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39話 オウカの蘇生
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兵舎で、闇ギルドの人間を提出したクロスは兵士に感謝されていた。
「本当にあなたはたいしたものだ!闇ギルドを壊滅させてしまうだなんて。これで町には平穏が訪れるだろう」
「俺は、あいつ等が許せなかっただけだ。町の事とか考えていない。それは領主様が考えたらいいんだからな」
「まあ、それは人それぞれだ。君達が冒険者であって、自由に行動するものだというのは、こちらも分かっているしな。その上で利害が一致しただけのことだよ」
「まあ、そういうことだ」
「しかし、後日領主のドーレン様から呼び出しがあるだろう。それには、ちゃんと答えてもらう必要はあるから準備はしておいてくれ」
「わかりました」
クロスはそれだけ答えて、急いで家に帰宅した。急いで帰宅した理由はオウカの復活の為である。クロスは、すぐさま家の戸締りをして結界を張った。これは外に情報がもれないよう配慮したものだ。
マークとアリーナには、必ずオウカは大丈夫だと言っているので、当分の間はしゃべらないだろうと、クロスは思っていた。その間に、オウカが復活すれば二人はオウカが死んだと言っても、誰も信じないだろうと思ったからだ。
クロスは、保管庫からオウカの遺体を出し、自分の部屋のベットに寝かせた。
そして、クロスはオウカに【レザレクション】を唱えた。死者蘇生の魔法である。この世には無い魔法で、聖属性魔法6レベルだから使える魔法だ。
成功確率は本来30%もないのだが、術者のステータスが関係してくる。そのステータスは、術者の知力と運である。
「目覚めよオウカ。レザレクション」
オウカの身体が、光り輝きその光が収まると、オウカの頬が赤みを差しその鼓動が動き始めたのだ。
そして、オウカの目蓋がゆっくり開いたのだった。
「オウカ……よかった!」
目を覚ましたオウカに、クロスは勢いよく抱きついたのだった。
「な、なに?クロスどうしたの?」
オウカは、いきなりクロスに抱きしめられ、状況が把握できなかった。そして、アタフタしながら顔が真っ赤になっていた。
「オウカ、君は一回死んだんだ」
「えっ?」
「どこまで、覚えている?」
「あっ!そういえば、マークとアリーナはどうしたの?」
「あの二人なら大丈夫だ。ちゃんと孤児院に送り届けたよ。で、どこまで覚えている?」
「クロスが、ガナッシュ達を……うーん……そうだわ!地下牢から出されようとした時、背中に痛みが走って気絶した……」
「ああ……最初から、地下牢にアサシンが潜んでいたんだよ。だから、結界内に初めから敵が潜んでいて、油断したとこにオウカはやられてしまった」
「まさか……そんな事に……」
「アサシンの毒には耐えられなくて、オウカは死んでしまった。そして、今俺が蘇生したって訳だ」
「そうだったの?……クロスありがとね。いつも、足手纏いになっちゃってごめん……」
「謝らなくていいよ。俺の方こそ悪かった」
「何でクロスが謝るのよ」
「ガナッシュ達は俺に恨みを持っていた。もっと注意していれば、こんな事にならなかったからな。本当に俺は駄目な奴だ……本当にごめん」
「違うよ!クロスは悪くない。あたしが敵の罠に飛び込んだんだ。本当ならクロスに連絡するなり、ギルドに報告するなり、手はいくらでもあった」
「それは、無理だろ……オウカにとって孤児院の子供を人質に取られたんだ。冷静にいろという方が無理だ」
「で、でも……」
「今回も俺の油断が招いた事だ。まだまだ、色んなことを経験しないと、一流の冒険者には程遠い事が分かったよ」
「クロスが、一流の冒険者じゃない?馬鹿な事を言わないでよ。クロスが一流じゃなかったら、あたし達は3流以下になるわ。ギルドマスターも同様にね」
「……」
オウカは、クロスの言ったことを全力で否定したのだった。そして、自分を蘇生してくれたことに感謝したのだった。そして、オウカはクロスに抱きついたのだった。
「クロスは、英雄だよ。町の英雄じゃなくあたしの……」
「お、おい……」
オウカは、クロスに近づきキスをしたのだった。クロスはオウカの行動に目を見開き驚いた。しかし、ゆっくり目を閉じてオウカを抱きしめた。
クロスは、この大事な人をうしなわなくて本当に良かったと、オウカのぬくもりを感じていた。そして、そのまま次の日の朝を迎えたのだった。
クロスは、陽の光が顔にあたり、ゆっくり目を覚ました。横には、愛おしい大切な人の寝顔があり、思わず微笑んでしまった。クロスは、オウカの寝顔を見つめていると、オウカもゆっくり目を覚ました。
「おはよう」
オウカは、昨日の事を思い出し、顔を真っ赤にしてシーツにくるまってしまった。オウカは、くるまったシーツから顔だけを出してこちらを見た。
「おはよ」
そんなオウカを見て、クロスはニコニコしてこんな幸せな事はないと噛みしめていた。そして、オウカはシーツを体に巻き、部屋から出て行ってしまった。
「クロス~朝ご飯出来たよ」
「ああ、ありがとな。すぐに行く」
クロスが、顔を洗っていた時オウカが朝ご飯を作ってくれて、呼びに来てくれた。 そして、オウカは朝食を食べながら、これからの事を話し始めた。
「ねえ、クロス?これからどうすればいい?」
「どうすればとは、どういうことだ?」
「えっ?」
「えっ?何か不安な事でもあるのか?あ、そうそう、マークとアリーナにはオウカが死んだことは黙ってもらっているから、顔を見せにやってくれ。心配してたから喜ぶと思うぞ」
「わかったわ。後で会いに行ってって、そうじゃなくて!」
「何かほかにあるか?」
「ガナッシュ達、闇ギルドの事よ!絶対に闇ギルドで問題になっているはずだから、報復を考えているはずよ。それに、孤児院の安全も考えないと!」
クロスは、オウカの説明を聞き、ニヤニヤして笑ったのだった。
「何をニヤニヤしてんのよ。相手は闇ギルドなのよ」
「オウカ、それについてはもう大丈夫だ」
「何でそう言い切れるのよ」
「お前が殺されていた時に、俺が闇ギルドのアジトを壊滅しておいた。もう心配することはないよ」
「はっ?」
クロスの説明にオウカは、食べていたハムエッグを皿に落として固まってしまった。
「そんな風になるのは分かるが、もうこの町に闇ギルドは存在しないよ。だから、孤児院の子供達に脅威が迫る事はないし、俺達もそんな注意しなくて大丈夫だ」
「嘘でしょ⁉いくらクロスが強いと言ったって、相手は闇ギルドなんだよ?それを壊滅させたっていうの?」
「当たり前だ!オウカを殺した奴等をそのままのさばらすほど俺は優しくない!それに、見逃した場合闇ギルドがまた、こちらを襲わないという保証なんかどこにもないだろ?」
「それはそうだけど……本当に闇ギルドを壊滅させたの?」
「ああ。その謝礼として後日、領主様から屋敷に招待されるはずだ」
「えっ⁉領主様の屋敷に招待?クロスが?」
「ああ!闇ギルドマスターの首も提出したからな。報奨金も出るはずだよ。今日はこの後、ギルドに顔を出すつもりだ」
「そ、そうなんだ……」
「たぶん、そこでギルドからランク昇格されるはずだが、俺は辞退しようと思っている」
「なんでよ?」
「そりゃそうだろ。このあいだBランクに上がったばかりだし、今回、オウカをあんな目に合わせたからに決まっているだろ」
「でも、クロスはあたしを蘇生してくれたじゃない」
「当たり前だろ?俺にはオウカが必要だ。これはパーティーの仲間としてじゃなく、人生のパートナーとして必要なんだ。俺はオウカの為ならどんなこともするつもりだよ」
「ク、クロス……」
「だが、俺の実力じゃ……強さと言う意味じゃなく、経験と言う意味で役不足だ。Aランクにはまだ上がれない。だから、辞退しようというのが俺の意見だ」
「わ、わかったわ」
クロスは、オウカにこれからの事やどうするかを説明した。その意見にオウカは納得するしかなかったのだった。
「本当にあなたはたいしたものだ!闇ギルドを壊滅させてしまうだなんて。これで町には平穏が訪れるだろう」
「俺は、あいつ等が許せなかっただけだ。町の事とか考えていない。それは領主様が考えたらいいんだからな」
「まあ、それは人それぞれだ。君達が冒険者であって、自由に行動するものだというのは、こちらも分かっているしな。その上で利害が一致しただけのことだよ」
「まあ、そういうことだ」
「しかし、後日領主のドーレン様から呼び出しがあるだろう。それには、ちゃんと答えてもらう必要はあるから準備はしておいてくれ」
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マークとアリーナには、必ずオウカは大丈夫だと言っているので、当分の間はしゃべらないだろうと、クロスは思っていた。その間に、オウカが復活すれば二人はオウカが死んだと言っても、誰も信じないだろうと思ったからだ。
クロスは、保管庫からオウカの遺体を出し、自分の部屋のベットに寝かせた。
そして、クロスはオウカに【レザレクション】を唱えた。死者蘇生の魔法である。この世には無い魔法で、聖属性魔法6レベルだから使える魔法だ。
成功確率は本来30%もないのだが、術者のステータスが関係してくる。そのステータスは、術者の知力と運である。
「目覚めよオウカ。レザレクション」
オウカの身体が、光り輝きその光が収まると、オウカの頬が赤みを差しその鼓動が動き始めたのだ。
そして、オウカの目蓋がゆっくり開いたのだった。
「オウカ……よかった!」
目を覚ましたオウカに、クロスは勢いよく抱きついたのだった。
「な、なに?クロスどうしたの?」
オウカは、いきなりクロスに抱きしめられ、状況が把握できなかった。そして、アタフタしながら顔が真っ赤になっていた。
「オウカ、君は一回死んだんだ」
「えっ?」
「どこまで、覚えている?」
「あっ!そういえば、マークとアリーナはどうしたの?」
「あの二人なら大丈夫だ。ちゃんと孤児院に送り届けたよ。で、どこまで覚えている?」
「クロスが、ガナッシュ達を……うーん……そうだわ!地下牢から出されようとした時、背中に痛みが走って気絶した……」
「ああ……最初から、地下牢にアサシンが潜んでいたんだよ。だから、結界内に初めから敵が潜んでいて、油断したとこにオウカはやられてしまった」
「まさか……そんな事に……」
「アサシンの毒には耐えられなくて、オウカは死んでしまった。そして、今俺が蘇生したって訳だ」
「そうだったの?……クロスありがとね。いつも、足手纏いになっちゃってごめん……」
「謝らなくていいよ。俺の方こそ悪かった」
「何でクロスが謝るのよ」
「ガナッシュ達は俺に恨みを持っていた。もっと注意していれば、こんな事にならなかったからな。本当に俺は駄目な奴だ……本当にごめん」
「違うよ!クロスは悪くない。あたしが敵の罠に飛び込んだんだ。本当ならクロスに連絡するなり、ギルドに報告するなり、手はいくらでもあった」
「それは、無理だろ……オウカにとって孤児院の子供を人質に取られたんだ。冷静にいろという方が無理だ」
「で、でも……」
「今回も俺の油断が招いた事だ。まだまだ、色んなことを経験しないと、一流の冒険者には程遠い事が分かったよ」
「クロスが、一流の冒険者じゃない?馬鹿な事を言わないでよ。クロスが一流じゃなかったら、あたし達は3流以下になるわ。ギルドマスターも同様にね」
「……」
オウカは、クロスの言ったことを全力で否定したのだった。そして、自分を蘇生してくれたことに感謝したのだった。そして、オウカはクロスに抱きついたのだった。
「クロスは、英雄だよ。町の英雄じゃなくあたしの……」
「お、おい……」
オウカは、クロスに近づきキスをしたのだった。クロスはオウカの行動に目を見開き驚いた。しかし、ゆっくり目を閉じてオウカを抱きしめた。
クロスは、この大事な人をうしなわなくて本当に良かったと、オウカのぬくもりを感じていた。そして、そのまま次の日の朝を迎えたのだった。
クロスは、陽の光が顔にあたり、ゆっくり目を覚ました。横には、愛おしい大切な人の寝顔があり、思わず微笑んでしまった。クロスは、オウカの寝顔を見つめていると、オウカもゆっくり目を覚ました。
「おはよう」
オウカは、昨日の事を思い出し、顔を真っ赤にしてシーツにくるまってしまった。オウカは、くるまったシーツから顔だけを出してこちらを見た。
「おはよ」
そんなオウカを見て、クロスはニコニコしてこんな幸せな事はないと噛みしめていた。そして、オウカはシーツを体に巻き、部屋から出て行ってしまった。
「クロス~朝ご飯出来たよ」
「ああ、ありがとな。すぐに行く」
クロスが、顔を洗っていた時オウカが朝ご飯を作ってくれて、呼びに来てくれた。 そして、オウカは朝食を食べながら、これからの事を話し始めた。
「ねえ、クロス?これからどうすればいい?」
「どうすればとは、どういうことだ?」
「えっ?」
「えっ?何か不安な事でもあるのか?あ、そうそう、マークとアリーナにはオウカが死んだことは黙ってもらっているから、顔を見せにやってくれ。心配してたから喜ぶと思うぞ」
「わかったわ。後で会いに行ってって、そうじゃなくて!」
「何かほかにあるか?」
「ガナッシュ達、闇ギルドの事よ!絶対に闇ギルドで問題になっているはずだから、報復を考えているはずよ。それに、孤児院の安全も考えないと!」
クロスは、オウカの説明を聞き、ニヤニヤして笑ったのだった。
「何をニヤニヤしてんのよ。相手は闇ギルドなのよ」
「オウカ、それについてはもう大丈夫だ」
「何でそう言い切れるのよ」
「お前が殺されていた時に、俺が闇ギルドのアジトを壊滅しておいた。もう心配することはないよ」
「はっ?」
クロスの説明にオウカは、食べていたハムエッグを皿に落として固まってしまった。
「そんな風になるのは分かるが、もうこの町に闇ギルドは存在しないよ。だから、孤児院の子供達に脅威が迫る事はないし、俺達もそんな注意しなくて大丈夫だ」
「嘘でしょ⁉いくらクロスが強いと言ったって、相手は闇ギルドなんだよ?それを壊滅させたっていうの?」
「当たり前だ!オウカを殺した奴等をそのままのさばらすほど俺は優しくない!それに、見逃した場合闇ギルドがまた、こちらを襲わないという保証なんかどこにもないだろ?」
「それはそうだけど……本当に闇ギルドを壊滅させたの?」
「ああ。その謝礼として後日、領主様から屋敷に招待されるはずだ」
「えっ⁉領主様の屋敷に招待?クロスが?」
「ああ!闇ギルドマスターの首も提出したからな。報奨金も出るはずだよ。今日はこの後、ギルドに顔を出すつもりだ」
「そ、そうなんだ……」
「たぶん、そこでギルドからランク昇格されるはずだが、俺は辞退しようと思っている」
「なんでよ?」
「そりゃそうだろ。このあいだBランクに上がったばかりだし、今回、オウカをあんな目に合わせたからに決まっているだろ」
「でも、クロスはあたしを蘇生してくれたじゃない」
「当たり前だろ?俺にはオウカが必要だ。これはパーティーの仲間としてじゃなく、人生のパートナーとして必要なんだ。俺はオウカの為ならどんなこともするつもりだよ」
「ク、クロス……」
「だが、俺の実力じゃ……強さと言う意味じゃなく、経験と言う意味で役不足だ。Aランクにはまだ上がれない。だから、辞退しようというのが俺の意見だ」
「わ、わかったわ」
クロスは、オウカにこれからの事やどうするかを説明した。その意見にオウカは納得するしかなかったのだった。
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