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第3章 嫁
12話 ギルド受付嬢
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マルクとシオンは、その日国王から貰った屋敷で寝た。しかし、ひとつの部屋があまりに広すぎて落ち着かなくて、シオンがマルクの部屋に入ってきた。
「マルク起きてる?」
「な、なに?」
「この部屋で寝てもいい?」
「な、何で?それはまずいんじゃ・・・・・・」
「だって、あの部屋広すぎて落ち着かなくて。それに・・・・・・あたし達夫婦になるんでしょ?」
「そ、それはそうだけど・・・・・・」
「じゃあ、いいじゃない。それにマルクはもっと積極的になってくれても・・・・・・」
「積極的?」
「それとも、まだソフィアの事を?」
「いや、それはないよ。ただ・・・・・・」
「ただ、何?」
マルクは、自分の気持ちを正直に話した。
「僕は小さい頃から、ソフィアと一緒になると言ってきたのは知っているだろ?」
「うん」
「だけど、そんな僕に変わらずソフィアは優しくしてくれて、僕はなんでソフィアをって思ってた。小さい頃から、シオンは僕の事を気にかけてくれてた」
「それは今も?」
「あのダンジョンでディクト達から僕を庇ってくれて、今はシオンが大事なパートナーだ」
「だったら・・・・・・」
「でも、ソフィアがいなくなったら、すぐにシオンに気が変わるなんて・・・・・・」
マルクがそういうと、シオンが笑った。
「マルクは、変なところを気にするのね」
「でも・・・・・・」
「マルクは、あたしの事が嫌い?」
「そんなことない!好き・・・・・・だよ」
「よかった・・・・・・あたしも、小さい頃からマルクの事が好きだよ。だったら、何がまずいの?」
「まずくない・・・・・・」
「それに、マルクはあたし以外にも妻をめとることになるわ。何人も好きになる女性が出てくるのに、一人の事を好きだったからあたしに悪いって考えすぎだよ」
「僕はシオンだけでいいんだよ」
「まず、それは無理ね」
「なんでだよ?」
「マルクは、こんな大きな屋敷を持った男性だよ?そんな男性を、世の女性が黙って放っておくわけがないじゃない?」
「僕は、そんな器用じゃないよ!」
「それに、王都に来てわかった事があるしね」
「なんだよ。わかった事って?」
「美人ばっかりじゃない?」
「だからなんだよ?僕は・・・・・・」
「マルクだってそう思ったでしょ?そんな美人達が言い寄ってくるんだよ?マルクは耐えられるの?」
「何言ってんだよ?シオンだって美人じゃないか」
「えっ?いきなり何を言って・・・・・・」
マルクのいきなりの言葉に、シオンは顔を真っ赤にした。
「あっ、いや・・・・・・今のはなしで」
「なしって何よ!」
「そういう事じゃなくて!」
「まぁいいわ。マルクがあたしの事を、美人って思っていたのを知れて嬉しいわ」
「・・・・・・」
「それにマルクは気づいてないみたいだけど、マルクに気がある人間はもう出てきているんだからね」
「誰が?」
「とびっきりの美人だよ」
「はぁあ?」
「とにかく、あたしはマルクの正妻になれたら気にしないわ!」
「僕に何人も妻ができるわけないでしょ?僕は昔から役立たずって言われて言い寄られた事なんかないのに・・・・・・」
マルクは自分で言っていて、なんか悲しくなってきて落ち込んできた。
「それは昔の事だよ。オーク帝国を討伐できるほどに、マルクは英雄なんだよ」
「それはいいが、いつの間に僕のベッドに入ってきているんだよ?」
「いいじゃない。お互い好きって気持ちじゃない」
「だけど、このままじゃヤバイって」
「ヤバイって何がよ」
「このままじゃ、僕の理性がもたないから!」
「だから、好き同士問題ないでしょ?」
シオンが、マルクの腕を引っ張りマルクに抱きついた。そして、そのまま朝がきた。
マルクは、目が覚めると隣でシオンが寝ていて、昨日の事を思いだし顔を真っ赤にした。
「顔を洗ってこよ・・・・・・」
「うーん・・・・・・」
シオンが、声を出し寝返りをした。マルクはシオンの寝顔を見て、頬にキスをして部屋から出ていった。
マルクが部屋から出て、足音が聞こえなくなるとシオンがパチリと目を覚ました。
「マルクには、まだこれが精一杯かな」
シオンは、自分の頬に手を当てて微笑んでいた。
「今日も頑張ろうっと!」
シオンは、ベッドから出て部屋を窓を開けるといい天気だった。
そして、マルクとシオンは朝から冒険者ギルドで依頼を受けていた。マルクは、ギルドの受付に依頼書を持っていくと、朝なのにやはり空いている受付があった。
「「おはよう!」」
マルクとシオンが、空いている受付にいくと、やはりステファニーの列だった。マルクとシオンの顔を見た、ステファニーは笑顔になった。
「おはようございます!私の列に並んでくれて嬉しいです」
ギルド受付嬢は、自分の列に並んでくれた冒険者の依頼を手続きすれば、歩合制でどんどん給金が上がる。
つまり、人気受付嬢となれば冒険者達に、自分の列に並んでもらえるのだ。分かりやすく言えば、推しを増やして依頼書をいっぱいこなして貰うのだ。
そして、冒険者達にもメリットはある。自分が推している受付嬢がナンバー1となれば、Cランク以下でも、素材の買い取りが高くしてもらったりしてくれる。この場合は端数をきりあげで買い取りしてくれたりだ。
「ハンスさん、この間オーガを討伐したばかりじゃないですか?」
「だけど、ランカちゃんの顔を見たくてな」
「駄目です。体を休めるのもハンスさんの仕事ですよ。無理はしたら駄目です」
受付嬢は、自分の為に依頼を受けようとする冒険者の事をサポートする役目はないが、こうして冒険者とコミュニケーションをはかり仕事をしている。
一番人気ともなると、月収600万ミストは軽く稼ぐ事ができ、女性達に人気のある職業なのは間違いなかった。
しかし、ステファニーのような人気のない受付嬢は、最難関と言われるギルド受付嬢になれても日々の生活はかつかつで、いつまでもギルドの寮から出る事が出来ないのだ。
「そういえば、ナナちゃんも寮から出れたんだろ?おめでとう!」
「ありがとうございます。これも皆さんのおかげです」
ステファニーの、後輩がどんどん寮から出ていけるのを横目で見るだけで、ステファニー自身が人気が出ないと、冒険者が自分の列に並び依頼の手続きをしてくれないと、給金が基本給だけで生活できない。
「そういえば、ゴーダの姿が見えませんが?」
「ああ・・・・・・あいつは最悪だったよ。結局マルクに迷惑をかけて借金を増やして売られたよ」
「そ、そうでしたか。それは災難でしたね」
「本当に最悪だったよ。ああいう奴隷もいるんだと勉強になったよ」
「マルクさん達は、まだ若いし色んな経験を積めば大丈夫ですよ」
「「ありがとう!」」
「では、依頼書を拝見しますね」
「「よろしく」」
「依頼手続き終わりました。依頼はオーガの角と牙です。オーガはCランクの魔物となりますので十分に注意してくださいね」
「Cランクに上がったから、Bランクの依頼を受けれるのに・・・・・・」
「まぁ、ランクはあくまでも目安で、オーガが大量にいたらヤバイから用心のためだな」
どの依頼を決めるのは冒険者の責任であり、マルク達がSランクの依頼を受けれるが、ギルドからは忠告されるだけだ。
ギルド受付嬢も、自分を贔屓にしてくれているから必死に止めるだけだ。
冒険者達も日頃の交流があるから、自分の推しの受付嬢が休日の時は、自分達も余程の事がなければ依頼は受けないのだ。
「まぁ、決闘でマルクさん達の実力なら大丈夫だと思いますが、用心のために慎重に依頼を受けるのはいいことだと思います」
マルクとシオンは、北の森にオーガの出没すると聞いて、二人は北の森に向かった。
「マルク起きてる?」
「な、なに?」
「この部屋で寝てもいい?」
「な、何で?それはまずいんじゃ・・・・・・」
「だって、あの部屋広すぎて落ち着かなくて。それに・・・・・・あたし達夫婦になるんでしょ?」
「そ、それはそうだけど・・・・・・」
「じゃあ、いいじゃない。それにマルクはもっと積極的になってくれても・・・・・・」
「積極的?」
「それとも、まだソフィアの事を?」
「いや、それはないよ。ただ・・・・・・」
「ただ、何?」
マルクは、自分の気持ちを正直に話した。
「僕は小さい頃から、ソフィアと一緒になると言ってきたのは知っているだろ?」
「うん」
「だけど、そんな僕に変わらずソフィアは優しくしてくれて、僕はなんでソフィアをって思ってた。小さい頃から、シオンは僕の事を気にかけてくれてた」
「それは今も?」
「あのダンジョンでディクト達から僕を庇ってくれて、今はシオンが大事なパートナーだ」
「だったら・・・・・・」
「でも、ソフィアがいなくなったら、すぐにシオンに気が変わるなんて・・・・・・」
マルクがそういうと、シオンが笑った。
「マルクは、変なところを気にするのね」
「でも・・・・・・」
「マルクは、あたしの事が嫌い?」
「そんなことない!好き・・・・・・だよ」
「よかった・・・・・・あたしも、小さい頃からマルクの事が好きだよ。だったら、何がまずいの?」
「まずくない・・・・・・」
「それに、マルクはあたし以外にも妻をめとることになるわ。何人も好きになる女性が出てくるのに、一人の事を好きだったからあたしに悪いって考えすぎだよ」
「僕はシオンだけでいいんだよ」
「まず、それは無理ね」
「なんでだよ?」
「マルクは、こんな大きな屋敷を持った男性だよ?そんな男性を、世の女性が黙って放っておくわけがないじゃない?」
「僕は、そんな器用じゃないよ!」
「それに、王都に来てわかった事があるしね」
「なんだよ。わかった事って?」
「美人ばっかりじゃない?」
「だからなんだよ?僕は・・・・・・」
「マルクだってそう思ったでしょ?そんな美人達が言い寄ってくるんだよ?マルクは耐えられるの?」
「何言ってんだよ?シオンだって美人じゃないか」
「えっ?いきなり何を言って・・・・・・」
マルクのいきなりの言葉に、シオンは顔を真っ赤にした。
「あっ、いや・・・・・・今のはなしで」
「なしって何よ!」
「そういう事じゃなくて!」
「まぁいいわ。マルクがあたしの事を、美人って思っていたのを知れて嬉しいわ」
「・・・・・・」
「それにマルクは気づいてないみたいだけど、マルクに気がある人間はもう出てきているんだからね」
「誰が?」
「とびっきりの美人だよ」
「はぁあ?」
「とにかく、あたしはマルクの正妻になれたら気にしないわ!」
「僕に何人も妻ができるわけないでしょ?僕は昔から役立たずって言われて言い寄られた事なんかないのに・・・・・・」
マルクは自分で言っていて、なんか悲しくなってきて落ち込んできた。
「それは昔の事だよ。オーク帝国を討伐できるほどに、マルクは英雄なんだよ」
「それはいいが、いつの間に僕のベッドに入ってきているんだよ?」
「いいじゃない。お互い好きって気持ちじゃない」
「だけど、このままじゃヤバイって」
「ヤバイって何がよ」
「このままじゃ、僕の理性がもたないから!」
「だから、好き同士問題ないでしょ?」
シオンが、マルクの腕を引っ張りマルクに抱きついた。そして、そのまま朝がきた。
マルクは、目が覚めると隣でシオンが寝ていて、昨日の事を思いだし顔を真っ赤にした。
「顔を洗ってこよ・・・・・・」
「うーん・・・・・・」
シオンが、声を出し寝返りをした。マルクはシオンの寝顔を見て、頬にキスをして部屋から出ていった。
マルクが部屋から出て、足音が聞こえなくなるとシオンがパチリと目を覚ました。
「マルクには、まだこれが精一杯かな」
シオンは、自分の頬に手を当てて微笑んでいた。
「今日も頑張ろうっと!」
シオンは、ベッドから出て部屋を窓を開けるといい天気だった。
そして、マルクとシオンは朝から冒険者ギルドで依頼を受けていた。マルクは、ギルドの受付に依頼書を持っていくと、朝なのにやはり空いている受付があった。
「「おはよう!」」
マルクとシオンが、空いている受付にいくと、やはりステファニーの列だった。マルクとシオンの顔を見た、ステファニーは笑顔になった。
「おはようございます!私の列に並んでくれて嬉しいです」
ギルド受付嬢は、自分の列に並んでくれた冒険者の依頼を手続きすれば、歩合制でどんどん給金が上がる。
つまり、人気受付嬢となれば冒険者達に、自分の列に並んでもらえるのだ。分かりやすく言えば、推しを増やして依頼書をいっぱいこなして貰うのだ。
そして、冒険者達にもメリットはある。自分が推している受付嬢がナンバー1となれば、Cランク以下でも、素材の買い取りが高くしてもらったりしてくれる。この場合は端数をきりあげで買い取りしてくれたりだ。
「ハンスさん、この間オーガを討伐したばかりじゃないですか?」
「だけど、ランカちゃんの顔を見たくてな」
「駄目です。体を休めるのもハンスさんの仕事ですよ。無理はしたら駄目です」
受付嬢は、自分の為に依頼を受けようとする冒険者の事をサポートする役目はないが、こうして冒険者とコミュニケーションをはかり仕事をしている。
一番人気ともなると、月収600万ミストは軽く稼ぐ事ができ、女性達に人気のある職業なのは間違いなかった。
しかし、ステファニーのような人気のない受付嬢は、最難関と言われるギルド受付嬢になれても日々の生活はかつかつで、いつまでもギルドの寮から出る事が出来ないのだ。
「そういえば、ナナちゃんも寮から出れたんだろ?おめでとう!」
「ありがとうございます。これも皆さんのおかげです」
ステファニーの、後輩がどんどん寮から出ていけるのを横目で見るだけで、ステファニー自身が人気が出ないと、冒険者が自分の列に並び依頼の手続きをしてくれないと、給金が基本給だけで生活できない。
「そういえば、ゴーダの姿が見えませんが?」
「ああ・・・・・・あいつは最悪だったよ。結局マルクに迷惑をかけて借金を増やして売られたよ」
「そ、そうでしたか。それは災難でしたね」
「本当に最悪だったよ。ああいう奴隷もいるんだと勉強になったよ」
「マルクさん達は、まだ若いし色んな経験を積めば大丈夫ですよ」
「「ありがとう!」」
「では、依頼書を拝見しますね」
「「よろしく」」
「依頼手続き終わりました。依頼はオーガの角と牙です。オーガはCランクの魔物となりますので十分に注意してくださいね」
「Cランクに上がったから、Bランクの依頼を受けれるのに・・・・・・」
「まぁ、ランクはあくまでも目安で、オーガが大量にいたらヤバイから用心のためだな」
どの依頼を決めるのは冒険者の責任であり、マルク達がSランクの依頼を受けれるが、ギルドからは忠告されるだけだ。
ギルド受付嬢も、自分を贔屓にしてくれているから必死に止めるだけだ。
冒険者達も日頃の交流があるから、自分の推しの受付嬢が休日の時は、自分達も余程の事がなければ依頼は受けないのだ。
「まぁ、決闘でマルクさん達の実力なら大丈夫だと思いますが、用心のために慎重に依頼を受けるのはいいことだと思います」
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