異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

文字の大きさ
上 下
613 / 619
第10章 Freedom国、経済の中心へ!

160話 魔石

しおりを挟む
 ケンジは、世界地図で大麻草をサーチした。すると、Freedom国領に自生している位置が表示されたのである。
 このように、表示はされるが採取されれば表示はされなくなり、誰かが摘み取った事になるが、ケンジが24時間見張る訳にはいかない。それに、魔物が食したのかもしれないのだ。その為、ケンジはその広範囲を見張る虫型ゴーレムを製作することに決めたのだ。

「うーん……」

「主殿どうかしたのか?」

「ダンギ聞いてくれ。この虫型ゴーレムなんだが、自力で飛べるようにしたいんだよ。どうすればいいと思う?」

「それを俺に聞くのか?」

「何か思いついた事でもいいんだが、何かアドバイスはないか?」

「まあ、言ってみたらゴーレムのエネルギーは魔石の分量を増やさないといけないんだろ?大きくするしかないんじゃないか?神鋼魔石を使うんだろ?」

「そうなんだが、吸収できるものが無いんだよな……エネルギーは魔石で動かすんだが……」

「じゃあ、イチカ達もそうなのか?」

「ああ、そうだよ動力源は魔石だよ」

「じゃあ、イチカ達のどこの神鋼魔石を使っているんだ?」

「神鋼魔石はスキルや経験値や記憶等にだな。経験を吸収というか経験をする事でスキルが上がるようにしていくんだよ。要は成長する為に神鋼魔石を使っているんだ」

「なるほどなぁたいしたもんだ。俺には聞いてもよくわからんが凄いものだ。だが、やっぱり神鋼魔石が鍵になるんじゃないのか?」

「だよな……」

「それか、動力源である魔石を大きくするしかないんじゃないのか?」

「大きくしたら、目立つから偵察に向かないんだよ」

「確かに、でっかい虫が羽音をたてて飛んでいたら警戒するわな……」

「だろ?そうならない為にも、今までのような大きさじゃないと駄目なんだよ」

「すまんな……俺には専門外だ。魔法部隊に聞いてみたらどうだ?」

「な、なるほど。確かにそうだな」

 ケンジは、鳳凰騎士団魔法部隊に顔を出したのである。すると魔法士団長が慌てたのだった

「ケ、ケンジ様!こんなところにわざわざ来てくださり、何か用があれば呼んでいただければ……」

「いや、俺が用事があったから気にするな」

「そ、それでこんなとこに何か用事が?」

「ちょっと聞きたいんだが、このゴーレムを見てほしいんだが、動力源である魔石を、この大きさのままで動かしたいんだよ」

「いつ見てもすごい技術ですね。我々ではこんな小さくできませんよ。これで録画・録音機能がついているんですよね?」

「ああ、そうだ。だが、現場に持っていく必要があるんだ。これを自力で飛んで行かせたい。すると、どうしても起動時間が足りなさすぎるんだ」

「ちょっと待ってください!たしかFreedom国領に自生している大麻草を見張る為だという事でしたよね?」

「そうだよ」

「そんな大量のエネルギー、魔石を大きくしないと無理ですよ」

「どうしても無理か?」

「私の知識では、とてもじゃありませんがわかりませんね……」

「そっか……」

「申し訳ありません……我々の知識ですとゴーレムを作るとなると、4mの大きさになりその動力源に50cmほどの魔石を使う事になります」

「う、嘘だろ?」

「本当ですよ。それほどまでにケンジ様の技術は凄いモノなのです。言ってみたらこれ以上の改良となると、我々には手の追えないものなのです」


 ケンジは、魔法士団長の説明に目を見開き驚いたのだった。

「それに、ケンジ様……ゴーレムとなると、どちらかといえば魔法士の管轄ではなく、錬金鍛冶士の領域になるのですよ」

「えっ⁉」

「つまりですね。鍛冶士がボディーを作り、動力源は錬金術士となるのです」

「って事は、ダリアの領域になるのか……」

「ですが、ダリアでもその領域に達しているとは思えませんよ」

「そ、そうか……」

「何にしても、ケンジ様の技術が凄いのです。これ以上のものとなるともう一人ケンジ様がいない事には……」

「まあ、魔石の領域が錬金術と言うなら、錬金工房にいってみるよ。時間を取らせて悪かったな」

「お役に立てず申し訳ありませんでした」

 ケンジは、魔法士団を後にして、錬金工房に顔を出した。

「ダリア、いるか?」

「ご主人様、どうかしましたか?」

 ケンジは、ゴーレムの事を説明しダリアにアイデアを求めたのだった。

「ご主人様……それはちょっと……」

「やっぱ無理か?」

「はい……自生する大麻草の場所まで、このゴーレムが自力で飛んでいくなんて、中継地点を置き錬金術士が魔石を入れ替えるしか手はないですよ」

「それじゃあ、意味が無いんだよな……」

「ですよね。それなら、兵士達を常駐させるのと同じになりますものね」

「やっぱり無理か……」

「あの思ったのですが、神鋼魔石で太陽のエネルギーを吸収させることは無理なのですか?」

「それも考えたんだが、大麻草って薬物に使用されるだろ?」

「そうですね。それしか使い道がありませんものね」

「採取する悪い奴は、昼間には採取しないみたいなんだ」

「な、なるほど……太陽が出ていないと充電ができないって事ですか?」

「そういう事だ……」

「やっぱり、魔石を大きくするしかないのでは?」

「それだと偵察にならないだろ?そんな大きな虫が飛んでいたら、悪人もいくら暗くても気づくよ」

 ケンジとダリアは、1時間ほど悩んでいたがいい考えは浮かばなかった。

「申し訳ありません……私にはやはり……」

「そうか……時間を取らせて悪かったな。他の方法を考えてみるよ」

「申し訳ありません……」

 ケンジは、錬金工房を後にしたのだった。ケンジは他の方法を考える為、自分の書斎に戻ることにした。すると、珍しくツバキが、ケンジの書斎にやってきたのだった。

「失礼します」

「お、ツバキどうかしたか?」

「はい。ご主人様が虫型ゴーレムについて、話を聞きまわっていると聞きまして、何か協力が出来ないかと思いまして」

「ありがとうな。お前にまで気を遣わせたみたいだな」

「とんでもございません。それで何をしようとしていたのでしょうか?」

 ケンジはツバキにも、同じ説明をしたのだった。

「なるほど……魔石の持続時間を……」

「そうなんだよ。結局はみんなの意見を聞いたんだが、魔石を大きくするぐらいしか対応策がなくて、別の事を考えなくてはいけなくなったんだ。わざわざ来てくれたのに悪かったな」

「いえ、とんでもありません。しかし私は魔物です。魔物にしか気づかない点もありますよ」

「何かいい案があるのか?」

「ご主人様、魔物にはコアとなる魔石が、体内にあるのはご存知ですよね?」

「そりゃ知ってるさ。こういっては何だが冒険者は魔物の素材として、討伐したら体内の魔石を解体で手に入れるんだからな」

「はい。その通りです。魔物のランクが上がれば、魔石が大きくなりますよね?」

「そうだな」

「では、魔石がどのように成長すると思いますか?」

「そうだな。魔物同士が戦い、勝った方がレベルが上がるからじゃないか?」

「確かにそれも要因の一つでしょう。レベルが上がり魔物は上位種や変異種になり、体内の魔石が大きくなります」

「もっと大きな要因があるのか?」

「ご主人様、魔の森の存在ですよ。ジーフマウンのふもとはどのようになっていますか?」

「あっ!」

「気づきましたか?そうです。魔素の影響が一番の要因です。あの場所はなぜか魔素が濃いのです。その為、強力な魔物の巣窟になっているのですよ」

「な、なるほど!つまりツバキは魔素を利用しろといっているのか」

「はい、そのとおりです」

 ケンジは、ツバキの提案に嬉しくなり、抱きつき感謝したのだった。

「ツバキありがとな!」

「きゃっ!ご、ご主人様!いきなりなにを」

「あっ、悪い……嬉しくてつい……」

「いいですけど、ちょっとびっくりしただけです」

「これで何とかなりそうだ!動力源の魔石を神鋼魔石に変えて、魔素を吸収すれば上手く行くかもしれない」

 ケンジは、ツバキに感謝したのだった。魔素を利用することになんで気づかなかったのか、不思議に思ったほどだった。これは、ツバキだから気づけた事だと思い、ケンジはさっそく新しいゴーレムを開発したのだった。

しおりを挟む
感想 223

あなたにおすすめの小説

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

処理中です...