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20話 ダンジョンの成長
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マサルは、見つかったばかりのダンジョンの管理者になった。ダンジョンオーブは、今まで見つかっていなくて魔力を貯め込み、ゴブリンたちの食糧になる魔物を生み出し、今までこの場所が発見されなかった事で、階層も7階層まで増やしていた。
ダンジョンオーブは、今までダンジョンマスターになってもらえるクリーチャーがいた。マサルのように、この部屋に近づく魔物達であった。つまり迷い込んだゴブリンである。
しかし、知能の低いゴブリンに、ダンジョンマスターになられたら困るのはダンジョンオーブである。そのたびに魔力を放出し威嚇して追っ払っていたというのだ。そして、やっと来た人間が地球育ちのマサルだった。
優しすぎるマサルではいざというとき、躊躇されると困るのでなんとか部屋に入るのを阻止したくて魔力を放出して威嚇していたが、マサル自体女神のおかげでレベルをあり得ないほど高くされていた為、オーブの発した魔力を受け流してしまっていた。
その頃、夕闇のパーティーはダンジョンから脱出し、モーレン村に帰還していた。
「領主様、ただいま戻りました」
「それでどうじゃった!」
領主は立ち上がり報告を聞いた。その姿は金の権化のような目にやらしい光が満ち溢れていた。年齢は60を過ぎていたが、自分の欲望に正直と言ったような風貌でギラギラしていたのだった。
「申し訳ありません……マサルと言う人間は見つかりませんでした」
「なんじゃと!お前達は自分の立場が危ういと思い、嘘を言っているのではあるまいな!」
「いえ……そんな事は……しかし、ダンジョン内には生産者が一人で活動など出来ようもなく、ある場所にマの字の付いたポーション瓶がちらばっていました」
「なんじゃと!」
「そうです……魔物に襲われ消滅したと考えるのが妥当と思われます」
その説明を聞き、領主はガクッと項垂れソファーに腰を下ろした。
「むぐぐぐ!勿体ない事をしたものじゃ……あ奴を生け捕りにして、ポーションを作り続けさしたら莫大な利益を得られたはずなのに……」
領主は、マサルを捕らえポーションを作り続けさせ、中間マージンを得るつもりだった。効果が50%増しのポーションなら少し高くしても、冒険者からの購入が後を絶たないからである。
しかし、その生産者が死んでしまってはどうしようもないのだ。ダンジョンで死んでしまえば、死体も残らずどうしようもないからである。
領主は、それ以上夕闇のメンバーを責める事もせず、町に帰還してしまったのだった。
領主が帰ったあと、村長はルーデンスの様子がおかしかったので、声をかけたのだった。
「ルーデンスよ……マサルの事は気にするでない。これで村も安泰じゃ」
「……」
「お主には辛かったかもしれぬが、領主様に逆らったらそれこそこの村は終わりじゃ」
「いや……そうじゃないんだ」
「何を言っておる?」
「実は俺達は、ダンジョン内でマサルを追い詰めた」
「な、何じゃと?まさかお前達は、マサルを見逃したとでもいうのではなかろうな?」
「そんな事するわけないだろ?マサルには悪いが、俺達は生け捕りするつもりだったさ」
「じゃあ……」
「マサルは、生け捕りされるのを嫌がり、自ら命を絶ったんだよ。深い崖に身を投げた」
「何じゃと……では、本当は依頼は失敗したと申すのか?」
「そういう事だ……だが、あのままでは俺達の責任は重くなり、夕闇も依頼失敗になり信用を無くすから、ダンジョンの魔物にマサルは犠牲になったと証言したんだよ」
「そ、そうか……よくやってくれた。もし正直に話していたら、この村にも責任を取らされていたに違いないはずだったからな……」
「ああ……この事は村長の胸にしまっておいてくれ」
「当たり前じゃ……このまま墓までもっていくよ」
女神の言っていた通り、この世界は貴族で成り立っているのがよくわかる事だった。魔物や盗賊で命が軽い世界ではあるが、町で普通に生活してても悪目立ちすれば、このように利用され搾取されるような世界だった。
それから一か月が経ち、マサルはダンジョンマスターになって、ダンジョンを強化していた。ダンジョンはダンジョンポイント(DP)というもので、強化していくものらしい。
DPは、ダンジョン内の生き物が死んだ場合、ダンジョンに吸収される。その時、その人物のレベルによってDPが変化はあるものの、DPとして加算されていく。
そして、ダンジョンに入って来た生き物がダンジョンに滞在する事でもDPが入る。このときの計算は、一時間当たりその人物のレベルの10%である。
つまり、この世界の人間の平均レベルは30ほどで、その人間がダンジョンで1日活動すれば72DPが手に入るのである。その人物がダンジョンで死亡した場合レベルの100倍のDPが手に入る。
それらのDPを使い、ダンジョンに罠を作ったり魔物を作り出すというというわけだ。ダンジョンオーブが驚いた事は、マサルのレベルの高さである。
ダンジョンマスターのレベルが高ければ、毎日入って来るDPが違ってくる。ダンジョンマスターは、自分のレベルの積極的に上げて行った方がお得なのだ。そのレベルの値がそのまま毎時間入ってくるからである。
「マスターのレベルは凄い高いんですね。毎時間302DPが入ってきます」
「ホントこれは女神様に感謝ですね。まさか僕が、ダンジョンマスターになるとは夢にも思っていなかったでしょうからね」
一ヶ月もすると、オーブはマサルの事をマスターと呼んでいた。そして、その余りあるDPで、急ピッチにダンジョンを強化していくのだった。
一階層は、そのまま使い各部屋に、魔物排出魔法陣を置いた。この魔法陣は低ランクの魔物を1日に5体排出する魔法陣だ。
そして、部屋に前には落とし穴や毒針等のわなを仕掛けたりした。
「私が間違っていました……マスターがダンジョンマスターになってくれて、こんなにも早くダンジョンが強化されるとは……」
「僕も、あの時勇気を出してこの部屋に入ってよかったよ。こんな快適な空間が出来るとは思いもしなかったからね」
オーブの設置された最奥にある部屋は、ベットや本棚が置かれいるのは当然で、調理器具や魔道コンロや地下水からくみ上げる水道まで設置されお風呂まで作られていた。DPを利用すれば何でも手に入り、ポーションを作る最高級の施設まで作っていた。
「これも、マスターのレベルがあり得ないほど高いおかげです。マスターのおかげで、この一ヶ月で侵入者が魔物だけだったのに、DPは21万を超えているのですよ。本来ならこんな事はあり得ません」
「まあ、そのおかげでダンジョンランクはDランクになったもんね。おかげでDランクの魔物設置魔法陣を置けるようになったよ」
ダンジョンには、ランクがあり入手したDPを貯めていく事で、ランクが上がっていく。マサルは1ヶ月で21万という膨大なポイントを貯めたことでDランクの魔物を呼び出せるようになっていた。
ゴブリンやスケルトンとかではなくオークやオーガ等が徘徊するダンジョンへと育っていたのだった。
それからまた、3ヶ月の月日が流れた。
「お、おい!不味い事になったぞ?」
モーレンの村に、出張していた冒険者が血相を変えて帰って来るなり、村の番人をしているルーデンスに訴えてきたのだ。
「なにがあった?まさかまた、ゴブリンの集落ができているというんじゃないだろうな?」
「馬鹿野郎!それならまだよかったかもしれないんだぞ?」
「どういう事だ?」
「この村にダンジョンが出来たと言っていただろ?」
「ああ、出来たばかりのダンジョンだろ?」
「何が出来たばかりだ!中に入ったらブラッディーオーガが徘徊しているじゃないか!」
「ブ、ブラッディーオーガーだと?そんなバカな‼3か月前はまだどんなに強い魔物でも、ゴブリンだけだったはずだぞ?たった3ヶ月でAランクの魔物が出現する訳ないだろうが!」
この3ヶ月でマサルのダンジョンは、総DPが50万を超えて、Cランクと成長していた。これは、ギルドでも想定外の事であり、モーレンの村にギルドを設置するか検討中だったがいまだ結論に至っておらず、出来たばかりのダンジョンなら時間があると思っていたのだった。
現に、今までのダンジョンは1年間放っておいても成長をすることがなかったからだ。夕闇のパーティーも証言があり、こんな事になるとは誰も思っていなかったのだ。
つまり、冒険者ギルドはこんなに近くに二つもギルドを設置する必要はないと結論を出そうとしていた矢先に、今回の事になったのだ。
もし、Aランクの魔物が徘徊するようなダンジョンに成長していたのなら、モーレンの村にもギルドを設置して、マサルのダンジョンも管理していかないと大変な事になるのだ。この地点ではまさかマサルが生きていて、ダンジョンの管理者になっているとは夢にも思ってなかった。
「ルーデンス。本当に3か月前は強くてもゴブリン程度のダンジョンだったのか?」
「ああ!それは本当だ……夕闇も証言をしているし本当の事だよ」
「馬鹿な……あの状態はそんな風に言えるような状態じゃないぞ?」
「どういう事だ?」
「いいか?俺達は、あのダンジョンの定期偵察として派遣されたんだが、何が起こるかわからないから、Aランクの俺達が派遣されたんだ」
「ああ……」
「だが、1階層にブラッディーオーガが出現したんだぞ」
「一階層にか⁉ボスじゃなく、普通にエンカウントしたというのか?」
「ああ。俺達じゃなきゃ、魔物に瞬殺されていたんだ!それに、ダンジョン内には罠の設置もあり得ないほど増えていたんだぞ」
「馬鹿な……俺が入った時は罠など無かったんだぞ?」
ルーデンスも、その報告に驚き何も言う事が出来なかった。1階層にブラッディーオーガが出現したとなれば、普通に考えればボスと言われる魔物は、それより強い魔物が設置されていると考えるのが常識である。
そうなると、1階層のボスはブラッディーオーガと同等か、それ以上の魔物が部屋にいるということになるのだ。
この報告に、モーレンの村には衝撃が走り村長はうろたえるしかなく、調査に来たAランクの冒険者は調査結果をギルドに持って帰っていくしかなかった。
ダンジョンオーブは、今までダンジョンマスターになってもらえるクリーチャーがいた。マサルのように、この部屋に近づく魔物達であった。つまり迷い込んだゴブリンである。
しかし、知能の低いゴブリンに、ダンジョンマスターになられたら困るのはダンジョンオーブである。そのたびに魔力を放出し威嚇して追っ払っていたというのだ。そして、やっと来た人間が地球育ちのマサルだった。
優しすぎるマサルではいざというとき、躊躇されると困るのでなんとか部屋に入るのを阻止したくて魔力を放出して威嚇していたが、マサル自体女神のおかげでレベルをあり得ないほど高くされていた為、オーブの発した魔力を受け流してしまっていた。
その頃、夕闇のパーティーはダンジョンから脱出し、モーレン村に帰還していた。
「領主様、ただいま戻りました」
「それでどうじゃった!」
領主は立ち上がり報告を聞いた。その姿は金の権化のような目にやらしい光が満ち溢れていた。年齢は60を過ぎていたが、自分の欲望に正直と言ったような風貌でギラギラしていたのだった。
「申し訳ありません……マサルと言う人間は見つかりませんでした」
「なんじゃと!お前達は自分の立場が危ういと思い、嘘を言っているのではあるまいな!」
「いえ……そんな事は……しかし、ダンジョン内には生産者が一人で活動など出来ようもなく、ある場所にマの字の付いたポーション瓶がちらばっていました」
「なんじゃと!」
「そうです……魔物に襲われ消滅したと考えるのが妥当と思われます」
その説明を聞き、領主はガクッと項垂れソファーに腰を下ろした。
「むぐぐぐ!勿体ない事をしたものじゃ……あ奴を生け捕りにして、ポーションを作り続けさしたら莫大な利益を得られたはずなのに……」
領主は、マサルを捕らえポーションを作り続けさせ、中間マージンを得るつもりだった。効果が50%増しのポーションなら少し高くしても、冒険者からの購入が後を絶たないからである。
しかし、その生産者が死んでしまってはどうしようもないのだ。ダンジョンで死んでしまえば、死体も残らずどうしようもないからである。
領主は、それ以上夕闇のメンバーを責める事もせず、町に帰還してしまったのだった。
領主が帰ったあと、村長はルーデンスの様子がおかしかったので、声をかけたのだった。
「ルーデンスよ……マサルの事は気にするでない。これで村も安泰じゃ」
「……」
「お主には辛かったかもしれぬが、領主様に逆らったらそれこそこの村は終わりじゃ」
「いや……そうじゃないんだ」
「何を言っておる?」
「実は俺達は、ダンジョン内でマサルを追い詰めた」
「な、何じゃと?まさかお前達は、マサルを見逃したとでもいうのではなかろうな?」
「そんな事するわけないだろ?マサルには悪いが、俺達は生け捕りするつもりだったさ」
「じゃあ……」
「マサルは、生け捕りされるのを嫌がり、自ら命を絶ったんだよ。深い崖に身を投げた」
「何じゃと……では、本当は依頼は失敗したと申すのか?」
「そういう事だ……だが、あのままでは俺達の責任は重くなり、夕闇も依頼失敗になり信用を無くすから、ダンジョンの魔物にマサルは犠牲になったと証言したんだよ」
「そ、そうか……よくやってくれた。もし正直に話していたら、この村にも責任を取らされていたに違いないはずだったからな……」
「ああ……この事は村長の胸にしまっておいてくれ」
「当たり前じゃ……このまま墓までもっていくよ」
女神の言っていた通り、この世界は貴族で成り立っているのがよくわかる事だった。魔物や盗賊で命が軽い世界ではあるが、町で普通に生活してても悪目立ちすれば、このように利用され搾取されるような世界だった。
それから一か月が経ち、マサルはダンジョンマスターになって、ダンジョンを強化していた。ダンジョンはダンジョンポイント(DP)というもので、強化していくものらしい。
DPは、ダンジョン内の生き物が死んだ場合、ダンジョンに吸収される。その時、その人物のレベルによってDPが変化はあるものの、DPとして加算されていく。
そして、ダンジョンに入って来た生き物がダンジョンに滞在する事でもDPが入る。このときの計算は、一時間当たりその人物のレベルの10%である。
つまり、この世界の人間の平均レベルは30ほどで、その人間がダンジョンで1日活動すれば72DPが手に入るのである。その人物がダンジョンで死亡した場合レベルの100倍のDPが手に入る。
それらのDPを使い、ダンジョンに罠を作ったり魔物を作り出すというというわけだ。ダンジョンオーブが驚いた事は、マサルのレベルの高さである。
ダンジョンマスターのレベルが高ければ、毎日入って来るDPが違ってくる。ダンジョンマスターは、自分のレベルの積極的に上げて行った方がお得なのだ。そのレベルの値がそのまま毎時間入ってくるからである。
「マスターのレベルは凄い高いんですね。毎時間302DPが入ってきます」
「ホントこれは女神様に感謝ですね。まさか僕が、ダンジョンマスターになるとは夢にも思っていなかったでしょうからね」
一ヶ月もすると、オーブはマサルの事をマスターと呼んでいた。そして、その余りあるDPで、急ピッチにダンジョンを強化していくのだった。
一階層は、そのまま使い各部屋に、魔物排出魔法陣を置いた。この魔法陣は低ランクの魔物を1日に5体排出する魔法陣だ。
そして、部屋に前には落とし穴や毒針等のわなを仕掛けたりした。
「私が間違っていました……マスターがダンジョンマスターになってくれて、こんなにも早くダンジョンが強化されるとは……」
「僕も、あの時勇気を出してこの部屋に入ってよかったよ。こんな快適な空間が出来るとは思いもしなかったからね」
オーブの設置された最奥にある部屋は、ベットや本棚が置かれいるのは当然で、調理器具や魔道コンロや地下水からくみ上げる水道まで設置されお風呂まで作られていた。DPを利用すれば何でも手に入り、ポーションを作る最高級の施設まで作っていた。
「これも、マスターのレベルがあり得ないほど高いおかげです。マスターのおかげで、この一ヶ月で侵入者が魔物だけだったのに、DPは21万を超えているのですよ。本来ならこんな事はあり得ません」
「まあ、そのおかげでダンジョンランクはDランクになったもんね。おかげでDランクの魔物設置魔法陣を置けるようになったよ」
ダンジョンには、ランクがあり入手したDPを貯めていく事で、ランクが上がっていく。マサルは1ヶ月で21万という膨大なポイントを貯めたことでDランクの魔物を呼び出せるようになっていた。
ゴブリンやスケルトンとかではなくオークやオーガ等が徘徊するダンジョンへと育っていたのだった。
それからまた、3ヶ月の月日が流れた。
「お、おい!不味い事になったぞ?」
モーレンの村に、出張していた冒険者が血相を変えて帰って来るなり、村の番人をしているルーデンスに訴えてきたのだ。
「なにがあった?まさかまた、ゴブリンの集落ができているというんじゃないだろうな?」
「馬鹿野郎!それならまだよかったかもしれないんだぞ?」
「どういう事だ?」
「この村にダンジョンが出来たと言っていただろ?」
「ああ、出来たばかりのダンジョンだろ?」
「何が出来たばかりだ!中に入ったらブラッディーオーガが徘徊しているじゃないか!」
「ブ、ブラッディーオーガーだと?そんなバカな‼3か月前はまだどんなに強い魔物でも、ゴブリンだけだったはずだぞ?たった3ヶ月でAランクの魔物が出現する訳ないだろうが!」
この3ヶ月でマサルのダンジョンは、総DPが50万を超えて、Cランクと成長していた。これは、ギルドでも想定外の事であり、モーレンの村にギルドを設置するか検討中だったがいまだ結論に至っておらず、出来たばかりのダンジョンなら時間があると思っていたのだった。
現に、今までのダンジョンは1年間放っておいても成長をすることがなかったからだ。夕闇のパーティーも証言があり、こんな事になるとは誰も思っていなかったのだ。
つまり、冒険者ギルドはこんなに近くに二つもギルドを設置する必要はないと結論を出そうとしていた矢先に、今回の事になったのだ。
もし、Aランクの魔物が徘徊するようなダンジョンに成長していたのなら、モーレンの村にもギルドを設置して、マサルのダンジョンも管理していかないと大変な事になるのだ。この地点ではまさかマサルが生きていて、ダンジョンの管理者になっているとは夢にも思ってなかった。
「ルーデンス。本当に3か月前は強くてもゴブリン程度のダンジョンだったのか?」
「ああ!それは本当だ……夕闇も証言をしているし本当の事だよ」
「馬鹿な……あの状態はそんな風に言えるような状態じゃないぞ?」
「どういう事だ?」
「いいか?俺達は、あのダンジョンの定期偵察として派遣されたんだが、何が起こるかわからないから、Aランクの俺達が派遣されたんだ」
「ああ……」
「だが、1階層にブラッディーオーガが出現したんだぞ」
「一階層にか⁉ボスじゃなく、普通にエンカウントしたというのか?」
「ああ。俺達じゃなきゃ、魔物に瞬殺されていたんだ!それに、ダンジョン内には罠の設置もあり得ないほど増えていたんだぞ」
「馬鹿な……俺が入った時は罠など無かったんだぞ?」
ルーデンスも、その報告に驚き何も言う事が出来なかった。1階層にブラッディーオーガが出現したとなれば、普通に考えればボスと言われる魔物は、それより強い魔物が設置されていると考えるのが常識である。
そうなると、1階層のボスはブラッディーオーガと同等か、それ以上の魔物が部屋にいるということになるのだ。
この報告に、モーレンの村には衝撃が走り村長はうろたえるしかなく、調査に来たAランクの冒険者は調査結果をギルドに持って帰っていくしかなかった。
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