異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

119話 裏の顔

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 グドンは、マリアンヌたち3人を屋敷に連れて行き部屋へ案内した。

「ここを使ってくれたらいいよ。ちょっと狭いかもしれないが我慢してくれるとうれしい」

 子供達はベットもあるこの部屋を気に入ったようで、ベットにダイビングしていた。マリアンヌもその姿を見て笑顔になっていた。

「そんな、こんな立派な部屋を用意して頂き、本当にありがとうございます」

「まあ、今夜はゆっくりしてくれ。明日は店舗の方に案内するから、明日から頑張ってほしい」

「は、はい!」

 グドンは、マリアンヌたちの部屋を出て、自分の書斎に向かったのである。

「クックック……いい運び屋が見つかった。これで親分のところに安全にブツを運ぶことが出来る」

「旦那様?あの親子は一体なんですか?」

「ああ!あいつ等は運び屋になってもらう」

「大丈夫なのですか?」

「ああ!前の女はやりたくないと言って反抗してしまったからな……今頃は親分に処分されてしまっているよ」

「あの女は知り合いなのですか?」

「まあ、殆ど接触はなかったんだがな?昔、俺が駆け出しのころ、あの女の旦那と知り合いだったんだ」

「では、その旦那はどうしたのですか?」

「そいつはガダンと言ったんだが、俺がそいつの見習いになったんだが、俺とはそりが合わなくてな……」

 グドンは、師匠であるガダンの愚痴を言い始めた。

「そのガダンと言うのは、呆れるほど真面目で融通が効かない男でな……俺とは正反対の男だったよ。俺が意見したら、それではお客に迷惑が掛かるとかな」

「そんな人間が本当にいたのですか?」

「信じられないが本当の事だ。だから、いつも貧乏でな……俺は早くあの男から独立がしたかったよ。しかし、独立をなかなかさせてくれなくてな……」

「どうしてですか?」

「ガダンが言うには、もっと商売に真摯に向き合えと言われてな……そんなに効率を求めるなとか、結果は必ず後からついてくるとか訳の分からん事ばかり言われて、独立するまでの5年はホント苦痛でしょうがなかった!」

「ですが、これで旦那様が正しいことが証明されたではありませんか」

「そうだよ!お前もよくわかってんじゃねえか!俺は早く独立を果たしここまで店を大きくした。結果が後になってついてくるより今必要なんだよ。ガダンは、綺麗ごとばかり言って、結局は家族に借金こそ残さなかったが、魔物に襲われおっ死じまった。結局は、この世の中正直者が損をする世の中なんだよ」

「旦那様は、あの家族をお助けになるつもりですか?」

「まさか!俺は、そんな優しい人間じゃない。あくまでもあの女は前の女の代わりだ!」

「また、前の女のように拒否したらどうなさるおつもりですか?」

「だからこそ、あのような人間を連れてきたんだよ」

「どういう事でしょうか?」

「あの女はどこにも頼る場所が無い!だからこそ俺は優しい振りをしてこの家に連れてきた。当分あいつ等には優しく接して恩を売るつもりだ。くっくっく」

「な、なるほど!さすが旦那様です!」

「そうと決まれば、採取士達に大麻草の採取を急がせろ!」

「はい!」

 グロンは、表の顔は薬草採取士を束ねる薬草を扱う商人だが、裏の顔は闇の売人だったであった。そして、採取した大麻草を一手に扱う商会に卸す事で、一台で大きな店へと成りあがった人間だったのだ。

 マリアンヌは、一晩休むことが出来て、久しぶりに清々しい朝を迎えたのだ。子供達も笑顔で朝目覚めることが出来て、グドンに感謝したのだった。

「マイク、マリン今日からお母さんは、昨日のおじちゃんの所で一生懸命働くから、この部屋で大人しくしているのよ?」

「「うん!お母ちゃん頑張ってね!」」

 マリアンヌは、子供達に見送られ下の大広間で、グドンが下りてくるのをまった。そして、その日はグドンに店の説明やどの人間の下に就くのか、どういう事を店でやってもらうのかを説明されたのだった。

「なんとなく、仕事の流れは分かってくれたか?」

「はい!」

「それじゃ、あたしは昼からどこが持ち場になりますか?」

「マリアンヌさんは、採取士が採取してきた薬草を処理をしてもらえるか?」

「わかりました」

「分からないことがあったら、周りに先輩がいるからその人に聞いてくれ!みんなもよろしく頼むぞ」

「「「「「はい!」」」」」」

 返事をした従業員はみんな優しく対応してくれて、マリアンヌは良い職場に雇われて安心したのだった。そして、3時になった時、グドンがわざわざマリアンヌに声をかけてきた。

「マリアンヌさん、今日はもう3時になったからあがっていいよ」

「みんなも、マリアンヌさんは小さいお子さんがいるから理解してくれよ」

「「「「「は~い」」」」」」

「それとマリアンヌさんは、部屋に戻る前に書斎に来てもらえるか?」

「はい」

 書斎に入ると、グドンと秘書のような女性がいた。その秘書の女性は、グドンの奴隷だという事はすぐにわかったが、マリアンヌから見ても見惚れるほど綺麗でスタイル抜群の美人であった。

 そして、グドンはマリアンヌに封筒を差し出したのだ。

「こ、これは?」

「さしでがましいとは思ったんだが、マリアンヌさん……手持ちがないだろ?当分の生活費がいると思ってな?」

「あっ、でもそんな……仕事や住む所も用意してもらったのに、生活費までは……」

「いや、上げることが出来たら良かったんだが、うちも経営が厳しいからな。来月の給料から少しづつ返してもらうって事だよ」

「でも……」

「子供も育ち盛りだ。遠慮なく収めてくれ」

 グドンが子供の事を考えてやれと言われ、マリアンヌはたしかに、お金が無ければ、一ヵ月後の給料日まで何も食べれなくなる。
 マリアンヌは、グドンの申し出をありがたく受けることにしたのだった。そして、何度もマリアンヌはグドンに頭を下げて、書斎から退室した。



「グドン様、なぜあのような者にそんな施しを?」

「ああ!もうあの女は逃げることが出来ないからな!その為の楔だよ」

「グドン様……相変らず酷いお方ですね。クスクス」

 秘書の女性も、またグドンの裏の顔を知っている人間だった。

「まあ、お前も俺の物だからな。最初から逃げる事は出来んから何もしないが、裏切ったりするなよ!」

「わたくしはグドン様の奴隷です。Freedom国になって、奴隷解放が当たり前になってきましたが、わたくしは貴方様からの解放を望みません!」

「お前は、俺じゃなくてこれから、はなれられんだけだろ?」

 グドン、秘書の女性に大麻草をチラつかせてニヤニヤしていたのだ。

「本当にひどいお方です。ですが、あなたのそんな性格に引かれるのです」

 大麻草の効き目は初期の段階なら、万能薬で身体から抜けるのだが、重症化するとエリクサーで治すしかなくなるぐらい、強い薬である。
 また、ヒーラーや神官の魔法で治すとなると、高階位魔法のクリアランスである状態異常の治療という事になり、高額治療で国民では普通は払うことが出来ないのだ。

「まあ、口ではなんとでも言えるさ!お前は俺の物だ!絶対に開放などさせん!」

「グドン様?こんな昼間から……」

「うるさい!お前に拒否権などない!大人しく俺に抱かれたらいいんだよ!」

「待ってください!部屋の鍵を……」

「いつだれか入って来るか分からないからドキドキするだろ?なんだこれは?お前も、相当期待していたんじゃないのか?」

 グドンは、その秘書の女性の腰に手をまわし、引き寄せ無理やりキスをして抱き始めた。



 そして、マリアンヌは子供達を連れて、お腹いっぱい食べれるまでは出来なかったが、主食のパンを数個と野菜を買い部屋で調理をして食べることが出来た。
 マリアンヌは、子供達にお腹いっぱい食べさせたかったが、今はこれが精一杯で情けなく思うのだった。しかし、マイクとマリンは笑顔でパンを食べて、今日一日の事を母親に話していた。
  
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