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25話 クロスとオウカの連携

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 クロスが先行して、ダンジョンに侵入した。これは神眼があり、ダンジョンの罠を簡単に見極めれるためだ。

「クロス?大丈夫なの……」

「ああ、任せておけって」

「本当に感心しちゃうわ。ローグの役もこなせちゃうのね」

「そうじゃないと、ダンジョンに潜る事なんてできないからな」

 クロスは、神眼で罠を発見しローグのスキルが詰まった、斥侯術というスキルで解除をしていくのだった。

「おっ、部屋が見つかったぞ」

「やっとあたしの出番のようね」

「ああ、この階層ならオウカ一人で十分だから頑張ってくれよ」

「任せといて」

 オウカは、先ほど悩んでいたことが嘘のように活発になって、戦闘を行なっていた。その戦闘は、一瞬で片がつき魔物は瞬殺されていくのだった。

「さすがオウカだな」

「オーガ位なら当然だよ。じゃあ、解体の方よろしくね」

「解体は後だ」

「えっ?」

 クロスは無限保管庫を使い、オウカが倒したオーガの死体を全部収納してしまったのだった。

「本当に全部入っちゃうのね。あたしの時空魔法ではこんな事は出来ないわ」

「まあ、いいじゃないか?俺達はいつも一緒だろ?荷物持ちはポーターだった俺の本来の仕事だしな」

「たしかにそうね」

「そういう事。こういう雑用は俺に任せてくれたらいいんだよ」

 クロスは、そう言って次々魔物の死体を収納していき、オウカは魔物を討伐していくのだった。



 そして、あっという間に10階層に着きフィールドエリアにやって来た。

「ここまで来れる冒険者はなかなかいないわね」

「そうだな。こっちに沼地があるから急ごう」

「マーダイスフロッグたくさんいたらいいわね」

「油断するなよ。マーダイスは弱いといっても毒を持っているし、ジャンプ力は半端ないからな」

 マーダイスフロッグはBランクの魔物だが、集団で襲ってくるから厄介で、弱い麻痺系の毒をブレスのように吐き出し、その脚力を使い容赦なく跳びかかってくるのである。そして、動けなくなった獲物を丸飲みしようとするのである。

「いいか?戦闘が始まったら止まるんじゃないぞ?」

「分かっているわ。動きを止めたら、1mはあるカエルに押しつぶされる事になるんだから、いくらなんでも耐えられないわ」

 クロスとオウカは、慎重に沼地に入っていった。そして、沼地の入り口でクロスはオウカと自分に、【ストレングス】【プロテクション】【スピード】【マジック】の魔法をかけドーピングしたのだった。

「な、何ここ?マーダイスが大量発生しているじゃない」

「「「「「ゲコゲコゲコ!」」」」」」

 マーダイスフロッグは、クロス達の足音に一斉に反応し出した。クロスは、【エアカッター】を飛ばし、マーダイスフロッグの首を次々に飛ばした。
 オウカも又、【スラッシュ】を使い剣気を飛ばし、次々に真っ二つにしていくのだった。

「「「「「ゲコゲコゲコゲコ!」」」」」

 二人の周りにいる、マーダイスフロッグは仲間を呼び次々に襲ってきた。オウカはクロスの言う様に、足を止めることなくマーダイスフロッグと距離を取り、ドンドン討伐していくのだった。

 クロスは、オウカに襲い掛かるマーダイスフロッグを、次々に間引いていった。

 しかし、この事でクロスとオウカの連携が整ってきていた。前衛で魔物に囲まれていても、クロスの魔法が魔物をオウカに近づく事が出来ないでいた。
 そして、その魔法をかいくぐる事が出来た魔物だけを、オウカがミスリル製のロングソードで魔物をぶった斬っていくのである。

(さすがクロスね。あたしにマーダイスフロッグが近づけないでいるわ)

 クロスは、オウカの動きを先読みして、オウカに近づくマーダイスフロッグを、魔法で真っ二つにしていくのだ。

 そして、この状態は30分間止まる事はなく、この辺りのマーダイスフロッグは全滅してしまい、沼地はマーダイスフロッグの死体でいっぱいになってしまった。

「ハアハアハア……やっと終わった……」

「オウカご苦労様」

「な、何で……クロ、スは平然と……しているのよ……ハアハア……」

「まあ、オウカと違って動いてないかったからな。まあ、しゃべらず今はゆっくり休んでおけ。俺はマーダイスを収納するから」

「わ、分かった……後はよろしくね」

 クロスは、無限保管庫にドンドン収納し、討伐したマーダイスフロッグを全部保管庫に入れてしまった。

「さあ、沼地から出ようか」

「えぇ……了解……」

 オウカは、クロスの能力に呆気にとられ着いていくのでやっとだった。クロスは、オウカに頼み時空魔法で、結界を張ってもらう事にした。
 これは、【ドーム】を張ってもらい、安全空間を作る事でゆっくり休める魔法である。

「オウカ、俺が見張りに立つから、今日はここでゆっくりしよう」

「それがいいわ。あたしも今日はこれ以上動けないわ。でも、話は変わるけど……あたし達の連携良かったんじゃない?」

「ああ。そうだな!あれなら十分やっていけるだろう」

 二人は、これ以上無理をして上を目指すつもりはなかったので、Bランクの魔物を相手にあれだけできたら十分だった。

 もし、上を目指すのなら信頼のおける人間を見つけないといけなくなり、今のところ二人はその必要性を感じていなかったのだ。

「さてと、俺は見張りと同時に、さっきのマーダイスを解体していく事にするか」

「あたしはゆっくり横になるわ……」

 オウカのドームは、ソロ活動の時から活用し安全性が高かった。一人で野営しても魔物はドーム内には入れなかったし、盗賊も退けていたほどの効果を持っていた。
 クロスが見張ると言ったのは、一応であり心配は全然していなかった。だから、クロスは解体を始めたのだった。

「オウカのドームはホント便利だよな」

「あたしも、時空魔法の適性が無かったら、ソロで活動はしてなかったわ」

「確かに……臨時で組んだパーティーに、よく誘われたんじゃないのか?」

「特に、女性パーティーから誘われたわね」

「納得」

 クロスとオウカは、そんな事を話しながらこの場所で8時間滞在したのだった。


 
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