役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第5章 最強への道

17話 損害賠償とこれからの事

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 ダナーは、衛兵に連れて行かれてしまい、後日マルクから訴えられ、その内容証明にダナーはたまらず声をあげていた。

「こんな事ってあるかよ!」

「静粛にしなさい!マルク氏からの証拠は全て確認がとれている」

 その内容は、ダナーがマルクに詐欺を働き逃げて、それを個人で捕まえた証拠だった。

ダナーの妻を助ける為に命の華の採取200万ミスト
 詐欺に遇い、それに伴う損害賠償請求
命の華の採取 300万ミスト
命の華の解毒精錬 500万ミスト
ブラックドラゴンの討伐 5000万ミスト
ダナーの捜索 2000万ミスト
カレンの保護 100万ミスト
ハナが15歳になるまでの養育費 150万ミスト
店の女性を怪我をさせた治療費 1000万ミスト
店の修繕費 150万ミスト
暁月の明星を騙した慰謝料 600万ミスト

 計 一億ミスト

「ダナーは犯罪奴隷とし、鉱山送りと処する」

「ば、馬鹿な!待ってくれ!俺の言い分も聞いてくれぇ!」

 ダナーの言い分は当然通る訳がなかった。ダナーの慰謝料は王国から支払われる事になり、ダナーは鉱山で強制労働となるのだ。
 本来、被害者はこの請求通り通る事はまずあり得ないのだが相手が悪かったのだ。
 王国はマルクに忖度をしたのである。本来なら、一億ミストの慰謝料が通るはずはないのだが、マルクに恩がある王国はこれからの付き合いも考えて、請求通りそのまま通したのだった。

 それと、こうした事件はなかなか起こらない。ダナーも元冒険者の時何回も騙されて、泣き寝入りしていたように、自分で犯人を捕まえる事ができない。
 つまり、国もこうした厄介事は鉱山送りと決めている節があった。犯罪者を鉱山に送れば人員を確保できるので、王国にとって損はないのだ。

「最後に言っておくが、逃げる事は絶対にできぬ場所だからな。怪我をしても治療はしてもらえるが、お主の借金が増えるだけだからの?努々ゆめゆめ忘れぬでないぞ」

「そんな!」

「まぁ、借金が完済できるとは思えんがの」

 ダナーは、そのまま鉱山送りとなった。



 マルク達は、王国から損害賠償を払ってもらえた。そして、マルク達は1000万ミストづつ分けて、残り4000万ミストは倉庫に入れる事にした。

「カレン、これを」

「これはいったいなんですか?」

 マルクは、ポケットマネーでカレンに150万ミストを出した。

「これは、ハナちゃんが15歳になるまでの養育費だよ」

「そんな!これは受け取れません。今でも旦那様には良くしていただいているのに」

「ダナーの損害賠償に、ハナちゃんの養育費も請求しておいたんだ。だから遠慮することはないから受け取ったらいいよ」

「でも・・・・・・」

「そういえば、ハナちゃんの神聖の儀はどうだった?」

「はい。ハナは良いスキルを、神様からいただきました」

「そうか!それは良かったです」

「ハナのスキルは・・・・・・」

「ああ!言わなくてもいいよ」

「ですが、旦那様は私達を家族と言ってくれますし、ハナも旦那様になついていますし」

「いやいや、言わなくてもいいよ。だけどね、ハナちゃんはこれからそのスキルを活かす勉強や教育が必要です。それには金はいくらあっても邪魔にはならないと思う」

「旦那様・・・・・・」

「このお金は、ハナちゃんの為のお金だよ」

「わかりました。ありがたく頂戴いたします」

 カレンは、マルクの気持ちに涙を流し頭を下げお礼を言った。
 カレンが言わなくても、マルクには神眼があるので見ようと思えば鑑定でいつでもわかる。
 まぁ、マルクは誰でも構わず見ないと言っておこう。すると、カレンと話していた部屋に華が入ってきた。

「旦那様ぁ!ハナね、薬学のスキル(B)をもらったんだよ」

「「あっ」」

 カレンに言わなくていいと言ったばかりだったが、ハナの口から告白されてしまい、マルクとカレンは吹き出して笑ってしまったのだった。

「ハナちゃん。自分のレアスキルは他人に言ったら駄目なんだよ」

「えー!旦那様は私達の家族だって言ってたでしょ?」

「それはそうなんだけどね・・・・・・・参ったな」

「それにあたしだって、他人に自分のレアスキルをベラベラしゃべったりしないよ」

「そっか!それならいいんだよ。僕を信じてくれてありがとうね」

 マルクは、ハナの頭を優しく撫でるとハナは満面の笑顔となった。

「でも、ハナちゃんは凄いな!薬学のスキルって事は薬師になるの?」

「うん!やっぱり、スキルを活かせるしあたしが薬師になれば、お母さんを楽にさせてあげられるから」

「ハナ・・・・・・」

「そっか、ハナちゃんは偉いな!」

 ハナの言葉に、カレンは涙ぐんでいた。












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