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第10章 Freedom国、経済の中心へ!
86話 ギルドの新たな出発
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アーチェ達ギルド関係者は、Freedomに勝っているものが、ギルドにあるのか興味津々だった。
「それは何ですか?」
「なあ、いきなりで悪いんだが、ギルドを聖教国や帝国のように潰さないか?」
ケンジの言葉に、アーチェ達は変な声が出た。そして、しばらくの間ギルド関係者たちは、思考が停止したのである。
「何を馬鹿な事を!潰さない為に、こうして援助を求めているんじゃ……」
「だが、あんた達ではもう無理だろ?この間の時でも押収品だけでなんとかなると意気揚々として帰還し、想定外のことが起こったからと言って一年もせずこうして援助を求めてくる感じだ」
「そ、それは……」
「今回、俺は同等の立場を強調し話していたが、それでもあんた達はFreedomに依存しようとしている。俺としては、もう潮時なんかじゃと思っているんだよ」
「潮時ってどういう事ですか?それにギルドを潰したらどういう事になるか。分かっているのですか?」
「仮にだ!俺達Freedomが援助をして、今回又乗りきったとしてもまた違う事で想定外が起こったと言い、援助を求めてくるのが目に見えて分かるから、俺としてはもう鬱としいんだよな」
「鬱としい……」
「いいか?何回も言うが、同等の立場の組織に、俺が何回も介入するのは普通の事なのか?そんなのに金を使うなら自分の国を裕福にする為の努力をしたいんだよ?」
「だ、だけど……あたし達は、Freedomに見捨てられては!」
「見捨てるも何も、俺達からしたら他人事なんだよ?」
「だったらどうしたら?」
「まだわからないかい?」
「なにがですか?」
「今の状況がだよ。どこかで、見たような感じがしないかい?そして、Freedomに自分達が何をすれば得になると思う?」
「ま、まさか……ギルドを潰せと言うのは……」
「そうだよ!あんた達ではもう役不足だ。聖教国や帝国のようにな」
「そんな……」
「俺達Freedomギルドに吸収されなよ。そうすることで、俺達Freedomはなんのわだかまりもなくギルド経営ができるからさ」
「ですが、赤字ギリギリのギルドを吸収することで、Freedomに何のメリットが?」
「そこが、ギルドが持っているFreedomにない強みだよ」
「そんなものが……」
「まだ、分からないのかよ?ギルドの強みは、販売網と数多くの人員だよ。これを手に入れる事で、Freedom盤石になるんだよ」
「ギルドは、どこの国にも関与されない組織が崩れるというのですか?」
「ホント、馬鹿だな……関与されないというなら、Freedomに援助など求める事もないし、王国の要求も突っぱねる事も出来るじゃないか?」
「そ、それは……」
「いいか?そんな都市伝説のようなギルドはもうないって事を自覚しなよ。このままでは、早いうちにギルドは倒産するよ」
「だから、それをしない為に!」
「ギルドが、この条件を飲めないというならFreedomは手を貸すつもりはないよ。今ギルドが本拠地に置いている、魔人が治める国に助けを求めたらどうだと提案してあげるよ」
そんなことは、アーチェ達もとっくに提案していたが、魔人達に断られていたのである。
「それに、もう一つ言っておいてやるよ。ギルドがなぜこうなってしまった原因は、ギルドマスターとその幹部の存在だ。あいつ等を何とかしないと、何回も同じことの繰り返しだよ」
「そんな事言っても……」
「そうだよ!ギルドは大陸一の大きな組織になり過ぎたんだよ。だから、本部から目が届かない遠くの支部は、権力者達がやりたい放題なんだ」
「ですが……それはFreedomも……」
「そんなわけないだろ?Freedomがギルドを吸収すれば、いつでも目の届く範囲になる!まあ、その中でも見つからない様にコソコソする人間はいるだろうが、今のギルドよりはずっとマシと言うもんさ!」
ケンジの言葉を聞き、アーチェ達は転移マットの事を思い出した。あの魔道具があれば、連絡が一瞬で済み大陸の端から端であっても、時間は全くかからないのだ。
ケンジの目が、何時でも光っている状態になり、今回の王国支部のような不祥事はもっと早くわかることになり、潰れる一歩手前まで分からない状態にはなっていなかったと、アーチェ達も納得するしかなった。
「ぐう……」
アーチェ達は、何とか資金援助をだけを求めたが、ケンジの言う様にFreedomにメリットが無い限り動く気配すらなかった。
「別に、俺としてはギルドが崩壊しても何の問題はないんだが、ギルドを救ってくれとそちら側からの要請で動くのなら、自分が得になるようにしか動かないから諦めてくれ」
「だけど!」
「いいか?君達には本当なら選択肢なんてないと考えるのが普通なんだよ?だけど、Freedomが動くことによって、ギルドは吸収される事になるが別に崩壊するわけじゃないんだ」
「吸収合併って事は、今のギルドは無くなる事じゃないですか」
「いいか?よく考えるんだ。Freedomは、ギルドがつぶれようがどうなろうが知った事ではないのは分かるよな?」
「……」
「だとしたら、Freedomは、ギルドがタダ援助してくれと言われても、その重い腰はまず、上げる事はしないよ。と、言う事は、近々ギルドは経営不振となり潰れる事になるんだ?」
「そ、そんなことわかっていますよ!」
「だが、ここで君達がギルド自体をFreedomに委ねて、吸収合併すれば経営陣は見直され、従業員たちはそのまま雇われて、各町のギルドもそのまま経営続行される事になる」
「王国はどうなるのですか?」
「何を言ってんだよ!王国が無茶を言ったおかげで、ギルドは経営が出来なくなったんだぞ?そんなの新生ギルドの知った事じゃないさ!」
ケンジは、こんな事を言っていたが、この後の事をちゃんと予想していて心の中でほくそ笑んでいた。
「そ、そんな!ケンジ様は王国を見捨てるおつもりですか?」
「お前が言うなよ!契約書が無ければ、ギルドは王国の結界を突っぱねるつもりだったはずだろ?」
「そ、それは……」
「それに、もし王国から何か言ってきたとしても、Freedomはビクともしないよ」
「ビクともしないって……」
「町の結界に、必要なインゴットは俺の得意分野だ。ギルドもインゴットには、俺に散々振り回されていたんじゃないのか?」
「それはそうですが、王国の町は30はあります。単純計算で、オリハルコンとアダマンタイトのインゴットは、各480本は必要とされるのですよ」
オリハルコンとアダマンタイトのインゴットを、錬金術士が錬成をして伝説のインゴットヒイロカネを完成させるのである。
その際、錬成の成功率は25%あればいい方であり、失敗の本数をいれて置かねばならないのだ。
「たかが480本ぐらいで何を言ってんだよ」
「何を言っているのですか⁉48本じゃないんですよ?」
「あのなあ、俺は権力者達いや、国や組織を相手にこれまで自由を貫いてきた人間だぞ?仮に、そのインゴットが4800本と言われてもなんとかする実力は持っているつもりだ‼」
「そんな強がっても!」
「それに、その本数は錬成が失敗した時の事を考えての本数だよな?」
「まさか、ケンジ様は失敗しないとでもいうのですか?」
「まさか……錬成は、本当に難しい技術だ。誰がやっても失敗はつきものだよ」
「だったら、インゴットの本数はそれなりにいるではありませんか?」
「まだわからないのか?俺は、暴力でない力を得るために頑張っていたと言っていただろ?」
「はっ?」
「俺達Freedomは錬成なんかしなくとも、ヒイロカネ鉱石を採掘する事が出来るんだよ」
「「「「「はぁあ?」」」」」」
ケンジの言葉に、ギルド関係者たちは気の抜けた声が漏れた。
「そんなの嘘です!ヒイロカネは伝説級の鉱物ですよ?今まで誰も掘れた試しがありません!だからこそ、錬成で製作していたんじゃありませんか」
「じゃあ、これを見て見な?」
ケンジは、懐から出すようにヒイロカネ鉱石をインベントリから出した。それを見て、鑑定をしたギルド関係者は驚愕するのだった。
その鉱石には、ヒイロカネ含有量がたしかに示されていたからだ。これを炉で、精製すればヒイロカネインゴットが出来ることが分かったからだ。
「ま、まさか……本当に、ヒイロカネが採掘できるとは……」
「これで分かっただろ?そんな失敗する本数を予定にいれないことがさ」
「何で、今までこの事を、発表なさらなかったのですか?この情報があれば、世間での町の結界システムはもっと手軽に!」
「だって俺には関係ないじゃん!これはFreedomの中で活用できれば良い事であって、他国にするメリットなんかないだろ?」
アーチェ達は、ケンジが恐ろしくなっていた。歴代のギルドマスター達は、こんな相手にいきり立っていたことが分かり、その場に崩れ落ちたのだった。
「こんな相手に……対等の立場を貫けという方が無理です……」
アーチェは心が折れたのだった。ギルドは、Freedomに吸収させて、Freedomギルドに任せる選択をしたのだった。
「アーチェさん!何を口走っているのですか?ギルドがなくなってもよろしいのですか?」
「貴方達、今の鉱石を見たのにまだわからないのですか?」
「な、何を……」
「Freedomには、いえ……ケンジ様には、まだ隠されている事があると言っても過言ではありません」
「だから、何を言っているのですか?」
「あの、神鋼魔石もその一つと言ってもいいでしょう!そんな相手にこれからずっと対等な立場を、貴方達は貫けるのですか?あたしには無理です!」
(さすがアーチェだ!ヒイロカネ鉱石を見せただけで、それより上級鉱石の事を分かったみたいだな)
「だったら、ギルドをFreedomギルドに吸収させてもらい、これから起こるであろう不測の事態を、色んな意味で安定を図った方がいいと思います!」
「ですが、ギルドがなくなれば我々は!」
「それは大丈夫ですよね?ケンジ様」
「ああ!よく分かっているじゃないか?いきなり大陸中に展開しているギルドを、Freedomだけで維持ができるわけがない。あんた達も、今まで通り新生ギルドで働いてもらう」
「ですが、王国の件はどうなるのですか?」
「貴方はまだわからないのですか?何でケンジ様が、ヒイロカネ鉱石をあたし達に見せたのかを!」
「どういう事ですか?」
「ヒイロカネ鉱石は、Freedomにとって隠し玉の一つですよ?今まで誰も採掘できなかった鉱物です。これは言ってみたら機密情報の一つですよ」
「あっ……」
「そういう事だ!王国の結界はFreedomギルドとしての責任で、俺が守ってやるから安心しろ!そして、王国には、その礼を後日叩きつけてやる」
アーチェは、ケンジの考えていたことがようやく理解できたような気がした。ケンジは、徹底的に貴族や権力者を排除するつもりで行動していた事を理解したと同時に、暴力でない力を求めていたのがこの為だと、理解したのである。
そして、今度はこの町の結界を元に、王国がいや王国の王族や貴族、権力者達が滅亡することになる事を。
「それは何ですか?」
「なあ、いきなりで悪いんだが、ギルドを聖教国や帝国のように潰さないか?」
ケンジの言葉に、アーチェ達は変な声が出た。そして、しばらくの間ギルド関係者たちは、思考が停止したのである。
「何を馬鹿な事を!潰さない為に、こうして援助を求めているんじゃ……」
「だが、あんた達ではもう無理だろ?この間の時でも押収品だけでなんとかなると意気揚々として帰還し、想定外のことが起こったからと言って一年もせずこうして援助を求めてくる感じだ」
「そ、それは……」
「今回、俺は同等の立場を強調し話していたが、それでもあんた達はFreedomに依存しようとしている。俺としては、もう潮時なんかじゃと思っているんだよ」
「潮時ってどういう事ですか?それにギルドを潰したらどういう事になるか。分かっているのですか?」
「仮にだ!俺達Freedomが援助をして、今回又乗りきったとしてもまた違う事で想定外が起こったと言い、援助を求めてくるのが目に見えて分かるから、俺としてはもう鬱としいんだよな」
「鬱としい……」
「いいか?何回も言うが、同等の立場の組織に、俺が何回も介入するのは普通の事なのか?そんなのに金を使うなら自分の国を裕福にする為の努力をしたいんだよ?」
「だ、だけど……あたし達は、Freedomに見捨てられては!」
「見捨てるも何も、俺達からしたら他人事なんだよ?」
「だったらどうしたら?」
「まだわからないかい?」
「なにがですか?」
「今の状況がだよ。どこかで、見たような感じがしないかい?そして、Freedomに自分達が何をすれば得になると思う?」
「ま、まさか……ギルドを潰せと言うのは……」
「そうだよ!あんた達ではもう役不足だ。聖教国や帝国のようにな」
「そんな……」
「俺達Freedomギルドに吸収されなよ。そうすることで、俺達Freedomはなんのわだかまりもなくギルド経営ができるからさ」
「ですが、赤字ギリギリのギルドを吸収することで、Freedomに何のメリットが?」
「そこが、ギルドが持っているFreedomにない強みだよ」
「そんなものが……」
「まだ、分からないのかよ?ギルドの強みは、販売網と数多くの人員だよ。これを手に入れる事で、Freedom盤石になるんだよ」
「ギルドは、どこの国にも関与されない組織が崩れるというのですか?」
「ホント、馬鹿だな……関与されないというなら、Freedomに援助など求める事もないし、王国の要求も突っぱねる事も出来るじゃないか?」
「そ、それは……」
「いいか?そんな都市伝説のようなギルドはもうないって事を自覚しなよ。このままでは、早いうちにギルドは倒産するよ」
「だから、それをしない為に!」
「ギルドが、この条件を飲めないというならFreedomは手を貸すつもりはないよ。今ギルドが本拠地に置いている、魔人が治める国に助けを求めたらどうだと提案してあげるよ」
そんなことは、アーチェ達もとっくに提案していたが、魔人達に断られていたのである。
「それに、もう一つ言っておいてやるよ。ギルドがなぜこうなってしまった原因は、ギルドマスターとその幹部の存在だ。あいつ等を何とかしないと、何回も同じことの繰り返しだよ」
「そんな事言っても……」
「そうだよ!ギルドは大陸一の大きな組織になり過ぎたんだよ。だから、本部から目が届かない遠くの支部は、権力者達がやりたい放題なんだ」
「ですが……それはFreedomも……」
「そんなわけないだろ?Freedomがギルドを吸収すれば、いつでも目の届く範囲になる!まあ、その中でも見つからない様にコソコソする人間はいるだろうが、今のギルドよりはずっとマシと言うもんさ!」
ケンジの言葉を聞き、アーチェ達は転移マットの事を思い出した。あの魔道具があれば、連絡が一瞬で済み大陸の端から端であっても、時間は全くかからないのだ。
ケンジの目が、何時でも光っている状態になり、今回の王国支部のような不祥事はもっと早くわかることになり、潰れる一歩手前まで分からない状態にはなっていなかったと、アーチェ達も納得するしかなった。
「ぐう……」
アーチェ達は、何とか資金援助をだけを求めたが、ケンジの言う様にFreedomにメリットが無い限り動く気配すらなかった。
「別に、俺としてはギルドが崩壊しても何の問題はないんだが、ギルドを救ってくれとそちら側からの要請で動くのなら、自分が得になるようにしか動かないから諦めてくれ」
「だけど!」
「いいか?君達には本当なら選択肢なんてないと考えるのが普通なんだよ?だけど、Freedomが動くことによって、ギルドは吸収される事になるが別に崩壊するわけじゃないんだ」
「吸収合併って事は、今のギルドは無くなる事じゃないですか」
「いいか?よく考えるんだ。Freedomは、ギルドがつぶれようがどうなろうが知った事ではないのは分かるよな?」
「……」
「だとしたら、Freedomは、ギルドがタダ援助してくれと言われても、その重い腰はまず、上げる事はしないよ。と、言う事は、近々ギルドは経営不振となり潰れる事になるんだ?」
「そ、そんなことわかっていますよ!」
「だが、ここで君達がギルド自体をFreedomに委ねて、吸収合併すれば経営陣は見直され、従業員たちはそのまま雇われて、各町のギルドもそのまま経営続行される事になる」
「王国はどうなるのですか?」
「何を言ってんだよ!王国が無茶を言ったおかげで、ギルドは経営が出来なくなったんだぞ?そんなの新生ギルドの知った事じゃないさ!」
ケンジは、こんな事を言っていたが、この後の事をちゃんと予想していて心の中でほくそ笑んでいた。
「そ、そんな!ケンジ様は王国を見捨てるおつもりですか?」
「お前が言うなよ!契約書が無ければ、ギルドは王国の結界を突っぱねるつもりだったはずだろ?」
「そ、それは……」
「それに、もし王国から何か言ってきたとしても、Freedomはビクともしないよ」
「ビクともしないって……」
「町の結界に、必要なインゴットは俺の得意分野だ。ギルドもインゴットには、俺に散々振り回されていたんじゃないのか?」
「それはそうですが、王国の町は30はあります。単純計算で、オリハルコンとアダマンタイトのインゴットは、各480本は必要とされるのですよ」
オリハルコンとアダマンタイトのインゴットを、錬金術士が錬成をして伝説のインゴットヒイロカネを完成させるのである。
その際、錬成の成功率は25%あればいい方であり、失敗の本数をいれて置かねばならないのだ。
「たかが480本ぐらいで何を言ってんだよ」
「何を言っているのですか⁉48本じゃないんですよ?」
「あのなあ、俺は権力者達いや、国や組織を相手にこれまで自由を貫いてきた人間だぞ?仮に、そのインゴットが4800本と言われてもなんとかする実力は持っているつもりだ‼」
「そんな強がっても!」
「それに、その本数は錬成が失敗した時の事を考えての本数だよな?」
「まさか、ケンジ様は失敗しないとでもいうのですか?」
「まさか……錬成は、本当に難しい技術だ。誰がやっても失敗はつきものだよ」
「だったら、インゴットの本数はそれなりにいるではありませんか?」
「まだわからないのか?俺は、暴力でない力を得るために頑張っていたと言っていただろ?」
「はっ?」
「俺達Freedomは錬成なんかしなくとも、ヒイロカネ鉱石を採掘する事が出来るんだよ」
「「「「「はぁあ?」」」」」」
ケンジの言葉に、ギルド関係者たちは気の抜けた声が漏れた。
「そんなの嘘です!ヒイロカネは伝説級の鉱物ですよ?今まで誰も掘れた試しがありません!だからこそ、錬成で製作していたんじゃありませんか」
「じゃあ、これを見て見な?」
ケンジは、懐から出すようにヒイロカネ鉱石をインベントリから出した。それを見て、鑑定をしたギルド関係者は驚愕するのだった。
その鉱石には、ヒイロカネ含有量がたしかに示されていたからだ。これを炉で、精製すればヒイロカネインゴットが出来ることが分かったからだ。
「ま、まさか……本当に、ヒイロカネが採掘できるとは……」
「これで分かっただろ?そんな失敗する本数を予定にいれないことがさ」
「何で、今までこの事を、発表なさらなかったのですか?この情報があれば、世間での町の結界システムはもっと手軽に!」
「だって俺には関係ないじゃん!これはFreedomの中で活用できれば良い事であって、他国にするメリットなんかないだろ?」
アーチェ達は、ケンジが恐ろしくなっていた。歴代のギルドマスター達は、こんな相手にいきり立っていたことが分かり、その場に崩れ落ちたのだった。
「こんな相手に……対等の立場を貫けという方が無理です……」
アーチェは心が折れたのだった。ギルドは、Freedomに吸収させて、Freedomギルドに任せる選択をしたのだった。
「アーチェさん!何を口走っているのですか?ギルドがなくなってもよろしいのですか?」
「貴方達、今の鉱石を見たのにまだわからないのですか?」
「な、何を……」
「Freedomには、いえ……ケンジ様には、まだ隠されている事があると言っても過言ではありません」
「だから、何を言っているのですか?」
「あの、神鋼魔石もその一つと言ってもいいでしょう!そんな相手にこれからずっと対等な立場を、貴方達は貫けるのですか?あたしには無理です!」
(さすがアーチェだ!ヒイロカネ鉱石を見せただけで、それより上級鉱石の事を分かったみたいだな)
「だったら、ギルドをFreedomギルドに吸収させてもらい、これから起こるであろう不測の事態を、色んな意味で安定を図った方がいいと思います!」
「ですが、ギルドがなくなれば我々は!」
「それは大丈夫ですよね?ケンジ様」
「ああ!よく分かっているじゃないか?いきなり大陸中に展開しているギルドを、Freedomだけで維持ができるわけがない。あんた達も、今まで通り新生ギルドで働いてもらう」
「ですが、王国の件はどうなるのですか?」
「貴方はまだわからないのですか?何でケンジ様が、ヒイロカネ鉱石をあたし達に見せたのかを!」
「どういう事ですか?」
「ヒイロカネ鉱石は、Freedomにとって隠し玉の一つですよ?今まで誰も採掘できなかった鉱物です。これは言ってみたら機密情報の一つですよ」
「あっ……」
「そういう事だ!王国の結界はFreedomギルドとしての責任で、俺が守ってやるから安心しろ!そして、王国には、その礼を後日叩きつけてやる」
アーチェは、ケンジの考えていたことがようやく理解できたような気がした。ケンジは、徹底的に貴族や権力者を排除するつもりで行動していた事を理解したと同時に、暴力でない力を求めていたのがこの為だと、理解したのである。
そして、今度はこの町の結界を元に、王国がいや王国の王族や貴族、権力者達が滅亡することになる事を。
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