役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第2章 役に立つスキル

21話 壊滅するオーク

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 オークは、その帝国の大きさを拡大していき、とうとう溢れ出した。
 王国騎士団が、敗れてたった一ヶ月後の事だった。リーランの町では対応策が出せず、いまだに会議を開き頭を悩ませていただけだった。
 王国には、ラインハルト達がオークに負けたという報告はされ援軍はすでに、リーランの町に待機されていたが対策もなしに討伐はできないので、リーランの町には王国騎士団が滞在する形だった。
 そして、斥候部隊がオーク帝国を見張りをするだけであった。

「ま、不味い!とうとうスタンピードが始まってしまった!」

 偵察部隊は、顔を真っ青にしてその場を離れたのだ。そして、半日後リーランの町にオークが溢れたと報告された。

「団長ぉ~~~~~~!大変です!」

「どうした?」

「オーク帝国が、とうとうスタンピードを起こしました!」

「こんなに早くだと!予想ではまだ一ヶ月は大丈夫だったはずじゃないのか?」

「それが、一気にオークの数が増えた感じで!」

「それでオークはこちらへ向かっているのか?だいたい、どれ程のスピードで向かっている?」

「それが、スタンピードが始まってから東に向かったのですが!」

「当然だ!スタンピードはなぜか人が多い場所に向かうからな。バッハ様、すぐに応戦の準備を!」

「そ、そうだな!」

「ちょっと待って下さい。オークの集団は東にあるこのリーランの町に来ておりません!」

「どういう事だ?」

「はい、いきなり進路を南に変え、海に向かっています。しかし、南には小さな村がひとつあったはずです」

「まさか、その村は元エターナルが移り澄んでいる村か?」

 ギルドマスターが、身を乗り出して怒鳴った。

「そこまではわかりませんが・・・・・・」

「その村はどうなった?」

 バッハは、重苦しい雰囲気で偵察部隊の人間に尋ねた。

「これは1日前の事です。おそらくすでにオークの集団は村を襲ってこちらに向かっているかと!」   
「そ、そうか・・・・・・」

 バッハは、重苦しい雰囲気を絶ちきるように防衛の準備を指示した。その頃、マルク達の村では見張り台から、スタンピードの砂煙が見えた。

「た、大変だ!遠くにオークの群れが!すぐに城門を閉じるんだ!」

 村の中はパニックが起きて、村長がみんなを落ち着かせていた。子供達は村の小さな教会に集められて、地下の牢屋に入れられていた。
 この場所が村では一番強固な場所だったからである。

「お母さん、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫だから・・・・・・町はあんなに高い城壁で守られているからね」

 子供達を安心させる為に、母親は子供に大丈夫と震えながら抱きしめていた。
 村の用心棒達や男達は城壁の上に立ち、オークが登って来たときのために、岩を落とす準備をしていた。

「マルク、本当に大丈夫なの?」

「シオンは村の警備をよろしく頼むよ。やっぱり王国騎士団は敗北したみたいだしね。今まで防衛の準備をしていて良かったよ」

 城壁の周りの堀の幅は10メートルに増やし、近くの川の水を引いていた。城門はつり橋を設置して今はその橋も上げて、360度川の水で囲まれていた。食べ物も木の実や魚を取りボアや狼を狩り一ヶ月はもつようにしていた。

「じゃあ行ってくる」

「マルク気をつけてね」

 シオンが、マルクに声をかけると、デビット達村の用心棒も声援を送っていた。

「マルク!お前一人に任せてすまない・・・・・・」

「父さん、オークが少しは突破するかもしれないから、その時はよろしく頼むよ」

「ああ!わかった」

 マルクは、フェニックスウィングと唱えると、背中に炎の翼が生え宙に浮いた。
 そして、オークの群れの方にものすごいスピードで飛んでいった。

「ったく、こんなにも増えて後方が見えないじゃあないか!」

 マルクは、上空からオークの集団を見下ろし魔法を唱えた。

「メテオ!」

 マルクは、村に攻め入ろうとするオークの群れに火属性魔法の禁忌とも言える極大魔法を撃ち込んだのだ。
 村からでもはっきりわかるほど、大きな火の玉がオークに降り注いだ。

メテオ
 火属性魔法(S)レベル50で使用可能。
天空から炎の玉を降らせ、広範囲に極大ダメ 
ージを与える魔法。
効果範囲 レベル×半径10メートル
ダメージ (知力×20)レベル
対象   火の玉レベル10ごと個数

 つまりマルクの場合、5発の火の玉が降り注ぎ、一発のダメージは500万というとんでもないものだった。
 マルクがオークが突破したらよろしくと言っていたが、突破できるオークなどいなかったは言うまでもなかった。

「何、あれ?いったい何が起こったの?」
「ステラ!マルクがやったんだ!俺達の息子はとんでもない実力者だ!」
「あなた!あの魔法はいったいなんなの?」
「マルクが言うにはメテオというそうだ」
「あんな凄い威力の魔法が存在するの?」
「いや、あれはマルクのオリジナルだそうだ」

 ステラは、デビットの説明に訳がわからなかったのだ。しかし、城壁の上から見たものは、オークが一瞬で吹き飛ぶ光景だった。
 その様子に、村から歓声があがっていた。


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