役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
77 / 361
第3章 嫁

25話 奴隷を購入する

しおりを挟む
 マルクとシオンは、商人ギルドの推薦もあって、奴隷商店にやってきた。

「まさか、僕が奴隷をまた持つ事になるとは思わなかったよ」

「マルクなら、奴隷を持つ資格は十分にあるからいいんじゃない?」

 シオンは、マルクなら妻を何人も持てるし、奴隷を持つ資格は十分にあると言った。実際にそれだけの甲斐性を持ち合わせていたからだ。

「でもなぁ・・・・・・」

「商人ギルドも言ってたじゃない。あたし達の奴隷への知識が間違っているって。まぁ、初めての奴隷がゴーダみたいな奴だったからしょうがないんだけどね」

「それはそうなんだけどね」

「それに、あたし達は冒険者でもまだ知らない事が多いじゃない。護衛依頼だって行商人の人達に色々教えてもらったじゃない?だったら、奴隷の事だって知らない事ばかりだよ」

 マルクとシオンは、奴隷商店の前で話していた。そして、マルクはシオンに背中を押されて、奴隷商店の門を潜ったのだ。

「いらっしゃいませ。今日はどのような奴隷をお求めですか?」

 奴隷商店のカウンターには、とんでもない美人が受付嬢として多数働いていた。
 冒険者ギルドの、受付嬢も美人ばかりだがそれ以上の美人ばかりで、マルクは見惚れてしまった。

「・・・・・・」

「あの・・・・・・お客様?」

「マルクがそんなんになるなんて珍しいわね?」

「あっ、いや・・・・・・そんなんじゃ!」

「わたくしの事が、お気に入りならばご購入してくれてもかまいませんよ?」

「「えっ?」」

「わたくし達受付嬢は奴隷ですよ。売り物ですので気に入ったら購入してください」

「いや、僕は・・・・・・」

  受付嬢の女性達は、セクシーな身体のラインが際立つ服を着ていた。彼女達は、奴隷商が勧める奴隷であり超高額奴隷である。
 しかし、お薦め商品であり言葉遣いも丁寧で品格があった。

「それで、わたくしを購入してもらえるのでしょうか?」

「そうじゃないんです!」

 受付嬢の女性は、マルクに積極的にアピールをしてタジタジになっていた。それを横で見ていたシオンは、マルクの反応にクスクス笑っていた。

「ちょっ、ちょっとシオン!何を笑ってんだよ」

「だって、ぷっ、あはは!そんなマルクの反応は初めてで面白くて!」

「面白くてじゃないよ!そうじゃなくて君もちょっと離れて!僕は、家の管理をできる人間を購入したくてここに来たんだ」

「あら。残念ね・・・・・・わたくしを購入してもらえると思ったのに」

 受付嬢は残念そうに、カウンターの奥に行きマルクが望んだ執事やメイド達を10人程連れてきた。

「お客様が欲している奴隷は、こちらでよろしいでしょうか?」

 受付嬢が連れてきた奴隷は、背筋がピンっと伸びて奴隷とは思えないほど品格が感じ取れた。マルクが、奴隷達に色々質問して面接を行ったが、全員が言葉遣いも丁寧で、スキルもレアスキルを持っていた。
 メイド達は掃除洗濯、料理のレアスキルのAを持ち、礼儀作法もノーマルで習得していた。受付嬢が連れてきた奴隷は、超一流の人材だった。
 中でも驚いたのが、執事のセバスチャンは戦闘スキル細剣(S)を持っていた。

「えーっと、貴方はうちに来て欲しいんだけど、うちには、エルフや獣人がいるんだよ。その辺は大丈夫?」

「わたくしの事はセバスとお呼びください。それと私共は、ご主人様の客人に差別的言動や行動は致しません」

「そうなのか?」

「当たり前でございます!誰が自分の主に迷惑をかけると言うのですか?それに、差別なんてあまりに愚かな行為でございます」

 セバスチャンは、マルクの言う事を訂正して主人の役に立つ事を約束した。また、メイド達もマルクの役に立つと約束して購入して欲しいと願って来ていた。
 マルクとシオンは、奴隷達を見て自分達が知らない事が、まだまだたくさんあったのを学んだのだった。

「受付嬢さん、この人達と契約します」

「わたくしの事は、アルマとお呼びください」

「わかったよ。アルマ、契約をよろしく頼む」

 マルクは、セバスチャンを始め、メイド10人の奴隷を購入した。一人5000万ミストと高く、セバスチャンは8000万ミストであった。合計5億8千万ミストとなったが、マルクは国王からの報奨金で払ってしまった。

「あのマルク様?」

「何かあったか?」

「わたくしも、一緒に購入してくれませんか?」

 セバスチャン達を購入して、契約を結んだ後、アルマが自分を売り込んできた。

「セバスチャン達だけで十分だよ」

「そんなこと言わずお願いいたします」

 アルマは自分が仕えるのは、マルクだと直感したみたいで、マルクに土下座して頼み込んでいた。
 周りの受付嬢達は、目を見開いて驚いていた。アルマが、土下座までするとは思ってもいなかった。日頃、どんな金持ちにも媚びる事はしなかった。そればかりか、購入できないように自分の値段を吊り上げていたからだ。
 アルマの容姿は、ここにいる受付嬢の中でも断突に美しくスタイルも良かった。その為、奴隷を購入する人間はアルマを指名するが、あまりに高額で購入できなかった。
 アルマを購入するなら、他の奴隷を10人購入する方がいいからだ。そのアルマが、自分を購入してくださいと、マルクに土下座しているのだから、他の受付嬢が驚くのは無理もなかった。

「アルマはいくらなんだ?」

「一億ミストです」

「いっ!」

 マルクも、アルマの事は気に入っていたから土下座までされたのなら悪い気はしない。値段を聞いてメイド達と同じくらいなら購入してもいいと思ったが、まさかセバスチャンより高いとは思わなかったので変な声が出た。

「それはちょっと・・・・・・悪いが予算オーバーだよ」

 マルクが購入を断ろうとしたら、受付嬢達がアルマのフォローをしてきた。

「マルク様、ちょっとお待ちください!アルマの値段は安いです!」

「はぁあ?一億が安いって?」

 受付嬢達は、今までのアルマの事を説明して10億でも購入できなかった人間もいたことを説明したのだ。
 カウンターに出る事を許されたアルマ達は、特別に奴隷商から主人を自分で選んでいいと言われている奴隷商が自信をもってお薦めする奴隷達だ。
 この中で、一番人気のアルマが自分を売り込んできたので、他の奴隷がアルマを援護したのだ。

「みんな・・・・・・」

  他の受付嬢がアルマを援護したので、アルマはみんなに感謝して、自分をマルクに積極的にアピールしていた。

「ねぇ、マルク」

「ちょっと待って、シオン何を言おうとしているの?」

「マルクは、まだ予算に余裕があるんじゃない?」

「だけど、セバスチャン達だけで十分だよ?」

「ったく、マルクはもっと自己評価を高く持った方がいいよ。もう前までの役立たずと言われていたマルクはいないんだよ」

「そうは言っても、そう簡単に性格は変わらないんだよ」

「あたしは、アルマの直感は大したものだと誉めてあげたいわ。マルクだって、アルマの事満更でもないんでしょ?」

「そんなはっきり言うなよ・・・・・・」

「シオンさん・・・・・・」

 マルクはシオンにも説得されて、アルマを購入する事になった。
しおりを挟む
感想 99

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

処理中です...