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6話 まさかの事実
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マサルとソフィアは、自分達の部屋に戻りゆっくりしていた。
「ご主人様……」
「なんだい?」
「あの、本当にこういう事をやられるおつもりですか?」
「ソフィアは嫌なのかい?僕はソフィアが奴隷食を食べている前で、普通の食事なんかできないよ」
「ですが、あんなことをすればご主人様はお金を持っていると言っているのと同じで、悪人に狙われる恐れがあります」
「悪人?」
「そうです。奴隷にまで普通の食事や贅沢なものを与えていると、他人からみると奴隷にお金をかけるほど金を持っているとみなされ悪人に襲われてもおかしくないのです」
「だが、ソフィアは俺の強さを知っているはずだよな?」
「あっ……ですが多勢に無勢で来られた場合……」
「俺は、冒険者になるつもりはないよ?出来たら、町中で商売をしようと思っている」
「えっ?商売ですか?」
「ああ。街中で生活しててもそんなに危ないのか?俺の腕前はゴブリンだが20匹が襲ってきても余裕で何とかできると思うんだけど」
「た、確かにそれなら……でも、用心するに越したことはないかと」
「そんなに、この町は治安が悪いのか?」
「そうは言いませんが、ご主人様はまだ15歳で成人したばかりじゃありませんか?見た目はまだ子供ですし……」
「あっ……」
マサルは、自分が15歳に若返っていることを忘れていた。記憶がある分自分は45歳のおじさんだと思って行動してしまっていた。
「あっ!って、なんですか?ご主人様は……」
「ああ、分かったよ。悪かった。でも、僕はソフィアを奴隷として扱うのは嫌何だ。それだけは分かってほしい」
「それはありがたく思います。しかし……」
「じゃあ、分かったよ。明日もう一人奴隷を、いや仲間を探しに行こう。俺達の護衛役を購入するからさ。それでいいだろ?」
「ご主人様は、そんなお金を持っていらっしゃるのですか?」
「ああ、師匠が一生遊んで生活できるほど持たせてくれた。だから、問題はないよ」
「そ、そうですか……」
「それでだ。これからの行動を話しておきたいんだがいいか?」
「わかりました。それで、ご主人様は何の商売をなさるおつもりですか?」
「僕は、ポーションを売っていこうと思っているんだ」
「はっ?ご主人様は錬金術師だったんですか?」
「言ってなかったっけ?」
「初耳ですよ。だから、そんなに強かったんですか?」
「まあ、確かに師匠も強かったからな」
「で、でも、何でご主人様は山を下りたのですか?」
「そんな不思議そうにする事ないだろ?」
ソフィアは、不思議そうにマサルを見つめた。錬金術師は、町で見る事はまずないのである。ポーションは消耗品だが高値で売買されていて、貴族や権力者が錬金術士を囲おうとするからである。その為、錬金術師は貴族達から逃げるように山奥へと身を隠すように生活をしている。
「ご主人様は、自分の立場を分かっているのですか?」
ソフィアは真剣な目つきで、マサルに訴えたのだ。
「何をそんなに……」
「いいですか、よくお聞きください」
「ご主人様は錬金術師だと私にあかしました。しかし、普通の錬金術師ならまだ町では普通に生活が出来ましょう。いやしかし、それでもこんな町と呼ばれる場所で活動する錬金術師はいません。ご主人様は、魔法の腕も確かでいらっしゃいます」
「まあ、魔法で冒険も出来ると思うよ」
「そういった人間は、魔道錬金術師と言われています。この類の人間は国で管理され自由が無くなるのですよ」
「はっ?どういうこと?自由に生活が出来なくなるって事?」
「はい……自由に出来ていたのは、私が生まれる少し前の頃だったかと思います」
「女性に年齢を聞くのは失礼だがソフィアはの年齢は?」
「150歳です。つまり200年ほど前に、ご主人様のような人間は戦争に繰り出されて、驚異的な能力を発揮したそうです」
「つまり魔法で戦えて、ポーションを使い味方を治せると言う事か?」
「そうです。国や貴族達はご主人様のような人間を欲しがっています。しかし、魔道錬金術師はそういった待遇に嫌気を刺して、200年ほど前に表舞台から姿を隠し、田舎や山奥でひっそり生活していると聞きます」
「……」
「たぶん、ご主人様の師匠と言われるその方もそうだったのでしょう……今、この世界に魔道錬金術師は何人、生き残っているのか分かりませんが、ご主人様は貴重な存在と言う事は間違いないのです」
「あのさ……もう一つ聞いていい?」
「はい。なんなりと……」
「俺、魔道錬金術師じゃないんだよ……」
「えっ?でも、ポーションが作れて魔法で魔物を討伐できるのですよね?」
「なんと言ったらいいのかな。錬金薬師なんだよ」
ソフィアはマサルの説明に固まってしまった。つまり、魔道練金薬師ということになる。そんな人間は聞いたことが無く、マサルの事が知れ渡れば間違いなく国に管理される事になる。
これを聞き、マサルは何でこんな世界に送られる事に疑問を持ったのだ。女神は、自分の事を不憫に思って転移させてくれたはずだからだ。
実は女神もこの事実をしらなかっただけで、200年前に魔道錬金薬師が滅亡していたのだ。女神にとって数百年という時間は一瞬であり、善意な行動が裏目に出たということだ。
「ご主人様……明日もう一度護衛役の奴隷を購入して、町を出たほうがよろしいかと。そして、もっと田舎で自由に生活をするか、冒険者ギルドに加入して、錬金薬師を封印した方がよろしいかと思います」
ソフィアの提案は、冒険者として前衛の奴隷を買って二人で依頼をし続けて生活をするか、本当に片田舎に行き錬金術士として普通のポーションを売って生活をする2択だった」
「わかった、明日この町を出よう」
「分かりました」
マサルは、この世界でも管理されて缶詰状態で、ポーションを作り続けるのは勘弁してほしかったので、田舎に行く事を決意したのだった。
「ご主人様……」
「なんだい?」
「あの、本当にこういう事をやられるおつもりですか?」
「ソフィアは嫌なのかい?僕はソフィアが奴隷食を食べている前で、普通の食事なんかできないよ」
「ですが、あんなことをすればご主人様はお金を持っていると言っているのと同じで、悪人に狙われる恐れがあります」
「悪人?」
「そうです。奴隷にまで普通の食事や贅沢なものを与えていると、他人からみると奴隷にお金をかけるほど金を持っているとみなされ悪人に襲われてもおかしくないのです」
「だが、ソフィアは俺の強さを知っているはずだよな?」
「あっ……ですが多勢に無勢で来られた場合……」
「俺は、冒険者になるつもりはないよ?出来たら、町中で商売をしようと思っている」
「えっ?商売ですか?」
「ああ。街中で生活しててもそんなに危ないのか?俺の腕前はゴブリンだが20匹が襲ってきても余裕で何とかできると思うんだけど」
「た、確かにそれなら……でも、用心するに越したことはないかと」
「そんなに、この町は治安が悪いのか?」
「そうは言いませんが、ご主人様はまだ15歳で成人したばかりじゃありませんか?見た目はまだ子供ですし……」
「あっ……」
マサルは、自分が15歳に若返っていることを忘れていた。記憶がある分自分は45歳のおじさんだと思って行動してしまっていた。
「あっ!って、なんですか?ご主人様は……」
「ああ、分かったよ。悪かった。でも、僕はソフィアを奴隷として扱うのは嫌何だ。それだけは分かってほしい」
「それはありがたく思います。しかし……」
「じゃあ、分かったよ。明日もう一人奴隷を、いや仲間を探しに行こう。俺達の護衛役を購入するからさ。それでいいだろ?」
「ご主人様は、そんなお金を持っていらっしゃるのですか?」
「ああ、師匠が一生遊んで生活できるほど持たせてくれた。だから、問題はないよ」
「そ、そうですか……」
「それでだ。これからの行動を話しておきたいんだがいいか?」
「わかりました。それで、ご主人様は何の商売をなさるおつもりですか?」
「僕は、ポーションを売っていこうと思っているんだ」
「はっ?ご主人様は錬金術師だったんですか?」
「言ってなかったっけ?」
「初耳ですよ。だから、そんなに強かったんですか?」
「まあ、確かに師匠も強かったからな」
「で、でも、何でご主人様は山を下りたのですか?」
「そんな不思議そうにする事ないだろ?」
ソフィアは、不思議そうにマサルを見つめた。錬金術師は、町で見る事はまずないのである。ポーションは消耗品だが高値で売買されていて、貴族や権力者が錬金術士を囲おうとするからである。その為、錬金術師は貴族達から逃げるように山奥へと身を隠すように生活をしている。
「ご主人様は、自分の立場を分かっているのですか?」
ソフィアは真剣な目つきで、マサルに訴えたのだ。
「何をそんなに……」
「いいですか、よくお聞きください」
「ご主人様は錬金術師だと私にあかしました。しかし、普通の錬金術師ならまだ町では普通に生活が出来ましょう。いやしかし、それでもこんな町と呼ばれる場所で活動する錬金術師はいません。ご主人様は、魔法の腕も確かでいらっしゃいます」
「まあ、魔法で冒険も出来ると思うよ」
「そういった人間は、魔道錬金術師と言われています。この類の人間は国で管理され自由が無くなるのですよ」
「はっ?どういうこと?自由に生活が出来なくなるって事?」
「はい……自由に出来ていたのは、私が生まれる少し前の頃だったかと思います」
「女性に年齢を聞くのは失礼だがソフィアはの年齢は?」
「150歳です。つまり200年ほど前に、ご主人様のような人間は戦争に繰り出されて、驚異的な能力を発揮したそうです」
「つまり魔法で戦えて、ポーションを使い味方を治せると言う事か?」
「そうです。国や貴族達はご主人様のような人間を欲しがっています。しかし、魔道錬金術師はそういった待遇に嫌気を刺して、200年ほど前に表舞台から姿を隠し、田舎や山奥でひっそり生活していると聞きます」
「……」
「たぶん、ご主人様の師匠と言われるその方もそうだったのでしょう……今、この世界に魔道錬金術師は何人、生き残っているのか分かりませんが、ご主人様は貴重な存在と言う事は間違いないのです」
「あのさ……もう一つ聞いていい?」
「はい。なんなりと……」
「俺、魔道錬金術師じゃないんだよ……」
「えっ?でも、ポーションが作れて魔法で魔物を討伐できるのですよね?」
「なんと言ったらいいのかな。錬金薬師なんだよ」
ソフィアはマサルの説明に固まってしまった。つまり、魔道練金薬師ということになる。そんな人間は聞いたことが無く、マサルの事が知れ渡れば間違いなく国に管理される事になる。
これを聞き、マサルは何でこんな世界に送られる事に疑問を持ったのだ。女神は、自分の事を不憫に思って転移させてくれたはずだからだ。
実は女神もこの事実をしらなかっただけで、200年前に魔道錬金薬師が滅亡していたのだ。女神にとって数百年という時間は一瞬であり、善意な行動が裏目に出たということだ。
「ご主人様……明日もう一度護衛役の奴隷を購入して、町を出たほうがよろしいかと。そして、もっと田舎で自由に生活をするか、冒険者ギルドに加入して、錬金薬師を封印した方がよろしいかと思います」
ソフィアの提案は、冒険者として前衛の奴隷を買って二人で依頼をし続けて生活をするか、本当に片田舎に行き錬金術士として普通のポーションを売って生活をする2択だった」
「わかった、明日この町を出よう」
「分かりました」
マサルは、この世界でも管理されて缶詰状態で、ポーションを作り続けるのは勘弁してほしかったので、田舎に行く事を決意したのだった。
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