役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第3章 嫁

11話 ありえない程の褒美

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 マルクとシオンは、厄介者を処分できて満足して笑顔で奴隷商をあとにした。マルクは、ゴーダを1100万ミストで買い取ってもらった。
 ゴーダが、目を覚まして聞いた借金2000万ミストは、奴隷商の取り分を上乗せしたものだ。
 奴隷商は、ゴーダの今までの行いを知っていたので容赦せず一生奴隷人生にしたのだ。

「マルク、奴隷を将来買う事になっても、ああいうのは買わないようにしないとね」

「僕はもう奴隷は要らないかな?」

「マルクなら、将来成功して大きな屋敷を買えると思うよ。そうなった時、家の管理させて奴隷を買うかもしれないじゃない」

「うーん・・・・・・将来の事は分からないけど、僕はシオンと子供が生活できる位の家で十分だよ」

「マルク・・・・・・」

 シオンはマルクの腕に手を回し、笑顔で酒場に向かった。マルクは、シオンと二人で生活できたらいいと言ったが、近い将来シオンの他に4人の妻ができる事を知らなかった。

 そして、王都で生活をして3日が経ち、マルクとシオンは王城に来て謁見の間に来ていた。
 国王は、マルク達の為に最短で時間を作ってくれた。そして、3日という短い期間で面会が叶った。

「なんか緊張するね」

「ちょっとシオン落ち着いて」

 マルクとシオンは、謁見の間で片ひざをついて国王が入って来るのを待っていた。
 すると、音楽がなりラッパの音で、謁見の間の扉が開き、国王が入場した。

「国王様の入室!」

 そのように言われ、マルクとシオンはそのままの姿勢で頭を下げた。

「余が、アインシュタル王国、国王のアーサーである。面をあげてくれ」

 マルクとシオンは、国王の許しが出たので顔をあげた。アーサー王は、とんでもない威厳に溢れていたが、その顔は笑顔でマルクとシオンを包み込むように穏やかだった。

「この度の二人の働きに感謝する。本当にありがとう!」

 アーサー王は、マルクとシオンにいきなり頭を下げたのだった。これには、マルクとシオンはあわてて取り繕うのだった。

「国王様や、やめてください」
「そうです。あたし達みたいな者に頭を下げないでください!」

 二人は、アーサー王の行動に恐縮しまくった。

「余は、二人には本当に感謝する。オーク帝国は災害級の事案だ。本来は国が、なんとかせねばならなかったが新種のオークに手も足も出なかったと騎士団長から聞いておる」

「そんな・・・・・・僕達だけでは」

「謙遜せずともよい。お主達は結果、バッハ伯爵の町を救ったのだからな。そして、王国領も救ったのだ」

「「ありがとうございます!」」

「その功績を称え、以下のものを贈呈する!」

 アーサー王が、そう宣言するとマルクとシオンそれぞれの前に報償金が乗った台座が置かれた。
 その金額は、10億ミストととんでもない金額であった。そして、マルクの台座には権利書とひとつの鍵もあった。

「これは?」

「マルクには、王都に屋敷を与える。その屋敷の権利書だ。お主のような人材は王都で住んでほしい」

 マルクは断れないやつだと瞬時に悟り承諾した。
しかし、アーサー王はマルクの表情見て付け加えた。

「そのように緊張せずともよい。お主達は冒険者だから、自由に行動すればよいのだ。住んでほしいのは余の願望だが、冒険者を縛ることはできぬ」

「あっ」

「だから、マルクお主がリーランを拠点に、活動したいなら余は文句は言わぬ。お主の自由にすればいいんだよ」

「「慎んでお受けします。あ、ありがとうございました!」」

 マルクとシオンは、国王の心遣いに感謝した。そして、ラッパの音が鳴り響きアーサー王との面会が終わった。

 マルクとシオンは、面会が終わり王城の前で呆けていた。アーサー王を初めて拝見して、平民の事を第一に考えてくれた事に感謝していたのだった。

「国王様って素敵な人だったね」

「そうだね。威厳が凄かったけど、笑顔が優しいお方だった」

 マルクとシオンは、王城の門の前で何回も頭を下げていて、その様子を門番の兵士が笑顔で微笑んでいた。

「ねえ。シオン」

「なに?」

「貰った家に行こう。どんな家か見てみたい」

「そうね!どんな家か楽しみね」

 マルクとシオンは、貰った家に向かったがその辺りには家とは違い、大きな屋敷が建ち並ぶ地域で、貰った家ではなく屋敷の前に着いて二人は固まってしまった。

「どうすんだよ・・・・・・こんなでかい屋敷に二人で住めないんだけど・・・・・・」

「あはは。マルク、屋敷の管理に奴隷でも買ったらいいんじゃない?」

 シオンは、皮肉っぽく奴隷を進めて笑っていた。マルクも屋敷の中を見て、奴隷じゃなくとも管理できる人がいると思った。

「と、とりあえず、今日はここで泊まるかな?」

「そうね。家具もあるし問題ないよ」

 マルクは部屋を、クリーンの魔法で綺麗にした。

「マルクがいれば、管理者要らないね。普通クリーンの魔法で部屋を掃除できないよ」

「まぁそうだけど。冒険から帰ってきてから、この屋敷の掃除は辛いかな。どっちにしても管理できる人が欲しいね」

「そうなったら、屋敷ではマルクは旦那様って呼ばれるのかな?なんか変!」

「う、うるさい。シオンはすぐ僕の事をからかうんだからな!」

「あはははは!」

 マルクは、シオンの事を広い屋敷の中を追いかけて苦笑いを浮かべていた。
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