役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第6章 異世界転移

23話 鉱山の後処理問題

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「はぁあ?」

 冒険者ギルドのホールに、ランファの声が響き渡り、ギルド職員と冒険者達が一斉にこちらを見た。

「今、なんと言ったのですか!」

「アダマンタイマイを討伐してきたと言ったんですが?」

「そんな嘘を言わないで下さい!」

「嘘じゃないよ。嘘を言ってら僕の立場が悪くなるだろ?」

「じゃあ、証拠を見せて下さい」

「素材は売らないぞ?見せるだけだからね」

「はっ?SSSランクの素材を売らないのですか?」

「当たり前だろ?こんな貴重な素材めったに手に入らないからね」

「ですが、貴方が持っていても!」

「別に構わないだろ?素材は討伐した人間のものだからね」

「それはそうですが・・・・・・」

 マルクはランファにギルドの解体処理場に案内され、そこでアダマンタイマイの甲羅を出して見せた。
 ホールにいた冒険者達もランファの大声に解体処理場について来て、とんでもない大きな甲羅を目の当たりにして息を飲んだ。

「あっそうそう!アダマンタイマイの遺体は鉱山にそのままにしておいたから、ギルドで処理をしておいてね。どうせ確認もするんでしょ?」

「はぁあ?遺体の処理をギルドに丸投げするつもりですか?」

「あんな馬鹿デカイ死体いらないし、僕の役目は討伐だからね」

「あなたねぇ!」

「ギルドマスターにしても、僕の事を馬鹿にしたからね。この遺体処理ぐらいはギルドが責任持ってやってくれ!」

「そんな!アダマンタイマイの素材がなく、遺体処理だけだなんて、完全に大赤字になるじゃないですか」

「それはそっちの問題であって、僕には関係あるのか?」

「うっ・・・・・・」

「アダマンタイマイがいなくなれば、こんなの閉鎖はとかれてドワーフ国の経済が動き出すだろ?赤字にはならんよ」

「そんな!アダマンタイマイの遺体を処理しないと鉱山が開く事はありませんよ」

「なら、頑張ってねっと言うしかないよ」

 ランファが焦っていたのは無理もなかった。アダマンタイマイが鉱山のどこにいるかはまだわからないが、処理となれば登山をして遺体を切り刻み小さくするところから始めないといけないのだ。
 小さくした肉片を山の梺まで運び、その肉片を今度はダンジョンに捨てに行くのである。
 ダンジョンのごみ捨て場に捨てることで、肉片はダンジョンに吸収されるのだ。
 そして、遺体処理に時間をかけるわけにもいかなくて、冒険者達に遺体処理の依頼をなるべく受けてもらわないと、遺体が腐り始めるとさらに厄介な事になり、エルフ国の聖職者に浄化の依頼を出さないといけなくなり、予算がさらにかかるからだ。

「それじゃ後はよろしくお願いいたします」

「ちょっと待つのだ。お主なら、すぐに片付ける事ができるんじゃないのか?」

 ランファが焦って、マルクを呼び止めようとした時、魔物解体場の入り口から声がした。
 ランファや冒険者が振り向くとはそこには、ギルドマスターが他の職員を引き連れやって来ていた。

「だから、なんなんだい?」

「お主はマジックボックス持ちなんだろ?だったら、アダマンタイマイの遺体処理の依頼もやって欲しい」

「ほぅ!それはギルドマスターじきじきの依頼おねがいなのか?ヒューマン族のFランク冒険者に?」

「くっ・・・・・・そうだ・・・・・・」

「だったら条件がある!」

「言ってみろ・・・・・・」

 マルクは、ギルドマスターに条件を出した。

1 ヒューマン国に手出ししない
2 塩等流通品を通常価格に戻す事
3 不当なヒューマン奴隷の解放

「この三点の承諾だ!だったら、遺体処理の依頼はタダでやってやるよ」

「馬鹿な!俺は遺体処理の依頼を手伝えと言ったんだぞ!」

「何か勘違いしてないか?僕に手伝う義理はないよ。アダマンタイマイを討伐しただけでも感謝されてもいいはずだよね?」

「そ、それは・・・・・・」

「その上、遺体処理もとなれば条件を飲んでくれてもいいはずだ?」

「だが、貴様だけタダといっても条件が厳しすぎる!国王に言っても笑われるだけだ!」

「何を言っているんだよ。アダマンタイマイの遺体処理は、僕がやらないと絶対腐敗が始まるぞ?」

「貴様がやれば腐敗はしないというのか?」

「ああ、そうだよ!僕なら一時間もかからず遺体処理をしてやるよ。じゃないと、そんな条件を出すわけないだろ?」

「本当だろうな?国王に相談してやっぱりできませんなんか言えんぞ?」

「当たり前だろ?」

 ギルドマスターは、マルクの戦闘能力を信じるしかなかった。このままでは、鉱山が使えなくなりエルフに頭を下げないといけなくなるのだ。
 ドワーフとエルフは、こんなに仲良くしている訳ではないからだ。現にドワーフ国には、エルフは数える位しか在住はしていない。
 その為、ドワーフは仲の良くないエルフに浄化の依頼をして頭を下げるのは嫌なのだ。

「国王に相談する」

「相談はいいが時間をかけるなよ?僕のやることは済んだんだからね。遺体処理はそちらの仕事だから勘違いしたら駄目だよ」

 ギルドマスターは、マルクの言葉に奥歯を噛みしめ国王に相談する事にして、王城に向かったのだった。

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