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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

140話 バーシャス達の判決

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 バーシャスは、100店舗という店舗の売り上げでは満足できないでいた。いずれは、他の町にも進出し貴族の時のように贅沢をしたかったのである。
 その為、バーシャスは他人を犠牲にするという罪悪感など全くなかったのだった。
 
「くははは。次はホープの町の辺りなどが良いだろうな。また売り上げが上がりそうだな」

 バーシャスがそんな事を考えニヤニヤしていたとこに執事の男が、部屋に飛び込んで来た。

「だ、旦那様!」

「何だいきなり。ノックぐらいしないか?無礼者が!」

「そんなことより、一刻も早くここからお逃げください?」

「何を言っておる?ここから逃げろだと?」

 するとそこに、バンと大きな音を立てて扉が開かれたのだった。

「バーシャス!大人しくしろ。違法娼館の罪で逮捕する!」

「なっ⁉」

 バーシャスは、鳳凰騎士団の姿を見て慌てふためきその場所から逃げ出そうとしたが、テーブルの上に置かれている金に気づき両手で抱えた所を、鳳凰騎士団に捕らえられてしまった。

「馬鹿が!こんな時まで欲をかきやがって」

「放せ!この無礼者がわしを誰だと思っておる!」

「まだ自分の立場を自覚できねえのか?お前は元貴族で合って貴族ではない!神妙にしろ!」

「放せ!この無礼者がああああ!」

 同時刻、鳳凰騎士団と衛兵達は違法娼館に突入を開始していた。

「大人しくしろ!」

「な、なんだあ?」

「きゃああああああ!見ないでえええ」

 鳳凰騎士団に突入された事で、客の男達そして、無理やり働かされていた女達は悲鳴を上げて驚いたのだった。

「大人しくしろ!」

「なんなんだよ?」

「ここは違法娼館だ!その取り締まりだ。お前も違法と知って利用していたのだろ?」

「うるせえ!そんな事知った事じゃねえよ」

 男は抵抗したが、兵士に勝てる訳もなく真っ裸で拘束されてしまった。女性達は身体にシーツを巻くことが精一杯で同じく抵抗むなしく捕らわれてしまったのだ。

「私は無理やりここで!」

「言い訳は後で聞く。おとなしくしろ」

「そ、そんな……」

 集金日だけあって、違法娼館は大盛況だった。その中での取り締まりで、客は順番待ち、女達は全員が出勤させられていた。
 責任者は何が起こっていたのか分からなかった。今日の売り上げを持っていき給料をもらえると思っていた矢先、鳳凰騎士団と名のる国の兵士達が流れ込んできて、自分は今床に押さえつけられていたのだった。

「何だ貴様たちは!」

「そんな恰好で活きが良いな?しかしお前達はもう終わりだよ」

「何を言っている?娼館はここだけじゃ……」

「そんなのは当たり前だ。ここだけじゃなく100ヶ所全ての娼館は同じように取しまわれている」

「馬鹿な!Freedom国は全てを把握していたというのか?」

「Freedom国を舐めるな。お前達の、黒幕であるバーシャスも今頃はお前と同じ目に合っているだろうよ」

「……」

 責任者の男は、バーシャスも逮捕された事を知り抵抗するのをやめたのである。

 この事は、町中にすぐ噂として流れてしまった。フリーの町では、この話で持ちきりであった。

「聞いたか?」
「ああ!聞いた聞いた」
「本当に物騒ね。私達も気をつけなきゃね」
「だけど、犠牲になった女の人達は可哀想ね」
「そのあたり、俺は聞いていないんだが何があったんだ?」
「なんでも、ダンナさんが亡くなって生活に困り万引きしていたらしいわよ?」
「それでなんで、違法娼館で働いていたんだよ?」
「万引きが見つかって、それを脅されて働かされていたらしいわよ」
「人の弱みにつけ込んで脅してたのかよ?」
「そうみたい……」

 町中、その噂で持ちきりだった。



 そして、逮捕されたバーシャスと各娼館の責任者達は、罪に問われていたのだった。

「何でわしが逮捕されなきゃならんのだ」

「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」

「だまりなさい!」

「わしはこの町の事を犯罪から救っていたのだぞ?万引きをしていた女達から町を救っていたのだ。感謝こそされこの処遇は間違っておる!」

「静粛に!」

 バーシャス達は、自分は間違っていないとわめき散らしていた。

「バーシャスに判決を言い渡す。違法娼館経営にて脱税。女性達の弱みを握り無理やり働かせたことにより、強要また脅迫罪に処す!」

「ば、馬鹿な!」

「各娼館責任者もまた、強要また脅迫罪に処す!」

 バーシャスには禁固刑30年、責任者達には15年が言い渡されたのだった。財産は没収、追徴課税されてしまい犯罪奴隷と落とされてしまった。

「わし達は、万引きの脅威から町を守っていたのだぞ?こんな判決は無効だ!」

「何を言っておる!万引きから町を守るのはお前達の仕事ではない」

「うっ……だが、実際万引きは商会の間でも問題になっておるではないか?わし達は、それを少しでも減らした功績があるではないか?」

「だからこそ、お前は30年の刑になったのだ。もしそれが無ければ無期懲役だ!」

「なっ⁉」

「それに、お前達のやった犯罪で、どれだけの人間が犠牲になったと思っておる」

「犠牲だと?あの馬鹿な女達は万引きをやって逃げようとした犯罪者ではないか。本来なら犯罪奴隷になっていた人間だぞ?」

「では聞くが、その女性達に巻き込まれ無理心中された子供達になんの罪があった?」

「そ、それは……」

「お前達がやったことは無駄に命を散らせただけだ!犯罪を見つけたのなら何故衛兵に通報しない?確かに、それで親子は離れ離れにはなるが、子供達は命が救われ孤児院で立派に育つではないか?」

「ぐうう……」

「お前達がやったことは、将来無限の可能性のある子供達の夢を壊したことだ!」

 裁判官の言葉を聞き、バーシャス達は何も言えなくて、バーシャス達は衛兵に連れて行かれてしまった。

 そして、バーシャスは30年国の労働をさせられ追徴課税分を返していかないといけないのである。
 もし、返し終わることが出来れば、奴隷商人に犯罪奴隷として売られる事になる。しかし、バーシャスの年齢から考えると30年生きれたら御の字であり、実質終身刑と言っても間違いではなかった。
 各娼館の責任者達は、15年という禁固刑だがその間犯罪者工房で品物を製作し続ける事をさせられ、15年後犯罪奴隷として奴隷商人に二束三文で売られる事になる。
 
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