役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第4章 成長

31話 ルノーバの道のりが二時間で!

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 マルクは、国王に騎士団を撤退させないようにして、もし撤退させる時は自分達が殺られた時にお願いした。

「しかし、それでは遅いのでは?」
「確かにそうだ」
「マルク殿が、討伐している間に、騎士団は町の人間を王都に避難誘導して、同時に行わないと!」
「そうだな。万が一がある」

「そんな!仮に、町を出ない人間はどうなるのですか?」

「皆まで言わす出ない・・・・・・それはいたしかたないだろう・・・・・・」

 アーサー王は顔を歪ませた。アーサー王もできるなら民の犠牲は避けたいからだ。

「だったら、僕がリッチに負けなければ大丈夫ですよね?」

「そんな軽々しく大口をたたくでない。相手はデミリッチであろう!神話級の魔物なのだぞ」

「わかってます!だからこそ、出発を早めるんじゃないですか」

「しかしだな、いくらマルクお主が闇ギルド本部を叩き潰したとはいえ、デミリッチは次元そのものが違うんだ」

 マルクは、長時間にわたり国王達を説得したが納得してもらえなかった。マルクは、このまま時間だけが過ぎていくと思い、説得するのを止めたのだった。

「わかりました・・・・・・」

「そうか!わかってくれたか!侯爵公すぐにルノーバに早馬を!」

「わかりました!」

「それでは、僕は出発の準備があるので失礼いたします」

「ああ!お主に全てがかかっておる。よろしく頼むぞ」

「「「「マルク殿、どうかよろしく頼む」」」」

 貴族達も、マルクに頭を下げた。マルクはこのまま屋敷に帰り、次の日出発の準備が整いシオン達と王都を出発した。

「マルク、今回は乗り合い馬車でルノーバに向かうの?」

「いや、違うよ」

「いくらマルクでも、あたし達五人をフェニックスウィングで運べないでしょ?」

「私は自分で飛べるからいいぞ」

「確かにカノンは飛べるけど、四人は無理かな」

「じゃ、乗り合い馬車だね」

「まぁ待ってよ。こうなるのはわかっていたから、昨日魔法を作っておいたんだ」

 そう言ってマルクは魔法を唱えた。

「ファントムスティード」

 ファントムスティードとは、騎乗用魔法生物を召還する魔法だ。マルクが召還すると、魔法陣から半透明の馬が現れその背には翼があった。

「「「「「こ、これは!」」」」」

「ペガサスだよ。一人一頭だからね」

「あたし、馬に乗れない・・・・・・」

「クレア、これは魔法生物だから落ちることはないから大丈夫だよ」

「ホントに?」

「うん」

 オウカは、すでにファントムスティードに跨がりはしゃいでいた。

「クレア、本当に大丈夫だぞ。乗り心地も最高!」

 クレアはオウカに促され、恐る恐る騎乗すると、オウカの言うとおり、乗り心地は最高で豪華なソファーのようにフカフカだった。

 その光景を見ていた、城門警備の兵士や冒険者や旅人達は目を丸くして驚いていた。そして、マルク達がファントムスティードに跨がると、ファントムスティードは翼を広げ空中を駆け出した。

「な、なんなんだ?あれは!」
「むっちゃ速い馬だ・・・・・・」
「馬鹿!馬じゃねぇよ!ペガサスって言ってただろ?」
「どっちでもいいよ・・・・・・」
「それにしても凄いな。もう見えなくなっちゃったね」
「「「「そうだな・・・・・・」」」」




「マルク!このファントム本当に凄いね!」

「だね!ほら、下を見てみなよ」

「あれは?」

「「「あたしは無理ぃ~~~~~~!下なんか見れない!」」」

 オウカとクレアとシスティナの三人はファントムスティードの首にしがみついていた。

「多分、昨日城を出た早馬だよ」

「まだあんなとこにいたんだ。じゃあ、もう追い抜いちゃったの?」

「そう言う事だね。いいかい?ルノーバの町の人が王都に避難させられる前に方をつけるからね」

「「うん!」」
「「「早く降りたい!」」」

 ルノーバの道のりが、たったの二時間で到着してカノンは驚いていたが、オウカ達三人はようやく到着して、地面に手を付きうつ伏していた。

「「「地面がこんなに安心するなんて~~~~~~~」」」

 するとそこに、ルノーバの城門警備の兵士がとんできた。

「貴様達止まれ!」

「い、いや。止まってるけど・・・・・・」

「「「なんならあたしらはうつ伏している」」」

「「「「「・・・・・・」」」」」
「貴様達は何者だ!名を名のれ!」

「僕らは、暁月の明星だ!国王様の命でここに来たんだ。ラインハルトさんに取り次いでくれたらハッキリするよ」

「王国騎士団ラインハルト団長にだと?」

「それと、これは国王様からの書簡だ!」

 マルクが差し出した書簡には、国王の蝋印が捺されていた。すると兵士達は顔から血の気が引き、背筋を伸ばし敬礼をした。

「「「「「国王様の使者とは知らず失礼いたしました!」」」」」
「どうぞこちらへ!ラインハルト団長の元に案内させていただきます!」

 カノン達は、国王様の書簡の威力は凄いとヒソヒソと話していた。
 そして、城門には並ばずそのまま町の中に入れてもらえて、ラインハルトと面会をしたのだった。
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