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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

135話 弱みを握られ

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 マリアンヌは、ケンジの紹介でメイガン商会に働く事ができた。いち早くメイガン商会は国が推奨した制度をしたことにより注目を集めることができ、連日社長のメイガンの所には、他の商会の経営者からの面会が相次いだ。

「メイガンさん、今回の制度はどんな感じでしょうか?」

「今のところは何とも言えないですね。ただ、働きたくとも働けなかった人間がやっと決まった就職先なので、まじめに働いてくれているのは確かですね」

「な、なるほど……」

「それと、我々商会は個人店と違い、各町に展開しているはずです」

「それはそうだな!」

「当然その中には、売り上げの低い店舗もあるはずです」

「ふむふむ……それも当然であろうな」

「そういう店舗で雇った人間は、当然店を盛り立てようと頑張ってくれる人間が必要なのですよ」 

「なるほど!つまり、女性が店を盛り立ててくれるという事ですかな?」

「そういうことです。せっかく決まった就職先が売り上げが低いと、人員整理で縮小されては、どうしてもその対象はその人になるので余計に頑張ってくれるのです。げんにうちの商会では、今まで売り上げの低かった店舗が、急激に売り上げが伸びた実例が出ています」

 メイガンの説明に、盛り上がる他の経営者たちがそこのいたのだ。

「しかし、この制度は国からの協力要請であって、税金が安くなるというものであり、あくまでも自分達で売り上げを上げないといけないので、依存は出来ないという事ですね」

「それはどういうことですか?」

「お子さんをかかえ、今まで働けなかった人間の力を凄い物があります。だからこそ、今までその店になかった考えをいれる事で新しい風を吹かせる事で店は盛り上がりますが、その企画を実行するのはやはり今までその場所で働いてくれていた人材です」

「な、なるほど……バランスが大事という事ですね」

「そういうことです」

 メイガン商会の会議室では、商会の責任者達が集まり会議を盛り上げて、色んな意見を出し合っていたのだった。

 その中にはある問題が浮上していたのだった。それは万引きの問題であった。商会には、いろんな高価なものが置いてあるが、日用品や食材など安価な物も大量に扱っている。

 Freedom国では、人口増加に伴い貧富の差が激しくなっていた為、日々の生活に困り万引きをする人間が増えていることも問題になっていたのだ。

 Freedom店のように、防犯システムがあれば問題はないのだが、それをつける事の出来ない商会も実は多数あるのである。
 当然だがメイガン商会のような、大きな商会なら防犯システムをつける事が出来るが、売り上げの低い商会や個人店になるとつける事は出来ない。日々の生活に困り万引きをする人間がいるが、経営者からするととんでもないことであり死活問題であった。







「おいおい!姉ちゃん、なにやってんだよ」

「あっ……」

「ちょっと、こっちにこいよ」

「ご、ごめ……お金払……」

 万引きした女は、ニヤニヤした男に路地に引っ張られて行ってしまった。

「こ、ここは……」

「姉ちゃん、さっき見たことは黙っていてやる。それより金に困ってあんな事したんだろ?」

「そ、それは……」

 女はピクッと表情が強張った。

「なあ、姉ちゃん。食うに困っているなら仕事を紹介してやろうか?」

「ほ、本当ですか?」

「ああ、姉ちゃんにピッタリの仕事だが、一緒について来てくれるか?」

「し、仕事がもらえるなら!ですけど、小さい子供がいるのですが大丈夫ですか?」 

「ああ、大丈夫だよ。子供に何かあった時は休んでくれて構わねえ。週に一度は、必ず仕事をしてくれたら俺達は何も言わねえよ」

「週に一度?それでは給料が少ないのでは?」

「そりゃ当然少なくなるに決まっている。それなりに働いてくれないとこちらも慈善事業じゃねえんだ。だが、お前さんは子供がいて職が決まらねえんじゃないのか?」

「はい……」

「だったら、これはチャンスととらえて、うちで働くというのはどうだ?」

 女は、男の笑みに恐怖を感じ断ろうとした。

「あの……ちょっと考えさせてもらってもいいでしょうか?」

 女はその場所から逃げようとした。

「ちょっと待てよ。何か大事な事を忘れているんじゃねえか?」

「えっ?」

「もし、この仕事を断るというなら、俺はこれからお前を衛兵に突き出さないといけねえな」

「そ、それだけは!」

 女は、男の言葉に血の気が引いた。ここで衛兵を呼ばれたら自分は逮捕され犯罪奴隷に落とされてしまうからだ。そうなれば、残された自分の子供は野たれ死ぬことになり、一生子供と会えなくなるのだ。

「だったら、俺の言う事を聞くしかねえなあ。一緒に来い!」

 女は男に大人しくついていくしかなかった。連れられた場所は、宿屋のような場所であり、個室ばかりが並んだ場所だった。部屋の中は、ベットが一つだけあり薄暗い間接照明がともっていた。

「ここは……」

「お前が働く場所だよ」

 女は、血の気が引きその場から逃げようと振り向き、出口に向かって走ろうと駆けだしたが、男に腕を取られて逃げ出すことが出来なかった。

「おっと、どこに行くつもりだ?」

「や、やめて!離して!こんな事をするくらいなら!」

「自首するってか?そうなったらどうなる?」

「そ、それは……」

「そう!お前は犯罪奴隷に落とされ、子供とは一生会えなくなり、子供はそのまま野たれ死にだ」

「うう……」

「犯罪奴隷となったお前はどうなるかな?いずれ、ここの仕事と同じように娼館へと売られるのが関の山だ。それでいいのか?」

「だけど!」

「俺はどっちでもいいんだぞ?このまま通報しお前は犯罪奴隷、子供とはこのまま会う事が出来なくなっても」

「……」

「よく考えな!俺の言う事を聞けば、通報はしない。お前は少しの間我慢をすれば、子供と生活が出来て奴隷には落ちない。そればかりか、もう万引きなどしなくても生活が出来るんだぜ?」

「うっ……ゥぅ……」

「それに週一回でいいと言っただろ?そりゃ、もっと多く出ればそれなりには稼げるさ。だけど、週一回でいいんだぜ?楽なもんだろ?」

「ですが……」

「まあ、嫌っていうならいいんだぜ?」

「そ、それだけは!」

「だったら覚悟を決めなよ」

「わ、分かりました……」

 女は遂に陥落してしまった。逃げれるわけもなく、弱みを握られて客を取ることになってしまった。

「じゃあ、ここに承諾書にサインをしな」

「は、はい……」

「フムフム……お前はマリと言うのか?」

「はい……」

「じゃあ、服を脱げ!」

「えっ?」

「え、じゃねえよ。品定めだ。客に提供するんだからな、体に傷とかあったら安くなるし、綺麗だった高くなる当たり前じゃねえか」

「で、でも……」

「つべこべ言わず早く脱げ!それとも通報されたいのか?」

「わ、分かりました」

 マリは、男の言う通り服を脱ぎ、男の前に立った。

「手を下に卸せよ」

 マリは、恥ずかしくて手で胸と局部を隠していた。しかし、男の言う通り手を下に卸し、恥ずかしくて顔を背けたのだった。
 この部屋は、薄暗く間接照明の為陰妖な雰囲気にマリの身体が照らされていた。



 男は、この雰囲気に耐えられなくなり、マリをベットに押し倒した。

「い、いやあああああ!止めてください!」

「うるさい!これも品定めの内で、最初は俺の相手をするのが通例だ」

「そ、そんな!や、やめてください!」

「くっくっくっ、お前はもう逃げれねえよ!逃げたら地の果てまで追い詰めてやるからな!」

 マリは、2時間ほど品定めをされ家に帰された。帰り際に承諾書を見せられ逃げることが出来ないと脅されてしまった。
 帰り際部屋から出ると、自分と同じような女性が何人か、涙を流し帰されていたのだった。


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