異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

88話 優先順位

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 王国の貴族達は、Freedomの返答に騒然となった。王国としては、早急にでもNFGの開設をしてもらいたいのに、半年後に検討すると応答があったのだ。

「NFGは王国を潰すつもりなのか?」
「そんな馬鹿な!」
「王国を潰してNFGに何の得が……」
「キース王!これはFreedom国に直接連絡した方がいいのでは?」
「そうだな……NFGはFreedom国の管轄だ。Freedom国から、NFGに圧力をかけてもらった方がいいかもしれん!」

 キース王はすぐさま、Freedom国に苦情を入れたのだった。しかし、Freedom国の返答は、NFGがそう言うなら半年後に検討するとのことだった。

「どういう事だ!Freedom国が、NFGの言う事に賛同したというのか?」

 キース王は、半年後に検討しろと指示を出した本人が、ケンジだと思ってもいなかったのだ。その為、Freedom国が管轄しているNFGの言い分を肯定するとは思っていなかったのだ。
 王国からすれば当然、Freedom国がNFGを管理しているのだから他国に進出させることで、ギルドの売り上げが上がる為、王国領に進出させろと圧力をかけると思っていたのだった。

「私達にも、どういう事かわからないのです……」
「絶対に王国領にNFGを進出させた方が、Freedom国に外貨が入るはずなのに……」
「侯爵!今すぐに、Freedom国に面会要請を出すのだ!」
「は、はい!分かりました!」

 キース王は、侯爵に書簡を送る手配をさせ、宰相と公爵とFreedom国の真意を話し合っていたのだった。

 そして、Freedom国ではグランパス王国からの面会要請が、1週間毎日のように届くことになり鬱としくおもっていた。

「ケンジ様……ちょっといいですか?」

「ムシュダルクさん、言わなくてもいいよ。どうせ、王国からだろ?」

「えぇ!その通りです。いつまで放って置くつもりですか?」

「俺は、半年と言ったはずだが?」

「ここのところ毎日、王国から面会要請がきているのですよ?」

「俺は、王国を滅亡させようとしているのだぞ?今更、面会をしてなにをするつもりなんだ?」

「それはそうなのかもしれませんが、国との交流ですよ?」

「うん、それは分かるがその交流とは先がある国との交流だよな?」

「それでもですよ。このままギリギリになるまで王国を放って置いた事実は後々しこりが残る物です。だったら、一回ぐらい面会を承諾しておいた方がよろしいかと思います!」

「な、なるほど……そういう考え方もあるかもしれないな」

「分かってもらえましたか?」

「だけど、本当にいいのか?」

「どういう事ですか?」

「俺の気持ちは、もう固まっているのは分かったうえで、面会に応じるって事の意味だよ?」

「それは……」

「ああ!王国の寿命が縮まるって事なんだよ?俺が半年と言った期間は、殆どのNFGの各支部に転移マットが配置出来ると思う期間だ。半年後以降は、海を越えた地域に配置していくまでの時間稼ぎなんだよ?」

「……つまり、それらが片づいてから王国を整理しようと?」

「まあ、そうだな!」

「なぜそこまで……」

「Freedom国は、貴族や平民の廃止を謳って、急ピッチに進行しているがやっぱり時間は必要だ!ここに至って、王国の事情などFreedomにとって煩わしいものでしかないのは分かるよな?」

「はい……」

「今、こうして苦情を言ってきているのは王国の王族や貴族だ。これが仮に王国の国民達なら、すぐに面会を承諾しただろうけどな」

「はぁあ?国民が、国に面会要請など普通はしませんよ?」

「普通はな……けど、この国ではNFGの意見や学校で不平不満があれば、国が動いているじゃないか?それと一緒だよ」

「ですが……今、話しているのは他国の平……いや、国民ですよね?」

「Freedomは、ヒューマン国の統一国家を目指しているはずだろ?だったら、王国の国民達はいずれFreedom国民になるじゃないか」

「た、確かにそうですが……」

「いいかい?話を戻すが、王国の面会を受けると言う事は、王国の命運はその地点で尽きるという事だ。俺は容赦なく王国を追い詰めて崩壊させるよ」

「だけど、そんな簡単に王国が……」

「いいや!俺達に拒否された王国に生き残るすべはないよ」

「なぜですか?」

「そんなの当り前じゃないか!NFGがひょっとしたらまだ進出してくれるかもと、中規模以下の町は期待しているんだぞ。だけど、面会に応じたたら俺は前のギルドを潰した要因である王国を容赦なく責め立てる」

「……」

「王国が、ギルドを潰したことによってFreedomがギルドの借金を肩代わりして、王国領の町の結界を張った事でいらぬ迷惑をかけられたとね」

「そ、それは……」

「そうなった時、王国領の国民はどうなるか?Freedomが手を下すまでもなく、暴動が起きるか更に国民は出国するんじゃないかな?」

「では、ケンジ様は滅亡を早めない為に?」

「馬鹿な事を……おれはそんなこと一度も考えた事ないよ。ひょっとしてムシュダルクさんは、元王国貴族だったから王国に未練が残っているのか?」

「いえ……そういう訳ではないのですが、やはり滅亡は間逃れないのですか?」

「今となったらどう考えても無理だろ?それに俺は、貴族達を廃止させる為に動いている。それに、ムシュダルクさんも王国でいた時に納得いかない事もいっぱいあったんじゃないのか?」

「そ、それは……」

「確かに古巣だった王国が滅亡するというのは、受け入れがたい事実だと思うが、この国にいて貴族が必要だと思うか?」

「貴族はみんながみんな、ケンジ様が思う様な人間ばかりではないかと……」

「それは分かっているよ。俺が言っているのは上級民族と思い上がっている貴族の事を言っているんだよ。貴族位など必要ないだろ?ムシュダルクさんは今でも自分は貴族だと思って、今の仕事している訳ではあるまい?」

「それはそうですが……」

「優秀な貴族達は、貴族位など必要ないんだよ。それに国民の中には、今まで貴族しか出来なかったと思い込んでいた仕事を、ちゃんとこなせる人間がたくさんいると言っているんだよ。その為に、貴族位と言う制度が邪魔なんだ」

「はい……」

「Freedom国は貴族位を無くし、国民と奴隷達の生活水準をあげて裕福な人間ばかりにすることで、国を発展させるのが目的なんだ」

「わ、わかりました」




「それが軌道に乗れば……」

「何か言いましたか?」

「いや、別に……それより、王国の面会を受けるのなら、ムシュダルクさんの仕事が増えることになるが本当にいいんだな?」

「何が増えるというのですか⁉」

「そんなの当り前だろ?王国の滅亡が早まり、Freedom国に吸収される事になるんだぞ?予算を組み直して、王国領を建て直さないといけないだろ?」

「えええ!」

「だから、俺は半年の間NFG支部の転移マットだけでも済ませたいと言っていたんだよ。それからゆっくり王国を始末していくつもりだったんだ。しかし、今王国と面会したら、これらの事を同時進行することになるから、しんどくなると言っているんだ」

「わ、分かりました!王国の方は、先延ばしさせておきます!」

 ムシュダルクは慌てて、ケンジの案に乗ったのだった。ここまで言われて、優先順位を王国にするいわれはなく、Freedom国内の方にするのが当然とばかりに、王国へは半年後以降の面会と言い続けたのだった。


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