役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
167 / 361
第5章 最強への道

25話 暁月、Bランクになる

しおりを挟む
 マルク達は15日程で王都に到着し、バスクから依頼完了書を受け取り、改めて礼を言われた。そして、マルク達暁月の明星の試験評価は優だった。
 これは、バスクが飛竜から命を救われたのももちろんの事だがそれだけではない。夜営の準備や不備がなかった事、道中盗賊が待ち伏せしてたことを察知して、被害が一切なかった事にあった。

「マルクさん達が早くAランクになるのをお待ちしていますよ」

「バスクさん本当にありがとうございました。これからも精進していきたいと思います」

「ええ。マルクさん達ならAランクの昇格試験も余裕だと思いますので頑張ってください」

 バスクはそう言って、笑顔でマルク達と別れて自分の店へと帰っていった。
 マルク達も、その足で一ヶ月ぶりに王都の冒険者ギルドに出向いた。ただ、マルク達は冒険者ギルドに聞こうと思っていた事があった。

「マルクさん、お帰りなさい!」

「ステファニーただいま」

「護衛依頼はどうでしたか?」

「ステファニー聞いてよ!」

「シオンさんどうかしたのですか?まさか、護衛完了書で不可をもらったのですか?」

「そんなわけないでしょ!ちゃんと優をもらったわよ」

「じゃあ、何かあったのですか?」

 マルクも口を挟んできた。

「まだ、王都には情報がきてないか?」

「確か、マルクさん達はバスク様の護衛でオーバルの町まで行ったんですよね?」

 シオンが割り込むように話した。

「ええ、そうよ!オーバルの町でスタンピードが起こったのよ」

「ええ!本当ですか?」

「それもワイバーンの上異種で緑飛竜りょくひりゅうだったんだから!」

緑飛竜りょくひりゅうですって!それでどうなったんですか?」

「そりゃ、僕達が無事に帰って来たんだから討伐したよ」

「そ、そうですか。だったらシオンさんは何をそんなに怒っているのですか?」

「当たり前じゃない!冒険者ギルドは何をやっているのよ?」

「ええ!私達ギルドに怒っていたのですか?」

「そうだよ!冒険者ギルドは大陸中にあるんでしょ?だったら、今の王国領なんかおかしすぎるでしょ?なんか情報隠してんじゃないの?」

「そんなわけ!」

「いや、僕もその意見に賛成なんだよ」

 すると、マルク達の意見にギルドのホールにいた冒険者達も最近の魔物が強くなっていると言い出したのだ。

「確かにオークが強い感じがする」
「俺さぁ今日の魔物の狩りで、ゴブリンに怪我をさせられたんだよな」
「そうなの?あたしはボアに怪我をさせられたんだよ!」
「そういえば、北の森にエティンが出たそうだぜ」
「エティンだと?」

 エティンとは二つ首のジャイアントだ。こんな場所に現れたと聞くのは、10年ぶりだという。今は、そのエティンの討伐にAランク冒険者が討伐に出ていた。

「ステファニー、ギルドは何か知っているんじゃないのか?」

「知りませんよ!もし、知っていたら今回の護衛依頼も中止にしてますよ」

「ステファニーを疑っているんじゃないよ。それに、西の地域で物資が不足しているのは知っているよね」

「それは知っています。だから、行商人が大型馬車で物資が運んでいますからね」

「理由は、西の地域で地震があったそうだよ。その為、今リーランの町の方は物資が不足しているそうなんだ」

「それは本当ですか?」

 ステファニーは、マルク達の情報にびっくりしていて、本当に知らないみたいだった。家の倒壊はないみたいと未確認情報だったが、ギルド職員達は本当にびっくりしていた。

「ひょっとしたら、家の倒壊はないけど魔道具とかが壊れたのかもしれませんね」

「なんで魔道具なの?」

 ステファニーの説明では、ギルドが地震の情報を掴んでないのは通信魔道具が壊れたのかもしれないと言った。
 
「なるほど。わかったよ。ギルドは何も情報を掴んでないんだね」

「はい!もし何かあったら、私がマルクさんに伝えますよ」

「わかったよ」

「じゃあ、私は今からこの事をギルドマスターに伝えてきます」

 ステファニーはパタパタといこうとした。

「ステファニー、ちょっと待って!」

「えっ?」

「まず、今回の依頼を精算してくれよ」

「あっ、そうでした・・・・・・」

 ステファニーは、マルクからバスクの依頼完了書を受け取り手続きをした。
 そして、マルク達暁月の明星は晴れてBランクに昇格出来たのだった。
 
 そして、マルク達は屋敷に帰るとセバスチャンが出迎えた。

「ご主人様、お帰りなさいませ」

「セバスただいま。せっかく帰って来たんだけど、又すぐに出掛けるから留守をよろしく頼むね」

「えっ?どこに行くんですか?」

 マルクは、バスクから聞いた情報で故郷が地震にあった事を伝えて、両親の事が心配の旨を伝えた。シオン達も一緒に行くので、帰ってきたがすぐに資材や食料の買い出しに出ていってしまった。

「リーランの地域がそんな大変なことに?」

「そうらしいんだよ」

「知りませんでした。では、ご主人様のご両親は?」

「まだ何もわからないよ」

「そ、そうですよね。失礼しました」

「まぁ、心配してくれてありがとう。じゃあ、僕も買い出しに行ってくるからよろしくね」

 マルクはあわただしく屋敷を出ていくのだった。

 
しおりを挟む
感想 99

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

処理中です...