローラーの口の中に魔法を撃ち込んだとあった。
「つまり、マルクと言うヒューマンは軍隊を瞬間移動させる事が出来る可能性があるのです」
「ば、馬鹿な!」
「確かに今だけの報告では推測の域は出ていません。しかし、マルクと言うヒューマンは瞬間移動をしております。そんな人間を敵に回すことは断固反対にございます!」
宰相の報告に、会議室の中は貴族達が騒然となったのは言うまでもなかった。
「仮にマルクがエルフ王国に攻め込んだ時の対処法を聞かせて頂きたい!」
「そうです!」
「国王!宰相様の報告が本当なら、常に王都ハイネスは戦争体制を維持しないといけなくなります」
「そうです!辺境伯様の地位も意味がなくなるという事ですぞ」
サイフォンは血の気が引く思いだった。辺境伯は国境警備の要である。信頼のおける仲間に国境を守ってもらっているが、マルクの魔法で一夜にして軍隊が目の前に陣取る可能性が出てくるのだ。
「すぐに聖女の協力を要請してくれ」
「なぜ聖女に?」
「伝説上の魔法等我らの常識ではわからん!聖女に神の御言葉に判断して頂く!」
当然だが、神に聞くまでもなく聖女マリンはブリーナッシュ王国との和平条約を結ぶことを薦めた。
サイフォンは、神の御言葉を聞くまで引くつもりはなく、聖女に御言葉をおろして貰うとやはり、ブリーナッシュ王国と和平を結ぶことと言われたのだ。
当然だが、その際伝説の魔法瞬間移動はあるとの事だか、マルクはブリーナッシュ王国と共謀せずとも、一人で大陸を手中に治める事が可能と御告げがあった。
「そんな事が・・・・・・」
神に、そのような事を聞かされたサイフォンは、ブリーナッシュ王国との和平条約を結ぶしかなかった。
後日、マルクがブリーナッシュ王国に帰還してから、エルヴィス王国は今回マルクの活躍で救われたと明記して感謝の意を示した。
ブリーナッシュ王国は、隣国であるエルフ王国ドワーフ王国の二国と和平条約を結ぶ事が叶う。
ブリーナッシュ王国国王ローランドは、マルクに感謝の意を告げ、一代限りだが騎士伯の位を授けた。
しかし、マルクは断固として、ブリーナッシュ王国の貴族の位は受け取らなかった。
「マルク殿!それは無礼であろう!」
「平民が貴族になれるのだぞ?こんな名誉な事はあるまい!」
「そうだ!素直に受けとるがよい!」
授賞式にマルクは断固拒否すると、ローランド王ではなく周りの上位貴族がほえたのだ。
「僕は貴族になるつもりはありません。いずれ僕はこの国から出るつもりなのに、貴族の位等授かれないでしょう」
「何もブリーナッシュ王国から出なくとも良いではないか?」
「宰相様の言葉はありがたく思います。だけどこれだけは譲れません」
「どうしてもか?」
ローランド王が、マルクと宰相の話に割って入った。
「国王様の感謝はありがたいと思っています。しかし、僕を国に縛り付ける事は無駄です」
ローランド王は、平民がここまで逆らう事が信じられなかった。しかし、マルクの眼差しは一切臆しておらず、ブリーナッシュ王国を相手にしても折れないと言っていた。
「わかった・・・・・・騎士伯の位は却下とする・・・・・・」
「「「「「国王!」」」」」
「お主達の言いたい事はわかる。しかし、マルクの目を見てみよ」
「「「「「うっ」」」」」
ローランドの言葉に宰相達は、マルクを見ると言葉に詰まりマルクの心境がわかった。
その目は、ブリーナッシュ王国をいや、王国貴族を排除するという目で、宰相達は悪寒が走ったのだった。
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