役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第4章 成長

34話 デミリッチの恐怖

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「ま、まさか・・・・・・エルダーリッチが、こんなに簡単に討伐されるとは・・・・・・」

 マルク達を固唾を飲んで見ていた影は、その場を離れた。

「これで大丈夫みたいだね」

「マルク、何が大丈夫なの?」

「クレアは気づかなかった?今まで、あの木の上に偵察がいたんだよ」

「えっ?じゃ、ヤバいじゃない?すぐにアサシンを追って始末しないと援軍を呼ばれるかも!」

「違う違う!偵察と言っても闇ギルドじゃなく、騎士団斥候部隊だよ」

「ラインハルト様の?」

「うん。僕達が気になったんだろうね。これで早馬が駆けつけても、ルノーバの町を撤退する理由がなくなったと、さっきの偵察がラインハルトさんに報告するはずだよ」

「だけど、これからの方がヤバい奴じゃないの?」

「それも大丈夫だよ」

「「「「それってどういう事?」」」」

 マルクは、目線を他の場所に移して、目線の先に話しかけた。

「そこに隠れている人達出てきてよ。斥候部隊長達ですよね?」

 すると、数人の人間が無言で姿を現した。そして、部隊長ヤンゴンが気まずそうに言葉をだした。

「いつから気づいていたんだ?」

「一応最初からです」

「俺達が気づかれるとは恐れ入ったよ。それにしても、マルク殿は凄いんだな」

「まだまだこれからですよ」

「あの実力でか?それにマルク殿だけじゃない。シオンさん達も、ラインハルトと同等の実力の持ち主じゃないか」

 ヤンゴン達は、目の前の起こった事を感心していた。自分達は、今までこの場所まで潜入できなかった。マルク達が、アンデッドを一掃してくれたおかげで、安心してここで会話ができていた。

「まあ、ダンジョンで修行からね」

 シオンは、ヤンゴンの言葉に胸を張った。

「それより、この先に闇ギルドのアジトがありますので、この先からはついて来ないでほしいんです」

「はっ?俺らの心配をする必要はない」

「これからが本番です。相手はデミリッチです。その装備では心もとないでしょう」

「俺らが足手纏いといいたいのか?」

「実際、エルダーリッチにも手を出せないのですよね?申し訳ないけど足手纏いにしかなりません」

「俺達の任務は、君達の事を報告するのが任務だ。気にする必要はあるまい?」

「どうなっても知りませんよ?僕は妻達の援護で手一杯になりますからね」

「それで構わん」

「わかりました。一応忠告しましたからね?」

「くどい!」

 マルク達は、ヤンゴン達斥候部隊を残し、マルクの言った闇ギルドのアジトに向けて歩き出した。

「ねぇマルク?」

「なんだい?」

「斥候部隊の装備では心もとないと言ってたけど、あたし達も同じような物じゃないの?」

「いや、全然違うよ。これからの敵は多分、僕の魔法が必要になるはずだよ」

「じゃ、マルクの魔法がないとどうなるの?」

「まぁ、攻撃はできないかな」

「ヤバいんじゃないの?」

「うん。ヤバいね。だけど、僕はちゃんと忠告はしたし、後の事は自己責任だよ」

「確かに・・・・・・」

 ヤンゴン達は、マルクの忠告を無視した事を後悔する事になるのは、マルク達が立ち去ったすぐの事だった。
 それほど、デミリッチの能力は王国騎士団斥候部隊にも分からないものだった。

『クッカッカッ!忠告は素直にちゃんと聞くものであるな』

「「「「「だ、誰だ」」」」」
「散れっ!」

 ヤンゴンの指示に部下達は跳んだ。しかし、跳んだと同等に斥候部隊一人一人の後ろにリッチの姿が現れ羽交い締めにされた。
 斥候隊員が抵抗するも、実態がなく肘は空を切るだけだ。しかし、リッチからは自分の手足を捕まれているのだ。
 斥候隊員達は、目の前の事が信じられなかった。自分達の攻撃は一切通じないのに、リッチからは手足を拘束され身動きができないのだ。
 抵抗するも、実態がなく逃げることもできず口も抑えられ声も発せれなかった。

『クッカッカッ!良い実験材料が五体も手に入ったな。しかし、エルダーリッチ共め。行動不能となって情けない。まぁ、復活までに数百年かかるが我の知ったことではないわ』

 エルダーリッチがしんでいない?それに、デミリッチは一体だけではなかったのか? 

 ヤンゴン達は拘束されながらも抵抗したが意味がなかった。ヤンゴン達は、デミリッチに魔力を叩き込まれて気絶してしまった。そして、デミリッチはヤンゴン達を闇の中に引きずり込んでしまった。




 そんな話をしながら、マルク達は北の森奥深くにある闇ギルドのアジトに到着した。

「ここが闇ギルドのアジトか」

「「「「「見張りがいっぱいだね」」」」」

「じゃ、正面突破といきましょうか!」

 シオン達は、マルクの付与をかけ直してもらって
闇ギルドのアジトに突入した。

「敵襲だぁ!」 

 アジトの入り口には、盗賊達がわらわらと出てきて、マルク達の侵入を阻んだ。入り口にいた盗賊達は、警笛をならし中にいる援軍を呼んだ。

「あなた達はもう終わりよ。大人しく投降しなさい!」

「やかましい!ここがどこだと思ってやがる!闇ギルド支部なんだぞ。たった六人でどうするつもりだ!」

「闇ギルド支部がどうした?本部を壊滅したのは僕達なんだぞ。支部ぐらいで騒ぐな!」

「貴様達が本部を!皆のものかかれ!」

 盗賊達は、マルクの言葉に怒り狂い、マルク達に襲いかかった。
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