役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
172 / 361
第5章 最強への道

30話 魔王誕生!

しおりを挟む
 次の日の朝、マルクはシオン達に村の建物の撤去作業を手伝って欲しいとお願いした。
 シオン達も、当然の事だと快く引き受けてくれた。

「無理をしないように頼むね?」

「任せておいてよ。昨日も余震が続いていたから注意してやるから。それより、マルクの方こそ気をつけてね」

「うん」

 マルクは朝早く村を出て、街道沿いを東に向かった。昨日と変わらず崖が崩れて街道は塞がれていた。

「さて始めますか!」

 マルクは、街道をふさぐ土砂をインベントリに収納していく。そして、同時に街道の両脇にそびえる崖をウォールオヴストーンで補修していった。
 マルクが使う魔法は、城壁を一瞬で建築するような魔力である為、崖崩れが起こった崖とは思えない舗装された崖が出来上がった。

「この調子で進めて行くぞ」

 マルクは、街道に崩れた土砂をインベントリに収納をしてから、ウォールオヴストーンで崖を補修を繰り返していった。さすがのマルクでも今日1日で500mが限界だった。
 本来なら、もっと進められていたが余震が厄介だったのだ。

「それにしても余震がなにか変だな・・・・・・」

 余震は、一定間隔でリズムを刻んでいるようだったからだ。マルクは何か嫌な予感がしてその予感は当たっていたが、マルクはまだその事実に気づいていなかった。

 その頃、急速に育つダンジョンがあった。そう。ディクトがダンジョンマスターとなった寂れたダンジョンだ。ディクトは、ダンジョンポイントで周りにいる魔物をダンジョンに誘き寄せ、ゴブリンやオークを惨殺していた。ゴブリンを一匹殺せばレベルポイント入手できる。だだ、ゴブリンやオークは繁殖力が高い。いた倒しても5ポイント、オークでも15ポイントだが数が多いのだ。

「ゴブリンは弱いなぁ。だが、ゴブリンやオークは他種族の女性に惹き付けられるからな」

 ディクトはとんでもない事をしていた。村をを襲い女性を誘拐してきて、魔物を誘き寄せていた。中には、盗賊達も襲い誘拐してきてダンジョンで殺しポイントに変えていたのだ。
 
 ダンジョンの中で殺されると、そのクリーチャーのレベルがそのままポイントになる。また、殺されずにダンジョンで活動をすれば、毎時レベルの10%ポイントが入手できる。
 つまり、誘拐された女性達はゴブリンやオークをダンジョンに誘き寄せる餌さとして監禁され、女性達のポイントも入手されていた。
 それを繰り返し、ディクトのダンジョンはポイントを稼ぎ強化されていった。今や、ディクトのダンジョンは5階層だったのが、10階層まで充実したダンジョンとなっていた。
 そう!この地域の地震はダンジョンが短期間で成長した事で起きていたのだ。

「ふはははははは!オーブよ。これなら早々攻略され亡いだろう?」

「マスター!こんな短期間で凄い。やはり、マスターを選んだ甲斐がありました」

「そうだろう!では、ポイントを好きなことに使わせて貰うぞ?」

「これだけ充実したダンジョンなら大丈夫ですからね。でも、ポイントを何に使用するのですか?」

「そんな心配するな!仲間を復活してダンジョンの強化だからな」

「な、なるほど!マスターの仲間を復活されるのですね。しかし、その者達は仲間ではなくなりますよ」

「どういう事だ?」

「ダンジョンポイントを使った場合、マスターの仲間というより部下と言った方が正しいですね。ダンジョンマスターを警護する魔物として作り出すという感じです」

「なるほど・・・・・・それはそれで都合がいいな」

「ダンジョンマスターがこのダンジョンでは、頂点の存在ですからね。そのダンジョンで産み出されたものは仲間ではありません。マスターの駒のひとつですよ」

「そいつは愉快だ!ワハハハハハハハ!」

「マスター!ひとつ説明しておきますね。ダンジョンポイントを大量に使うと、復活する部下を強化できますからね」

「どういう事だ?」

「その頭蓋骨を触媒になさるのでしたら、300ポイントを使った場合、元の人間として復活ができるでしょう」

 オーブの説明では、300ポイントを使う事で30レベルのソフィアとして復活できる。しかし、ポイントを使いカスタマイズできるというのだ。
 例えば、500ポイント使用して50レベルのソフィアとして復活させる事も可能というのだ。

「そいつは本当か?」

「嘘を言ってどうするんですか?ダンジョンマスターはポイントさえあればなんでも可能の創造主ですからね」

「ならば、もっとポイントを貯めてやろうではないか!」

「その調子です!頑張ってください」

「ふはははははは!ポイントを使った一大帝国を築いてやろうではないか!そして、本当に魔王となりマルクとシオンに復讐してやる!」

 ディクトは、とんでもない力を手に入れて愉快だった。そして、ディクトのダンジョンは更に急成長を遂げることになる。
しおりを挟む
感想 99

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

処理中です...