役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第3章 嫁

26話 セバスチャンの強さ

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 マルクはシオンの説得で、アルマも購入する事になった。アルマがマルクと契約を結ぶと、受付嬢達はワッと歓声を上げて祝福をしていた。

「「「「「おめでとう!」」」」」

「みんなありがとう」

 はぁ・・・・・・・まさか、シオンに説得されるとは思わなかったな。マルクは、アルマを購入した事を少し後悔していた。実際のところ、マルクはシオンが奥さんでいてくれる事で幸せだった。
 しかし、これをきっかけに、これからマルクの周りに数多くの女性が集まり、最強の集団が出来ることを、マルクは夢にも思っていなかったのだ。

「アルマは、何かできるのか?」

「わたくしは戦闘は無理ですよ。だけど、旦那様の癒しになります」

「そうなんだ・・・・・・」

「あー、今馬鹿にしましたね。こう見えてわたくしは歌と楽器と踊りのスキルはBランクもあるんですよ」

「楽器はあるの?」

「はい。このハープで旦那様を楽しませます」

「そうか。楽しみにしてるよ」

「任せてください」


 アルマのような、容姿のいい奴隷は主を癒す為に歌を歌ったり楽器の演奏をし楽しませる事にある。
 まるで貴族のような楽しみ方だなと、マルクは急速に自分の生活が変わっていくのを感じた。

 マルクは、セバスチャン達を屋敷に連れて帰り、屋敷の管理を任せた。

「ご主人様、客人が参ってます」

「客人?」

「はい。カノンと申してますが・・・・・・」

「あー、一緒に住んでいるのがその人達だよ」

「そうでしたか」

 セバスチャンは、あわてて屋敷の入り口に駆けていった。そして、セバスチャンはカノン達に頭を下げ、屋敷の中に案内したのだ。

 屋敷の中に入ってきたカノン達は、マルクに執事のセバスチャンの事を聞いてきた。

「マルク!あの執事はなんなんだ?」

「あーごめんね。カノン達の事を言ってなかったんだよ」

「あっ、いや、そうじゃない。セバスチャンの強さだよ」
「「「そうなんだよ!あたし達が一切!」」」

「わたくしの事はセバスとお呼びください」

「「「「うわっ!」」」」

 セバスチャンが、カノン達の後ろにいつの間にか立っていて、四人は大きな声を出して驚いていた。

「セバスは、この屋敷を管理してもらうために来てもらったんだ。僕達も冒険に出ないといけないからね」

「そうじゃない!執事なのに何であんな身のこなしなんだ?あたし達が、一歩も屋敷に入れなかったんだぞ?」

「あー、セバスは執事だけど腕は超一流の戦士だから用心棒もかねているからね」

「ホッホッホッ!まだ若い者には遅れはとりませんよ」

 セバスチャンは、口に手をやり胸を張った。それを見て、マルクはカノン達にセバスチャンに鍛えてもらったらと無責任に笑っていた。

「カノン様達がよければ、いつでもお相手をさせていただきますよ」

 セバスチャンは、カノン達にそう言って訓練をかって出た。カノン達は、冒険者としてまだまだなので、休みの日に鍛えてもらう事になった。

「くっ!」
「何で当たらないの?」

「どうしました?そのような腕では一生、わたくしには触れることすらできませんよ?」

 セバスチャンは、カノンの槍をレイピアで軽々弾き、オウカの連打を素早い動きで回避した。
 その動きに、カノンとオウカは絶句した。その瞬間、オウカの腹にセバスチャンのレイピアが突き刺さる。

「ぐはっ!」

 オウカは、その衝撃に悶絶して壁まで吹き飛んだのだ。

「何をボーッとしているのですか?このレイピアは先を潰して致命傷にはなりませんが、ボーッとしない!本当の戦闘なら貴女は死んでいますよ!」

 セバスチャンは、オウカが油断した事をいさめたのだ。すると、そこにセバスチャンに向けて、システィナの矢が飛んできた。
 
「油断大敵ですよ!」

 システィナは、セバスチャンの隙をつき、トリプルショットを撃った。システィナは、セバスチャンのスピードに対抗する為に、一瞬で三発もの矢を射れるトリプルショットを撃った。

「よし!当たった!」

 システィナの矢が当たった瞬間、セバスチャンの姿が陽炎のように揺らめき矢が突き抜けた。

「嘘!あれを避けるだなんて!ってセバスは?」

「システィナ!後ろだ!」

 システィナがセバスチャンの姿を見失うと、オウカが自分の腹を押さえながら叫んだ。

「いい攻撃でしたね。しかし、後がよろしくないですね」

「えっ?」

 システィナは、声がした後ろを振り返り冷や汗が頬をつたった。あの一瞬で、セバスチャンに後ろを取られたのだ。

「きゃああああああああああ!」

 構えるまでに、システィナは背中に衝撃がはしり、前方に吹き飛んだ。そして、システィナはその場に倒れ込み動かなくなった。

「よくもシスティナを!」

 カノンが、怒りの表情でセバスチャンの距離を一瞬で詰めた。カノンは背中に羽を持つ有翔族だ。鋭い踏み込みで、低空飛行でセバスチャンに突進したのだ。その間、オウカは腹を押さえながら動く事ができずにいた。

「いけませんね!貴女は真面目過ぎです。そんな大声を出して突っ込んでもいい的ですよ」

 セバスチャンは、カノンが突っ込んできたのを、ちょっと横にずれてカノンの突進を避けた。

「なっ!」

「猪では駄目ですよ」

 カノンはセバスチャンに、あばら骨をレイピアで突かれて肺の中の空気を出されて、悶絶をして気を失った。

「クリティカルブロウ!」

 いきなり、セバスチャンのバックから姿を現したのがクレアだった。
 クレアは、セバスチャンの隙を狙いバックスタブでセバスチャンの後ろを取り、クリティカルブロウで攻撃した。

「いい攻撃でしたね。ただ、貴女はレベルが低すぎる。これからは、戦闘にも参加するように!」

 セバスチャンは、クレアの攻撃を避けずクリティカルブロウを受けた。クレアは、斥候で罠の解除で日頃戦闘には参加しておらず、三人に比べてレベルが低い。その為、一撃必殺のクリティカルブロウがセバスチャンには通用しなかった。

「そ、そんな・・・・・・」

  クレアは、セバスチャンの強さに後づ去りした。次の瞬間、クレアは首トンされてその場に崩れ落ちた。

 オウカは、セバスチャンの強さに愕然として、なんとか気を保っていたが、とうとう気を失った。

「なかなかのものでしたよ」

 セバスチャンは、カノン達を担ぎ上げ部屋に寝かせた。

「ご主人様すいません。少しやりすぎました」

「いや、カノン達が弱すぎたみたいだね。ずっと見ていたよ」

 セバスチャンはカノン達をララベル、セバスチャンと一緒に購入されたメイド達に看病を任せたのだった。
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