役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第3章 嫁

27話 メイド達は優秀

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 カノン達は、ベッドに寝かされていた。4人はララベルに介抱されていた。ララベルの外見は、まるで10歳ほどの少女のようだが、17歳の女性である。髪はショートカットで栗色可愛らしい感じで瞳の大きな女性で、カノン達を甲斐甲斐しくお世話をしていた。

「まったく・・・・・・セバスには困ったものね」

 ララベルは、カノン達を見て文句をいいながらパタパタと部屋の中を動き回る。

「そんな文句を言うものではありませんよ」

「だって、セバスは強いんだから、もっと手加減出来たんじゃないの?」

 ララベルは頬を膨らませて、セバスチャンを責め立てていた。

「やはり、わたくしも教官だった頃を思い出してしまったよ・・・・・・」

 セバスチャンは、今年50歳になるおじさんだ。髪はオールバックにして、髭の似合うスーツを着こなすダンディーな男性だ。

「教官って?」

「わたくしは、昔冒険者ギルドの教官をやっていた時期があったのですよ」

「教官だったら、なおさら手加減してあげてもいいじゃない」

「カノン様達は、今は弱すぎだが将来有望な冒険者ですよ。今は経験が足りないだけです」

「えっ?じゃあセバスはピンチだったって事?」

「まさか!ただ、この若者達の才能に血がたぎっただけですよ。いやぁ・・・・・・わたくしもまだまだ未熟だ。わはははは!」

「女の子にこんな怪我をさせて、何笑ってんのよ」

「痛っ!」

 セバスチャンは、ララベルに頭を叩かれた。セバスチャンは、自分の頭を叩かれるとは思っておらず驚愕した。

「わたくしの頭を叩くとは、ララベルお前は何者ですか?」

「ふん!油断しまくりのじいさんの頭を叩くなんて簡単よ」

「じ、じいさん・・・・・・」

  セバスチャンは、頭を叩かれるよりじいさんと言われ精神的にダメージを負うのだった。その時、カノンが目を覚ました。

「うっ・・・・・・」

「大丈夫ですか?」

「あ、貴女は?」

「私は、マルク様の奴隷のララベルと申します」

 カノンは、自己紹介をしようと体を起こそうとしたが、あばら骨が痛みうめき声を出した。

「ぐっ」

「あっ、まだ無理をしてはいけません。カノン様はあばら骨が折れているんですから!」

「みんなは?」

「皆様も隣で安静にしてますよ」

 カノンは首を横に向けると、オウカ達が安静に横になっているのを見て、ホッと安堵した。

「それにしても、カノン様達はもっと鍛えないといけませんな」

「ちょっとセバス!何を言っているんですか?今は安静にしないといけないんですよ!」

「当然、怪我が治ってからですよ」

「ぐっ!セバスチャンと言ったな?」

「わたくしの事はセバスとお呼びください」

「セバス、あなたの強さはよくわかった。しかし、いつかあなたを負かします」

「ええ。楽しみにしてますよ」

 セバスチャンは、カノンの言葉がなんか嬉しかった。そして、思い出したのは昔仕えていた貴族の子供の事だった。
 ああ。ユリ様は今頃どうしているのですかね。セバスチャンはカノンの言葉で、昔仕えていた貴族の少女の事を思い出していた。

「セバス!何、たそがれてんのよ!ご主人様に、報告してきてよ」

「痛っ!ララベルお前は人の頭を何回も叩くんじゃない!」

 セバスチャンは、頭を撫でながら部屋を出ていった。

「ララベル、お主も戦闘ができるのか?」

 カノンは、セバスチャンの頭を叩いたララベルを唖然として見た。ララベルは、すました顔でできませんよ。と答えた。
 その返答に、カノンは更に言葉を失うのだった。

「今はまだ、セバスには勝てないのは無理はありません。セバスのレベルは、ご主人様より上なのですから」

「はっ?マルクより強いのか?」

「まぁ、レベルという意味ですよ。強さは別物ですよ。現にセバスも、ご主人様には手も足も出ないと言っていますからね」

「あの鬼神のような強いセバスが、手も足も出ないと言ったのか?」

 それを聞いて、カノンは身を起こそうとしたが、あばら骨の痛みでうめき声を漏らした。

「ほら、無理をしたら駄目です。今、リディアがポーションを用意してくれています」

「うぐっ・・・・・・リディア?」

「はい。同じメイドの奴隷です。リディアはポーションを製作できるので、もうすぐできるかと」

「ちょっと待て・・・・・・骨折を治すようなポーションは高価なポーションなんだぞ?」

「えーと、ポーションは要らないと?」

「欲しいのは確かだが、マルクにはもう多額の借金があってだな・・・・・・」

「ですが、自然に治るには3ヶ月は・・・・・・ご主人様も、ヒールで治すより断然安上がりだろうとおしゃっていましたよ」

 マルクが、魔法で治してもよかったが、他のパーティーであるカノン達を無料で治すと、色々面倒になるので、その辺はきっちり線引きをしないといけなかった。

 当然だが、リディアはマルクの奴隷でポーション代金はマルクに入るので、魔法で治療するよりポーションで治療した方が安上がりだった。
 しかし、骨折を治すポーションはヒールポーションでは治らなく、グレーターヒールポーションとなり、一本50万ミストと言う高額な値段だった。

 マルクに購入されたメイド達は、とても優秀な奴隷達だったのだ。
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