役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第4章 成長

42話 新たな家族

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 マルクが城を出た後、アーサー王は懐かしむのだった。

「ふっ!まさかマルクがあの二人の子供だったとはの」

「国王は、マルクの両親を知っているのですか?」

「余が冒険者だった頃、世話になった冒険者だよ」

「国王が世話になった?マルクがあれだけ強ければ両親も相当強くて有名だったのでしょうな?」

「いや、エターナルは普通のパーティーでランクもBランクだったかの。それくらいで引退した普通の
パーティーだったはずだ」

「えっ?」

「だが、エターナルは他のパーティーから慕われておったよ。余も冒険者の基本を教えてもらったものだ。あの両親に教えを受けたのなら、マルクは冒険者の道を選んでもおかしくない」

「しかし、国王・・・・・・マルクを騎士団に加入させなくてよろしいのですか?あのような人材野に放つのは勿体ないかと?」

「宰相、お主の言いたい事はわかるが、マルクは力を持っておる。無理やり言うことをきかせるのは愚策だ」

「ですが、マルクは平民ですぞ?」

「いや、マルクはタダの平民ではない。今回のデミリッチを始め闇ギルドの拠点を二ヶ所、スタンピードを一人で何とかしてしまった」

「た、確かに・・・・・・本来ならば国が動く天災です・・・・・・」

「そうだ・・・・・・あのような人間を取り囲んでもデメリットの方が大きい。ならば、わがままを容認させて国がピンチの時に利用した方が得策だよ」

「しかし、マルクが王都を離れてしまうのでは?」

「そうならないように、王都に屋敷を与えたのではないか」

「な、なるほど。これからも目をかけてやれば!」

「そういう事だ」

 アーサー王は、マルクを縛り付ける事はしなかった。普通の冒険者ならそれもありだが、マルクにそれをしてもマルクには通用しないのがわかっていた。さすが、数多の貴族を抱える主と言えよう。



 屋敷に着いたマルク達は、大広間でくつろいでいた。

「本当によかったの?」

「いいんだよ。僕は小さい頃から冒険者を目指していたのは、シオンもよく知っているだろ?」

「それはそうだけど・・・・・・貴族位を授かるなんてまずないんだよ」

「それはそうだけど。僕はあまり魅力を感じないんだよね」

「だけど、国王から給金が支払われて将来安定なんだよ」

「今でも安定しているよ。今ある貯金使いきろうと思ったら、人生何周したら使いきれる?」

「・・・・・・」
「「「「確かに!」」」」

「それに、僕が騎士団に入隊したらシオン達と冒険も出来なくなるよ」

「それはいや!」

「だろ?」

「うん・・・・・・」

「だから、この話はもう終わり。明日から一週間は休みにするからね」

「「「「「わっ!」」」」」

 やはり、休みと聞いてシオン達は笑顔となった。好きなときに働き、好きなときに遊ぶ。これが冒険者である。騎士団に入隊すれば、毎日同じ時間に職場に出かけ、城門警備や訓練をしなくてはならないし、命令となれば他の町に出兵しなければならないのだ。

「マルク、明日はどこかに食事にいかない?」

「あっ、ごめん。明日はちょっとギルドに顔を出すからさ」

「ギルドに何か用なの?」

「うん。ステファニーと約束しているんだよ」

「「「「「ええええええ!」」」」」
「マルクが他の女の子と約束?」

「だ、駄目かな?」

「駄目じゃないけど、ちょっとびっくりしただけだよ・・・・・・」

「なんでびっくりするんだよ。ステファニーは日頃のお礼をしたいって言うから・・・・・・」

「「「「「・・・・・・」」」」」
「マルク、それステファニーに言ったら駄目だよ」

「なんで?」

「マルクは女の子の気持ちをもっと勉強した方がいいね!マルクはステファニーが日頃のお礼って、そのまま受け取っているでしょ?」

「うっ・・・・・・」

「何っ?ステファニーの気持ちをわかってて、その態度で貫こうとしてたなら軽蔑するわよ」

「ステファニーが僕に好意を持ってくれているのはなんとなくわかるよ」

「ならばよろしい!何回も言うけどマルクは人生を何周もできるほど甲斐性があるんだから、これからも女性が言い寄ってくるんだからね」

「でも・・・・・・」

「あたし達は、マルクに誰でも受け入れなさいって言ってないから、そこは誤解しないでね」

「えっ?」

「じゃあ何?マルクはあたし達をしょうがないから妻にしたの?」

「違うよ!」

 マルクはあわてて、シオンの言葉を否定した。シオン達の視線で殺されるかと、マルクは冷や汗が滝のように流れるのだった。

「なら、よかった。いい?マルクの気持ちがないのに女の子を受け入れたら刺されるよ。特にステファニーは、種族の事があるのに、マルクを食事にさそうのは勇気がいったはずだよ」

「だ、だよね」

「だから、仮にステファニーの事を何も想ってないのなら、思わせ振りな態度は絶対駄目だよ。それは縁がなかったと断らないと、ステファニーが可哀想だからね」

「わかったよ」

「それで?」

「僕はステファニーを受け入れるから」

 マルクがそういうと、シオン達はマルクを屋敷から出し、今から食事の約束をしてきなさいと冒険者ギルドに向かわせたのだった。
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