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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
92話 統一国家の新たな問題
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まさか、グランパス王国が滅亡し、ヒューマン国が全て滅亡の道を辿ってしまった。王国領の町の人々は、あわてる事しか出来なかったが、グランパス王国はFreedom国に吸収合併される事になると報せが入り、町の人間は
すぐさま冷静になったのである。
それほどまでに、国民達の意識の中では、他国であるFreedom国の方が安心感があったのである。
「聞いたか?」
「ああ!聞いた聞いた。遂に王国がつぶれたみたいだな?」
「だけど、この町にもすぐに、Freedomの使者が来てくれるらしいぞ」
「だけど、長年この町に住んでいたから名残惜しいな……」
「だけど、Freedomも中規模以下の町のフォローはできないらしいからな。大きな町に移り住んでくれと言う事らしいぞ?」
「俺達からしたらFreedom様様だよな」
「まあ、たしかに俺達だけでは移住が出来ないけど、大きな町に移り住めたら仕事があるらしいからな」
「ああ!」
「とにかく俺達平民に取ったら生活が楽になるらしいのは確からしい」
「早く、使者様が来てほしいな」
元王国領に住む平民達はあり得ない事だが、王国の滅亡を祝福までしていたのだ。
そして、当然だが王国がつぶれたことで慌てたのは貴族達である。
「一体どういうことだ!」
「我々の働き口がないなんてきいてないぞ?」
「そうだ!我々は今まで王国を支えてきたのだ」
「Freedom国で我らも雇ってくれ!」
元王国貴族達に、ムシュダルクが対応していた。
「何度も言いますが、今年人員は採用して内政の仕事はありません。来年採用試験に合格出来たら採用させていただきます」
「そんな試験せずとも大丈夫だ!我々は今まで王国の!」
「大丈夫かどうかはその採用試験で、こちらが決める事で貴方達ではありません」
「ムシュダルクよ。お主は王国では我らより下の階級だったはずじゃ。つまり我らの方が優秀だと言う事じゃ!」
「今はそんな過去の事は関係ありません!」
「なんだと!お主に基本や、色んなイロハを教えたのは我らであるぞ?」
「それらの恩はありますが、いまここでそれは関係のない事です!」
「何じゃと!その恩を今返すのが道理であろう!貴族としての先輩の言う事は素直に!」
「何を言っておられるもですか?このFreedom国に貴族なんて階級などありません。つまり、あなた方も平民と同じ、国民と言う立場です」
「「「「「無礼者が!我らが平民と申すか?」」」」」
「この国では貴族も平民もありません。つまり、みんな同じ立場なのでございます。それに、先輩と言うのなら、この国での先輩は私になります。その事をよ~く考えて発言してください!」
「ば、バカな‼我らがお主の後輩じゃと?」
「ええ!それと言っておきますが、もし来年貴方達が採用試験に受かれば、一番の下っ端になる事を肝に銘じてくださいね」
「「「「「「なっ⁉」」」」」」
「あの娘を見てください?」
ムシュダルクはここで働く、今年採用された15歳の少女を指をさして話をつづけた。
「あの少女は今年、45倍と言われる採用試験を突破した人間です」
「それがどうかしたのか?」
「もし、来年貴方達が採用試験に受かれば、あの少女の下に貴方達の誰かが就く形になるのですよ?」
ムシュダルクの言葉に、元王国貴族達は言葉を失ったのだった。そして、わめき散らす始末だった。
「馬鹿者!何で儂等が、あんな若造に教えを請わねば……」
「何を言っているのです。来年になると、ここではあの少女の方が1年のキャリアを積むという事ですよ?」
「馬鹿な事を!わしは、この仕事を50年続けておるわ!あんな少女に教えてもらういわれはない!」
「それこそ、どうかしてますよ……」
「確かに、50年と言う経験は凄いかと思いますが、ここでは王国での経験は何の役にも立ちません!」
「無礼者が!」
「いいですか?貴方達は王国での経験はありますが、それはあくまでも貴族制度の中での話です。この国は、どれだけ国民達の生活が向上させれるかを議題に上げて政策するにあります」
「平民の為にだと?」
「平民ではありません!あなたを含めた国民のためです」
「そんなバカな事が……」
「多分、その考え方だと来年の採用試験の合格など夢のまた夢ですよ。悪い事は言いません。貴方も60歳を過ぎているのです。引退と言うのはおかしいですが、老後を静かにすごした方がいいと提案させていただきます」
「わ、わ、ワシが老後だと?」
「わしはまだ現役だ!そこの小娘などより役に立つわ!」
「いえ……貴方は、このままこの国の内政で働いたら必ず害になる」
「な、な、なんだと!貴様ぁ!ワシが大人しく聞いておればいい気になりおって!不敬罪に処すぞ!」
「あなたこそいつまで、自分が貴族と思っているのですか?ヒューマン国は、ここFreedom国だけになったのですよ?それにより実質ヒューマン族の貴族は滅亡したのです」
「むぐぐぐ!」
「もし、自分が貴族と言い張るなら、Freedom統一国家から出られた方がいい!他国で成りあがり、貴族として生きて行く事をお勧めいたします」
グランパス王国が滅亡し、実質ヒューマン族の貴族や王族は、ケンジの思惑通りすべて排除出来た形になった。これにより、今まで平民だった人間は貴族というものが無くなった事を理解し、心から平常心となったのである。
今までは、町のどこに貴族がいるのか分からないので、町の中では緊張感があった。貴族の前を横切っただけで不敬罪といわれ、酷いときには護衛の人間に叩き斬られることもあったからだ。
しかし、Freedom国の中ではそういう事は実質なくなった事になり、平民だった立場の人間は安心して街中を歩けるようになったが、貴族だった人間だけでなく元平民の人間までも調子に乗り、問題を起こすようになってきていた。
「貴様ぁ!貴族を横切るとは何事だ!」
「へっ!この国には貴族なんていねえ!オッサン何言ってんだよ」
「き、貴様無礼者が!不敬罪に処す」
貴族が腰のモノに手をかけたのだった。
「おいおい!そんな事で俺を殺したら、オッサンが罪に問われるぞ?」
今度は、平民だった人間の立場同じになった事で、新たな問題が出てきたのである。恐れを知らない平民だった人間が貴族だった人間を、煽り出す始末である。
その騒動に、町の衛兵達は大忙しに働いていたのである。人間というのは本当に厄介である。
「貴様達、それまでだ!町中で何を暴れている!」
「衛兵さん!待ってくれよ。俺は、そこの元貴族に言いがかりを受けただけだぜ!」
「貴様ぁ!お前が、俺の前を横切るからであろうが!」
「いつまで貴族気分でいやがる!この国にはもう!」
二人の主張を聞き、イチカは2人を怒鳴りつけた。
「お前達には反省をしてもらおう!お前たち二人を縛り上げよ!」
「「「「「はっ!」」」」」」
「ちょっと待てよ!なんで俺まで……」
「お前の言いたいことは分かるが、貴族がいなくなったことで、いい気になっていいとは誰も言っていない!」
「なっ⁉」
「お前のしたことは、元貴族を馬鹿にして手出しができない事を逆手に取り、今までの鬱憤を晴らしたに過ぎないだけだ。そんな事をすれば、今までの貴族が今度はお前達に代わるだけなんだぞ?分かっているのか?」
「そ、それは……」
「いいか?この国Freedom統一国家では、国民一人一人が理不尽な権力を受けないように、他人を尊重しあえる国にするのが、この国の王であるケンジ様が目指す目標だ!」
「だけどよ……今回、そこの元貴族が俺に言いがかりを!」
「それはそれでこちらがやる事であって、お前が理不尽な理由で煽っていい事にはならない!」
「そ、そんな‼」
二人は、イチカの指示のもと連行されたのだった。今回の事は、二人は衛兵達から厳重注意されおとがめなしになった。
元貴族には、この国では貴族は無いので早く自分の事を自覚し、国民と言う立場で接することを注意された。元平民の立場の男には、ケンジ直々に注意されたのである。
つまり今回は、貴族より平民の立場の人間の方が罪が重いと言われ、ケンジの前に出頭させられたのである。これには元平民の男は、こんな事になるとは思っておらず恐縮してしまった。
今まで、貴族達に虐げられていたことは分かるが、この国で貴族法が無いことを逆手に取り、いい気になっていたら取り返しのつかない事になると警告したのである。
これは、平民の男に執行猶予を与えたことになり、今度問題を起こした場合言い訳は通じず、すぐに禁錮刑だと言われたのだった
この裁きには、元貴族達から賞賛されたのはいう間でもなかった。まさか、貴族嫌いで有名なケンジが、元平民が貴族の前を横切って理不尽な言いがかりをした貴族より、元平民の男の方にお前が悪いと言い切ったからである。
この事で、元貴族達はケンジが平民達を贔屓することは無いと、思い始めるきっかけとなったのだ。
すぐさま冷静になったのである。
それほどまでに、国民達の意識の中では、他国であるFreedom国の方が安心感があったのである。
「聞いたか?」
「ああ!聞いた聞いた。遂に王国がつぶれたみたいだな?」
「だけど、この町にもすぐに、Freedomの使者が来てくれるらしいぞ」
「だけど、長年この町に住んでいたから名残惜しいな……」
「だけど、Freedomも中規模以下の町のフォローはできないらしいからな。大きな町に移り住んでくれと言う事らしいぞ?」
「俺達からしたらFreedom様様だよな」
「まあ、たしかに俺達だけでは移住が出来ないけど、大きな町に移り住めたら仕事があるらしいからな」
「ああ!」
「とにかく俺達平民に取ったら生活が楽になるらしいのは確からしい」
「早く、使者様が来てほしいな」
元王国領に住む平民達はあり得ない事だが、王国の滅亡を祝福までしていたのだ。
そして、当然だが王国がつぶれたことで慌てたのは貴族達である。
「一体どういうことだ!」
「我々の働き口がないなんてきいてないぞ?」
「そうだ!我々は今まで王国を支えてきたのだ」
「Freedom国で我らも雇ってくれ!」
元王国貴族達に、ムシュダルクが対応していた。
「何度も言いますが、今年人員は採用して内政の仕事はありません。来年採用試験に合格出来たら採用させていただきます」
「そんな試験せずとも大丈夫だ!我々は今まで王国の!」
「大丈夫かどうかはその採用試験で、こちらが決める事で貴方達ではありません」
「ムシュダルクよ。お主は王国では我らより下の階級だったはずじゃ。つまり我らの方が優秀だと言う事じゃ!」
「今はそんな過去の事は関係ありません!」
「なんだと!お主に基本や、色んなイロハを教えたのは我らであるぞ?」
「それらの恩はありますが、いまここでそれは関係のない事です!」
「何じゃと!その恩を今返すのが道理であろう!貴族としての先輩の言う事は素直に!」
「何を言っておられるもですか?このFreedom国に貴族なんて階級などありません。つまり、あなた方も平民と同じ、国民と言う立場です」
「「「「「無礼者が!我らが平民と申すか?」」」」」
「この国では貴族も平民もありません。つまり、みんな同じ立場なのでございます。それに、先輩と言うのなら、この国での先輩は私になります。その事をよ~く考えて発言してください!」
「ば、バカな‼我らがお主の後輩じゃと?」
「ええ!それと言っておきますが、もし来年貴方達が採用試験に受かれば、一番の下っ端になる事を肝に銘じてくださいね」
「「「「「「なっ⁉」」」」」」
「あの娘を見てください?」
ムシュダルクはここで働く、今年採用された15歳の少女を指をさして話をつづけた。
「あの少女は今年、45倍と言われる採用試験を突破した人間です」
「それがどうかしたのか?」
「もし、来年貴方達が採用試験に受かれば、あの少女の下に貴方達の誰かが就く形になるのですよ?」
ムシュダルクの言葉に、元王国貴族達は言葉を失ったのだった。そして、わめき散らす始末だった。
「馬鹿者!何で儂等が、あんな若造に教えを請わねば……」
「何を言っているのです。来年になると、ここではあの少女の方が1年のキャリアを積むという事ですよ?」
「馬鹿な事を!わしは、この仕事を50年続けておるわ!あんな少女に教えてもらういわれはない!」
「それこそ、どうかしてますよ……」
「確かに、50年と言う経験は凄いかと思いますが、ここでは王国での経験は何の役にも立ちません!」
「無礼者が!」
「いいですか?貴方達は王国での経験はありますが、それはあくまでも貴族制度の中での話です。この国は、どれだけ国民達の生活が向上させれるかを議題に上げて政策するにあります」
「平民の為にだと?」
「平民ではありません!あなたを含めた国民のためです」
「そんなバカな事が……」
「多分、その考え方だと来年の採用試験の合格など夢のまた夢ですよ。悪い事は言いません。貴方も60歳を過ぎているのです。引退と言うのはおかしいですが、老後を静かにすごした方がいいと提案させていただきます」
「わ、わ、ワシが老後だと?」
「わしはまだ現役だ!そこの小娘などより役に立つわ!」
「いえ……貴方は、このままこの国の内政で働いたら必ず害になる」
「な、な、なんだと!貴様ぁ!ワシが大人しく聞いておればいい気になりおって!不敬罪に処すぞ!」
「あなたこそいつまで、自分が貴族と思っているのですか?ヒューマン国は、ここFreedom国だけになったのですよ?それにより実質ヒューマン族の貴族は滅亡したのです」
「むぐぐぐ!」
「もし、自分が貴族と言い張るなら、Freedom統一国家から出られた方がいい!他国で成りあがり、貴族として生きて行く事をお勧めいたします」
グランパス王国が滅亡し、実質ヒューマン族の貴族や王族は、ケンジの思惑通りすべて排除出来た形になった。これにより、今まで平民だった人間は貴族というものが無くなった事を理解し、心から平常心となったのである。
今までは、町のどこに貴族がいるのか分からないので、町の中では緊張感があった。貴族の前を横切っただけで不敬罪といわれ、酷いときには護衛の人間に叩き斬られることもあったからだ。
しかし、Freedom国の中ではそういう事は実質なくなった事になり、平民だった立場の人間は安心して街中を歩けるようになったが、貴族だった人間だけでなく元平民の人間までも調子に乗り、問題を起こすようになってきていた。
「貴様ぁ!貴族を横切るとは何事だ!」
「へっ!この国には貴族なんていねえ!オッサン何言ってんだよ」
「き、貴様無礼者が!不敬罪に処す」
貴族が腰のモノに手をかけたのだった。
「おいおい!そんな事で俺を殺したら、オッサンが罪に問われるぞ?」
今度は、平民だった人間の立場同じになった事で、新たな問題が出てきたのである。恐れを知らない平民だった人間が貴族だった人間を、煽り出す始末である。
その騒動に、町の衛兵達は大忙しに働いていたのである。人間というのは本当に厄介である。
「貴様達、それまでだ!町中で何を暴れている!」
「衛兵さん!待ってくれよ。俺は、そこの元貴族に言いがかりを受けただけだぜ!」
「貴様ぁ!お前が、俺の前を横切るからであろうが!」
「いつまで貴族気分でいやがる!この国にはもう!」
二人の主張を聞き、イチカは2人を怒鳴りつけた。
「お前達には反省をしてもらおう!お前たち二人を縛り上げよ!」
「「「「「はっ!」」」」」」
「ちょっと待てよ!なんで俺まで……」
「お前の言いたいことは分かるが、貴族がいなくなったことで、いい気になっていいとは誰も言っていない!」
「なっ⁉」
「お前のしたことは、元貴族を馬鹿にして手出しができない事を逆手に取り、今までの鬱憤を晴らしたに過ぎないだけだ。そんな事をすれば、今までの貴族が今度はお前達に代わるだけなんだぞ?分かっているのか?」
「そ、それは……」
「いいか?この国Freedom統一国家では、国民一人一人が理不尽な権力を受けないように、他人を尊重しあえる国にするのが、この国の王であるケンジ様が目指す目標だ!」
「だけどよ……今回、そこの元貴族が俺に言いがかりを!」
「それはそれでこちらがやる事であって、お前が理不尽な理由で煽っていい事にはならない!」
「そ、そんな‼」
二人は、イチカの指示のもと連行されたのだった。今回の事は、二人は衛兵達から厳重注意されおとがめなしになった。
元貴族には、この国では貴族は無いので早く自分の事を自覚し、国民と言う立場で接することを注意された。元平民の立場の男には、ケンジ直々に注意されたのである。
つまり今回は、貴族より平民の立場の人間の方が罪が重いと言われ、ケンジの前に出頭させられたのである。これには元平民の男は、こんな事になるとは思っておらず恐縮してしまった。
今まで、貴族達に虐げられていたことは分かるが、この国で貴族法が無いことを逆手に取り、いい気になっていたら取り返しのつかない事になると警告したのである。
これは、平民の男に執行猶予を与えたことになり、今度問題を起こした場合言い訳は通じず、すぐに禁錮刑だと言われたのだった
この裁きには、元貴族達から賞賛されたのはいう間でもなかった。まさか、貴族嫌いで有名なケンジが、元平民が貴族の前を横切って理不尽な言いがかりをした貴族より、元平民の男の方にお前が悪いと言い切ったからである。
この事で、元貴族達はケンジが平民達を贔屓することは無いと、思い始めるきっかけとなったのだ。
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