社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
4 / 53

4話 エルフの少女

しおりを挟む
 マサルは、奴隷というものになじみがなかった為、町に着くまで悩みに悩んだ。そして、結局奴隷を一人貰う事にしたのだった。これは、疾風の狼のメンバー達からの助言のようなものがあったからだ。

「マサルってホントどんな生活をしていたんだ?」
「ホントよね。そんな事も分からないんじゃ生活するのに苦労するし、悪い奴に騙されるわよ」
「だから、奴隷をもらったほうがいいんじゃねえ?」
「私達は、これから行く町は通過点だから一緒にいれないわよ?」

「う、うん……確かにそうですね。ガルドさんやっぱり一人譲っていただけますか?」

「そうですか。私もマサルさんにお礼が出来てうれしく思います。手続きは町に着いてからになりますが、どの奴隷をお求めになりますか?」

 マサルは、ガルドに言われて奴隷を見たのだった。マサルはドキドキしたのである。子供の頃やっていたゲームの中の登場人物がそこにいたからだ。
 エルフやドワーフ、竜人等がいて、当然だが獣人も耳がぴょこぴょこして可愛かった。

「マサルさん。もし、情報が欲しいのならこのエルフがお勧めですよ」

 そこには、見たこともない美しいエルフがいた。線が細くて、腕なんかちょっと力を入れたら折れそうだが、絶妙な肉付きをしていて貧相な感じではなく、女性特有の丸みを帯びていたのだった。
 
「こんな人を見て、美しいと思った人間は初めてです」

「マサルさんは本当に変わっていますね……この者達は人間ではありませんよ。亜人を可愛いだなんて!」

「どういう事です?」

「こいつ等は人間じゃない。人間によく似た半端者ですよ」

 マサルは、そう言いのけるガルドに眉をしかめたのだった。

「あ、あの……少しよろしいですか?」

「何ですかな?なんでもお聞きしてください」

「ひょっとして奴隷って、こういった種族の人ばかりで人間はいないのですか?」

「いいや。そんなことはないですよ。人間の奴隷がよろしかったのですか?」

「あっ、いや、そういうわけでは……」

「このエルフにしておきなさいって。知識は何百年と持っているし、家事や身の回りの世話も出来るし、文字の読み書きも出来るから店を持ったとき手伝いも出来るはずですよ」

「そうですか。ではこの女性をよろしくお願いします」

 マサルは少し引っかかったが、ガルドの言う事を聞いた。そして、エルフの女性は、マサルの言う事にびっくりして目を大きくしていたのだった。
 そして、奴隷達はコソコソ話をしていたが、気を止める事もなくオラクールの町に到着したのだった。



 町は高い城壁に囲まれていて、間違いなく異世界に来たことを実感したマサルだった。

「す、すげえ!あんな高い壁みたことないよ」

「マサルさんは、本当に町に来たことが無いのですね。他の町も城壁に囲まれ、このオラクールの町はまだ小さい方ですよ」

「へええ!」

「俺達が向かうのはもっと大きい町だぞ?」

 ランガは、自分の事のようにドヤ顔をして、マサルに自慢してきた。

「これ以上でかいんだ?」

「まあ、マサルも余裕が出来たら一度行ってみたらいいんじゃねえか?」

「ああ!分かったよ」

 旅を一緒にしてきた疾風の狼のメンバーとすっかり打ち解けていた。そして、城門の前にやって来ると、門には兵士が立っていた。

「身分書をいいですか?」

 手慣れた手つきでドンドンさばいていく。しかし、マサルは身分書がないため、兵士に違うとこに連れて行かれそうになった。

「兵士さんちょっと待ってください。このマサルさんは田舎から出てきて、途中私達を救ってくれたのです。身分は私が保証するから待っていただけますか?」

「そんなに焦らなくて大丈夫だ。初めてこの町に来た者には全員こちらに来てもらい、水晶を触ってもらうだけだから」

「水晶?」

「ああ、そうだ。君の身元が分からないからな。善悪を判断してもらう魔道具に触ってほしいだけだよ。君が犯罪者なら水晶は赤く光る。もし、赤く光った場合、町への入場は出来なくなるが、犯罪など犯してないだろ?」

「ええ!そんな事はしていません」

 マサルは自信満々に答えたのだった。そして、当然の事だが水晶は青く光り、犯罪者ではないと証明された。

「そしたら銅貨5枚を支払ってくれるか?町への入場料だ」

 マサルは女神から貰っていた銅貨を5枚支払った。価値としては50円である。マサルは、女神からもらったお金は大量にあり、お店を買えるほどあったと聞いていたので、女神に感謝をしていた。

「マサルさんは、収納箱もお持ちになり鑑定も持っているのですよね?」

「そうですね。師匠から店を開業できると言われていました」

「何の商売をやるかは分からないですが、このエルフにいろいろ聞くといいですよ。アドバイスを貰えますからね」

 そう言われて、マサルは笑顔を見せた。そして、町に入りガルドは【疾風の狼】に護衛料承諾の書類を手渡していた。疾風の狼はこの承諾書を、ギルドにもっていけば換金される仕組みだと言っていた。
 リーダーのハンスは、マサルと会えて命を救ってくれたことを何度もお辞儀してギルドに帰っていた。その時、メンバーの人間にも握手を求められ感謝をされたのだった。

 そして、マサルはガルドと共に奴隷商会に向かったのだった。

「あのガルドさん?気になる事があるのですがよろしいですか?」

「ああ。構いませんよ。なにが聞きたいのですか?」

「奴隷の事です」

「何が知りたいのですか?」

「奴隷の扱いの事ですよ。聞いているとなんか引っかかるんですよね?」

 ガルドは、奴隷の事を説明し出した。

「それでは、基本の所から説明しますが、まず部屋に入りゆっくりしましょう」



特別奴隷
 貴族が没落したり、誘拐で攫われた子供達が救われた時ここに分類される
事になる。金額の天井が無いほど高価。

借金奴隷
 暮らしに困り借金が返せなかったり、口減らしで子供達を売りに出す事で
堕ちた奴隷。値段はピンからキリまで。

戦争奴隷
 敗戦した国で戦闘に参加していた奴隷。護衛に購入される奴隷。
値段は実力に左右される為高価。

犯罪奴隷
 犯罪で囚われた奴隷。使いつぶす目的で購入される。その為安価。



「種類としてはこんな所ですね」

「奴隷に堕ちると奴隷からは解放とかはないのですか?」

「まあ、そんな事をする主人がいたら見てみたいものですね。奴隷とは所有物です。要は、その人間の財産ですからね」

「な、なるほど……」

「ですが、奴隷といっても犯罪奴隷以外は、ご飯は1日2食は貰えるし飢える事はないですしね。服だって最低限の物は用意してあげてください。まあ、これは主人その人にお任せしている事で絶対ではないのですがね……」

「な、なるほど……」

「それに、奴隷とは隷属魔法で契約を結びます。その為、奴隷は主人の言う事に絶対服従ですが、自殺しろとか殺害の命令は出来ません。これは、犯罪奴隷に対しても有効です」

「分かりました」

 マサルは、一通りの説明を受けて安心したところもあった。エルフや獣人が人間に虐待されているのではないかと思っていたのだった。しかし、そんなことはなくガルドの店が、エルフやドワーフ達亜人が専門の店だったのだ。

 つまり、何の不正もなく国から正規に認められた店だった。エルフがいる国でも、借金を背負ったエルフや獣人は例外なく奴隷として売られていると聞いたので安心したのだった。

「それで、納得いきましたか?」

「あっ、はい!納得いきました」

「それで、馬車の中にいたこのエルフでよろしいですか?」

「はい!この娘でよろしくお願いします」

 マサルは、このエルフを気に入っていた。こんな美女が近くにいて、色んなサポートをしてくれると思いワクワクして、契約を結んだのだった。




しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

私はただ自由に空を飛びたいだけなのに!

hennmiasako
ファンタジー
異世界の田舎の孤児院でごく普通の平民の孤児の女の子として生きていたルリエラは、5歳のときに木から落ちて頭を打ち前世の記憶を見てしまった。 ルリエラの前世の彼女は日本人で、病弱でベッドから降りて自由に動き回る事すら出来ず、ただ窓の向こうの空ばかりの見ていた。そんな彼女の願いは「自由に空を飛びたい」だった。でも、魔法も超能力も無い世界ではそんな願いは叶わず、彼女は事故で転落死した。 魔法も超能力も無い世界だけど、それに似た「理術」という不思議な能力が存在する世界。専門知識が必要だけど、前世の彼女の記憶を使って、独学で「理術」を使い、空を自由に飛ぶ夢を叶えようと人知れず努力することにしたルリエラ。 ただの個人的な趣味として空を自由に飛びたいだけなのに、なぜかいろいろと問題が発生して、なかなか自由に空を飛べない主人公が空を自由に飛ぶためにいろいろがんばるお話です。

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

母を訪ねて十万里

サクラ近衛将監
ファンタジー
 エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。  この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。  概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。

転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー

芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。    42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。   下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。  約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。  それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。  一話当たりは短いです。  通勤通学の合間などにどうぞ。  あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。 完結しました。

処理中です...