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第2章 役に立つスキル
20話 緊急会議
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リーランの町に絶望という不安が蔓延した。冒険者ギルドでも、この事が話題で持ちきりだった。
「なぁ?」
「なんだよ。つまらない事を言うなよ?」
「いや違うんだ。暁月の明星があの時、取り返しのつかない事になると、ギルドマスターに訴えていたじゃねぇか」
「そういやそうだったな」
「マルクの言う通りになっちまって、この先どうなるんだ?」
「だから不安になるようなこと言うなよ!それをどうするか、領主様も交えて今会議がひらかれているんじゃないか?」
「でもよう・・・・・・王国騎士団が敗北した相手に、どんな作戦があるんだよ」
「だから、それを話し合ってんじゃねぇか!」
冒険者達も、不安でいっぱいだった。今や頼みの綱である王国騎士団は2000人足らずと壊滅状態で、最初に向かった500人ほどの戦力しかなかった。
反対に、オークは新種に加えてキングが何十匹もいて、エンペラーは姿も見せていない状況であり、勝ち目など普通に考えてもなかった。
「俺は、無駄死にはしたくないぞ」
「俺だってしたくねぇよ」
「でも、あの時暁月の明星の言う通りにみんなで攻め入ってたら勝てたのかな?」
「今さらそんなもしの話をしてもしょうがないじゃないか?あの時、あの場にいた全員で撤退をきめたんだぜ?お前もそうだったじゃねぇか」
「それはそうだけどよう」
「だったら、今はギルドマスター達を信じるしかないだろうが!」
しかし、ギルドの会議室ではラインハルトを初め全員が頭をかかえていた。
ラインハルトの説明では、あの新種のオークをなんとかしないと、何をやっても無駄に終わると説明していたのだが、突破口が見つからなかったのだ。
「ラインハルト殿、その白目はどのようなオークなのだ。それがわからねば対策も何もないであろう」
「バッハ伯爵様それはそうなのですが、本当に何も分からないのです。しかも、対スタンピード兵器が何故破られたかも・・・・・・」
「それは、オークの集落がぬかるみになっていたからであろう?」
「それはそうなのですが、オークの集落のみです。他の場所は硬い地面でした。そして、あのオーク達はぬかるみに対応して水捌けのあるブーツまで用意していたんです」
「オークが、道具を使ったというのかね?」
「ええ・・・・・・事前に知っていたかのようにです」
「まさか!そんなことがあり得るのか?」
「私には理解できませんでした。部下達には、申し訳ないですが私が生き残れたのはただ運が良かっただけでした」
ラインハルトの説明に、会議室は重い雰囲気につつまれて、誰も対応策が出てこなかった。
「俺があの時、マルクの言葉をもっと重く聞いておればこんなことには・・・・・・」
「ギルドマスターのせいではありません!」
「そうですよ!あの時、あの場にいた全員で決めたことです」
「しかし、マルクの言う通りになってしまった。あいつは、その後も自分達のせいにしないでくれとも言ったんだ」
「そりゃ誰でも言いますよ」
「しかし、そう言うという事は取り返しのつかない事になるとわかっていたからだ。あの時に突入していたらオークの新種が生まれることもなかったかもしれない」
「ギルドマスター、あなたのせいじゃない!」
「バッハ様・・・・・・しかし!」
「タラレバの話をしてもしょうがないであろう。ギルドマスターの判断は間違ってない!マザーやエンペラーがいるとわかったのなら、この案件は国をあげて討伐するものだろう?」
「ですが・・・・・・」
「じゃあ反対に聞くが、ラインハルト殿が率いる騎士団が敗北した相手に、500足らずの冒険者達と儂の兵士だけで相手に出来たのかね?」
「うっ」
「普通に考えて無理じゃろ?だったら、君の判断は間違っておらん。わかったな?」
バッハ伯爵は、ギルドマスターが責任を思い詰めないように、ギルドマスターのせいじゃないとハッキリした口調で言ったのだ。
ラインハルト達が悩んでいた、オーク達が事前にこちらの戦略がわかっていた感じというのが、サイキックオークの恐ろしいところだった。
サイキックオークの能力は未来予知である。つまり、ラインハルト達が対スタンピード兵器を使う事がわかっていたのだ。
玉の中にエクスプロージョンが詰められていて、ガラスが割れなければ意味がない事さえばれていたのだ。
そして、言う事を聞かなかったオークの頭を吹き飛ばしたのは、オークの欲望を膨れあげた精神攻撃である。負のエネルギーを受け止め、それを脳に直接たたき込んだのである。その負のエネルギーに耐えきれず頭が弾けとんだのだった。
そして、あの軍隊を退けたオークの集団が遂に、その勢力を拡大しようとしていたのだ。
「なぁ?」
「なんだよ。つまらない事を言うなよ?」
「いや違うんだ。暁月の明星があの時、取り返しのつかない事になると、ギルドマスターに訴えていたじゃねぇか」
「そういやそうだったな」
「マルクの言う通りになっちまって、この先どうなるんだ?」
「だから不安になるようなこと言うなよ!それをどうするか、領主様も交えて今会議がひらかれているんじゃないか?」
「でもよう・・・・・・王国騎士団が敗北した相手に、どんな作戦があるんだよ」
「だから、それを話し合ってんじゃねぇか!」
冒険者達も、不安でいっぱいだった。今や頼みの綱である王国騎士団は2000人足らずと壊滅状態で、最初に向かった500人ほどの戦力しかなかった。
反対に、オークは新種に加えてキングが何十匹もいて、エンペラーは姿も見せていない状況であり、勝ち目など普通に考えてもなかった。
「俺は、無駄死にはしたくないぞ」
「俺だってしたくねぇよ」
「でも、あの時暁月の明星の言う通りにみんなで攻め入ってたら勝てたのかな?」
「今さらそんなもしの話をしてもしょうがないじゃないか?あの時、あの場にいた全員で撤退をきめたんだぜ?お前もそうだったじゃねぇか」
「それはそうだけどよう」
「だったら、今はギルドマスター達を信じるしかないだろうが!」
しかし、ギルドの会議室ではラインハルトを初め全員が頭をかかえていた。
ラインハルトの説明では、あの新種のオークをなんとかしないと、何をやっても無駄に終わると説明していたのだが、突破口が見つからなかったのだ。
「ラインハルト殿、その白目はどのようなオークなのだ。それがわからねば対策も何もないであろう」
「バッハ伯爵様それはそうなのですが、本当に何も分からないのです。しかも、対スタンピード兵器が何故破られたかも・・・・・・」
「それは、オークの集落がぬかるみになっていたからであろう?」
「それはそうなのですが、オークの集落のみです。他の場所は硬い地面でした。そして、あのオーク達はぬかるみに対応して水捌けのあるブーツまで用意していたんです」
「オークが、道具を使ったというのかね?」
「ええ・・・・・・事前に知っていたかのようにです」
「まさか!そんなことがあり得るのか?」
「私には理解できませんでした。部下達には、申し訳ないですが私が生き残れたのはただ運が良かっただけでした」
ラインハルトの説明に、会議室は重い雰囲気につつまれて、誰も対応策が出てこなかった。
「俺があの時、マルクの言葉をもっと重く聞いておればこんなことには・・・・・・」
「ギルドマスターのせいではありません!」
「そうですよ!あの時、あの場にいた全員で決めたことです」
「しかし、マルクの言う通りになってしまった。あいつは、その後も自分達のせいにしないでくれとも言ったんだ」
「そりゃ誰でも言いますよ」
「しかし、そう言うという事は取り返しのつかない事になるとわかっていたからだ。あの時に突入していたらオークの新種が生まれることもなかったかもしれない」
「ギルドマスター、あなたのせいじゃない!」
「バッハ様・・・・・・しかし!」
「タラレバの話をしてもしょうがないであろう。ギルドマスターの判断は間違ってない!マザーやエンペラーがいるとわかったのなら、この案件は国をあげて討伐するものだろう?」
「ですが・・・・・・」
「じゃあ反対に聞くが、ラインハルト殿が率いる騎士団が敗北した相手に、500足らずの冒険者達と儂の兵士だけで相手に出来たのかね?」
「うっ」
「普通に考えて無理じゃろ?だったら、君の判断は間違っておらん。わかったな?」
バッハ伯爵は、ギルドマスターが責任を思い詰めないように、ギルドマスターのせいじゃないとハッキリした口調で言ったのだ。
ラインハルト達が悩んでいた、オーク達が事前にこちらの戦略がわかっていた感じというのが、サイキックオークの恐ろしいところだった。
サイキックオークの能力は未来予知である。つまり、ラインハルト達が対スタンピード兵器を使う事がわかっていたのだ。
玉の中にエクスプロージョンが詰められていて、ガラスが割れなければ意味がない事さえばれていたのだ。
そして、言う事を聞かなかったオークの頭を吹き飛ばしたのは、オークの欲望を膨れあげた精神攻撃である。負のエネルギーを受け止め、それを脳に直接たたき込んだのである。その負のエネルギーに耐えきれず頭が弾けとんだのだった。
そして、あの軍隊を退けたオークの集団が遂に、その勢力を拡大しようとしていたのだ。
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