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第4章 成長
27話 苛立つ貴族達
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マルク達は、ダンジョンから出て王都に帰還しようすると、そこに早馬が到着した。
「いいところに冒険者とあった」
「何かあったのですか?」
「私は、侯爵家の騎士でエライザと申します。暁月の明星をダンジョンでみませんでしたか?」
「えっ?僕達がその暁月の明星ですが、侯爵家が何の用ですか?」
マルク達は、侯爵家と聞き騒然となった。侯爵家とは何の繋がりはなかったからだ。
「あ、あなたが!こ、これは失礼した!顔を知らなかったので申し訳ありません。国王様が、あなたの帰還をお待ちしております」
「国王様が?なんで?」
「端的に言えば、又あなたのお力をお借りしたいのです。数日前に、ルノーバの町の近くでアンデッド集団を確認したのです」
「アンデッド集団で僕の力ってまさか!」
「はい!スタンピードが起こる可能性があり、そのアンデッドにはエルダーリッチが五体確認しています」
「「「「「エルダーリッチ?」」」」」
エルダーリッチが五体と聞き、シオン達が大きな声をあげた。
「えーと、それって僕に依頼するという事になるのかな?」
「それは私の口からはなんとも言えませんが、国王様と相談して頂きたいとしか・・・・・・」
「確かにそれはそうですね。ここで話すようなことではありませんね」
「で、では私はこの事を報せに先に帰らせていただきます」
「分かりました。僕達もなるだけ早く王都に帰らせていただきます。あっ、ちょっと待って!」
「まだ何か?」
「僕達は、ダンジョン攻略を終えたばかりです。ルノーバの町には行かせていただきますが、少し休暇を頂きたいと国王様にお伝えできますか?」
「ちょ、ちょっと待ってください!今、ルノーバの町は!」
「王国騎士団がいるんですよね?」
「それはそうですが・・・・・・」
「僕達もダンジョンで疲れきっています。この状態でルノーバに行っても本調子ではありません」
「ですが!」
「王国騎士団が手に余る相手なんですよね?」
「わ、分かりました・・・・・・国王様には、侯爵様にそのように伝えさせていただきます」
「ご理解していただきありがとうございます」
マルクはエライザにお礼を言って頭を下げた。それを見たエライザも頭を下げて、颯爽と馬に跨がり王都へ馬をとばしたのだった。
「ねぇ、マルク。国王様の用事だったんでしょ?いいの?」
「大丈夫だよ。国王様も元冒険者だしね。こちらの事情も考えてくれるよ。だけど、王都に着いたらすぐお城に挨拶はしに行くからよろしく頼むよ」
「「「「あたし達なら休憩無しでも大丈夫なんだけどな」」」」
「それは駄目だよ。確かに今回の修行でカノン達もレベルアップをしたけど、体調管理も冒険者の仕事なんだからね」
「「「「わかった・・・・・・」」」」
「でも、今から腕がなるね!」
「オウカはすぐに調子に乗るんだから!」
「今はそんなことないよ!マルクの言われたことができるから!」
「オウカ、期待しているからそんなに怒るな」
「マルクがそう言ってくれるならいいよ」
そういったマルクはオウカの頭を撫でて、王都に急いで帰った。
王都に到着したエライザは、ダンジョンの入口でマルク達に会えた事をカイハーン侯爵に報告した。
「本当か?本当にマルク達は、王都に帰還しているのだな?」
「確かに帰還はしているのですが、ルノーバの町に行く前に休憩をしたいと言われました。それを国王様にお伝えできますか?」
「ば、馬鹿な!国王にそんなこと言えるわけあるまい!ルノーバの町は今まさにスタンピードが起ころうとしているのだぞ?」
「マルク殿は、ダンジョンから出たばかりで体を休めたいと・・・・・・」
「た、確かに・・・・・・一応国王には伝えよう」
侯爵やエライザがマルクの言う理由を素直に聞いたのは、冒険者も人間だとちゃんと理解していたからだ。貴族の中には自分の言う事をきかせないと許せない横暴な人間もいるだろうが、カイハーン侯爵はそういった貴族ではない。
それと、冒険者ギルドという組織は国とは関係のない独立した組織だからだ。
冒険者、生産、商人ギルド組織といい関係にないと国として機能しなくなるのは王国としても望ましくないのだ。
マルクを強引に言う事をきかせても、デメリットの方が大きいのだ。
「国王、マルクが見つかりました」
「本当か?それでいまどこに?」
「今は、ダンジョン攻略を終えてここ王都に帰還しているとの事です」
「そうか!よくぞ見つけてくれた!」
「しかし、国王。部下の報告によれば、マルクはルノーバの町に行く事は了承したのですが・・・・・・」
「了承してくれたと申したか!」
「ですが、ダンジョン攻略したばかりで、しばらくは休憩させていただくと言っているそうで・・・・・・」
「な、なんだと!いまはそんな悠長な事を言っている場合では!だったら、冒険者ギルドにマルクに指名依頼を出すのだ」
「そ、それは無理というものです」
「あっ、そういえば、マルクの奴はCランクだったか?」
「はい・・・・・・その通りでございます。ここで無理矢理言う事をきかせても、こちらが不利となります」
侯爵の言う事に、国王も黙ってしまうのだった。
「いいところに冒険者とあった」
「何かあったのですか?」
「私は、侯爵家の騎士でエライザと申します。暁月の明星をダンジョンでみませんでしたか?」
「えっ?僕達がその暁月の明星ですが、侯爵家が何の用ですか?」
マルク達は、侯爵家と聞き騒然となった。侯爵家とは何の繋がりはなかったからだ。
「あ、あなたが!こ、これは失礼した!顔を知らなかったので申し訳ありません。国王様が、あなたの帰還をお待ちしております」
「国王様が?なんで?」
「端的に言えば、又あなたのお力をお借りしたいのです。数日前に、ルノーバの町の近くでアンデッド集団を確認したのです」
「アンデッド集団で僕の力ってまさか!」
「はい!スタンピードが起こる可能性があり、そのアンデッドにはエルダーリッチが五体確認しています」
「「「「「エルダーリッチ?」」」」」
エルダーリッチが五体と聞き、シオン達が大きな声をあげた。
「えーと、それって僕に依頼するという事になるのかな?」
「それは私の口からはなんとも言えませんが、国王様と相談して頂きたいとしか・・・・・・」
「確かにそれはそうですね。ここで話すようなことではありませんね」
「で、では私はこの事を報せに先に帰らせていただきます」
「分かりました。僕達もなるだけ早く王都に帰らせていただきます。あっ、ちょっと待って!」
「まだ何か?」
「僕達は、ダンジョン攻略を終えたばかりです。ルノーバの町には行かせていただきますが、少し休暇を頂きたいと国王様にお伝えできますか?」
「ちょ、ちょっと待ってください!今、ルノーバの町は!」
「王国騎士団がいるんですよね?」
「それはそうですが・・・・・・」
「僕達もダンジョンで疲れきっています。この状態でルノーバに行っても本調子ではありません」
「ですが!」
「王国騎士団が手に余る相手なんですよね?」
「わ、分かりました・・・・・・国王様には、侯爵様にそのように伝えさせていただきます」
「ご理解していただきありがとうございます」
マルクはエライザにお礼を言って頭を下げた。それを見たエライザも頭を下げて、颯爽と馬に跨がり王都へ馬をとばしたのだった。
「ねぇ、マルク。国王様の用事だったんでしょ?いいの?」
「大丈夫だよ。国王様も元冒険者だしね。こちらの事情も考えてくれるよ。だけど、王都に着いたらすぐお城に挨拶はしに行くからよろしく頼むよ」
「「「「あたし達なら休憩無しでも大丈夫なんだけどな」」」」
「それは駄目だよ。確かに今回の修行でカノン達もレベルアップをしたけど、体調管理も冒険者の仕事なんだからね」
「「「「わかった・・・・・・」」」」
「でも、今から腕がなるね!」
「オウカはすぐに調子に乗るんだから!」
「今はそんなことないよ!マルクの言われたことができるから!」
「オウカ、期待しているからそんなに怒るな」
「マルクがそう言ってくれるならいいよ」
そういったマルクはオウカの頭を撫でて、王都に急いで帰った。
王都に到着したエライザは、ダンジョンの入口でマルク達に会えた事をカイハーン侯爵に報告した。
「本当か?本当にマルク達は、王都に帰還しているのだな?」
「確かに帰還はしているのですが、ルノーバの町に行く前に休憩をしたいと言われました。それを国王様にお伝えできますか?」
「ば、馬鹿な!国王にそんなこと言えるわけあるまい!ルノーバの町は今まさにスタンピードが起ころうとしているのだぞ?」
「マルク殿は、ダンジョンから出たばかりで体を休めたいと・・・・・・」
「た、確かに・・・・・・一応国王には伝えよう」
侯爵やエライザがマルクの言う理由を素直に聞いたのは、冒険者も人間だとちゃんと理解していたからだ。貴族の中には自分の言う事をきかせないと許せない横暴な人間もいるだろうが、カイハーン侯爵はそういった貴族ではない。
それと、冒険者ギルドという組織は国とは関係のない独立した組織だからだ。
冒険者、生産、商人ギルド組織といい関係にないと国として機能しなくなるのは王国としても望ましくないのだ。
マルクを強引に言う事をきかせても、デメリットの方が大きいのだ。
「国王、マルクが見つかりました」
「本当か?それでいまどこに?」
「今は、ダンジョン攻略を終えてここ王都に帰還しているとの事です」
「そうか!よくぞ見つけてくれた!」
「しかし、国王。部下の報告によれば、マルクはルノーバの町に行く事は了承したのですが・・・・・・」
「了承してくれたと申したか!」
「ですが、ダンジョン攻略したばかりで、しばらくは休憩させていただくと言っているそうで・・・・・・」
「な、なんだと!いまはそんな悠長な事を言っている場合では!だったら、冒険者ギルドにマルクに指名依頼を出すのだ」
「そ、それは無理というものです」
「あっ、そういえば、マルクの奴はCランクだったか?」
「はい・・・・・・その通りでございます。ここで無理矢理言う事をきかせても、こちらが不利となります」
侯爵の言う事に、国王も黙ってしまうのだった。
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